初秋に、仲間うちで 「ピクニックに行こう」 と盛り上がった。
当日、待ち合わせの駅に行ったら、数人のはずが女性一人しか
来てない。他の者は 「都合が悪くなった」 とか。
「せっかくの晴天だから」 というわけで、計画の近郊の山を目指した。
健脚の彼女はすたすた登っていった。日ごろから運動不足の
こちらは息切れし、遅れに遅れてやっと頂上にたどりついた。
「待ちかねた」 と文句たらたら、彼女は手作りの弁当を食べさせてくれた。
下りは並んでゆっくり歩いた。体格のいい彼女はこちらを
見下して、「スポーツならなんでも得意」と自慢する。
「相撲だって負けない」 と言うので、「力だけでなく、
技も関係するよ」と応じると、道脇の草むらで挑まれた。たしかに
力ではかなわない。しかしその力を利用して、上手投げを打つと
彼女はもんどりうって転んだ。立ち上がろうとしたら、仰向けの
彼女が首に両腕をまわしてぐいとひっぱり、こちらの口に吸いついた。
もがいたが、万力のようなしめつけに抗えず、アナコンダのように
絡んだ足に自由を奪われ、ベルトもはずされた。