じゃあ一つだけ。もう20年近く前の話なんで思い出し思い出し書いてたらかなりの長文になってしまった。
あと長文なのでトリップつけた。興味無かったらあぼーんよろ。

当時フリーターだった俺はひとりで福岡旅行へ出掛けた。その中で太宰府天満宮に立ち寄ったんだ。
行ったことある人は分かると思うんだけど、あそこって本堂の周りに幾つものお堂(?)みたいなのが建ってるんだよね。
で、俺はその一つ一つをゆっくり見て廻ってた。ところがその中に一つだけなんか気味の悪い感じがするお堂があったんだよ。
見た目は他のものと全く変わらないのに、なぜかそこだけ暗く淀んでいるような、なんだかよく分からないけど凄く嫌な感じがした。
でもまあ真っ昼間だったし他に参拝客もたくさんいたから、たぶん俺の気のせいだと思ってそのまま通り過ぎた。

その後は普通に福岡観光してホテルに戻ったんだけど、そこである夢を見た。

例のお堂の前に俺は立っている。昼間だと思う。明るいんだけど周りには誰もいない。鳥の声もしない静寂。
そこから前に2、3歩踏み出そうとすると突然お堂の影から何かが飛び出してきた。
着物を着た髪が長い女。そしてなにより不気味だったのは首が不自然に90度に曲っていた。顔は能面みたいで薄ら笑いを浮かべている。
そいつが笑いながら俺にしがみついてくる、そんな夢だった。

目が覚めると朝だった。気味は悪かったがただの夢だと思った。慣れない旅行で疲れて変な夢を見たんだろうと思った。