基礎数学演習
線形代数
微分積分
位相空間論
複素関数論(留数定理などまで)
などの演習問題を解くスレ
院試や試験対策 IをRの開区間、a∈I、f: I → Rとする。次の2条件が同値であることを示せ。
(1) fはaで連続である。
(2) aに収束するIの任意の数列{a_n}に対して、{f(a_n)}はf(a)に収束する。 (1) ⇒ (2):
fがaで連続だとし、数列{a_n}がaに収束するとする。
ε > 0を任意に取る。fは連続なので、十分大きなδを取れば、
|x - a| < δ ⇒ |f(x) - f(a)|<ε
となる。{a_n}はaに収束するので、十分大きなNを取れば、
n≧N ⇒ |a_n - a| < δ
となる。したがって、
n≧N ⇒ |f(a_n) - a(a)| < ε
となる。ε > 0は任意だったので、{f(a_n)}は{f(a)}に収束する。
(2) ⇒ (1):
fがaで連続ではないとする。このとき、あるε > 0が存在して、任意の自然数nに対して、|a_n - a| < 1/nをみたすa_nで
|f(a_n) - f(a)| ≧ ε
となるものが存在する。このとき、{a_n}はaに収束するが、{f(a_n)}はf(a)に収束しない。□ 位相空間の間の写像で、閉集合の像が閉集合になるものを閉写像という。
X, Yを位相空間。Xはコンパクトで、YはHausdorffとする。このとき、XからYへの連続写像は閉写像であることを以下の命題を示すことにより示せ。
(1) コンパクト空間の閉集合はコンパクトである。
(2) コンパクト部分集合の連続写像による像はコンパクトである。
(3) Hausdorff空間のコンパクト部分集合は閉集合である。 (1) F⊂Xを閉集合とする。X\Fは開集合であるから、各点x∈X\Fに対して、Fと交わらないxの開近傍U_xが存在する。
{V_λ}をXの任意の開被覆とする。このとき、{V_λ}∪{U_x}はXの開被覆となる。Xはコンパクトなので、有限個の
V_{λ_1}, ..., V_{λ_m}, U_{x_1}, ..., U_{x_n}
を取って、{V_{λ_1}, ..., V_{λ_m}, U_{x_1}, ..., U_{x_n}}をXの開被覆にできる。U_xはFと交わらないように取ったので、{V_{λ_1}, ..., V_{λ_m}}はFの開被覆になっている。したがって、Fはコンパクトである。□
(2) A, Bを位相空間、f: A → Bを連続写像、C⊂Aをコンパクト部分集合とする。
{U_λ}をf(C)の任意の開被覆とする。fは連続なので、各f^(-1)(U_λ)はAの開集合であり、{f^(-1)(U_λ)}はCの開被覆となる。
Cはコンパクトなので、有限個のλ_1, ..., λ_kを取って、{f^(-1)(U_{λ_1}), ..., f^(-1)(U_{λ_k})}をCの開被覆にできる。このとき、{U_{λ_1}, ..., U_{λ_k}}はf(C)の開被覆である。したがって、f(C)はコンパクトである。□
(3) K⊂Yをコンパクト部分集合とする。Y\Kが開集合であることを示す。
y∈Y\Kを任意に取る。YはHausdorffなので、各点x∈Kに対して、yの開近傍U_xとxの開近傍V_xで、共通部分が空のものが取れる。
{V_x}はKの開被覆になっており、Kはコンパクトなので、有限個のx_1, ..., x_kがあって、{V_{x_1}, ..., V_{x_k}}をKの開被覆にできる。このとき、
U = ∩[i=1 to k] U_{x_i}
はyの開近傍であり、どのV_{x_1}, ..., V_{x_k}とも交わらないので、
y ∈ U ⊂ Y\K。
よって、Y\Kは開集合である。□ Kをコンパクト位相空間、f: K → Rを連続写像とする。このときfは最大値を持つことを示せ。 fが最大値を持たないとする。
任意のx∈Kに対して、Kの部分集合
U_x = { x'∈K | f(x') < f(x) } = f^(-1)((-∞, f(x)))
は開集合である。fは最大値を持たないので、任意のx'∈Kに対して、あるxが存在して、x'∈U_xとなっている。したがって、{U_x}はKの開被覆になる。
Kはコンパクトなので、有限個のx_1, ..., x_kが存在して{U_{x_1}, ..., U_{x_k}}はKの開被覆になっている。
しかし、f(x_1), ..., f(x_k)の中で最大のものをf(x_i)とすれば、x_iはどのU_{x_1}, ..., U_{x_k}にも属さないので、これがKの開被覆であることに矛盾する。□ RとR^2は同相でないことを示せ。
同相写像f: R→R^2が存在したとする。このとき、点a∈Rをとると、R\{a}とR^2\{(a)}も同相である。しかし、R\{a}は連結ではないがR^2\{(a)}は連結なので、この2つは同相ではない。これは矛盾。□ X, YをR^nの部分集合にR^nの距離から定まる相対位相を入れたものとする。以下の(*)を満たすX, Yの例を挙げよ。
(*) 連続写像f: X → Yで、全単射であるが同相写像ではないものが存在する。 X = [0, 1)
Y = S^1 = { (cosθ, sinθ) | 0≦θ < 2π }
f: X → Yをf(t) = (cos(2πt), sin(2πt))で定めれば、fは連続な全単射になるが、Yはコンパクトなのに対し、Xはコンパクトではないので同相ではない。 Hを複素上半平面、すなわち
H = { z∈C | Im(z) > 0 }
とする。τ∈Hに対して、級数G_s(τ)を
G_s(τ) = Σ[m, n∈Z, (m, n)≠(0, 0)] (mτ + n)^(-s)
で定める。Gはs≦2のとき発散し、s > 2のとき絶対収束することを示せ。 関数列(1+z/n)^n(n=1,2,...)はC上の任意の閉集合における一様コーシー列であることを示せ >>14
有界閉集合でなくても一様になるんですか? Xを位相空間。〜をX上の同値関係とし、Y = X/〜を同値類の集合とする。π: X → Yを同値類を対応させる写像とすると、Yには
O_Y = {U⊂Y | π^(-1)(U)はXの開集合}
で定まる。この位相を商位相という。
(1) XがHausdorfであるが、YがHausdorffでないX, 〜の例を挙げ、そのことを証明せよ。
(2) πが開写像であると仮定する。このとき、YがHausdorffであることと、
Δ = { (a, b)∈X × X | a〜b }
がX × Xの閉集合であることが同値であることを示せ。 (1) X = R。a 〜 b :⇔ a - b∈Qとすると、Y = X/〜はHausdorffではない。
∵ もしYがHausdorffならば、1点集合[0]は閉集合である。πは連続写像だから、π^(-1)([0]) = QはRの閉集合でなければならないが、そうではないので、YはHausdorffではない。□
(2) YがHausdorffであると仮定する。
(a, b)∉Δとなるa, b∈Xを任意に取る。YはHausdorffでπ(a) ≠ π(b)なので、開集合π(a)∈U, π(b)∈Vで、U∩V = ∅となるものが存在する。(a, b)∈π^(-1)(U) × π^(-1)(V)⊂X × X\Δで、π^(-1)(U) × π^(-1)(V)はX × Xの開集合なので、X × X\Δは開集合。よってΔは閉集合。
Δが閉集合であるとする。積位相の定義から、(a, b)∉Δとなる任意のa, b∈Xに対して、Xの開集合a∈U, b∈Vで、(a, b)∈U × V⊂X × X\Δとなるものが存在する。πは開写像なのでπ(U), π(V)はYの開集合で、π(U)∩π(V) = ∅。Yの異なる2点は(a, b)∉Δとなるa, bの像なので、Yの任意の異なる2点は開集合で分離される。□ 0 < α ≤ π/2
D = {(x, y) | x, y ≥ 0}
とする。広義積分
∫_D exp(-(x^2 + y^2 + 2xycos(α))) dxdy
を求めよ。 x = 1/√2 (x' + y')
y = 1/√2 (x' - y')
X = 1/(1 + cosα) x'
Y = 1/(1 - cosα) y'
と変数変換すれば、e^(X^2 + Y^2) の積分に帰着されるので
X = r cosθ
Y = r sinθ
と置いて積分できるはず。 Rを局所環とするとき、Rの非単元全体はRのイデアルであることを示せ 測度空間(X,B,μ)においてμ(x)<∞とする。このときf∈L^∞に対して
lim(p->∞)||f||_p=||f||_∞
を示せ 広義積分
∫_[0, ∞] (1 - exp(-1/x)) dx
は収束するか? >>20
非単元の全体をSとおく。
Rは唯一つの極大イデアルmを持つ。
m = Sを示す。
mの元は非単元なので、m⊂S。
s∈Sとする。(s)を含む極大イデアルが存在するが、Rは局所環なので、(s)∈mである。 >>22
x > 0 で 1 - exp(-1/x) > 0 なので
∫_[1, ∞] (1 - exp(-1/x)) dx が発散することを示せばいい
x≧1で
1 - exp(-1/x)
= 1 - (1 -1/x + 1/2x^2 - ...)
> 1/x - (1/2!x^2 + 1/4!x^4 + 1/6!x^6 + ...)
> 1/x - (1/2! + 1/4! + 1/6! + ...)/x^2
= 1/x - cosh(1)/x^2
これは[1, ∞]で積分したら∞に発散する