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日本ハムは14日、大野奨太捕手(2008日ハム1位)の中日へのFA移籍に関して、人的補償ではなく金銭補償を求めることを発表したが、その裏で実はとんでもないことが起こっていた。

これは東京スポーツのスクープだったが、日本ハムがプロテクトから外れていた中日・岩瀬仁紀投手(1998中日2位)を人的補償で指名する動きをみせ、本人が移籍を拒否。最終的に金銭補償に落ち着くというドタバタが起こっていたのだ。

発端は中日フロントの甘さだった。43歳で兼任コーチとなった岩瀬が人的補償で指名されるはずがないと、たかをくくったのか。いずれにしてもプロテクトから外したことで問題は起こった。

野球協約ではプロテクトから外れて指名を受けた選手が、移籍を拒否すると資格停止選手となる。今回は日本ハムが金銭補償に切り替え、岩瀬は実質的に引退に追い込まれる事態にはならなかった。
しかし、人的補償を伴う、現行のFA制度の根幹を揺るがす問題だったのは間違いない。

FA移籍による人的補償は、普通のトレードとは違って、なじめないものがある。移籍する選手にも、補償となる選手にも、わだかまりが残る。
西武から巨人に移籍した片岡治大内野手(2004西武3巡目)が、補償となった脇谷亮太内野手(2005巨人5巡目)に直接、謝罪したのは有名な話だ。

移籍を機に他球団で花開く選手ももちろんいるが、人を補償の対象とすることには、やはり違和感がある。それならばメジャーのように、翌年のドラフトの指名権を補償にする方がスッキリする。

1巡目の指名権となると、どのチームもFA補強に尻込みして、市場が停滞するかもしれない。
そこで、例えばAランク選手には2巡目プラス金銭か、または2、4巡目の指名権など、即戦力と将来性をてんびんにかけて補強の知恵を絞ってもらう形がいい。
いずれにしても補償が人ではなくなることが大切なのである。

いくら球団の商品といっても、選手は生身の人間だ。人ではなく、ドラフトの権利を補償にする方が、移籍にわだかまりもないと思うが、いかがだろうか

〜サンスポ インサイドレポート