Journal of Allegy and Clinical Immunology(アレルギーと
免疫医療ジャーナル)で発表された最新の研究結果によると、
皮膚バリア構造の欠陥がアトピー性皮膚炎を引き起こす第一の
要因だという。メルボルンにあるRoyal Children's Hospital
(ロイヤル小児病院)のJohn Su(ジョン・スウ)医師は、今回の
発表によって、これまでの定説は大きく覆されたと語った。
アトピー性皮膚炎の主要因は、今まで考えられていた"特定の抗原に
対する免疫反応(アレルギー)"でなく、"皮膚バリア上にできた小さな
ひび割れなどの欠陥"であるというのだ。表皮の新陳代謝など基本的な
皮膚機能に障害をもたらす原因となりやすい欠陥遺伝子の存在が
明らかとなり、そのような遺伝子を持つ人の皮膚は、薄く、炎症を
おこしやすい傾向にある。そうした兆候は、アトピー性皮膚炎の症状が
出る前に顕微鏡検査で発見することが可能。アトピー性皮膚炎には
早めの治療が重要で、症状が出るのを待っているのでなく、早めに
診察を受けることが重要だとスウ医師は強調した。