Q) この事件の本質は?

この事件の本質は「専属契約の解除の可否」であり、その性質上「高度な信頼関係」を考慮しなければなりません。今回の裁判所の決定文でも、大法院(韓国の最高裁判所)は以下のように述べています。

「専属契約は、その性質上、契約目的の達成のために契約当事者間に高度な信頼関係を維持することが必須であり、専属契約に基づく芸能人の専属活動の義務は、他の誰かが代わりにできるものではない。」

さらに、

「当事者間の信頼関係が崩れたにもかかわらず、契約の存続を期待できない重大な理由がないという理由で、芸能人に対してその自由意思に反する専属活動義務を強制することは、芸能人の人格権を過度に侵害する結果となるため、相互の信頼関係が崩れた場合、芸能人は専属契約を解除できる。」

と判決を下しています。

Q) 総合的判断の不足

今回の裁判所の決定文でも、以下の事実が認められました。


・HYBEのCEOがNewJeansに「1年6ヶ月の長期休暇を与える」と発言した事実

・HYBEの広報が記者に「NewJeansの日本アルバムは売れていない」と話した事実

・ADOR代表が交代した直後、NewJeansのMV制作会社と争いが起きた事実

・HYBEの報告書に「New(Jeans)を捨てて新しくやり直せばいい」との内容があった事実

・HYBEの他のグループと企画案やグラビアなどに類似点が確認された事実

・SOURCE MUSICの内部資料だったNewJeansの練習生時代の写真や映像がDispatchに掲載された事実


これらの事実を裁判所も認めました。

しかし、裁判所は専属契約と信頼関係について判断する際、これらの事件を総合的に考慮せず、それぞれを個別に判断しました。

「1年6ヶ月の長期休暇」「HYBE広報室長によるメディア評価の貶め」「ADOR代表交代直後の制作会社との対立」「HYBE内部文書の内容」といった出来事を、全体の流れとして捉えず、個別の事例としては専属契約解除の理由として不十分と判断したのです。

今後の異議申し立てや控訴手続きでは、これらの事件の背景や流れを総合的に整理し、再び判断を求める予定であり、十分に異なる結果が出る可能性があると推測しています。