現代数学の系譜11 ガロア理論を読む24 [無断転載禁止]©2ch.net
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
突然ですが
http://www.phys.cs.is.nagoya-u.ac.jp/~tanimura/
谷村 省吾
TANIMURA Shogo
教授
博士(理学)
名古屋大学 大学院 情報科学研究科 複雑系科学専攻 多自由度システム情報論講座
学生へのメッセージ
学生の皆さんは何でもいいから自分の得意分野を一つは持ってほしいと思います。対象は既存の学問でいいです。徹底的に勉強すると,蓄積した断片的な知識が全部噛み合って見えてくる瞬間があります。
「猛烈によくわかった」,「何もかも透き通って見える」,「この科目については自分は世界で一番よく理解しているのではなかろうか」(もちろんそんなはずはないのですが)と思えるくらい透徹した理解に達する経験を持つと,新たな問題にも直面できる自信がつきます。
学部生および大学院生を受け入れて当講座の教員と協力して研究指導しています。
私のところへの配属を志望する学生には,とくに優れた予備知識を要求しませんが(とは言え,最低限,線形代数と微積分は理解していてほしいですし,量子力学を理解していると研究を進めやすいです),柔軟かつ緻密な論理的思考能力を高めたいという意欲と,森羅万象に対する知的好奇心を持っていてほしいです。
君たちのやる気をくじくようなことは言いたくないですが,大学に入学してからの時間を無為に過ごしてきた人や,学問的にやりたいことがない人や,楽(ラク)して卒業したい人は,うちに来てもらっても,結局何も身につかず,つまらない思い,あるいは辛い思いをするだけだと思います。
そういう人は当研究室に配属されない方がお互いのためですので,よく考えて選択してください。
せっかく大学に入ったなら,学べることを貪欲に吸い尽くそう,やれるだけのことをやろう,できなかったことができるようになろう,やるからには真剣にやろう。そういうふうに考えて行動してほしいです。もう一つ言うなら,思いやりのある人になってほしいです。 本題はこれ。確率分布を漁っていると、これが(^^;
http://www.phys.cs.is.nagoya-u.ac.jp/~tanimura/uncertainty/tanimura-uncertainty-revised.pdf
多様化する不確定性関係 - 多自由度システム情報論講座 - 谷村 省吾 名古屋大学 2016/03/01
もともと不確定性関係は,量子力学の成立初期にハイゼンベルクが提唱した命題だが,そ
の数学的形式・物理的内容については曖昧な点が残されており,しばしば論争の種になって
いた。近年,小澤正直氏によって不確定性関係が数学的に厳密に定式化され,実験で何度
も検証されるに至り,「小澤の不等式」と呼ばれる数式が学界で認知されている。また,小
澤の不等式の発見をきっかけに,数学的形式も物理的内容も異なった,不確定性関係のバリ
エーションが次々と発見されている。
1927 年から2015 年までの不確定性関係の研究の歴史を網羅した解説記事としては,今のと
ころ世界で一番詳しく正確で公平な解説になったのではないかと勝手に自負している。
本ノートの第10 章までは,各種の不確定性関係とそれらの証明の提示である。とくに他
の書物を参照しなくても証明は読めるように書いたつもりである。第11 章は不確定性関係
の歴史についてのかなり詳しい解説である。第12 章では不確定性関係の物理学的意義につ
いて考察する。数式に興味を持てない方は,前半は飛ばしても,後半は物語として読めるの
ではないかと思う。どちらかと言うと,前半の数式・証明の部分よりも,第11 章以降の,不
確定性関係についての歴史的・物理学的総括の方が読んでもらいたい部分である。 11.1 ハイゼンベルクの不確定性関係に至るまでの歴史
不確定性関係をめぐる科学史を振り返ってみよう。不確定性関係の歴史を語るためには,
原子論と量子論の歴史に触れないわけにはいかない。粗雑にではあるが,これらの経緯を概
観しよう。
11.2 不確定性関係の厳密化
ハイゼンベルクは,いくつかの思考実験と計算例を通して(11.1), (11.3) のような関係を
見い出したものの,いかなるミクロ系のどのような状態にも通用するような不確定性関係を
証明したわけではなかった。そもそもハイゼンベルクが書いた式(11.1), (11.3) に登場して
いるp1 やq1 は明確に定義された量ではなく,運動量や位置の「不確かさの大きさの目安」
でしかない。したがって,これらの式は等式でも不等式でもない,おおよそこの程度の大き
さだということを示す記号「?」で結ばれた頼りない関係式であった。
11.3 ハイゼンベルクがしたこと
1930 年に出版されたハイゼンベルクの本[11] では,多数の思考実験が提示され,そのつ
ど不確定性関係を表す数式が書かれているが,現代の目から見ると,その中には,誤差と擾
乱の不確定性関係と解すべきものもあるし,誤差同士のトレードオフ関係のように見えるも
のもあるし,標準偏差のようなゆらぎの関係式と解すべきものもある。
11.4 物理理論の受け止め方
解釈・イメージが万人に共有されていないことは,何も量子力学に限った話ではない。例
えば,ニュートン力学の解釈は,変更や多様性の余地はないと思われているかもしれないが,
ニュートンが生きていた時代の力学の理解のしかたと現代人の力学の理解のしかたは相当に
違うし,現代人の間ですら理解のしかたが統一されているわけではない。
少しだけ例を挙げると,現代の多くの物理学者は,物体が受ける力から物体の軌道を決め
るのが運動方程式だと理解しているが,ニュートンは,力から軌道を求める課題よりも,軌
道から力を決める課題のほうが先行すると考えていたし,そのように本に書いている[72]。
ニュートンは,惑星が楕円軌道を描くことから,惑星に作用する引力は惑星と太陽を結ぶ距
離の2 乗に反比例することを導いたのであり,その逆ではない。 数式が難しくて、1/3も追えなかったが
まあ、面白いよ(^^; 物理屋さんなのかね?(^^;
http://www.phys.cs.is.nagoya-u.ac.jp/~tanimura/
谷村 省吾
講義・講演資料
「きちんと理解するのは意外に難しい潮汐力」 愛媛大学と名城大学にて講演(2016年8, 10月)
「ハミルトン力学の幾何学的定式化と幾何学的量子化・変形量子化」
http://www.phys.cs.is.nagoya-u.ac.jp/~tanimura/lectures/Tanimura_20150425.pdf
研究会『量子と古典の物理と幾何学』,名古屋大学にて講演(2015年4月)
https://atnd.org/events/62869
「現代数学と量子論」 神戸大学にて集中講義(2013年12月)
http://www.phys.cs.is.nagoya-u.ac.jp/~tanimura/lectures/Kobe-U-2013.pdf
「代数的量子論入門と最近の量子測定理論・実験の紹介」 お茶の水女子大学にて集中講義(2012年6月)
http://www.phys.cs.is.nagoya-u.ac.jp/~tanimura/lectures/Ocha-U-2012.pdf
「圏論と群の表現論と量子力学」 大阪市立大学にて集中講義(2011年9月)
http://www.phys.cs.is.nagoya-u.ac.jp/~tanimura/lectures/Osaka-City-U-2011.pdf
「測定理論から見た超選択則」 プレゼンテーション用ファイル,英語(2012年)
学会活動
日本物理学会 会員
Progress of Theoretical and Experimental Physics (PTEP) Editor >>366
期待値や分散がないことが、どのように時枝の戦略ができないのことにつながるのか説明してください。 >>373
ああ、”2010年にはベルの不等式の一般構成方法を発見し,古典論理と量子論理を比較検証するための新しい不等式を作った。”か。それで、「小澤の不等式」か・・
http://www.phys.cs.is.nagoya-u.ac.jp/~tanimura/
谷村 省吾
自己紹介
名古屋生まれ,名古屋育ち。関西勤めが長かった。名古屋大学工学部応用物理学科卒業。名古屋大学大学院理学研究科物理学専攻修了。その後,東京大学(学振研究員),京都大学(助手,講師),大阪市立大学(助教授),京都大学(准教授)を経て,2011年に名古屋大学(教授)に着任。
学部では主に固体物理・金属電子論を学び,4回生のときには統計力学の研究室(工業力学講座)に所属した。卒業研究は近藤効果(磁性不純物を含んだ金属の電気抵抗が低温で増大する現象)の理論に関するレビューだった。大学院ではE研(素粒子論研究室)に所属した。
猫の宙返りとベリー位相のゲージ理論に関する研究で修士論文を書いた。ファインマンによるマクスウェル方程式の証明を相対論的に拡張するという研究を行い,大学院生のときに初めての英語論文を書いた。多様体の場の量子論の研究により博士論文を書き,博士学位取得。
その後,多様体上の量子論,経路積分,トポロジカルソリトン,空間並進対称性の破れの場の理論モデルの構築と解析,表現論を使ったシュレディンガー作用素のスペクトル解析,量子コンピュータの最適制御,量子力学における相補性などを研究。
2004年には,10年来の未解決問題であった等ホロノミー問題を等質空間の場合について厳密に解き,量子コンピュータの最適制御問題を解いた。
2010年にはベルの不等式の一般構成方法を発見し,古典論理と量子論理を比較検証するための新しい不等式を作った。
現在は量子基礎論,量子情報理論,ゲージ理論などを研究している。最近は非平衡熱力学・非平衡統計力学にも興味がある。幾何学的な視点・方法論を得意とし,幾何的アプローチから理論物理の諸問題に横断的に取り組みたいと思っている。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています