阪神鳥谷 記録止まった夜、家族の嗚咽で心に再び火
[2018年10月5日10時50分 ]
https://www.nikkansports.com/baseball/news/201810050000359.html

<阪神1−2ヤクルト>◇4日◇甲子園
 これが到達点ではない。だから阪神鳥谷敬内野手(37)は表情を緩めることなく、
控えめに右翼席へ頭を下げた。

 1点を追う5回2死二塁。大歓声の中、代打登場で初球フォークを二遊間にはじき返
した。「なんとかつなごうと思って。ヒットになって良かったです」。試合を振り出
しに戻す適時打は、球団最多記録を更新する通算2065回目の快音となった。

 今季は長すぎる道のりを、歯を食いしばって歩んできた。ベンチスタートが当たり
前になった5月下旬。突然、甲子園のロッカールームにあった荷物を一斉に片付け、周
囲を騒然とさせた。通算2000安打のトロフィーも記念バットも車に詰め込んだ。人知
れず覚悟を決めた1日だった。

 「自分から『2軍に行かせてください』と伝えようかとも思った。でも、それは選手
が決めることじゃないよなとか、それは自分の勘違いなんじゃないかとか、いろいろ
悩んで…。とにかく、もう2軍に落とされても仕方がないと考えて、荷物を整理した」