福島)「原発事故、がん増やさず」 国連委が見解継承:朝日新聞デジタル
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 国連科学委員会は17日、東京電力福島第一原発事故の健康や環境への影響についてまとめた2016年白書についての
説明会を会津若松市内で開き、「事故はがんを増加させない」とする従来からの結論を継承する内容を説明した。
同委のマルコム・クリック事務局長は「引き続き福島の調査を続けたい」と話した。

 同委は13年に日本政府の観測データなどを分析し報告書をまとめて以来、結論を変えるような専門家らの研究がないか
調査を続け、昨年10月から白書として発表している。2冊目となった今回の白書では「福島事故での被曝(ひばく)量は低く、
発がん率に識別できる増加は予測されない」との結論を変えるものではないとした。

 また13年報告書で「理論的に増える可能性がある」とした小児甲状腺がんについても検討。県内でも県民健康調査で
6月現在170人超の患者や疑いのある人が見つかったが、増加が見られたチェルノブイリ事故とは患者の年齢分布が異なる
ことなどから、検査によって患者が増えたように見える「スクリーニング効果」が現れているとした。

 ログイン前の続き白書は、論文調査の中で「県内の甲状腺がんは事故の影響」とする津田敏秀・岡山大教授らの研究に
触れ「1編の論文が事故による甲状腺がん増を実証したとしているが弱点がある」とした。
同委の専門家は「高感度な検査の影響を考慮していない」とした。

 説明会に先立ち、クリック事務局長は会津若松市役所に室井照平市長を訪ね、「被曝(ひばく)量は低く、リスクも低い
というのが結論だ」と述べた。室井市長は「心配している人も少しいるが、普通に生活している人が大多数だ」と語った。