ヤフーは1999年にECサイトを始めた老舗だが、評価は厳しい。各社のサイトに精通する出店支援コンサルタントは「アマゾンや楽天に比べて、ヤフーは埋もれている出品が多い」と話す。

実際、ECサイトの効率性は低い。ヤフーは今年6月末に「ヤフーショッピング」の出店者を従来の90万弱から6万まで減らし、大なたを振るった。楽天の出店者は5万弱とヤフーより少ないが
、旅行などのサービスを含めたサイトの年間取扱高は3兆4千億円で、ヤフーの2兆3千億円を上回っている。EC事業の営業利益率も楽天の14.4%(18年12月期)に対し、ヤフーの19年3月期は8.6%にとどまる。

こうした非効率な状況を呼び込んだのが2013年に「eコマース革命」とうたって始めた出店料や販売手数料の無料化だった。広告による収益モデルに転換し、出店者数の拡大は果たしたが、「とりあえず出しておくだけ」という出品が増えたのだ。

ある出店者は「他社は手数料を取られる分、専属の担当者が販促キャンペーンを指南するなど手厚い販売支援がある」と話す。アマゾンか楽天に出品しつつ「2番手」としてヤフーに出品するのが常態化している。