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 今振り返れば、晩年だった近年も変わらず夢を語っていた。もう“時効”の出来事も
ある。実は昨年、星野氏は多くのアマチュア関係者とも積極的に話していたという。
現在でも基本的にプロとアマは許可がない限り「接触」は禁止。しかし、人生の終わ
りが近づいてきていることを知って事を急いだのだろう。残された時間がわずかなが
ら、それまで面識がなかったアマチュア関係者に対しても一人、一人にアマチュアの
現状や未来などの意見を真剣に聞いていたという。

 「初めて話しましたけど、すごい方です。本当に野球界全体のことを考えておられ
た。あそこまでの方なのに、私以上に野球界のことを考えておられた」

 現在はアマチュア球界の現場を離れた、ある人は星野氏の情熱に引き込まれ忘れか
けていた野球への熱意を思い出していた。昨年1月16日、殿堂入りが発表された際
にも野球の普及活動、発展について言及。受賞会見では野球界の未来について多くを
語った。「野球界全体。子どもたちの底辺拡大。高校、大学、社会人も結集して、野
球界が1つになっていくことを後押ししたい」。また、昨年11月、12月に東京と
大阪で開催された殿堂入りパーティーの壇上でも悲願達成の実現を夢に見ていた。