大和＝黒銀次
銀次＝白大和
である、それは揺るぎない史実である。
黒銀次が白大和に見えたあのころが懐かしくなり遠目に黒銀次の守備を見る。
あれ？言うほどうまいかね、俺はそう思った。しかしどうだろう？
守備につく白大和を目で追うと見切れた二塁上に同じ白大和の姿があった。
俺は目を疑った。おかしいどっちかホントの黒銀次なんだ？
いや、俺が見ているのは白銀次？いや白銀次は銀次だから黒大和のことは無視して黒銀次を探せばいいんだ。
ダメだ、俺はもう頭がモノトーンのサイケだ。
大和が日本なら銀次は異国、ということは日本の銀次は大和にとっての異国であり、
長渕は米国の金次ということになる。
くゆらせた鈍色の煙をゆっくりとハイに落としこみ、溜めたそれを暫く息を止めそして一気に吐き出した。
目が充血し均衡の取れなくなった俺は必死にバットを振った。バットを振る音が夜空にこだまする。
これはとんでもない事になるなと思った。そしてそのまま倒れ込むように眠ってしまった。
翌日、ベンチで冷たくなっているジャフェットが発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った
