【福音の学び F】
福音書の叙述に見られるように、イエスの裁判は歴史的には複雑な出来事でした。
事件の当事者たち個人個人の罪がどうであろうとも、イエスの死の責任をエルサレムのユダヤ人全体に帰すことは出来ません。
ましてや、「その血の責任は、我々と子孫にある」(マタ 27:25)と全群衆が叫んだからといって、イエスの死の責任をあらゆる時代の、あらゆる場所のユダヤ人にまで及ぼすことは出来ません。

「教会は神の新しい民であるとはいえ、あたかも聖書から結論づけられるかのように、ユダヤ人は神から見捨てられた者としても呪われた者としても紹介されることがあってはならない。」(キリスト教以外の諸宗教に対する教会の態度についての宣言 4)

(カトリック教会のカテキズム 597 参照)