「紀子三部作」…「晩春」「麦秋」「東京物語」を語ろう
原節子の代表作でもある「紀子三部作」を、大いに語ろう。 今年は原節子生誕100年にあたり、いろいろ特集が組まれる。原節子を小津安二郎や黒澤明や成瀬巳喜男らの巨匠監督などと、話していこう。 「原節子を大いに語ろう」13、14もあるが、
それとは別に語っていこう。 4月から、神保町シアターで原節子東京はやる予定。コロナにめげずに。 「晩春」と「麦秋」では、どちらが好きかというアンケートをとると、分かれるみたい。俺の周りでは「麦秋」が好きな人が多い。俺は「晩春」が好きだけど、「麦秋」も結構好きだな。 「晩春」もいいんだけど、物語自体が父娘の日常のスケッチ的作品なので、一家三代の人間模様を描いた「麦秋」の方が奥が深いように思う。
「麦秋」は、一見コミカルタッチのホームドラマのように見えて、実は「一家の離散」という深刻なテーマが根底にあるところに普遍性がある。 世界的な評価では、「晩春」の方が評価は高い。権威ある英国の「サイト&サウンド」誌は、10年に一度世界の監督・評論家にアンケートを実施した。2012年には、映画評論家800人以上のアンケートで「晩春」は上位だった。 >>8
「晩春」は15位。「七人の侍」は17位。「東京物語」は3位。350名以上の監督のアンケートでは、「東京物語」が1位。「市民ケーン」が2位。「麦秋」は世界的には「晩春」より低い評価。不思議だね。 「麦秋」では、紀子が友人たちとふざける場面とか、結婚を自分で決めて兄から叱責される場面などが外国人には理解できないんじゃないかな。
どちらも、日本人の感覚では自然に感じられるが、西洋人にはピンとこないのではないかと思う。 東京物語と東京暮色以外だとカラー作品から入ったから名作と言われる晩春も麦秋も未だに観てない、やっぱり良いんだな >>10
「晩春」での、父娘のお互いへの思いやりが普遍的だよね。1番の重要なシーンは、京都での父が娘を説得するところ。ここが好きな人が世界的に多い。フランスのある女性監督も、ここが1番大好きだな。 スペイン語訳で「晩春」をみたら、笠智衆が髭もあり、スペイン人にみえたよ。 【晩春】テレビ版では、確か則子を鈴木京香がやっていた。京香は現代の原節子。 TV版の「晩春」は、市川崑が監督だったような。紀子は鈴木京香だけど、父親が生ぐさい俳優。枯れていない感じ。 紀子三部作について、若い女性は「晩春」がより好きな人が多いことが分かった。
俺も「晩春」が好きかな。 「晩春」って、だんだん原節子の顔が変わってこないか。真面目に父親に話しているのに、色っぽい姿をしてる感じがする。京都での父親への告白のシーン。ドキドキする。 「晩春」で、原節子が宇佐美淳との自転車に乗っているシーンはいいよね。 「麦秋」で、原節子が夜にお茶漬けを二杯食べるシーンあり。エロスを感じたと「うなぎ」の監督が述べている。本当かしら? >>18
サイクリングまではいいとして、婚約中というのに、コンサートに恩師の娘を誘うというのはどうなのよ?
つながっているタクワンどころじゃないぞ。 >>20
服部(宇佐美淳)が紀子をコンサートに誘ったのは、教授(笠智衆)の娘だから配慮したかな。紀子は服部を好きだといわれているが、服部もまんざらでもなかったりして。 >>15
確か父親役は長塚京三。当時は引っぱりダコだった。 >>22
盗み見た夫婦は、紀子は服部と結婚すると思っていたんだよね。お似合いかも。 >>23
長塚京三が父親だと枯れていないから、娘と何かが起きてしまうかもな。生々しい。 長塚京三のTVの「晩春」、正式には「父と娘」ではないかな。BSでやったのか? 自分はDVDを借りて観た。なぜに京香と京三か、その意味を知りたかったからだ。 京香が紀子か。それは、市川崑の好みかもしれない。市川崑は東宝にいたけど、原節子とは1本もとっていないな。 「晩春」で、能が終わった後に大きな木が映るよね。何という木の名前だろうか。 >>26
タイトルは【娘の結婚】だったよ、確か。晩春のリメイク。 >>30
「娘の結婚」か。
長塚京三と鈴木京香。監督は市川崑か。
一度みてみたい。NHKだからDVDにして欲しいね。 「晩春」で、原節子が叔母の杉村春子の息子のぶーちゃんを、からかうシーンは面白いね。「のりー(紀子ののり)、くっつけちゃうぞ」
「なんだい、ぶー!」 ぶーちゃんは、青木放屁かな。名前がかわいそう。原節子に、「怒られたんだろう」といわれ、反発するんだよな。まだ小学生みたい。 全国初のマスク着用条例、神奈川大和市が施行 罰則はなし
https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1587022364/
>神奈川県大和市
昔の名画、小津安二郎の麦秋にも出てくるね。
「やまとはええとこじゃ」 その大和は、いまの奈良県だろう。
「大和はまほろば」。 先頃死去した大林宣彦は、原節子と小津安二郎について、少し書いている。2人の関係だけど。 大林宣彦は、最初はCMの仕事から入ったのかな。すぐには映画監督にはなれなかった。 小津安二郎は笠智衆を自分にたとえているよな。大林宣彦は、「原節子は小津安二郎と出逢うことで、自身が褄ねばならぬ、家に呪縛された。原が小津をどう思っていたかは知る由もないが、小津ははっきり彼女に惚れた」といった。 大林宣彦の尾道三部作をみた人は、いますか。
感想はどうよ。
「転校生」は、男女が入れ替わる。よくあるパターンの先駆か。 「晩春」の頃の原節子のパーマのかけ方は、すごくない。ハリウッド女優のようなかけ方かな。 髪型をゆうなら。「嫁ぐ日まで」(1940)での髪型が、かわっている。コテで固めたような。厚さ。 映画黄金期の女優では、原節子が一番華やかさのある女優にみえる。今日、亡くなった岡江久美子さんも、この世代では華やかさがあるね。 原節子の髪型で一番好きなのは、「お嬢さん乾杯」や「青い山脈」での髪型だな。本当に、ハリウッド女優にみえる。「晩春」も同じ1949年か。 原節子の出演映画が、最近「日経新聞」(4月17日朝刊)に掲載された。今の状況を慰安するらしい。紹介映画は「お嬢さん乾杯」だが、「紀子三部作」にも触れている。 カメラマンの荒木某は、原節子をエロスの固まりといっている。そうかあ。ガタイはいい。 「紀子三部作」は小津安二郎にとっても、原節子にとっても、代表する作品であることは確かだな。でも俺は、黒澤明や成瀬作品が好きなんだよ。 「麦秋」での助監督の一人だった今村昌平は、小津監督と原節子の間を、いったり来たりしていたようだ。当時、25歳。そして、原節子の履いてる靴を持ち運びしていたみたい。 小津安二郎の映画ってどの映画も設定が同じだよね
だから平和なのか! 設定?
小津安二郎は戦前からファミリードラマが、中心だったよな。アクションも、初期にはあったが。時代劇も、一作だけか。 小津映画はどれも同じという寝言をほざく奴がたまにいる。
こいつらって、
「私は小津作品を数本しかみていません」と告白してるようなもんだよな。 小津映画のスタイリッシュの画法、方法は、他の監督にはマネできない感じだな。依然として、世界的評価が高い。 スレチだけど、「冬のソナタ」をみたらバストショットで交互に俳優が出てくる。原節子と笠智衆の切り返しのバストショットを思いだしたよ。小津を真似たのか。チェジウとペ・ヨンジュン 「晩春」の紀子が身体の具合が悪く、仕事に就かず、家事手伝いをしているのは、戦争中に勤労動員され身体を壊した。戦争が悪い。戦争を描かないで、戦争を語る小津安二郎。 >>54
衣食住に不自由せず、親や親戚も健在
お茶にサイクリングに能に旅行
縁談の話もちゃんとある(「健康体」と見なされてる証拠」)
「勤労奉仕で体を壊した」設定に重きを置くならこんな描写はしないでしょう
「戦争が悪い」というメッセージをこの映画の紀子から読み取るのは無理があると思う
戦争による荒廃をストレートに描いた(つまり「戦争を語った」)前年の
「風の中の牝?」が評判良くなかったみたいだし この三作も全部見た。
ところで黒澤明が好きでなおかつ小津安二郎も大好きっていう人
はいるんですか?もしいたら理由が聞きたい。 黒澤明は、自選100の映画の中に小津安二郎の映画は、「晩春」だけだったか。日本を代表する監督として小津や黒澤を上げるが、2人を全て好きはいないのではないか。原節子は相性としては、小津より黒澤の方がいいといったのは、石井妙子(「原節子の真実」著者)。 自選100はそもそも1監督1本しばりじゃなかったかな 小津が一部の西洋知識人に評価されてるのは、字幕のおかげでもある。当時でも
あんな日本語は一般の人は使わない。黒澤が批判したように、不自然だ。
小津の映画は一本見れば十分。麦秋だったか、原節子たちが戯れるシーンは
酷い。あれは、日本じゃないと思ったな。日本人はあのような動作はしない。 >>59
黒澤映画は真似できるが、小津映画は真似できない。現在、世界の評論家の間では小津がリードしている。三島由紀夫は、黒澤映画を馬鹿にしていたようだ。 三島の映画評などあてにならないよ
大絶賛した映画が「博奕打ち 総長賭博」だからねえ クロサワ好きでオヅも大好き って珍しくないんじゃないかなあ?
どっちも面白いから
どちらかが嫌いってのも珍しくないんだろうけど 黒澤と小津は、それぞれいいところがある。成瀬も好きだし。いい映画はいい。 三作全て同じように見えてしまう・・。
いい映画なんですけど 小津は、戦前には社会派の映画を撮っている。「生まれてはみたけれど」は、1番の傑作。フランスでは、小学生に必修でみせている。小津は戦後の「晩春」で作法を確立する。ズレと反復に特色があるね。 無声の名作だと噂には聞いてるけど未見ですね。
コロナ収束したら必ずみてみよう。 社会派っていうとやや堅苦しいけど、単純に面白いよ「生まれてはみたけれど」
生き生きとした「お早う」ってところ。 小津安二郎は、その他にも、「大学は出たけれど」や戦後の「長屋紳士録」も、社会派映画だよね。岡田嘉子の出た「東京の女」はいいね。サイレントだけど。 岡田嘉子は魅力的だな。一度、原節子との共演が見たかったよ。岡田がソ連に亡命したとき、一緒にいった相手とは、原節子はデビュー作品で共演しているね。 >>59
んなこたぁないよ。
俺には姉が二人いるが、姉たちが友人らとはしゃいでいる様子は麦秋そのまんまだった。
小津は(当時の)若い女性たちをよく観察しているもんだと感心したくらい。
あと、子供が親に反抗するところとか、いつも忙しそうにしている世話焼きのおばさんが縁談を持って来るところなども。
エピソードだけでなく、登場人物の仕草とかしゃべり方まで実に綿密に描写されている。
まぁ、今の世代ではピンと来ないかもしれないが。 そういえば、サザエさんの作者は、原節子と同じ1920年生まれで、独身を通したんだよな。 月刊「文藝春秋」6月号に、「生誕100年「原節子映画ベスト10」の対談があるよ。購入した。石井妙子と評論家芝山幹郎。皆んな、立ち読みしてくれよ。石井妙子は、1位白痴。芝山幹郎は、1位麦秋、だった。 白痴は原節子の禍々しさをそのまま禍々しい役に流用した感じでちょっとな
普通の娘の役にその癖を完璧に織り込んだ小津の方がすごい 白痴は、今の学生や若者に受けている。確かに、原節子の新しい魅力はある。この映画は、人により好き嫌いが分かれる。芝山は、黒澤明は女性を描くのは下手という。上手いとは言えないが、原節子は悪女は少ないし。 原節子は毅然と演じているな。黒澤明は、白痴の出演者を褒めている。大島との対談で。せっちゃんと彼はいう。なんかいいな。 女優は、やはり優れた監督と撮れば残る作品になる。黒澤明や小津や成瀬と撮った原節子は、恵まれていたね。1950年代の黄金期に、活躍できて良かったなぁ。60年代は、映画はTVの台頭で観衆は減り続ける。 「白痴」の公開日は、今日5月23日だった(1951)。この映画は、今からみればいい映画だよ。当時の評論家は黒澤を批判。観念的だと。こういう映画を理解しない評論家。なぜ、ロシアで絶賛されているか、知らないな。 >>1
浅丘ルリ子の「典子三部作」と一瞬被ってしまった。 >>82
浅丘ルリ子の「典子三部作」は、初耳だ。
教えてくれ。「紀子三部作」は、世界的に有名だな。小津映画の中でも傑作。「民子三部作」は、山田洋次が真似したな。 小津安二郎は、芸者や娼婦は誰でもできる。普通のお嬢さんが、一番難しいといった。そこで、原節子にオファーをだした。戦前なら、高峰三枝子あたりかな。桑野通子もそうか。 「北の三部作」で吉永小百合の円熟味あふれる演技が見られるよ 三部作というと、加藤泰の緋牡丹三部作だな
富司純子は必見 >>88
>浅丘ルリ子の三部作なんて、誰もしらねえよ。
熱心な日活ファンなら知っているだろう
「典子三部作」を知らない映画ファンだって、大勢いるからな
自分の狭い知識だけで決めつけるな >>91
「典子三部作」は、浅丘ルリ子か。
ミスかい 「月刊文藝春秋」6月号に、「原節子生誕100年映画ベスト10」の対談がある。石井妙子さんと評論家芝山幹郎の対談。芝山幹郎は、「麦秋」を1位、石井さんは2位に上げている。石井さんは、「白痴」が1位に上げている。 小津の映画は完成度が高い映画が多い。
公開されたら、映画は市民のものだよね。
嫌いな映画だと女優がいっても、傑作になったり、逆の場合もある。原節子が小津映画をあまり好きではなかったにしてもね…。 石井妙子さんは、「白痴」が1位ですか。
現在は、「白痴」の評価は上がっているのか。
黒澤明もドストエフスキーが好きだったね。 激しいものや抑制された映画の両方が、好きだといった原節子。「晩春」(1949)は、中くらいと、対談した志賀直哉にいったことがある。 >>92
指摘サンクス
紀子の変換ミスだ、、スマン 麦秋は上位に入るくらい好きな作品だけど昔から評価高かったのですか? 日本人は、特に男性は「麦秋」を好きな人が多く、女性は「晩春」を好きな人が多い。有馬稲子は、「晩春」が大好きだと。