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 変わる−。指揮官の期待は痛いほどわかっていた。最高気温24度に達した甲子園。
不振の大山が汗を散らし、バットを振った。88スイングで左翼方向に放った打球は
実に66本。そのうち、サク越えは6本を数えた。練習後、本人は無言を貫いたが、
白球が描いた軌道が雄弁に語っていた。

 午前11時から始まった全体練習。若虎はグラウンドでのウオーミングアップを終
えると、室内にこもって約1時間の振り込み。その後、屋外でのフリー打撃を行い、
変革の一端をのぞかせた。ときに片岡ヘッド兼打撃コーチに助言を仰ぎ、左足への体
重移動を念頭に置いてスイング。打球を捉えるポイントを何度も確認した。