【甘口辛口】鳥越氏出馬の影響か…流行語大賞、選から漏れた言葉にも惜しいものが
http://www.sanspo.com/smp/etc/news/20161120/amk16112002260001-s.html

この時期になると、言葉は生き物だと改めて思う。「2016ユーキャン新語・流行語大賞」の候補となる30語が17日、発表された。
「ゲス不倫」は予想どおりの入選とはいえ、昨年までの50語から20語も減った。それだけに、選から漏れた言葉にも惜しいものがいくつかある。

特に今年は昨年の選考委員長、鳥越俊太郎氏が都知事選に出た時点で選考委員を降りた影響か、国内の政治関連は「都民ファースト」と安倍首相
が消費税増税の再延期を決めた「新しい判断」の2つだけ。舛添要一前都知事が連発した「第三者の目」のほか、「野党共闘JFTPP強行採決」
は入らなかった。

スポーツ界に目を転じると、リオ五輪で日本が過去最高のメダル数41個を取ったわりには正直、不作。その代わり、プ口野球がセ・パ両リーグとも
言葉でも注目された。まずは日本ハム・大谷翔平選手の「リアル二刀流」。「二刀流」自体は大谷選手が新人だった2013年に候補50語に入ったものの、
投打でパッとせず大賞は逃している。

しかし、今季の大谷選手は投手として10勝、打率も3割を超え、リーグ優勝と日本一に大きく貢献。これまで渦巻いた賛否両論も影をひそめた
だけに、入選するかと思いきや甘かった。その代わりといっては何だが、野球つながりで広島の緒方孝市監督が鈴木誠也選手の活躍をたたえた
「神ってる」が候補入りした。

年間大賞とトップテンは12月1日に発表されるが、「神ってる」はズバリ、日本人の底力を感じさせるし、さまざまな場面で応用が利く。
そのせいか、野球以外でも子供から大人まで幅広く使われているようだ。小欄のイチオシは勝手に「神ってる」としたい。(森岡真一郎)