2017年9月22日8時54分
ソフトB、広島に見る「育成の難しさ」と若虎の未来
https://www.nikkansports.com/baseball/column/bankisha/news/201709190000678.html

 昨年まで担当したソフトバンクの工藤監督は選手育成を語る時、「ホップ、ステップ、
ジャンプ」と三段階を重要視する。土台を固め、助走し、能力を大きく開花させる。つ
まり一流選手になるには、3年は必要で、一足飛びでスター選手になるのは、限られて
いる。それだけプロの世界で毎年続けて結果を残すのは難しい。

 2連覇を達成した広島の戦力の充実は疑いようがない。特に20代の選手の躍進はめ
ざましく、黄金時代の到来と表されるのも当然だ。しかし彼らとて、右肩上がりで成績
を残したわけではない。4位に終わった15年には、丸や菊池は前年から大きく成績を
落としている。ホップの後に、試練を乗り越え、ステップ、ジャンプが待っていた。

 阪神を見れば、昨年結果を残した高山、原口がレギュラーに定着できずに、苦しんだ。
しかしこれを乗り越えれば、大きなステップを踏めるかもしれない。主軸に抜てきされ
た中谷や大山は来季に次の段階に行けるのだろうか? いずれにせよ、こういった若虎
がジャンプする時を迎えなければ、打倒広島は実現しない。育成の道は1日にしてなら
ず−。リーグの覇者を見て、そう感じずにはいられない。