大惨事の現場一帯の地表の空気中におけるイオン、エアロゾルおよび気体の構造には、きわめて重要な変化が見られた。
1年後、チェルノブイリ原発の7キロメートルゾーン内における地表の空気中の電気伝導率は、数百キロメートル離れた、
より汚染されていない地域に比べて240倍〜570倍高かった(Smirnov, 1992)。
30キロメートルゾーン(強制避難地域)外では、大気の放射線分解によって生態系の機能が低下した。
チェルノブイリ原発近くの汚染地域における地表の空気中のイオン濃度は、
ロシアのカルーガ州やウクライナのジトーミル州(ウクライナ語でジトームィル州)のレベルを130倍〜200倍も上回ることが何度もあった(Kryshev and Ryazantsev, 2000)。