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【小説】欅坂守屋「バトルロワイアル?」
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0001名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 00:07:03.63ID:oT/Ph2kSa
2018年2月22日
0:00

今泉「友梨奈!起きてっ!友梨奈ぁ!!」

ただ事ではない声に少女たちは目を覚ます。

今泉は傍らに眠る平手の腕を揺する。

平手「……ん……」

平手は目を覚まし上体を起こす。
周りを見渡すと見慣れない教室にいた。
机やイスはないが何の変哲もない至って普通の教室だ。
逆に何もないことが異常さを引き立てている。

今しがた起きたばかりのメンバーたちも同じように周りを見ていた。

平手「ここどこ!?」

今泉「わかんない!」

首を横に振る今泉。みんな同じ状況のようだ。
一体何が起きているのか、起ころうとしているのか。
0002名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 00:09:02.50ID:oT/Ph2kSa
平手「…………」

一番最初に思い浮かぶのがテレビだった。
迂闊に言葉を発することができず、誰も喋ろうとはしない。

菅井「みんないるぅー!?」

そんな中、キャプテンの菅井が立ち上がり自分を含む21人いることを確かめる。

漢字欅が全員いることに安堵するも、絶対的な不安は拭えなかった。

理佐「これどうなってんの……?」

理佐は訳の分からない状況に置かれて苛立ちが募り聞かずにはいられなかった。

守屋「…………」

理佐の問い掛けに顔を見合わせるだけで誰も何も答えない。
静寂しか返ってこないことに怒りを露わにする。

渡邉「ねえッ!!」

菅井「分かんない……っ」

現状に無知なことを責められているようで非を感じる。
0003名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 00:11:09.67ID:oT/Ph2kSa
理佐は小さく舌打ちをしどこかへと歩き出す。
菅井の横を通る際に呼び止められる。

菅井「どこ行くの」

聞くまでもなく行く場所など決まっているが止めるために訊ねる。

理佐「……」

答えるまでもなく無視して行く理佐。
追いかけて珍しく声を張り注意する。

菅井「勝手に動かないでよ!」

理佐「じゃあずっとここに居ろって言うの!?」

菅井「……っ」

ここまで怒りを表に出す理佐も珍しく、教室の空気が張りつめる。

再び歩き出そうとした時、今泉があるモノを見つける。

今泉「あれ何ィ!?」

叫ぶ今泉が指差す黒板を見る。
チョークで書かれたと思しき"BR"の二文字に注目する。
0004名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 00:13:40.85ID:oT/Ph2kSa
理佐「ビー、アール……?」

織田「誰のイニシャルとか?」

原田「名前が"B"から始まる日本人っている?」

土生「じゃあ外国人?」

小林「そもそも人かどうか……」

石森「ブル・ドッグとか?」

渡辺「???」

それが何を意味するのか一同が首を傾げる中、ただ一人"軍曹"の異名を持つ彼女にある言葉が浮かび上がる。

守屋「バトルロワイアル?」

メンバーはざわつき、血の気が引いていくのを感じた。

理佐「――!!」

鈴本「!?!?!?!?」

小池「っ」

菅井「ウソ」

守屋は自分が口にした言葉の意味を思い出すと、背筋が凍りつくような戦慄が走る。
少女たちは座っていながらもただへたりつくすことしかできなかった。
0005名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 00:14:58.88ID:oT/Ph2kSa
0:05

佐藤「ぁあぁああぁぁあぁああぁあああ……!!!アゴが――」

土生「今何時!?」

上村「スマホ持ってなーい!」

尾関「……えッ?ドッキリ?」

小林「ドッキリじゃない。これは――」

小池「これ、アカンやつや……」

長濱「嫌な予感がする……」

米谷「頭が、痛い」

渡辺「…………ん?」

渡辺はいつものようにキョロキョロしているとあるモノを見つける。
それは一つだけではなくいくつもあり、最後は自分の首に手を這わせ始めた。

渡辺「……!!!」
0006名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 00:16:32.84ID:oT/Ph2kSa
彼女の瞳がただ事ではないと告げていることに守屋が気づく。

守屋(……何?チョーカー?)

プライベートで着けているメンバーはいるが、渡辺が着けているのに珍しく思う。
それ以前に衣装である制服を来ているのにチョーカーを着けていることに違和を覚える。
すぐに自分の首にもそれがあることを知る。

守屋「って私にもお!?」

気づいた瞬間、冷たさと何故だか命の危険を感じた。
他のメンバーも首の異変に気づき慌てふためく。

石森「うっわ!!チョっ、コれマじなンなの!?」

土生「え、外れないんだけど!!」

上村「なんか苦しい……」

渡辺「ん〜〜……!!」

力ずくで外そうと試みるも固くてどうやっても敵わなかった。
0007名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 00:17:42.29ID:oT/Ph2kSa
齋藤「ちょっといったん落ち着こ!」

今泉「ふーちゃん……!」

震えてへたり込こんでいる菅井に代わり齋藤が立ち上り仕切る。

齋藤「誰かここに来たこと覚えてる人いる?」

尾関「なんか〜ここで撮影してたんだっけ?」

志田「してないから!」

土生「てか、なんでみんな避雷針の衣装着てんの?」

少女たちは全員5thシングル収録曲『避雷針』の制服を着ていた。

織田「そうだ!ケヤカケで避雷針のスタジオ収録するために別のところで撮るつってバスに乗って〜〜それから…………」

長沢「それで、気づいたらここに?」

21人でバスに乗り込み、移動していたことを思い出す。
しかし、誰も教室まで来たことは覚えていない様子だ。
0008名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 00:19:45.65ID:oT/Ph2kSa
原田「みんな眠ってたってこと!?」

出来過ぎた状況に隠しカメラでこの様子を見られているのではないだろうかと疑う。
カメラを見つけることに長けている渡辺を以ってしても見つけられないでいる。
扉を開けたら外に看板を持っている芸人がいるかもしれない。

理佐「……っ」

理佐が開けようか迷っていた出入口が目の前で勢いよく開かれた。

??「ばごーん!!!!」

理佐「!!!」

突然の外からのアクションに一同は悲鳴を上げて、近くの者と抱き合う。

志田「ひゃあぁあああああっ!!!!」

小池「ひいぃいいい…………!!!!」
0009名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 00:21:32.02ID:oT/Ph2kSa
馴染みのある言葉と手のポーズをして入って来たのは坊主頭の男だった。

理佐「さ、澤部サン……!?」

土生「サワビさーん!」

彼の登場により少女たちは心底胸を撫でおろす。
冠番組の寝起きドッキリと知り、口々に文句を言う。

菅井「澤部さん!!これは一体何なんですか!?」

守屋「ヒドイヨ!」

小池「もお〜〜!なんなんホンマにい!!」

志田「ガチで焦ったわ!」

織田「やっばやっば!!」

上村「あれ、土田さんは?」

長沢「安心したらお腹空いてきた」

澤部「はーい静かにー!まあとりあえず座れー!」

手を叩いて少女たちをその場に座らせる。
0010名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 00:26:26.94ID:oT/Ph2kSa
守屋「?」

カメラマンやマイクマンはおらず澤部たった一人で教室に入って来たことに疑問に思う。

澤部は黒板の前に立ちいつもの調子で話し始める。

澤部「えーこのグループはすっかりダメになってしまいましたァー」

鈴本「………………は?」

少女たちは突然の剛速球に面食らい、教室の時が止まる。

澤部「とゆーわけでッ!ここにいる21人の中でたった一名の優勝者が決まるまで――殺し合いをしてもらいます!!」

守屋「なっ……!?」

小林「  」

長濱「…………」

一同は開いた口が塞がらず固まり頭が真っ白になった。

小池「なに、言うて――……」

当然のリアクションに澤部は補足する。
0011名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 00:28:37.21ID:oT/Ph2kSa
澤部「えっと〜お前らの次のシングルなんだっけ?守屋ァ!」

突如指名され来月発売の6thシングル表題曲を戸惑いながらも答える。

守屋「が……『ガラスを割れ』、です……?」

澤部「ガラスは割らせません!!お前らは、風に吹かれておしまいだ〜!!」

5thシングルの表題曲にかけて終わりと宣告される。

菅井「ちょ――ちょっと待ってくださいっ!!!」

澤部「なんだー菅井?」

菅井「さ、サバイバルゲーム……それが今回の企画なんですよね?」

澤部は頭をかき大きなため息を吐いて答える。

澤部「ゲームじゃありません。台本なしっ、ガチの殺し合いですッ!!」

守屋「がち……?」
0012名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 00:32:18.63ID:oT/Ph2kSa
澤部「ちなみに、これは三年前からアイドルグループを対象に年に一度行われていますー」

菅井「うそ……!」

澤部「そしてぇー!今回第四回大会は欅坂46が選ばれましたー!ハイ拍手ぅー!!」

拍手するメンバーはおらず、澤部の手を打つ音だけが虚しく響く。

当然誰も信じられないでいる。
まだテレビだと思っている者もいる。
もし本当だとしても誰が信じたいと思うか。

澤部「は〜〜。やっぱ信じられないかー?しょーがない。おーい入って来てくれー!」

澤部は廊下に向かって呼び掛けると、黒服にサングラスの黒ずくめの男2人が教室に入って来る。
黒服等は蓑虫のような大きいズタ袋を担いでおり、それを少女たちの前に置く。
床に置いた音で中身が重いものだと予想できる。

守屋(大きい……。何……?何が入ってるの――!?)

鈴本(なんだかヤバイ――!)

ここでこれが出てくるということはある程度嫌でも予想はついてしまう。
0013名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 00:34:16.42ID:/DPf0AzWa
>>1
汁かボケ!

                        _,,t-‐‐-、,-‐‐-、
                     三'::::::............... .....::::::`y,.
                     ナ::::::::::::::::::::::::::::::::: :::::::::::::ヾ
              | ̄|   V::::::::::::::::_{{ ({∫∬ノノjヾ:::::{
           | ̄| | ̄|   ナ::::::::::::::i`__,,,,,,,ァ_  _,,,,,_ t;;:ヌ
           |  | |  |  イヘ::::::(ヾ~!,ャt、 !'''i ィtン )=f }f
           |  | |  |  i {t)テ" ヘ' '___,イ ヽ_/ 介'
           |  | |  | _,rヘ_,j|!'     /ー--''!     |'
           |,.ィ―'''' ̄ /| |       /二ク     !
           /;;:::'';;::''::;;:/ { ! 、     ヾニン   ノ\
            /'''::::;r|''':::;;;|  | ! \       _,,./|::;;'''\
        /:;;/ |;;;''::;;|   丶\  `__>-ー´   !;;;:'''::iヽ、
          i/   |'::;;;;''|      三 ―''"       !''::;;;;| /ヽ
        /⌒ヽ  |;;''':::;|       \            !;;::''|/  i
         /     \{'';;;::''}          ̄二ニ=    !::;;|   |
        /ヘ     |;;:::::;{            ‐-      !/   |
0014名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 00:35:08.86ID:oT/Ph2kSa
土生(お願い!!土田さん……それか岩井さんであって!!)

澤部の相方が例の看板を持って出て来ることを祈る。

澤部「袋の中身は何だっろな〜?それでは、中身をオープン!」

指示に従い黒服はジッパーを開け、中身を少女たちに見せる。

守屋「あっ……ぁあああッ!!?」

澤部「お前らのマネージャーでーす!」

中には漢字欅のマネージャーだった人が入っていた。
頭部を撃たれ一目で死んでいると判断できる。

志田「ギャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

小池「いやっ!!イヤァ!!!嫌ああああああああああああああああああああ!!!!」

石森「ぎょええぇええええええぇえええぇええええええええええええええ!!!?」

齋藤「うっぷす!!!」

鈴本「!??!!!????!!!!!??????」

教室は阿鼻叫喚の渦に飲み込まれる。
少女たちは泣き、叫び、喚き、吐き、倒れる。
0015名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 00:37:19.33ID:oT/Ph2kSa
平手「や、っさ。ん――」

菅井「こんなっ……、ことって……っ」

澤部「信じさせるためにこれがいっちゃん手っ取り早いんだよなあ!みんなァこの人に感謝しろよお!!」

守屋(に、人形――じゃない!!ほ、本物の人間だ!!!てことは……殺し合いは――ガチ)

全員が殺し合いがテレビではなく、現実のものだと突きつけられる。
黒服等は逆再生のように死体を片付けて、今度は紙と鉛筆を持って来た。

澤部「それでは細かいルール説明の前に、紙に『私たちは殺し合いをする』と三度書きなさい」

黒服は人数分の紙と鉛筆を雑にバラ散く。

澤部「表は島の地図になってるからなーそのまま持っとけよ〜」

守屋(し、島!?じゃあ逃げることは――)

さらっと衝撃事実を告げられ、逃げることができないと絶望する。
0016名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 00:39:23.91ID:oT/Ph2kSa
陸であればシガンシナ区のような50メートルの壁がない限り逃げらると思っていた。
書かなければどうなるか分かったものではなく、少女たちは泣きながら紙に筆を歩かせる。

澤部「ん?」

たった一組だけ紙と鉛筆が転がっていた。
つまり誰かがまだ取らず、書いていないメンバーがいる。

澤部(平手か――いや守屋?……二人とも書いている。じゃあ誰が……)

佐藤「私は嫌だ!!!!!!」

佐藤は髪を振り乱して立ち上がりながら言い放つ。
いつものへなちょこな感じではなく、これでもかと怒りを表に出す。

菅井「し、詩織!?」

澤部は坊主頭を掻きながら佐藤に訊ねる。

澤部「どうした佐藤?何だ?」

佐藤は長いため息を吐き、長い話を始める。
0017名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/01(土) 00:40:25.43ID:PLycTE1p0
手繋?
0018名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 00:41:33.91ID:oT/Ph2kSa
佐藤「どうして私たちが殺し合いなんてしなくちゃならないんですかあ!!」

澤部「それは初めに言っただろー!このグループがダメになったからだよお!!」

佐藤「意味が分からないですう!!!」

澤部「自分の胸に聞いてみろォッ!!」

佐藤「ひっ!?」

番組ではふざけて声を張ることがあるが今は真剣に怒り、メンバー全員を怖じ気づかせる。
足が震えようと佐藤は負けじと男へ立ち向かう。

佐藤「だ、だからと言ってえ〜〜!!殺し合いしましょうハイ分かりましたなんて言う人がこの世界のどこにいるって言うんですかあ!?」

澤部「…………」

佐藤「それにっこんなことふつーに犯罪ですからあ!!ただで済むとっいいや許されると思ってるの〜〜!?今すぐに110番で警察に通報して捕まえてもらいます!!」

澤部「長ーいッ!!!!」
0019名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 00:43:20.71ID:oT/Ph2kSa
佐藤「と、とにかくぅ〜〜!!私はもうお家に帰らせてもらいますからっ!!」

澤部「じゃあ佐藤は棄権とみなしてもいいんだな?」

フンと佐藤はそっぽを向き、堂々と教室から出て行った。
澤部はやれやれと言った顔をして見送る。
すぐに廊下からただならぬ声と暴れるよう音が聞こえてくる。

佐藤「ちょっと……!離して!!……ヤーダー!!!――行きたくなーい!!!!」

齋藤「し、詩織っ!?」

髪を振り乱して抵抗し、新たな黒服2人に両側から連行され教室に戻された。
計4人の黒服が立ちはだかり威圧され、少女たちは心と体を震わせる。

澤部「もっかい聞くけど、本当に棄権でいいんだな?」

澤部は最後の機会を与える。
イエスかノーか。生きるか死ぬか。
0020名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 00:45:41.91ID:oT/Ph2kSa
守屋「だ……め――」

止めないと最悪の事態になることを恐れるも、恐怖で声が出ず口パクになる。
制止の声も届かず、完結に意思を訴える。

佐藤「棄権もへったくれもなーいっ!!!私は死んでも殺し合いなんかしないッ!!!」

彼女の意思は固く、揺るがない。

澤部「そうか。ならしょうがないな」

澤部は残念そうに言うと黒服に「やれ」と合図する。
黒服がタブレットを操作するとピッ、ピッ、と機械音が一秒間隔で鳴り始めた。

志田「何!?何の音?!」

理佐「どこから――……」

音の発信源は佐藤の首のチョーカーからだと判った。

佐藤「嘘っ、えッ、やらぁ!?澤部さんっ何をしたんですかあ!!首から音があああぁあああああ!!!!」

澤部「え〜佐藤はゲームから降りるということで、死んでもらいまーす。あと20秒でチョーカーが爆発するぞー!」

菅井守屋「!?」
0021名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 00:47:13.21ID:oT/Ph2kSa
自分たちの首に爆弾があると告げられ青ざめる。
佐藤のそれが今まさに爆発へのカウントダウンが進み続けている。

佐藤「う、嘘だああぁあああぁああっ!!!やらぁああああああああああああ!!!誰が助けてええええぇえええええ!!!!」

助けを求めてメンバーたちに近寄る。
メンバーはお馴染みの風船破裂の如くみんな逃げていく。

志田「いやああああああああああああぁあああああぁっ!!!」

上村「こっち来ないでッ!!!」

小池「ひょおぉおおおおおおおおおぉおぉおおほほー!!!!!」

渡辺「ワ――ワ――ワ――!!!!!」

教室はしっちゃかめっちゃかになる。
佐藤が磁石のS極なら他の人はN極のように避けていく。
カウントダウンの音は次第に加速し大きくなる。
0022名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 00:51:32.17ID:oT/Ph2kSa
佐藤「あぁあああ……あぁぁああああ。あああぁあああああ・あ・あ・あ……」

やがて佐藤は行き場を失い教室の中央に立ち目をつぶり耳を塞ぐ。

齋藤「を――お願いします澤部さん……!止めて下さいッ何でもしますからァ!!」

澤部「あいつが大会に参加しないからだぞ。あと、話が長い!」

齋藤「!!!?」

澤部は起爆している首輪を止める気はない。
首輪の機械音は最高潮まで早くなり終わりが近いことを悟る。

佐藤「あっ……アッハ!!これっテレビだあ!!爆弾なんて嘘っぱちだ〜〜!!!こんなことあるわけがな〜い私のリアクションを見るためにこんな手の込んだことしてるんでしょおっ!!」

涙と涎を垂らし笑いながらドッキリだと思い込んでいる。

齋藤「詩織ィイ!!澤部さんに謝って!」

菅井「それ以上喋っちゃダメ――」

齋藤や菅井の制止の声もお構いなしというより耳に届かず、弾丸のような長話も最高潮を迎える。

佐藤「この際だから言わせてもらうけど私は頭の中にある言いたいことをぜーんぶ言わないと気が済まないのっ!!!」

佐藤「だから今日は好きなだけ喋らせてもらうよどうせ本番になったらカットされちゃうんだから長く話せば話すほどどこか少しは使ってくれるよね私はあと80年喋って喋って喋りつづ――」

話しの途中でチョーカーが発光し爆発した。
0023名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 00:53:33.83ID:oT/Ph2kSa
守屋「ぁ」

飛沫した血が一番近くにいた守屋の顔に数滴かかる。

硝煙が上がると同時に何かが床に落ちる。
それは二年半を共に活動した佐藤詩織の生首だった。

寿命であれば100歳まで長生きしたであろう佐藤詩織の人生は終わった。
先刻までの嵐のような喧騒は過ぎ去り静寂が訪れる。

澤部「これでようやく静かになったな!」

米谷「あっ……ぁあ…………っ!!」

マネージャーの死体を出された時、心のどこかで作り物だと願っていた。
ドッキリのために精巧に用意されたものだと思っていた。

目の前で生きていた人間の首が飛ぶ瞬間を見てその可能性は粉々に砕け散った。
0024名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 00:56:56.85ID:oT/Ph2kSa
菅井「し、お……り――」

守屋「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」

マネージャー、そして佐藤を殺された怒りが頭を埋め尽くす。

守屋「うっ……ぅうああああああああああああああああああああああああッ!!!!!!!!!」

欅「!!!」

守屋は怒りの咆哮を上げながら、坊主頭に向かって走る。
その表情はかつて見せたことがないほどの鬼の形相をしている。

齋藤「茜ェ!!」

米谷「よせ守屋……!」

澤部「ん〜やっぱりお前はガチかあ!!」

想像に反しない反応を嬉しく思い、懐から取り出した拳銃を守屋へ向ける。
守屋はそんなモノなど視界に入らず猪のよう突っ込む。
0025名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 00:59:47.84ID:oT/Ph2kSa
澤部が引き金に指をかけた時、横槍が入る。

??「ごめん、茜――」

守屋「……え」

守屋は真横から右目に拳をもらい壁まで吹っ飛ばされた。
殴打した人物は守屋の代わりに澤部の前に立つ形になる。

澤部「す……菅井ィイイ!!」

そのまま菅井に標準を定める。

菅井「なんでも、ありません……!申し訳ありませんでした……!!」

謝りたくない人に頭を下げ、ぎゅっと拳を握りしめて必死に感情を抑え込む。

守屋「×××」

馬を手懐ける腕筋から繰り出された拳に堪え悶絶する。

菅井「許して……」

許しを請う声を聞き、意識が途切れる。
0026名無しって、書けない?(SB-iPhone)垢版2018/09/01(土) 01:24:26.42ID:Db5GVp+ap
まあ澤部は事務所から仕事だって言われたらこれくらいやるだろうな
アイツ愛無いし
0027名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 01:56:48.61ID:oT/Ph2kSa
澤部「たっくぅ、次逆らったやつは即バーン!だかんな〜」

拳銃をチラつかせて脅し懐に仕舞う。
蝶ネクタイを締め直し、下らない前置きをしてからルール説明に入る。

澤部「えー既に一名死んじゃいましたが、あと守屋は眠っていっていますがー。たった一名の優勝者が決まるまで殺し合いをしていただく"バトルロワイアル"の細かいルール説明をします」

澤部「みなさんに支給されるのは一つのスクールバッグです。その中に多少の食料と飲料水、時間や地図などが見れる腕時計"ウォッチ"、それと戦うための武器が一人二つ入ってます」

ピースして二つ武器を与えることを伝える。

澤部「武器はそれぞれ違うものが入ってます。銃器から刃物など種類はピンキリです」

澤部「さっきも言いましたがここは島です。お配りした地図を見て下さーい」

先程『私たちは殺し合いをする』と書かされた紙の表の地図を見と菱形の島にいくつかの地図記号があった。

澤部「我々が今いる分校は島の中心にあります!無人島ですので思う存分殺り合えよ!俺たちは島の外の船にずっといるからな!みんなが頑張ってんの見守ってっからな!」

澤部「それと海を泳いで逃げようなんて考えちゃ駄目だぞー?周りに他の島なんてないから魚のエサになりたいやつはやってみてもいいぞ〜」

長濱「……」

脱出は不可能だと念を押され、さらに眉間にしわを寄せる。
0028名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 02:00:51.14ID:oT/Ph2kSa
澤部「島での行動は自由だから一か所に隠れていてもいいぞ」

上村「!」

半数の少女が目に見えて安心するのも束の間で、澤部は話を続けると再び青ざめることになる。

澤部「しかーし!そんなことをしてたら戦いになんないから、このようなエリアを設けましたー!」

尾関「えりあ?」

地図を見ると外枠の縦にA〜F、横に1〜6とあり縦横の線が引かれ計36のマスになっていた。

澤部「例えば『D-3、5:00から禁止エリアだぞー』とウォッチに放送します。そしたら急いでそのエリアから脱出してください。そうしないと――そのチョーカーが爆発するぞ!!」

土生「ヴッ!?」

澤部「大会は明後日2月24日0時までの2日間!!その制限時間までに一人にならなかったら、その時は全員のチョーカーが爆発します。つまり"優勝者"はありません」

今泉小林「!!!?」

齋藤(たった、二日……)

時間制限により48時間後には一人ないしは全員が死ぬことを余儀なくされる。
0029名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 02:03:15.50ID:oT/Ph2kSa
澤部「あっ、重要な事を言い忘れてましたー!いっけねっ!」

鈴本「!!?」

わざとらしく坊主頭を叩いて言う。
とてつもなく嫌な予感がし的中することになる。

澤部「今大会を盛り上げてくれる"転校生"がいまーす!そいつはもう島入りしてるからな。みんな仲良くしてやってくれよお!!」

理佐「うそ……っ」

渡辺(てんこーせー!?)

教室にいるのは二年半苦楽を共にした仲間たちであり、残り二日間の命だろうが殺し合いなどするはずがないと思っていた。
それも転校生がいるとなれば話は別だ。
送り込まれた未知の刺客の存在に絶望を植え付けられる。

澤部「いいか〜よーく肝に銘じろよー?君たちは殺し合いをするしかありません!」

澤部の言う通り、生き残りたければ殺し合いをするしかない。
たった一枠しかない生の椅子に座るため、21の命が燃え上がる。
0030名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 02:05:17.12ID:oT/Ph2kSa
澤部「よーし、わかったなー!それじゃあ一人ずつ五分間隔で教室を出てもらいます」

齋藤「一人五分?」

澤部「廊下で荷物渡すからなー。途中に手洗いもあるから行きたい人は寄っとけよー」

平手「…………」

黒服4人の内3人は廊下へ出て、教室に残った1人は澤部を警護する。

澤部「それじゃまずは〜、一番石森虹花!」

石森「!!……ひぐっ!ヒッ、イヒ……」

名前を呼ばれて怯える石森は泣きながらもとりあえず立ち上がる。
メンバーに助けの眼差しを向けるも誰も目を合わせようとしてくれない。
0031名無しって、書けない?(dion軍)垢版2018/09/01(土) 02:08:03.45ID:FqEv78+C0
ガチの守屋、チャプチェ菅井、策士理佐、サイコ長沢くんあたりが善戦しそう
転校生はシラネ
0032名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 02:08:27.82ID:oT/Ph2kSa
石森「ヒッグ、ヒィ……イヒヒ!」

澤部「ほらぁ!さっさと行けー!!」

澤部は泣きじゃくる石森を追い立てる。

石森「!!ハヒ――」

行かなければ今この場で殺される。
足をガクガク震わせながら歩き教室を出る。
泣き声は遠ざかり、やがて聞こえなくなった。

待機時間は静かなもので瞬きの音すら聞こえてしまいそうなほどだった。
そんな中でたった一人だけ寝息を立てている者がいた。

守屋「すー……」

気絶している守屋の寝息が少女たちの緊張を少しだけ解していた。
0033名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 02:12:42.33ID:oT/Ph2kSa
石森が出て五分が過ぎ、澤部ははりきって次の人の名を呼ぶ。

澤部「さーどんどんいくぞー!二番今泉佑唯!!」

今泉「うぅぅう……わぁああああぁ……!!」

泣きべそかいた今泉は鼻水を垂らしながら廊下へと追いやられる。

澤部「今泉ィー!ここを出たらいよいよ殺し合いだからなー!がんばれよ〜!」

泣き泉の後ろ姿にいつもの番組での口調で恐ろしいエールを送る。

その後もメンバーは時間通り五分置きに呼ばれ分校を後にする。

米谷「…………」

喋ることを許されず待機時間がとてつもなく長く感じ、気分が悪くならない方がおかしい。
後半のメンバーは一時間以上何もせず座っているだけだった。
0034名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 02:15:53.45ID:oT/Ph2kSa
01:40

澤部「十八番守屋茜!!!!!!」

守屋「んひぁ!?」

今度は自分の名前を大声で呼ばれて目が覚める。
起きると同時に右目に激痛が走る。

守屋「あ痛ぁ!?」

殴打された右の瞼は腫れ上がり、青たんが目を塞いでいた。

理佐「怪我、してるから――」

理佐に小声で教えてもらう。

守屋「えっ!? あっ……」

教室を見渡して、地獄の渦中にいることを思い出す。

守屋(あの時、友香に助けられたんだった。じゃなきゃ今頃私も……)

教室中央にある血溜まりを見ると、亡き同期の死体は片付けられていた。
0035名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 02:18:54.62ID:oT/Ph2kSa
澤部「守屋ァ!さっさと行けぇええ!!」

守屋「はいッ!!!!!!」

間髪入れずに澤部を上回る声量で返事をする。

澤部「!!!なんだよ……、やる気満々かあ!!?」

守屋と澤部のやり取りを見て残っている3人のメンバーはここに来て初めてわずかに表情を柔らかくする。
縮こまり俯き泣いていた米谷は「フッ」と噤んでいた口を少し開き八重歯を見せる。
目を開いて固まっていた渡辺は少しだけ目を細めて「フフ」と聞こえてきそうな感じで口元を手で抑えていた。
冷静を保っていた理佐は「フー」と鼻息で反応する。

守屋「……」

澤部を静かに睨み付けて、心の中で誓いを立てる。

澤部さんを今すぐにでも本当にぶっ殺したい。
けど、友香が生かしてくれたこの命を無駄にするわけにはいかない。
マネージャーと詩織を殺し、愛するみんなをこんな目に合わせた大人たちを絶対に許さない。
次に会った時があなたの最期だから、どうか待っていて下さい。

澤部の前を通り過ぎ、出る前に残ってる3人を見る。

米谷「?」

守屋(よねみ、梨加ちゃん、理佐。私は殺し合いなんかしないよ)

渡辺理佐「!!」

一瞬だけ優しく微笑みかけ教室を出る。
0036名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 02:22:00.69ID:oT/Ph2kSa
薄暗い廊下には黒服が荷物を持ち待機していた。
それを強くひったくり外を目指す。

守屋「……ふー」

短くない廊下を歩いきながら考える。

あの子たちが殺し合いなんてするわけがない。
たとえ本当に二日間の命だとしても、自分だけが生き残ろうだなんて誰が思う?
それにきっとねるやよねみが脱出の方法を思いついてくれるはず。

守屋(友香は先に出てったから、みんなを集めて外で待ってるかもしれない!)

教室で助けてくれたキャプテンが外で待っていること期待する。

廊下の後半は足早になり校舎を出る。

守屋「あ」

外には人っ子一人おらず校庭が広がっていた。
街灯は一つもなく、月明かりだけが照らしている。
0037名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 02:23:40.78ID:oT/Ph2kSa
誰かが待っていてくれると期待していた分、虚しさがこみあげて来る。
追い打ちをかけるように風に吹かれ右目が一層痛む。

守屋「いっつ〜〜!!」

痛さを感じ、生きていることを実感する。
死んでしまったら何もかもがお終いだ。
死ぬのは後でできる。今は生きよう。

校庭を横切り校門を出ると、小川が流れており石橋がかかっていた。
橋を渡ると舗装はされていないが東西に道が分かれていた。

守屋(右か、左か。それとも――)

正面を見ると山林が広がっていた。
思い出したようにその場で鞄を開けて武器を探す。

守屋(銃だ!二丁ある!!)

支給されたのは同じ型の拳銃二丁だった。
明らかに鈍器や刃物より優れている銃を手にして素直に安心する。

守屋(これさえあれば襲われても大丈夫だ!かかって来いよ転校生!!)

一丁を右手に持ちもう一丁をブレザーの内ポケットに仕舞い、東の道を行く。
0038名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 02:25:04.26ID:oT/Ph2kSa
・・・・・・

十七番平手友梨奈は守屋より五分前に分校を出て、東の道を先を歩いていた。

平手「なんでこんなことに……。マジでふざけんなよ――」

ただ愚痴をこぼしている女子高生ではなく、支給された日本刀を腰に差している。
いきなり島に連れられてどこへ行けばいいのか分からずとりあえず歩くしかない。

平手(やつさん……、しおり…………)

大好きだったマネージャーと佐藤詩織の死を受けて傷心する。

平手「誰が殺し合いなんてするか」

ここへ来て更に大人たちへ怒りを静かに燃やしていた。

一陣の風が吹き木々が揺れ、同時に山から降りて来た人物に襲われる。
0039名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 02:27:08.17ID:oT/Ph2kSa
平手「ぎゃはっ!!!」

迫り来る斧に反射的に手を前へ出し、後ろへ倒れる。

平手「え……?痛っ!」

何が起きたか判らなかったが、痛みを感じる所を見る。
制服の袖が裂けて、左腕に浅い裂傷ができていた。

平手「ッ!!」

自分が襲われて、殺されそうになったことを遅れて理解する。
倒れたまま襲ってきた人物に視線を移す。

虹花「フ――!!!フ――!!!」

平手「に、虹花……?」

荒い息遣いで尋常ではない様子の石森がそこにいた。
目は血走り手には斧を持って構えている。
0040名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 02:28:21.49ID:oT/Ph2kSa
平手「ま、待って!!私は殺し合いなんてしないから!!」

両掌を見せて敵意はないことを示し、落ち着かせようなだめる。

石森「……!!」

理性を完全に失ったわけではなく、平手の声は耳に届きわずかに興奮が冷める。

平手「みんなで脱出しよっ!私たち21人にできないことはないって!!ねっ!!!」

21人の絆を訴えかける。
しかし、石森は俯き斧を持つ手に力が入る。

石森「――んでる……」

平手「え?」

石森「もうすでに詩織は死んでるんだよお!!!」

平手「っ……!」
0041名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 02:30:29.28ID:oT/Ph2kSa
石森「脱出なんかできるわけねえだろお!!!そんなこと私にだってわかる!!やっぱお前はガキだなあ……!!」

平手「そんなっ……」

石森「私は家に帰らなければならないんだよお!!!」

斧を持ち直して、じり寄って来る石森。

平手「!!!止めて!!!帰りたいのはみんな一緒!!!だからみんなで――」

石森「家でおばあちゃんもハッピーも待ってる!!!だから私が生き残って帰らないといけないんだよおおお!!!!」

平手「はあ!?私だって――」

石森「うるぁああああぁぁぁあああああああ!!!!!」

人の話は聞く耳持たず石森は再び斧を振り下ろす。
平手は鞘に納めたままの日本刀で受け止める。
0042名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 02:34:49.78ID:oT/Ph2kSa
平手「おいっ……!!!」

思った以上に石森の押す力が強く少しずつ刃が近づく。

平手「お願い……!目を、覚まして――!!」

石森「うっ……があぁああああああああ!!!!」

さらに斧に力が入り、日本刀もろとも平手を吹っ飛ばす。

平手「ぐわぁ!!」

派手に飛ばされ、膝や手を擦り剥く。
日本刀は彼方へ飛び、鞘から抜け生身になる。

平手(マズイ!!刀を――)

倒れてる状態から刀へ向かって飛び跳ねる。

石森「はあぁああああああ!!!」

平手「ごっ!!」

石森に馬乗りにされ、あと一歩のところで刀に手が届かない。
0043名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 02:40:19.57ID:oT/Ph2kSa
マウントポジションから斧を両手で持ち天に掲げる。

石森「これで――終わりだぁああああああっ!!!!」

巻き割の要領で平手の頭へ斧を振り下ろす。
その時、諦めず伸ばしていた手が日本刀に届き握りしめる。

平手「ぅおおおあああああぁああああああっ!!!!!」

そのまま石森の脇腹に刀を突き刺し、制服に血を滲ませる。
振り下ろされた斧は止まらず首だけを動かし紙一重でてかわした。

石森「う!ん゙? ――ぢぃいぃいいい゙い゙い゙い゙!!!!!!!!!」

人生で一番の腹痛に襲われて、地面に転がる石になる。

石森「ぢょ!!!こマ――ンンンン゙ン゙!!!!!!!!!!!」

これが演技であればハリウッド女優になれるかというくらいの表現力の高さだ。
0044名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 02:42:53.59ID:oT/Ph2kSa
石森「ヲホハーーー!!!をねっ、がゐぃ!!!だずげでぇえへへっ!!!」

笑ってるのか泣いてるのか判らないが、汗と涙と鼻水と涎で滅茶苦茶になった顔で懇願する。
ただそれを無表情で見降ろす平手。

平手(これはきっと夢なんだ――)

平手友梨奈は大人たちの操り人形になること、つまりこの殺人ゲームに乗ることを決意する。

石森「ゐや゙!!やめ゙――」

丸まった背中から心臓を一刺しする。
石森虹花は血を吐き一瞬だけ痙攣してすぐに動かなくなった。

仲間だった人に埋まっている刀を引き抜き、血の付いた刀を振り払い鞘に納める。

平手「みんな、殺す――」

得物を求め森の中へと消える。
0045名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 02:47:17.51ID:oT/Ph2kSa
その直後に守屋がやって来た。
月明かりの下、道の先で何かが光ったのが見える。

守屋「何?誰かが荷物でも落としたのかな?」

近づいてみるとそれが何なのか嫌でも判る。

守屋「ニ、虹花ァ!?」

そこには同郷の亡骸が倒れていた。
二度目の仲間を失った死に全身の力が抜け涙が頬を伝う。

守屋(だ、誰が一体こんなことを……。まだ始まったばっかりなのに――、!!!)

急に銃を構えて周りを警戒する。
風で木が揺れる音だけが聞こえ、人の気配はなかった。

守屋(ここに居たら殺される!!逃げなきゃ――でも、どこへ行けばいいの!?)

ぼけっと座り込んでいたら殺してくれと言ってるようなものだと理解し、森へ入り安全な場所を求めて走り出す。
安全な場所を探し求めて、ただ闇雲に暗闇の中を疾走する。
0046名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 02:50:48.55ID:oT/Ph2kSa
・・・・・・

東の森に一人膝を抱える子どもがいた。

原田「殺し合いなんて、できるわけないよ……」

十六番原田葵は縮こまり見つからないように闇に溶けていた。
敵に見つかりにくい褐色な肌を初めて幸いに思った。

原田「死にたくないよ……。パパ、ママ……」

佐藤の死と自分が置かれている状況に涙せずにはいられなかった。

ふとポケットに重みを感じ、手を入れてみる。

原田「あ!スマホ!!ポッケに入れてたんだった!!!」

祈りを込めてホームボタンを押すと、画面が点いた。
0047名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 02:51:54.34ID:du30Rsxea
バトロワ懐かしい、漫画持ってたわ
原作なぞるには人数かなり足りないな
0048名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 02:53:27.39ID:oT/Ph2kSa
原田「やった!これで助けを呼べる!!」

ぴょんぴょん飛び跳ねたい気持ちを抑えすぐに電話を立ち上る。
そして人生で初めて110番に掛ける。

数回のコール音の後、相手に電話がつながった。

??『もしもし』

原田「た、助けてください!!!」

神に感謝し、電話口の男性を神の遣いのように話す。

原田「今、誘拐されてどこかの南の島にいるんです!!お願いです助けてください!!」

詳しくはないが逆探知してもらえれば一発で現在地が判るだろう。
警察が来れば澤部達は捕まって終わりだ。
死ななくていいんだ、殺し合いをしなくてもいいんだ――。
0049名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 02:55:21.29ID:oT/Ph2kSa
澤部『警察じゃないぞー!原田ァ!残念だったな〜〜!』

原田「!!?ヒィ――」

聞き覚えのあり過ぎる声に心臓が飛び出そうになる。
反射的にスマホを地面に放り捨て離れる。

澤部『〜〜〜〜』

続けて何か話していたようだがすぐに電話が切れた。
急激に心拍数が上がり、体温も上がり発汗する。
震えながら冷静に頭を働かせて考える。

原田(確かに110番にかけた……。なのに澤部さんに繋がった……。つまり――)

本土から遠く離れた大海原の無人島なのに電波が来ている。
おそらく運営側が本土と連絡をとるために、船に電波を送受信するアンテナを積んでいるのか。
たぶんインターネットは繋がらず、電話はどこにかけようと全て船の運営側に繋がってしまう。

原田「…………あ!」
0050名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 02:55:23.53ID:XMG3S+D6a
>>21
違う極同士ならくっつくぞ。やり直し。
0051名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 02:58:31.37ID:oT/Ph2kSa
電話のことを考えているとピンと頭の電球が灯った。

原田(脱出……できるかもしれない――!!)

脱出の可能性が無から有に転じ、自分でも信じられない。

その時、茂みをかき分ける音が聞こえる。

原田(!!誰か来る!?)

音はだんだん大きくなり、こちらに近づいているのを感じる。

原田(もし転校生だったらどうしよう――!!)

逃げようとすれば音がする。
銃を持っていて音のしたところを撃たれでもしたら終わりだ。
原田はねずみのように息を殺し草むらに隠れる。
0052名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 03:01:13.38ID:oT/Ph2kSa
??「ん?」

その人物は地面に落ちてるモノを見つける。

原田(あっ……ダメ――!)

落ちていたのは原田のスマートフォンだった。

??「!……誰か、いるの?」

原田(見つかった――、!!!)

来た人物の顔を見るとに一気に明るくなる。

原田「り……り、理佐ぁ!!」

渡邉「あ……あ!葵っ」

原田は渡邉に飛びつき抱き着く。
0053名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 03:03:16.48ID:oT/Ph2kSa
原田「りさりさりさーー!!ああああ……!!」

渡邉「よかった……。会いたかった……」

渡邉はスナイパーライフルを捨て、抱きしめ返してくれる。
泣いている原田は渡邉の胸元に顔が当たり違和感を覚える。

原田(!?……なんだろう、この感じ……。何か……大――)

渡邉「どうしたの?」

原田「ううん、何でもない!」

渡邉「ねえ、一緒にいてくれる?」

原田「当たり前じゃん!一緒にいよっ!!」

思い出したかのように早く安心させたくて話をする。
0054名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 03:07:07.01ID:oT/Ph2kSa
原田「ねえ聞いて聞いて!」

渡邉「何?」

原田「あのね、私この島から脱出の方法を思いついたの!」

渡邉「え……本当に!?」

原田「この方法ならきっと、たぶん……いや、絶対!みんなで脱出できると思う!!」

渡邉「……へえ」

原田「そのためには米とねるの協力が必要なんだけど、いっしょに――へ?」

スナイパーライフルの銃口を向けられる。
意味が分からな過ぎて思考が停止し、自然と涙がこぼれ落ちる。
楽しく話していただけなのに、なんでいきなり行動が豹変したのか。
必至に声を振り絞り、震えながら問いかける。
0055名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 03:11:13.20ID:oT/Ph2kSa
原田「……り、さ……?ちょっと、どうしたの……っ?」

渡邉「困るんだよね。脱出なんかされると」

原田「!?……は?なんで……?だって ……、え。どおゆうこと……?」

賢い原田は少しずつパズルを揃えていく。

原田(脱出の話をしたとたん……それに、あんなに大きく…………。つまり――)

音を立てて最後の1ピースが埋まり全てが解った。

原田「あっ……ああああぁ……!?こんなっ、うわあぁあああ……!!」

闘うという選択肢はなく、一目散に背を向けて逃げた。
渡邉はその小さい背中に狙いを定め引き金を引く。

原田「っ――」

乾いた音が島に響き、撃たれた原田はうつ伏せに倒れる。
渡邉はボルトアクションで空薬莢を弾き出す。

渡邉「残念だよ。あなたがそんなこと言わなきゃ、いろいろ使えたと思ったのに」

そう言うとその場を後にする。
0056名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 03:13:21.46ID:oT/Ph2kSa
倒れている原田は足音が完全に遠ざかるのを確認し起きる。

原田「ふぅ……」

小さく息を吐き、背に隠していた秘密兵器を出す。
それは支給された武器の青龍刀の刃であり、金の龍がちょうど弾丸を咥えていた。

長棒と刃を組み立てず別々で持っていたのだ。
背を見せて逃げれば背中を撃ってくるだろうと誘導するために決死の演技した。

原田(うまくいった……。それより、早くみんなにこの事伝えないと――!!!)

立ち上がり、渡邉が消えた反対へ行こうとする。
0057名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 03:15:55.39ID:oT/Ph2kSa
??「どこ行くの?」

原田「ヱッ!!!!?」

後ろから声をかけられただけで、命がこぼれ落ちそうになった。

全身を悪寒が支配し、生きた心地は彼方へ消え去る。

どんなに泣き叫び喚き漏らしのたうち回り命乞いをしようが、もう数秒後に殺されると悟る。

原田「…………」

ドラマのように都合よく主人公が助けに現れることはない。
間もなく殺される。私は死ぬということを自覚している。

渡邉「最期は大人しく死んで?」

再び銃口を覗かされ、17年間生きてきた人生を振り返る暇も与えられずせめて最後となる一言を探る。
0058名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 03:20:01.51ID:oT/Ph2kSa
原田「ふわぁ……っ!」

言いかけた言葉を思い留める。

"What made you do that."
いよいよ日常で使うことが訪れなかった言葉が、今この瞬間に最も適してるんなんて。
でも冥途の土産なんていらない。この人にに望むことはたった一つだけ。

原田「死ネ」

頭の良い原田は、頭の悪い小学生のような悪口を言い放つ。
泣きながらぷく顔で笑っていた。

渡邉は躊躇なく引き金を絞ると、弾は頭に吸い込まれ脳を巻き込みながら貫く。

渡邉「まずは一人」

小さなネズミかと思ったら大きい龍の片鱗を見せた原田葵を葬り、二人目を探しに行く。
0059名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 03:22:37.53ID:oT/Ph2kSa
・・・・・・

島から離れた船の中で少女たちが見ている景色、つまり視界の映像を見ている男たちがいた。
プレイヤーの右目にカメラ機能を有する"コンタクト"が埋め込まれており、それを通じている。
もちろんこのことは彼女たちには告げらていない。

黒服1「三人目……十六番原田葵、死亡です」

運営側が管理しているPCに一つの知らせが入り、単調に伝える。

澤部はソファーに座りながらコーヒーを飲みくつろいでいる。

澤部「うーん、いいペースだな〜。俺はうれしいぞォ!」

嬉しそうに笑みを浮かべる坊主の顔は悪魔のようだった。


残り19人
0060名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 03:32:26.59ID:oT/Ph2kSa
1です。
ご指摘いただきありがとうございます。
ここで一話終わりで全十話です。次から話数ちゃんと入れます。
主役守屋のバトロワ×欅ssです。
色々矛盾とか誤字脱字あるかと思いますので指摘ください!
あらかた書きあがっているので、なるべく早く終わらせたいと思います。
0061名無しって、書けない?(神奈川県)垢版2018/09/01(土) 04:03:34.56ID:nJg9bbuG0
応援してます
0063名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 14:21:34.18ID:6hMEBFIna
第二話

02:00

長濱「ハッ、ハッ、ハッ……」

十四番長濱ねるは南東の海岸沿いを走っていた。
支給されたサブマシンガンを抱え目的地へ向かう。

息を切らして立ち止まり、左腕に着けたウォッチの地図アプリを見る。
目指している最南端まで100メートルの所まで来ていた。

長濱(もう少し……、もう少し先に――ふーちゃんが待ってるっ!!)

数時間前、分校にて。

澤部『一番石森虹花!』

石森『ヒッ、ヒィ、イヒ!!』

澤部『オルァー!さっさと行けぇー!』

名前の順で一番最初に呼ばれた石森をしっしっと教室から追い出す。
0064名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 14:24:09.60ID:6hMEBFIna
齋藤『ねる』 

長濱『!?』

とても小さく誰にも聞こえない声で名前を呼ばれた。
隣の齋藤は前を向いており口元に人差し指を当て"しっ"と口の形で伝える。
それを見て察し、自分も視線を前に戻す。

密談が大人たちにばれたら、ナイフでも飛んできそうな気がした。
細心の注意を払って、齋藤の話に耳を傾ける。

齋藤『ここが本当に島なら、南の端で待ってる』

長濱『!!』

五分おきに分校から出て行かされるので離れ離れになってしまう。
でも齋藤は最南端で落ち合おう約束をしてくれた。

こんな状況なのにそれが嬉しすぎて、笑みを抑えるのが大変だ。
同時に涙も零れ落ち頷いて、それが返事として伝わったのだろう。

澤部に泣いていることは気づかれていたみたいだが、特に何も言われなかった。
0065名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 14:26:51.44ID:6hMEBFIna
長濱「ふっ、うふふ……!!」

ここに来るまでの道中、不安でしかなかったけどその言葉を思い出す度に笑みが零れる。
救われたのは今日だけの話じゃない。
ダンスでも、冠番組でも、ライブでもいつも助けてもらってばかりだ。

一番救われたのは彼女と初めて会ったあの日のことは今でも鮮明に覚えている。
ちょうど二年前の冬、心理アナリスト虹彦先生の回が人生初の番組収録となった。

MCの二人にたくさん話を振ってくれたけど、誰も私を受け入れてはくれなかった。
それもそのはず、自分たちがデビューもしていないのに最終オーディションも受けてない田舎娘がどの面下げてのこのこ入って来たという話だ。
大外の席に座らせられ、せめて隣の子には挨拶しておこうと思い声をかける。

長濱『よ、よろしくお願いします』

米谷『…………』

彼女の耳には届いてるはずなのに、聞こえなかったのかと疑うほど無反応だった。
無視されるのは無理ないかと早速心が折れそうになった。

??『うち、あんたとは仲良くなれへんわ』

長濱『……!』

それは小さな声でかろうじて聞こえた。
再び隣を見ると彼女はこちらを見ていなかった。
内容も含めて幻聴だったのかと信じたかった。
0066名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 14:30:16.90ID:6hMEBFIna
年下から言われたたった一言に上京したことを全力で後悔した。
MC二人が担任の先生のように転校生を溶け込ませようと振ってくれたりして頑張っていただいた。

でもあまりでしゃばりすぎるとより打ち解けにくくなると思って頷く程度にしていたが、『聞ーこーえーてーるぅー?』と音楽の先生のように言われてしまった。
初めての収録が終わり、メンバーがバラバラ楽屋に戻っていく。

その日は一人だけ別の控室だったこともあり一番最後に戻ろうと下を向いて待っていた。
そんなうつむいていた時、気さくに声をかけてくれた人がいた。

齋藤『よっ、新入り!』

長濱『!!さっ、齋藤サン……』

齋藤『お、名前覚えてくれたんだ?』

長濱『え、はい!皆さんのお名前とご出身とお誕生は。あと、血液型も……』

齋藤『やっば!うける〜』

笑い飛ばしてくれた。こっちまでつられて笑いたくなる。
厄介者なのにどうして話しかけてくれたのだろう。
0067名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 14:32:49.69ID:6hMEBFIna
長濱『あの、齋藤サンはどうして……』

齋藤『てかさ〜さん付けとか敬語はなしな!チームメイトなんだから。まあみんな私のことあだ名で呼ぶけど』

長濱『!』

聞こうと思っていたことを全部答えてくれた。
まるで今の心境を解ってくれているようだ。
安心して思い切って初めてメンバーをあだ名で呼んでみる。

長濱『じゃあ……ふーちゃん!』

齋藤『おう。私は名前で呼ばせてもらうけどね〜。これからよろしく、ねる!』

長濱『よろしくお願いしますっ!……あっ!』

齋藤『敬語なしっつったじゃ〜ん!』

つっこまれ二人で笑い合い、心の氷が解けた。
あの日、冬に優しく咲く一凛の真っ白な花を見た。

彼女は太陽のように眩しくて温かかった。
齋藤のおかげで徐々にメンバーと仲良くなっていき、最後にはあの子とも打ち解けれた。

だからあの出会いは死ぬまで忘れることはないだろう。
何がバトルロワイヤルだ、何が「殺し合いをしなさい」だ。

こんな島から一緒に逃げ出してやる。
0068名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 14:35:04.51ID:6hMEBFIna
長濱は最南端に到着した。
浜辺に岩場が数々あり、その中に人影を見つける。

長濱「ふーちゃん!!」

八番齋藤冬優花は高い岩場の上に座っていた。

齋藤「ねる」

名前を呼ばれて単調に答える。

長濱「ふーちゃーん!!!」

再会についテンションが高まり叫びながら駆け寄る。
足元が海に浸かり、靴下が濡れることなど気にせず進む。

齋藤「気を付けて。そこはよく滑る」

長濱「!!!……えっ」
0069名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 14:36:34.29ID:6hMEBFIna
足を止めると、言われた通り転びはしなかったが滑った。
嫌な予感がし、得体の知れない足元を恐ろしくて見ることができなかった。
齋藤の鉄仮面の白い肌が月明かりに照らされている。

長濱「ふーちゃん、澤部さんたちと戦うんだよね?しーちゃんの仇討つんだよね!」

齋藤「…………」

無表情のまま空を見つめる齋藤。
肯定も否定もせず、別の事を考えているようだ。

齋藤「ねる。私はどっちでもよかったんだ」

長濱「どっちでもって……、えっ?…………何が?」

齋藤「私は十円玉を投げた。表が出たらねるの言う通り澤部さんたちと戦う」

波打ち際に何か落ちており、それに月光が反射する。
件に出た投げた十円玉だった。
0070名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 14:38:38.25ID:6hMEBFIna
齋藤「そして、裏が出たら――」

長濱「……!!」

表なら澤部たち運営側と戦い脱出する。裏ならその逆を意味する。
答えを聞く前に平等院鳳凰堂がはっきりと見えた。

齋藤「このゲームに乗る」

そう言って、隠していた火縄銃を長濱へ向ける。

長濱「うっ――」

一瞬にして顔が歪み涙して叫びながらサブマシンガンを最愛の人へ向けてしまう。

長濱「うおあああああああああああああああああああ゙あ゙あ゙あ゙っ!!」

大好きな人の顔を、目を見る。
殺されると死を覚悟しながらその引き金を絞ることはなかった。

長濱「あ・あ・あ――……?」
0071名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 14:40:11.60ID:6hMEBFIna
目が回り気づくのに時間がかかった。
齋藤が向けていたのは火縄銃の持ち手側だった。

齋藤「表だよ!」

長濱「お、も、て……?」

硬貨の裏は大きく金額が書いてある方で、歴史的建造物が上を向いている。
緊張と焦りで裏と表を逆に勘違いしてしまった。

齋藤「澤部と戦いたいからさ、この銃の撃ち方教えてほしんだけど!」

長濱「…………。ぶ〜ぢゃ〜ん!!!」

齋藤「ちょっと〜!ブタみたいじゃんその呼び方〜!」

長濱「あっははーん!!!」

抱き着く長濱を優しく受け止める。
泣き止むまでの間、愛の抱擁を続けた。
0072名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 14:41:16.39ID:6hMEBFIna
長濱「でも人が悪いよ!」

齋藤「ごめん。悪いけど試した」

長濱「タメシタ?……え、ねるを?」

齋藤「こんな状況だからさ、さっきねるに撃たれて……それで終わりでもよかった」

長濱「へ……?それって――」

齋藤「私が賭けたのはコイントスなんかじゃなくて、ねるだったんだ」

長濱「なっ、なんてこと……!その賭けは成立せんよ!だって表しか出んから!!」

齋藤「信じてた。だから、絶対に生きてこの島を出るよ!」

長濱「うん!!」

改めて固い握手を交わす。
そのまま手をつなぎ、二人は森の中へ入る。
0073名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 14:42:57.19ID:6hMEBFIna
・・・・・・

04:00

島の東側に港があり、近くの浜辺に一人佇む少女がいた。

尾関「はあ……」

四番尾関梨香は海を向かってため息をつき体育座りをしていた。
視線の先には澤部達のいる船があった。船は沖から200メートルは離れている。

支給された武器はマークU手榴弾を2つ。
パイナップルのような形状で知られる有名な手榴弾である。

尾関(パイナップルみたいだな。これがなーこちゃんに支給されてたら――)

長沢菜々香に支給されていたら、間違えて口にしてしまうかもしれないと危惧する。
素人の尾関でさえ惨事になることが目に見え、思わず固唾を飲む。

尾関「詩織…………」

分校が禁止エリアになり、澤部達が船へ戻って行くのを港で待ち伏せていた。
しかし暗くて気が付かなかったが校庭に停めてあったヘリで戻り実行できなかったのだ。
0074名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 14:45:38.21ID:6hMEBFIna
欅を愛する気持ちが三番目くらいに強い尾関は大人たちを倒すことを決意する。

尾関「私が、コレで、皆を、守るんだ……!」

鞄を置き靴と靴下を脱ぎ捨て、両手に一つずつ手榴弾を持つ。
制服は着たままで、波打ち際に近寄る。寄せ波が尾関の素足を撫ぜる。

尾関「ぅひゃあっ!?」

尾関独特な動き"尾関スタイル"で波辺へ飛び退く。
南に位置する島だが、二月の夜の海は冷たくて当たり前だ。

尾関(づべだずぎる゙!?…………いや、皆のために!死んじゃったマネ―ジャーと詩織のために――)

気合を入れて叫びでたらめなフォームで走り出し、派手に海へ入水した。

尾関「あぁああああああぁああ……!!!あ。あ…………、あ――」

勢いの余り既に股までつかり、あまりの冷たさにそこから一歩も動けなかった。
0075名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 14:48:03.68ID:6hMEBFIna
目が開けられないほどの寒冷に襲われ、記憶は過去に飛ぶ。

デビューシングル『サイレントマジョリティー』は真冬の工事現場での撮影だった。
一年で一番の寒波が押し寄せていた夜は、文字通り一年で一番寒かった。

撮影を見守ってくれていた女の子が懐炉をくれた。そのメンバーの名は。

尾関「ねる……!!」

尾関の意識は帰って来た。

尾関(サイマジョだけじゃない!セカアイの北海道も、不協和音の○○も、めちゃくちゃ寒かった!)

欅あるあるであるMV撮影は決まって寒く、闘いの日々を思い出す。

尾関(寒くて凍えて辛かったけど、私たちは21人でどんな時も乗り越えてきたじゃないかっ!!!)

仲間のおかげで心が温まり、海の冷たさに慣れ逆に暖かくなってきた。
メンバーたちに背中を押された気がして一歩前に進み、少しずつ船へ近づく。

腰、腹、胸、肩、そして首にまで来ていよいよ足が届かなくなる所まで来た。
島へ振り返り、メンバーの顔を思い浮かべる。
もう二度と帰って来れないかもしれないと覚悟を決めて、泳ぎ始める。
0076名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 14:50:45.45ID:6hMEBFIna
平泳ぎでも犬かきでもない。
完全に世界に一つだけの泳法、名付けるまでもなく"尾関スタイル"で少しずつ浜から離れる。

尾関(行ける!!!これでみんなを助けることができる。このまま……ッ――!?)

波に足を取られたのか、あるいは足をつったのか様子がおかしい。
端から見れば溺れているかのような泳ぎ方は、事実溺れないように暴れているだけで波に流されていた。
つまり、ただ単に溺れていた。

尾関「ぼごごぽっ!?」

身体が沈み、海水を飲み込み器官に入ると呼吸が乱れる。

尾関「ゴッホ!!!……ごぷっ!!?」

少量の海水を吐き出すと、反動で大きく息を吸うと大量の海水を飲み込んでしまう。
着ていた衣服のせいでうまく動けず、そのまま身体は水面下に沈んだ。

尾関(おぼ、れる……!!!な、ん、で!??……せめて、これを――)

尾関スタイルに拍車がかかり、奇跡的に再浮上することができた。
懐から秘密兵器である手榴弾を取り出す。
まだ豆粒のように遠くにある船に向かって振りかぶる。
0077名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 16:06:30.32ID:6hMEBFIna
尾関(いっけぇええええええええええええ!!!!!!)

頭の上で安全栓を外し、船めがけて投擲した。
パッシャンとやけに近くで何かが着水する音が聞こえた。

尾関「……えっ?」

その何かは言うまでもなく、すぐ前に浮いていた。
遠くに投げたと思ったモノは手前の波に叩きつけただけだった。
手榴弾は波に乗って自分の方へ寄って来る。

尾関「ぎ……ぃゃあぁああああああぁああああぁあ!!!!ぁあばばばぼばばばっは――………!!!!!!!!!」

死の恐怖から生み出される奇想天外な動きをしながら手榴弾から離れようとするもその場から全く進めない。むしろ沈んでいる。
なんと表現するのが適しているのかあまりの気持ちの悪い動きに拍車がかかる。
尾関スタイルが最高潮に達し、時間の壁を突破して突如彼女の体は発光する。

尾関「あ゙っ」

次の瞬間に手榴弾は連鎖爆発し、派手に水しぶきを上げる。
四肢は吹き飛び、霧とともに舞い細かくなった肉片は海に浮かぶ。
死ぬほどたどり着きたかった船に死して爆発音だけが届いていた。

世界で一番の輝きを放った尾関梨香は夜の星となった。
0078名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 16:09:13.44ID:6hMEBFIna
・・・・・・

05:30

守屋は南の山中を歩いていた。
殴打された右目は川の水で冷やし、気休め程度にYシャツの袖を破いて濡らして巻いていた。

もう間もなく日が昇りそうだが、森の中は薄暗い。
夜は暗いから人を見つけにくいが、朝になると逆に見つかりやすくなる。
行動することは命を危険にさらすということ。
それでもメンバーに会いたい気持ちが彼女の足を動かす。

手には支給された銃を持ち、草をかき分けて進む。
するとカサッと自分が立てていない音が聞こえる。

守屋「!?」

左へ振り向きつつ銃を向ける。

??「!」

そこにはこちらに銃を向けている人物がいた。
互いに銃を向け合い、硬直状態が続く。

守屋(こ、殺される……!!!!)

辺りは一段と薄暗く、相手の顔は陰になり見えない。
わずか一秒がとてつもなく長く感じ、時間に酔いそうになる。
0079名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 16:11:18.36ID:6hMEBFIna
カササッと今度は右方向から聞こえ、視線だけを移すと同じように銃を向けて来る人物が現れた。
右目は死角になっており気づくのに遅れた。

守屋(二人――!?!?ヤバい、どうする、いや、死――)

守屋はゆっくりと懐からもう一丁の銃を取り出し、もう一人に向ける。

??「っ!!」

三人は銃を人に向けると同時に、自分にも向けられていた。
トライアングルフォーメーションで三人とも銃を向け合っている。

引き金を引けば、反動で相手に撃たれる恐れがある。
一人でも動けば三人とも全滅する状態に陥っていた。

緊張で声を発することもできない。心臓が高鳴り眩暈を覚える。

守屋(もう、ダメ――!!!)

その時太陽が昇り、朝日が三人の顔を照らす。
0080名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 16:13:26.00ID:6hMEBFIna
守屋「え?」

齋藤「う!」

長濱「あ!」

右手には齋藤、左手には長濱が銃を向けていた。
二人は守屋の顔を視認すると銃を下ろす。

長濱「茜ちゃんっ!!!」

齋藤「茜ぇええええええっへへーっ!!」

守屋「ねるぅ――っ!!冬優花ぁああ!!!」

三人とも銃を放り捨て、涙を流して熱い抱擁を交わす。
涙で崩れた顔を摺り寄せ、互いの涙が交錯する。

守屋「もう死んだかと思ったわ!!」

齋藤「いやーまた会えてよかったー!」

長濱「汗出た〜〜!!」

脳漿をまき散らさず、汗だけで済んでよかったと安堵する。
0081名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/01(土) 16:13:59.43ID:bpvTtW+Nd
大変でしょうが、応援してます!
0082名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 16:15:46.54ID:6hMEBFIna
守屋「二人は一緒にいたんだ?」

齋藤「まあね。茜は誰かと会ったりした?」

守屋「!!あ……、私――」

長濱「……?」

言いかけたところで時刻は六時になり支給されたウォッチが自動で画面が点く。

三人「!?」

その小さい画面に今は担任の澤部が映し出される。

澤部『おはようございまーす!さわやかさわべ〜俺だよ!!』

守屋「さ、澤部っ!?」

澤部『午前六時になりましたので、初回の放送をするぞー!』
0083名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 16:17:46.53ID:6hMEBFIna
澤部『それじゃこれまでに死亡したメンバーの名前を言うぞー!一番石森虹花』

齋藤「に、虹花……っ!?」

長濱「虹花ちゃ…………」

澤部『十六番原田葵、四番尾関梨香、以上!』

守屋「はぇ!?葵と――」

齋藤「尾関もぉ!?」

守屋と齋藤は三人の故人を悲しみ涙を流す。
長濱も眉間にしわを寄せ、険しい顔になっていた。

長濱「もうこんなに……?」

既に分校で死んだ佐藤を除き、短時間で三人が死亡した。
いくらなんでも多すぎる人数に疑問を抱かざるを得ない。
0084名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 16:19:14.71ID:6hMEBFIna
澤部『次は禁止エリアを言います。7時からB-5、9時からC-2、11時からE-3。それじゃがんばれよぉ!!』

ウォッチの映像が終わり、ホーム画面に戻った。

長濱「ここは入っとらんけん、しばらくは動かなくてもよかね」

齋藤「まさか、転校生のしわざか?」

長濱「……茜ちゃん。さっき言いかけてたよね」

齋藤「そうだ!誰かに会ったのか?」

守屋「あのね……私、虹花に会ったの」

齋藤「!!!会ったって、生きてたのか!?」

守屋「……ううん。すでに死んでいた」

長濱「辛いだろうけど、詳しく話してくれない?」

守屋「うん……。分校から出て東の道を歩いてたら誰かが倒れてて……それが虹花だった」
0085名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 16:22:18.96ID:6hMEBFIna
齋藤「私もそこ歩いて来たけど、虹花はいなかった。ねるは?」

長濱「ねるは見つからなうように山の中を歩いてたと。だから見てない」

齋藤「てことは、私の後からから茜の前までの誰かが虹花をやったってことか!?」

三人は名前の順を思い出し、既に死亡した佐藤と原田を除くメンバーを思い浮かべていた。
志田、菅井、鈴本、長沢、土生、平手の誰かが石森殺しの容疑者となる。

長濱「……必ずしもその限りではないけどね。紛れ込んどる転校生って線も濃厚やし」

守屋「転校生――」

長濱は島に来てからのわずかな情報を思い起こす。

長濱「夜のうちに二発の銃声、同じ銃声が五発くらい聞こえたよね。おそらく、それで葵ちゃんがやられたんだと思う。それと、明るくなる前に爆発音が聞こえた。あれはオリカちゃんやったとしたら……最悪、転校生とは別の誰かがやったってことになる」

守屋「……え。どういうこと!?」

長濱「虹花は刺されて殺された。葵ちゃんは撃たれて殺されたとしたら犯人は同一人物じゃないってこと」

齋藤「このゲームに乗ってるのは転校生だけじゃあない!?」

守屋「まさか……、そんなことって――」

長濱「いずれにしても、やる気になっとる子はおるからしれんから注意して……!」
0086名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 16:24:48.78ID:6hMEBFIna
しばらくの沈黙が続く中、このままというわけにはいかず話を始める。

長濱「茜ちゃんは、この状況をどうしたい?」

守屋「え、"どう"って…………いや、うん。みんなでなんとかして島から脱出したいよ!」

齋藤「もちろん私たちだって脱出したい。でも……、ね」

長濱「そう。このチョーカーがある限り島に縛りつけられると」

守屋「なら……助けを呼ぶ、とか?」

齋藤「助け?」

守屋「えっと、海岸沿いで待機してて船か飛行機が来たら発砲すればこっちに気づいてくれるかも!」

長濱「澤部さんが言っとったけど周囲になんもない地図にもないこの島の近くを通り過ぎるとは思わん。しかも今日明日で」

齋藤「だよな……」

長濱「こんなことが過去三回も行われてきたのに表沙汰になってないことから助けは期待できないと思う」

守屋「じゃあどうすればいいのぉ……」

八方塞になり、早くもお通夜ムードが漂う。
0087名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 16:25:49.32ID:6hMEBFIna
長濱は眉間にしわを寄せて長考し静かに口を開く。

長濱「一つだけ」

守屋「?"一つ"って……、えっ!?」

齋藤「ねる……、まさか――」

話の流れからして、何が"一つ"かなんて一つしかない。

長濱「かなりのリスクを伴うけど、脱出の方法が一つだけある」

守屋「ホントにぃ!?」

齋藤「マジかッ!?」

長濱「大きな声を出さないで。殺されたいの?」

齋藤「うっ……ぷ」

守屋「ゴメンナサイ……」

ヒートアップした二人を一瞬で落ち着かせ小声で話す。
0088名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 16:28:15.73ID:6hMEBFIna
長濱「でも、それには2つばかし条件があると」

守屋「ジョウケン?」

齋藤「何だよ、それは?」

長濱が話を進めようとしたとき、遠くから声が聞こえて来た。

??『みんな――殺し合いは止めて――!!!!!』

それは南の山の上から聞こえ、島のおよそ半分に響き渡る。
ただの地声ではなく、機械を介したような音を発していた。

齋藤「なんだ!?」

長濱「え…………」

守屋「こ、この声は……!!」
0089名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 16:29:33.19ID:6hMEBFIna
今泉『みんなで力を合わせて脱出しよ――!!』

齋藤「今泉ぃっ!?」

小林『ここに集まって!!!私たちは仲間だよ!!!』

守屋「由依もいる!!」

齋藤「やった!!これでみんな助かる!!」

長濱「いやいや……、あんな目立つことしとったら殺されちゃう……!」

守屋「え!?……ああ!!あ、あ、あの二人を助けなきゃあ!!!」

長濱「待ってッ!」

守屋が駆け出そうとするのを、長濱が止める。
九州男児の娘の力をもって、守屋の腕をつかむ。
0090名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 16:32:07.28ID:6hMEBFIna
守屋「痛っ!!何するの!?二人が危ない!!」

長濱「落ち着いて聞いて。条件がある、って言ったよね……」

守屋「それが今なんの関係が――」

長濱「その一つが私たちが一番最後まで生き残ること!」

守屋「なっ、何それぇ!?あんたの脱出方法って皆の死と引き換えにして、自分たちだけ生き残るってことぉ!?」

長濱「そうは言っとらん!本当に信用できる仲間が増えるんなら構わんけん、私たちのグループ以外のみんな死ななきゃってこと!!」

守屋「そっ、それならあの子たちは仲間じゃないの!?ずみ子と由依が危険を承知で呼び掛けてるんだよお!?」

長濱「山頂までどれほど距離があると思うと!?のこのこあそこに行ったところで標的が増えるだけ!!」

齋藤「ねる……」

守屋「はぁ?じゃあ見捨てるって言うのぉ!」

長濱「そうも言っとらん。あの子たちを逃がすために、私たちの生存確率を下げる……少しだけ」

守屋「ど、どうやって――?」

長濱は齋藤へ振り返り、あるお願いをする。

長濱「ふーちゃん、撃って」

齋藤「……は?」
0091名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 16:36:36.88ID:6hMEBFIna
齋藤は長濱の指示のもと一仕事行う。
何やら火縄銃を取って、いろいろやっている。

長濱「そう、次に火をつけてから……引き金を引いて!」

齋藤「うらッ!!」

火縄銃を空へ向けて放つ。
轟音は島全体を包むと、山頂の二人の声が止んだ。

長濱「これで狙われてると思ったはず。早くどこかに姿を隠して……!」

守屋「そっか!ねる天才!!」

齋藤「頼む……!」

怖気づき逃げることを望むが、逆により強い声が聞こえて来た。

今泉『お願いだからみんな武器を捨ててここに来て――!!!!!』

小林『みんなで生き残ろうッ!!』
0092名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/01(土) 16:38:49.55ID:WpQeS/JT0
不謹慎だけど面白いので応援してます
0093名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 16:39:32.42ID:6hMEBFIna
齋藤「っ。今泉、由依……!!もう一発!」

長濱「ダメ!今の一発だけでも私たちの位置に気づいた子がおるかもしれん。これ以上は危険……!」

守屋「ど、どうすれば……!!!」

自分はこんなところで指を食えて見ている事しかできないのかと無力さを痛感する。

齋藤「ねる!!やっぱ助けに行くしか――」

長濱「生き残りたくないの!?」

齋藤「生きたいよ!でも、仲間の死を見捨ててまで行き残りたいとは思わない!!」

長濱のメンバーを想う気持ちは本物だ。そんな彼女を見て改めて思う。

長濱「ふーちゃん。好きだよ」

齋藤「なっ!?んだよ……、こんな時に……?」

突然の告白にたじろぐ。
0094名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/01(土) 16:41:17.44ID:bpvTtW+Nd
今まさに投稿中ですか。
読んでますよ。

今泉ー!うしろー!!
0095名無しって、書けない?(pc?)垢版2018/09/01(土) 16:42:41.79ID:u4dlQulu0
文章量が凄いな
0096名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 16:42:51.67ID:6hMEBFIna
長濱「こんな時だからだよ」

日常ではたまに好きだの何だの言われていたが、真に迫るものがあった。

齋藤「ねる――。私もだよ」

長濱「だから、お願い!行かないでほしい!!」

齋藤「…………っ」

守屋「ねる……、冬優花……!!」

長濱は齋藤を死んでも行かせたくはない。
守屋が行こうとすれば必然的に齋藤もついて行くだろう。

三人で行くには目立ちすぎる。
道中敵に見つかりマシンガンを持っていたとしたら皆殺しにしてくださいと言っているようなものだ。

その時、島に優しい歌声が響く。

〽君は知ってるかい?渋谷川って…
 名前を聞いても

今泉『ピンと来ないだろう』

小林『ピンと来ないだろう〜』

長濱「!!」

齋藤「マジかよ……」
0097名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 16:45:47.92ID:6hMEBFIna
守屋「ゆいちゃんず……!!」

デビューシングルのカップリング曲にしてグループ初のユニット曲『渋谷川』が流れる。
お披露目会で誕生したユニットで誰からも愛され、彼女たちの歌声はみんなの癒しだった。
妹のような年上の今泉と、姉のような年下の小林は最強コンビとなった。

〽忘れられたように 都会で隅で それでも確かに せせらぎ続ける

守屋「くぅ……!!!」

ゆいちゃんずの二人との楽しい思い出が脳裏をよぎる。

〽まるで僕の 君への――……

突然、ガッシャンと拡声器を落としたような音が響き歌唱が停止する。

守屋「!!」

齋藤「歌が――」

長濱「止まった……」

再び声がすることはなく、おそらく何かがあったに違いない。
0098名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 16:47:53.92ID:6hMEBFIna
齋藤はいてもたってもいられず向かおうとする。

長濱「ふーちゃん!もう間に合わん!!」

長濱は本気で抱き着き留まらせる。
行っても無駄だと諦めさせようとする。

齋藤「ネル……!」

長濱「……」

長濱は齋藤を抱きしめながら守屋に目で訴える。

守屋「……!!」

分かってるよ。あんたが冬優花を守りたい気持ち。
あそこで命の危険にさらされてる二人と冬優花の命を秤にかけても断然冬優花の方が重く大事なんだよね。
でも、私は――。

守屋は懐から銃を一丁取り出す。
0099名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 16:51:17.94ID:6hMEBFIna
守屋「北の山で待ってて。私も後で行くから」

齋藤「茜……!!」

長濱「茜ちゃんっ!」

守屋「私は諦めない。あんなに頑張ってる二人を見捨てることなんてできない……!」

齋藤「じゃあ、私も――」

守屋「一人で行く!私の足ならあそこまで一瞬で行ける!二人を連れて来るから、先に行ってて待って」

長濱「茜ちゃん!待っとうよ!」

齋藤「絶対来いよ!茜!!」

守屋「行って来る」

二人に見送られ、ゆいちゃんずが呼びかけていた南の山頂を目指して走り出す。


残り18人
0100名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 16:55:29.47ID:6hMEBFIna
第三話

09:00

南の山の山頂で刃物を振り回す少女たちがいた。

小林「らァ!!」

七番小林由依の剣と敵の刀がぶつかり合う。

今泉「ぁ、ゎゎゎ……!!!」

傍らで二番今泉佑唯は二人の死闘を腰を抜かして見ている。
メガホンを持つ手は震え何もできずにいた。
殺し合いを止めようと言い出したことを後悔していた。

敵の切り返しの一閃にキューティクルな横髪と頬を斬られた。

小林「チッ」

一旦距離を置き、体勢を立て直す。
会話を試みるため敵の名前を呼ぶ。
0101名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 16:58:08.08ID:6hMEBFIna
小林「平手友梨奈……!」

ゆいちゃんずは平手と対峙する。
今泉は声を振り絞り、襲ってきた平手に問う。

今泉「平手!?なんで!!どうして??意味わかんないよ!!」

平手「……」

驚く二人に対して、平手は前髪が顔を覆い表情が窺えない。
一陣の風が吹き、髪の隙間から恐ろしい三白眼が一瞬だけ見えた。

小林「くっ……!」

今泉「うっ……、あぁあああぁあぁぁ……!」

得体の知れない感覚が全身を支配する。
今泉は奥歯を鳴らし、体を震わせながら涙を零す。
これが死の恐怖だと感じ取った小林は最悪の事態を考える。

小林「てめぇ……」

こいつの様子は普通じゃない。
いつもの異常さとは全く違う異常さ。一周回って普通?なわけあるか。
全てを超越している。アイドルも、女の子も、人も。
ゲームが始まってから虹花、葵、梨香の三人が死んでいる。
いくらなんでも全員が転校生の仕業とは考えられない。
他の誰かがこのゲームに乗って殺したんだ。
0102名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 17:01:03.41ID:6hMEBFIna
小林「こいつしかいない……!」

誰が殺されたかは判らないが、すでに少なくとも一人殺していると確信する。

今泉「ご、ごべん……!わ、わだじが、間違っでだ……っ!!」

鼻水を垂らし泣きながら自分の過ちを謝る。
己の判断によって唯一無二の相棒が命の危険にさらされている。
呼び掛けをしようと言った自分を呪い、後悔の念が次々と押し寄せる。
後悔の果てにたどり着くのが先か、殺されて後悔しようにもできなくなるのが先か。

小林「逃げて」

今泉「――ぅえ!?……ぁん?!」

その言葉は自分だけを逃がそうとしてくれていることを意味する。

今泉「ゆ、由依ちゃんはどうするの!?こ、コロされぢゃうよほ!!」

小林「こいつは私が足止めしとく。だから、先に逃げて」

今泉「い、いやらよ……!!あたしも……戦ゔ!!」

小林はうつむき、しばしの逡巡の後舌打ちをする。
0103名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 17:03:29.65ID:6hMEBFIna
小林「あああああああああ!!!!!!」

今泉「ひぇ!?」

苛立ちの咆哮を敵ではなく今泉にぶつける。

小林「お前ってやつは、"ここでも"わがままばっかだなあ!!!」

今泉「へっ……………? ゆい、ちゃん――?」

初めて年下の相棒から怒られ、呆気にとられる。

怒りの顔をつくり年上の相棒に続けて言い放つ。

小林「邪魔なんだよ!足手まといなんだよ!!鬱陶しいんだよ!!!」

今泉「はへ……!?」

人生で面と向かってこれほどまでに全否定されたことはない。
0104名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 17:05:58.40ID:6hMEBFIna
小林「それとも何?私を殺す気?」

今泉「い――いっしょに逃げよっ!!!」

小林「お前バカか!?グズでノロマで短足なんだからすぐに追いつかれるに決まってンだろ!!」

今泉「で、でも……!」

いつまでもグズる妹に、姉は本気の一言を放つ。

小林「――殺すぞ」

今泉「ッ!!!」

いつも笑って元気で隣で歌っていた相方がものすごい殺意を向けている。
平手はいつまでも姉妹のやりとりを黙って見ているわけではなく殺しに来る。

小林「さっさと失せろこのブス!!」

今泉「う、わぁああぁあああゎわわわあああぁあッ!!!!!」
0105名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 17:08:52.02ID:6hMEBFIna
汗と涙と鼻水だらけの今泉は怖気づいて立てない。
平手が走って距離をつめ、そのまま二人同時に斬りかかる。

小林「おらァ!!」

今泉「うえっ!?」

小林は今泉の肩を手加減なく蹴り飛ばし、小さな体は一瞬宙を舞う。
飛ばされた今泉は山の傾斜で数メートル転がりながら下山し、何回転目かでうまく立ち上がっていた。

今泉「いたたっ……、あっ!!!」

振り返ると小林と平手は刀を交わせていた。
その最中に一瞬だけ目が合う。

今泉「!!由依ちゃ――」

小林はすぐに戦いに戻り、平手とやり合う。
意を決し逃げるため前を向いたとき背中から聞こえる。

小林「またね」

その言葉を聞き、さらに顔をぐちゃぐちゃにして振り返らずに山を下りる。
0106名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 17:10:38.07ID:6hMEBFIna
小林「おい平手。お前、誰を殺った?莉菜か、尾関か。それとも……虹花か」

平手「……」

問いは確実に耳に届いているが、全く心には届いていなかった。
心ここにあらず、夢でも見ているような目だ。

小林「何と言えよ。反抗期か?クソガキ」

悪口に反応したのか返事代わりに刀を突いて来て、サーベルで受け流す。

小林(話し合いは無理か。はなっから期待はしてなかったけど)

背を見せれば斬られる。逃げることができない。

戦う以外の選択肢などない。殺し合いの負けは死を意味する。
常に何歩も先にいたセンター平手に勝つことができるのか。

小林「負けたくない……」

日常では諦めていた。絶対に敵わないと分かっていたから。
初めて平手に勝ちたいと願い、埼玉の血が燃える。
0107名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 17:13:31.31ID:6hMEBFIna
先手でヤンキー顔負けのメンチを切る。
加えて可愛さで破壊力のある顔面を攻撃力にする。

平手「!!」

あまりの迫力にほんのわずかに退く。
その隙を見逃さずサーベルで斬りかかる。

三連撃で剣を振りかざすが、刀で受けられるも初めて平手を押していた。

小林「うぉおおおッ!!!」

咆哮の一撃は大きく上から振り下ろす。
仕留めたと思った斬撃は紙一重でかわされた。

小林「何!?」

カウンターの逆手斬り返しに襲われる。
攻撃をかわされた瞬間反撃を察知していたが、回避しぎれず可愛い顔を斬られた。
0108名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 17:15:39.24ID:6hMEBFIna
小林「ぐっ……!!がぁ!!!」

斬られたのは頬で、頬骨にまで達する裂傷から血が溢れ激痛が襲う。
それでも退かずすぐにWカウンターの逆手斬撃を繰り出す。

平手「!?」

追撃しようとしていた平手は斬撃を防げず頬を斬られる。
傷は浅かったが数歩退かせる。

小林「ハァ、ハァ……!!」

裂傷からの大出血と激痛に死を意識し、鼓動とともに息が上がる。
それを悟られまいとヤンキー口調で言う。

小林「調子こいてんじゃねえぞ!!!」

勝負に出て、シュシュと剣を次々と突き始める。
0109名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/01(土) 17:15:55.82ID:uLRyz7pgd
面白い
0110名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 17:18:40.42ID:6hMEBFIna
小林「オラオラオラオラオラオラァ!!!!」

平手「!」

そのまま平手へ連続ラッシュを繰り出す。

平手は回避を試みるが、剣はあちこちの制服を破き皮膚を割く。
息つく暇なく第二弾の連続ラッシュに襲われる。

小林「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ!!!!!!!!」

――これで決める、終わらせる。こいつに勝って佑唯ちゃんとまた……っ。

小林は異変に気付き始めた。
突然空を突いているかのように手応えがなくなったのだ。
平手は剣筋を完全に見極め始め、踊りながら順応していた。

小林(あ、当たらない!?――クソ!!)

不安をオラつきで誤魔化しラッシュを続ける。
突いている限り反撃は来ないと思い狂ったように突きまくる。
0111名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 17:20:51.85ID:6hMEBFIna
小林「オラオラオ――ぐリゅィ!?」

変な声が出るほどの激痛が走り腕を引っ込めると地面に剣が落ちた。

小林「?!……あぁん?」

それもそのはず前腕の腹を半分ほど斬られ、だらんと曲がってはいけない方向に垂れていた。
骨折どころか尺骨を断ち切られ、もう一本の橈骨で繋がっている状態だ。

血は重力に反して止めどなく噴き出る。
平手はとどめを刺しに首を斬りかかる。

小林「!!!オ――ラァ!!!」

平手「!」

小林は左の拳を平手の側頭部に叩き込む。
そのまま吹き飛んで、山を転がっていった。

小林「ハァ、ハァ、……フッ!」

飛んでいった平手と反対方向へ武器も拾わずに走り出す。
逃げずにはいられなかった。待ち受けているのは負けしかない。
斬られた腕を抑えながら駆け、山を下り森の中へ入る。
0112名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 17:22:59.87ID:6hMEBFIna
小林(ムリだ……!!勝てるわけがない!!)

やはりアイツは天才だ。
闘いながらどんどん強くなっていった。
勝とうと思ってた私がバカだった。
でも、足だけならアイツよりは速い。

50メートル程走ったところで追って来ていないか振り返る。

小林(!!!!――ヒ、平手ェ!!!?)

すぐ近くまで平手が迫って来ており、心臓が痛いほどに跳ねる。
ターミネーターのような規則正しい走り方で持っている日本刀が光る。

追いつかれたが最期、文字通り必死に逃げる。
小林はひしゃげている腕を振れない分、ベストな状態ではなくその差は徐々に詰められる。

そして、平手の振り下ろす刀が小林の背中を捉える。

小林「かっ……!」

背中を斬られ、勢いよく前方へ3メートル程滑り倒れる。
裂傷は深く、鼓動とともに鮮血が流れる。
0113名無しって、書けない?(家)垢版2018/09/01(土) 17:26:53.00ID:wk0u31BA0
澤部はメンバーを道具のようにしか見ていない心のない冷酷人間で、
平手に歯向かったやつは殺されていく、

なかなかリアルな欅の内情が反映されている秀作だな
0114名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 17:28:51.08ID:6hMEBFIna
平手はとどめを刺そうと歩み寄ろうとする。

平手「……」

倒れている瀕死の小林から獣のような殺意を感じ、それ以上近づけなかった。
すぐに死ぬと分かったのでとどめは刺さず刀を鞘に納める。
小林を無表情のままじっと見つめて何を思うのか。
すぐに今泉の消えた方角へ立ち去った。

小林「う……ん!」

死の痛みに襲われながら、まな板で開腹された魚のようにまだ生きていた。
凡人である小林は天才平手に敵わなかった。

小林(死ぬ……。やっぱ……平手には、勝てなかった――)

もう長くないと悟り、歩んできた短い人生を振り返る。

埼玉で生まれ育ち、何不自由なく平凡に過ごしてきた。
高校に入ったら何かが変わるんじゃないかと期待していた。
勉強も部活も友だち人間関係もそつなくこなした。
でも思い描いたドラマやアニメのようなものはなかった。
何もないまま一学期が終わろうとしていた時に新しいアイドルグループのオーディションがあると聞いた。
アイドルに偏見を持っていた。自分がカワイイと思ってる子がぶりっ子してヲタクに媚びを売る仕事だと思っていた。
でも乃木坂46を見ている内にそんな偏見はなくなり、退屈を紛らわせてくれるんじゃないかと確信していた。
待っているだけじゃダメなんだ、自分から動かなければ。
風に吹かれても何も始まらない。
0115名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 17:32:12.70ID:6hMEBFIna
不思議なことに合格でき、普通の女子高生とはかけ離れた高校生活になった。
普通のアイドルとは違うグループになってしまったけど、とにかく楽しかった。
そこらの学生より忙しくて楽しくてかけがえのない時間を過ごした。
最期はグループで大人たちの盤上の駒として殺し合わされたわけだけど、愛する相棒と仲間へ呼び掛けたことも平手と戦ったことも私の人生に悔いはない。

激しい痛みと大出血で意識が遠のく中、頭に響く声量で呼ばれる。

??「由依!!!!」

落ちる寸前に意識が覚醒し目を開ける。

小林「あ……、茜…………!」

汗をかき涙をポロポロ流した守屋がいた。
深手を見るや、何をすればよいか分からずに慌てふためく。

守屋「ああッ!?」

傷口に手を抑えるも、血は止まらない。
病院もない。知識もない。手の施しようがない。
もう片方の手で小林の手を握りしめる。
0116名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 17:36:43.43ID:KQd2z+aYa
転校生が山形から来たサイコパスだったら胸熱
0117名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/01(土) 17:45:16.49ID:WpQeS/JT0
ひらがなメンちゃう?
0118名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 17:54:22.39ID:6hMEBFIna
守屋「あああ!!! どうじよう!!!どうすればぁあぁあぁ――」

小林は守屋の口元に人差し指を当てる。

守屋「!!」

小林(大声はダメ。あいつに見つかる)

去ったばかりの平手に聞かれでもしたら、守屋の命も危うい。
今度は通らない声量で、小林に訴えかける。

守屋「お願いだから死なないでッ!」

小林(それは、ムリ――)

必死な守屋の顔を見て、優しく微笑んで応える。

守屋「!!だ、誰がこんな酷いことを……?」

小林「ひ、平手……だよ……。あいつに――」

守屋「なっ!!? ゆ、友梨奈ぁ!??」

小林「気を付けて……。やつはすでに他にも――ガッハ!!」

守屋「由依ィ!!!」
0119名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 17:59:14.95ID:6hMEBFIna
小林「ゆ……佑唯を助けてあげて……。あの子、きっと、一人きりで、震えてるから――ッ!!」

守屋「もう喋らないで!! ずみ子は必ず助けるからあ!!!」

小林(負けず嫌いで正義感が溢れていて、私たちの呼び掛けにたった一人応えてくれた。来てくれて嬉しかったよ……。今まで優しくしてくれてほんとうに――)

最後となる一言は口に出して一文字ずつ言う。

小林「あ、り、が………と…………」

守屋「!!!ああっ!!!」

小林由依は感謝を言い遺し、ゆっくりと目を閉じ息を引き取る。

守屋「〜〜〜〜〜〜!!!」

悲しみがこみ上げ、声を上げずに遺体にすがりつきながら号泣する。
もっと早く来ていれば助けられたかもしれなかったと後悔する。
失った命は元には戻らないが、想いを引き継ぐことはできる。

守屋「帰らないと……。ふーちゃんとねるが待ってる!!」

綺麗な死に顔へ一言かける。

守屋「大好きだよ、由依。オヤスミ――」

来た道を引き返し、二人の待つ場所を目指す。
0120名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 18:39:08.67ID:6hMEBFIna
・・・・・・

齋藤と長濱は下山し、西の森まで移動して来ていた。

長濱「ここまで来れば、大丈夫かな」

齋藤「ふう……」

禁止エリアを迂回し、山の中をずいぶん歩いたため小休止する。
隠密に移動していたため、ずっと聞けなかったことを尋ねる。

齋藤「それで、脱出方法なんだけど……」

長濱「あー、そうだったね」

思い出したかのように長濱は齋藤に向き合う。

齋藤「条件が2つあって、一つは最後までうちらが生き残ること。で、もう一つは?」

長濱「2こ目の条件は、その最後が来るまでねるはその方法を教えない」

齋藤「はぁ!?えっ……、なんで!?」

長濱「…………」
0121名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 18:42:03.39ID:6hMEBFIna
長濱は黙り、真剣なまなざしで齋藤を見つめる。
それ以上は言え内容で解らないながらも察する。

齋藤「……なるほど、それが条件なんだな」

長濱は固く頷いて応える。

齋藤「それは、茜がいた方が脱出できる確率が高まるのか?」

長濱「それはもちろん。1こ目の条件はこのチームが最後まで生き残ることやけん、茜ちゃんがおった方がずっといい」

齋藤「…………」

ねるは頭が良い。本当に脱出の方法を思いついているのかもしれない。
でも「最後まで生き残る」にはゲームに参加している仲間を殺さなければならない。

そうじゃなくて、今すぐにでも脱出したい。
それができない、言えもしない何かがある。

もし脱出方法などなく、全てが嘘だとしたら?

脱出を餌に仲間を集めて、最後の最後で裏切られたら終わりだ。
ねるがそんなこと――。
0122名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 18:44:07.56ID:6hMEBFIna
長濱に対して初めて疑いを抱くも、考えても仕方ないことなのでド直球で訊ねる。

齋藤「ねる。信じて……いいんだよな?」

長濱「当たり前だよ!」

齋藤「そっか……」

長濱「仮にねるのことが信じられなかったら撃ってくれても構わない」

齋藤「そ、そんなこと……できるわけないだろ!」

長濱「それにねるがこのゲームに乗っとったらあの時に撃ってるよ」

齋藤(そうだよ!あの瞬間に蜂の巣にされていた)

数時間前で南端で再会した時のことを思い出す。

齋藤「ゴメン!正直疑ってたけど、私はねるを信じる!」

長濱「ふーちゃん!ねるも信じとるよ。最後までずっと一緒だからね」
0123名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 18:46:59.26ID:6hMEBFIna
船の中で、少女たちを映像で見ている男たちがいた。

澤部「脱出なんかできるわけないだろー!なあ?」

黒服1「はい」

澤部「具体的な脱出方法は、この船を奪われることか。そのためにはチョーカーにあるGPSをどうにかしなくちゃならないし、何といっても"コンタクト"があるからな」

プレイヤーの右眼球に"コンタクト"が装着されており、自分で気づくことはできない。
他の人からも間近で覗き込まない限り発見は難しい。

澤部「あいつらの位置も、映像・音声が全部こっちに筒抜けなんだ。仮に脱出しようとした瞬間にバーン!すればいいだけだからな」

黒服1「原田葵は米谷奈々未、長濱ねると一緒なら脱出の算段がついていたそうですが」

澤部「ああ〜〜!確かに、あの三人が集まったらもしかしたらってこともあったかもな〜」

澤部「原田は小学生ならではの子どもの発想で何か思いついたんだろう。まあでももう序盤でもう死んでるし、米さんは中盤で、ねるは終盤で死ぬからな」

黒服2「そんな予想してるんですか?」

澤部「いや〜お偉いさん方に聞かれるわけよ。あいつらの番組MCなんかやってっからさ、誰に賭けたら儲かるかって」

黒服2「はあ」
0124名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 18:49:42.73ID:6hMEBFIna
澤部「今回の"バトルロワアル"は誰が優勝すると思う?」

黒服1「やはり自分は平手友梨奈かと」

澤部「平手はな!大本命だろーが!この状況になれば誰もがああなることを予想して……いや、期待してたんだからなあ!」

黒服1「彼女は天才です。完全に殺戮マシンとして勝つために戦っています」

澤部「対抗馬は誰がいる?」

黒服2「長濱ねるではないでしょうか」

澤部「おっ、ねるねるねーるねぇ!強い武器を持ってるし、できもしない脱出を餌に仲間を増やして有利にゲームを進めてるしな」

黒服2「マシンガンは最強の武器ですから、平手との対戦カードが今大会一番の見どころかと」

澤部「ほうほう。他には?」
0125名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 18:53:04.96ID:6hMEBFIna
黒服3「22番の転校生はどうでしょう?」

澤部「う〜ん謎の転校生かー。すでに一人殺ってっけど、正体バレてたもんな〜」

黒服3「今夜は満月ですし、彼女の独壇場になりますよ」

澤部「そういえばそうか!」

月の存在を思い出し、転校生にもワンチャンあると考え直す。

澤部「じゃあ大穴は誰かいるか〜?」

黒服4「自分は守屋茜を推します」

予想外の名前が飛び出し、澤部は驚きと喜びの顔をする。

澤部「んんん守屋ぁ!!平手のことも知ってるし、銃を持ってるからな。軍曹の名前は伊達かどうか」

大人たちは掌の上で踊り続ける少女たちを見て愉しんでいた。
0126名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 18:57:23.60ID:6hMEBFIna
・・・・・・

守屋は最初に長濱と齋藤に会った場所の近くまで戻って来ていた。

守屋(もしかしたらまだ待っててくれてるかもしれない……)

北の山で落ち合う約束はしていたが、行き違いにならないために元居た拠点に寄ることにした。
少しの期待を寄せて先程までいた場所に帰って来た。

守屋「!!」

そこには立っている人の姿が見えた。

守屋(よかった!また会えた――)

長い銃を持っていることから齋藤の名を呼ぶ。

守屋「ふーちゃん!!」

??「!!!」

その人物に声が届くと、瞬時に振り返り顔を見えた。
0127名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 18:59:33.25ID:6hMEBFIna
守屋「あっ!理佐ぁ!!」

齋藤ではなかったが渡邉に近寄ろうとした瞬間、銃声が耳を劈く。

守屋「――?」

渡邉がスナイパーライフルを向け、そこから硝煙が上がっている。
何が起こったのか解らなかった。

――理佐が、銃を、撃った……、誰に?――私に!

撃たれたことを認めると遅れて痛みに襲われ、顔を苦渋に歪める。

守屋「アツ!?」

弾丸は制服の上から二の腕を抉り、深い裂傷をつくって流血する。
右手に握っていた銃を地面に落とす。

守屋「なっ、何でなのぉ理佐ァ!?私は殺し合いなんてしないのに……!!」

涙ながらに訴えるも、渡邉には響かない。
0128名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 19:01:36.58ID:6hMEBFIna
渡邉「フッ……」

守屋「んなにがおかしいのお!!?」

渡邉「何でも何もないよ。たった一人になるまで帰れないんだから殺るしかないでしょ」

守屋「ッ!!」

クールにそう答える渡邉の余裕ぶりから、すでに誰かを手にかけていることを確信した。
落ちている銃を拾おうとすれば、確実に撃たれる。

渡邉「逝ってらっしゃい」

守屋「うわ――!!!」

殺されると察し後手、ブレザーの右の懐に忍ばせていたモノを取り出す。

渡邉「!!」

守屋「あああッ!!」

渡邉は飛び退き、弾丸は地面に当たる。
その隙に、地面に落としたもう一丁の銃を拾い上げる。
0129名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 19:03:59.23ID:6hMEBFIna
さらにもう一発弾丸を放つと、渡邉は木に隠れる。
顔を出した瞬間に撃たれることを恐れ、木を背にして守屋の気配を探る。

渡邉「…………?!」

撃って来ず、気配が遠ざかっていくのを感じ木から姿を現す。
全速力で逃げる守屋の背中を狙い、スナイパーライフルを撃つ。

守屋「ばはっ……!!」

弾は肩にかかる髪を吹き飛ばした。
それでも足を止めずに駆け抜ける。

狙撃は木々に阻まれ、標的を見失った。

渡邉「チッ」

仕留め損ねたことに舌打ちをする。
0130名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 19:06:19.43ID:6hMEBFIna
・・・・・・

11:00

長濱と齋藤は小休止していた西の森から北の山へ移動しようとしていた。
その前に長濱は用事のため齋藤から少し離れる。

齋藤(さっき銃声がしてたけど、茜は大丈夫だろうか。無事にまた会えるかな……)

メンバー想いはチーム1を誇る彼女は心を痛めていた。
ゆいちゃんずの決死の呼びかけに応えず逃げてしまったことに。

長濱の引き留めに折れてしまったのだ。
しかし自分を想って引き留めてくれた。
生きることを最優先にした結果で感謝すべきだろう。

齋藤「!」

用事で消えた長濱と反対方向から人が来る気配がする。

齋藤(茜か!?よかった。ちゃんと来れたんだ……!)
0131名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 19:09:05.61ID:6hMEBFIna
その人物を見て、歓喜の声を上げる。

齋藤「あっ、平手ぇ!!」

平手「……」

平手は俯きながら齋藤に近づく。

齋藤「おい血がついてんじゃん!怪我してんか?」

制服についた血と顔の傷を見て、心配して駆け寄る。

離れた場所で、長濱はかすかに声が聞こえた気がした。

長濱(今、ふーちゃんの声が聞こえたような……。なんか嫌な予感がする……)

胸騒ぎを覚え、世界で一番愛する人の元へ急ぐ。
10メートルを秒で戻った。
0132名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 19:11:56.62ID:6hMEBFIna
戻った長濱が目にしたのは一番恐れていたものだった。

長濱「ふーちゃんッ!!!」

齋藤は腹部を刺され、患部と口元から血を流している。

??「!」

敵はマシンガンを長濱の持つ見て、齋藤を楯にするため首に腕を回して刀を突きつけた。
長濱は敵の顔を見て激昂する。

長濱「ひっ、平手ェエエエエエエ工工工工工工工工!!!!!」

かつてないほど怒り狂い機関銃を平手へ向ける。

長濱(コロスコロスコロスコロスコロスコロス!!!!!!!コイツはココでコロす!!!!!!)

最愛の人を傷つけられて、興奮が限界を超える。
0133名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/01(土) 19:15:24.14ID:bpvTtW+Nd
お疲れ様です!

推しの登場が待ち遠しい。
0134名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/01(土) 19:16:28.10ID:vyt+Wtsbd
武器の知識皆無なのが残念だ
0135名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 19:16:29.24ID:1zttSYMLa
長濱「フ――!!フ――!!!」

齋藤「ね……る……」

荒い息遣いで興奮をわずかに抑え、ギリギリのところで理性を保つ。
すぐにでも平手を全身蜂の巣にしたくてしょうがないのに、引き金を引くことはできない。

長濱(今撃ったらふーちゃんに当たる……!!何とか助けないと――!!!!)

齋藤「ごぽ……」

人質にされている齋藤は口から血を吐き出す。

長濱「ああッ!!ふーちゃん!!」

齋藤は激痛と出血で朦朧とする意識の中、声を絞り出す。

齋藤「に、げ、ろ……!ねる……ッ」

長濱「えっ……!?」
0136名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 19:19:38.13ID:1zttSYMLa
平手は傍らに二人分の荷物が転がっていることに気が付く。
齋藤を楯にしたまま荷物の方へにじり寄る。

長濱(マズイ……!あのバッグの中には、もういっこのマシンガンが入って――)

齋藤「おね、がい……!いきて、くれ………っ」

長濱「!!!冬優花ぁ……っ!」

長濱の頭には三つの選択肢があった。

一つ、重傷の齋藤もろとも平手を蜂の巣にする。
しかし、齋藤を殺すことなどできるはずがない。
どの道平手に殺されるならいっそ自分の手で――。

二つ、ここで齋藤と一緒に平手に殺される。
心中するのであれば平手も道ずれにすればいい。
齋藤を殺して、自分も死ぬか。

三つ、齋藤の願いを聞きしっぽ巻いて逃げる。
最愛の人を置いてこの場から逃げ出すことが許されるのだろうか。
0137名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 19:22:55.13ID:1zttSYMLa
いずれにしても齋藤が助かる道は思いつかなかった。

平手「……」

平手は一つの鞄を見終わり、マシンガンの入ってるもう一つの鞄に手をつける。

時間は有限で永遠に考えてはいられず、苦渋の決断を下す。

長濱(仇は絶対討つ…………。だから!!!)

長濱は背を見せて走り出す。

齋藤「ふっ――」

齋藤はわずかに安堵の顔を見せ、自分のせいで仲間が死ななくてよかったと思った。
平手は二つ目に開けた鞄からサブマシンガンを取り出し、すぐに引き金を絞る。
だららら、と短く連射された弾丸は長濱ではなく木々に吸い込まれる。

平手「!」

定まっていた照準を、人質の齋藤が銃身ずらしていた。
長濱の姿を見失い追うことを諦める。
0138名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 19:26:13.15ID:1zttSYMLa
人質の役割がなくなった齋藤をゴミみたいに捨てる。

齋藤「ぐはっ……。ひら、手〜〜!!」

平手「……」

無表情のまま齋藤を見下し、サヴマシンガンを構える。
齋藤は銃口を覗かされ、自らの死を悟る。

齋藤「地獄へ……、落ぢろ゙……ッ!!」

それが引き金となり、サヴマシンガンは火を噴く。
齋藤冬優花の顔を半壊させ、血の花を咲かせた。

平手「だららららら」

最強の人物が最強の武器を間近で見つめ、子どものように銃声を口にした。


残り16人
0139名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 19:28:13.10ID:KQd2z+aYa
川田の立場が誰になるのか凄く楽しみ
0140名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 19:32:00.69ID:1zttSYMLa
第四話

12:00

澤部『えーそれでは正午の放送をしますーす!』

時刻は正午になり、運営側から二回目の放送が入る。

澤部『死亡したメンバーを発表します。七番小林由依と八番齋藤冬優花!!禁止エリアの発表をするぞー』

三つの禁止エリアを読み上げると、早々と放送は終了した。
放送を聞いた長濱は悔しくて悲しくて苦しくて胸が引き裂かれた。

長濱「あっははぁあああん……!!!!」

量の涙を流しそれが銀河となる。

長濱(脱出方法なんて……ない……。嘘っぱちだ……)

絶対に外れないチョーカーがある限り脱出は不可能だ。
素人の小娘にどうやって複雑な機械を外すことができようか。

最期まで生き残り、二人きりで明日の24時まで愛を深め合った後自殺するつもりだった。
齋藤を優勝者にさせて、正攻法で島から脱出させる計画だったのだ。

長濱「×××……」

長濱ねるの脱出方法は破綻し、齋藤を亡くした悲しみで溺れ続ける。
0141名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 19:35:26.95ID:1zttSYMLa
・・・・・・

十五番土生瑞穂は放送を聞き終え一人安堵していた。

土生(よかった……。あの子はまだ死んでない……)

我に返り安堵していた自分を叱咤する。

土生(いやいや、何を安心しているんだ!メンバーが何人も死んでるんだぞ!!)

ゲーム開始から自分より先に出たメンバーを求め、島を奔走していた。

支給された武器は2メートルはある棒と先に取り付けることができる槍の刃だった。
刃は取り付けずしまったままで、ただの棒っきれとして持ち歩いている。

土生(早く見つけないと……とりかえしのつかないことになる――)

森を進んでいくと先に倒れている人の足が見えた。
0142名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 19:38:04.00ID:1zttSYMLa
土生(だ、誰か倒れてる!?いや、まさか――!!)

探し人ではありませんようにと願い、確かめるべく足早に近寄る。

土生「あ……っ、葵ちゃん…………」

そこには頭部を撃たれ原田が死んでいた。

人の死体を初めて見てそれが二年半共にしたメンバーであり力が抜けていく。
現実のものとは思えず、どうしようもない不安感が募る。

土生(ダメだ……やっぱり、意味が分からない……っ。でも、ここでへこたれてるわけにはいかない!)

棒を杖に立ち上がり、現場検証を始める。

傍らに自分が持っているのと同じ棒っきれが落ちている。
周囲を見ると、近くに空薬莢が落ちていた。
犯人はこの弾の銃を持っている。
空薬莢をポケットにしまい、現場検証を終える。
0143名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 19:40:22.05ID:1zttSYMLa
最後に原田との思い出を振り返る。

土生「…………」

お仕事とお勉強を両立しててほんとに偉いよ。

大きいことにコンプレックスを抱いていたから、ちっちゃくて可愛い葵ちゃんに密かに憧れてたんだよ。

同じ東京出身だったけど年も離れてるしあまり関わらなかったけど二人のユニットがあったね。

"ゴボウちゃんず"、一瞬だけだったけどすごく嬉しかった。

ぷくっと頬っぺを膨らませてる葵ちゃんがいつも可愛かった。

土生「ナム」

遺体の前で手を合わせ、探し人を求めて走り出す。
0144名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/01(土) 20:02:04.94ID:ECggxMeyd
土生が杉村ポジションかぁ。

となると琴弾はどっちだろう?
0145名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/01(土) 20:07:29.64ID:QNsThTvTd
オリジナルのバトルロワイヤル知らないから土生ちゃんが妙に賢くて違和感w
0146名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 21:08:20.29ID:1zttSYMLa
・・・・・・

17:00

ゲームは進行しないまま、陽が地平線にたいぶ近づいて空が茜色に染まりつつある。
守屋は西の森で膝を抱えて震えていた。

昼の放送で齋藤が殺されたことを知り、小林が平手に殺されたのを目の当たりにした。
自分も渡邉に殺されかけたことで完全に怖じ気づいていた。

守屋(う、動いたら……死ぬ……。殺される……!!ここでじっとしてれば大丈夫……?)

薄暗い森の中に潜んで入れば見つかることはない。禁止エリアにならない限り。
かれこれ六時間以上も何もせず、ただ生きていた。

孤独と絶望が増長し闇に押し潰されそうになり、発狂したくなるのを必死に抑え込んでいる。
こんな時こそ人肌が猛烈に恋しくなる。

守屋(ひ、一人はダメだ……!誰かに会いたい!!今、本当に信頼できるのは――)

現在、生き残ってるメンバーを思い浮かべる。
0147名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 21:10:12.78ID:1zttSYMLa
長濱は齋藤が殺され、今はどうなってるか分からない。

織田も小林を殺されて正常でいられるだろうか。

理佐がああなってる以上志田もやる気になってそう。

渡辺は普段はあんな感じだけど、実は裏の顔があってゲームに参加してたらどうしよう。

長沢は狂気に駆られてイカているかもしれない。

土生はデカくて怖い。

小池は関西人でキレてたらヤバい。

上村は平手のマネをしてゲームに乗っているかもしれない。

普段信じているメンバーのことを、この状況が疑心暗鬼にさせる。
そんな中、たった一人だけ心から信用できる人物がいた。

守屋「友香ぁ……!」
0148名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 21:13:00.96ID:1zttSYMLa
キャプテンの菅井は、どんな時もチームとメンバー一人ひとりのことを考えてくれている。
優しくて柔らかい菅井に限っては殺し合うことは世界が滅びてもあり得ない。

守屋(友香に会いたい!!友香なら絶対に信用できる!)

平手、理佐、転校生だけではなく菅井以外のメンバーには銃を向けることを心に決める。
久しぶりに立ち上がり、軽く屈伸と準備体操をする。

守屋(友香なら多分誰かといるはず!となるとどこかの建物にいる?)

ウォッチの地図アプリを見て、直感で最東端にある灯台にいる気がし目指すことにする。
自分を無理やり鼓舞し、気合を入れて第一歩進もうとした時だった。

守屋(よっしゃ行くぞぉ!……ッ!!??)

移動しようとした時、人影を見つける。
その人物はまだこちらに気が付いていない。

守屋(ゆ……ゆ、友梨奈……!!!!)
0149名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 21:15:22.80ID:1zttSYMLa
最も会いたくない人物に遭遇し、息と体が硬直する。
平手は10メートル先を守屋から見て横切っている。

守屋(どうしよう!!?見つかったら殺される!!!)

早くも移動しようなんてしたことを後悔していた。
隠れてやり過ごすか。このままだとこちらに気付かれるかもしれない。

守屋「…………」

小林の死の間際を思い出し、自然と銃を前に向けていた。

平手「!!!」

銃を向けられ殺気を感じ取った平手は振り返る。
守屋が銃を向けていることを認識すると目の前の木に飛び込む。

引き金を絞り、弾丸は先ほどまで平手がいた地面に当たる。

守屋(ここで友梨奈を倒せば他のみんなを守れる!!それに、由依の仇だ!!!)
0150名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 21:19:23.38ID:1zttSYMLa
守屋「うっ…………うおおぉおおあああああああ!!!覚悟しろよォ友梨奈ァああッ!!!」

二発目の怒りの射撃は平手の隠れている樹に命中する。

守屋「みんなの事は私が守るッ!!!」

三発目も木に命中する。
弾が止むと平手は隠れる木々を素早く移動し、徐々に迫って来る。

守屋(な、何……!?速すぎて――!!)

四発目、五発目を素早く移動する平手に向けて撃つも命中しない。

平手「4、5………6」

標準が定まらないまま六発目も空を撃ち、弾切れになる。
平手は六発撃ったことを数えており、木から飛び出て一気に突っ込んで行る。

守屋「!!」
0151名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 21:21:27.49ID:1zttSYMLa
練習通りに素早く空弾倉を落としスカートから予備マガジンを取り出し装填した。
平手に3メートルまで接近され、銃口を向けると停止した。

平手はじっと銃を睨み付け、真剣を前に構えている。

守屋「友梨奈ァ……何か言い残すことはある?」

平手「……」

声は届いているのに会話ができない。無口キャラを演じているのか。

殺人鬼は語らない理想像を描きそれに完全に成りきっている。
そんな事情など知らず、物言わぬ最年少に結論を出す。

守屋「…………、そう。じゃあ、死んで!」

ドンと放たれた弾丸はひらりとかわされ同時に間合いを詰められる。

守屋(よ、よけられたあ!!?もう一発――!!)

あまりにも至近距離に迫られ、発砲と同時に目をつぶる。
再び人差し指を絞るより先に、一閃の斬撃が守屋を襲う。
0152名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 21:26:21.94ID:1zttSYMLa
守屋「っ!!!……ッ?」

確かに引き金を引いたつもりだったが銃声は響かず、代わりにボトッと地面に何かが落ちる。
音からにして重量のあるものだと感じ、そっと目を開けて見る。

守屋(て……手ェッ!??だ、誰の……!!?う、私の――!!!!!!??????)

地面には銃を握っている人間の右手が落ちていた。
切り口から血が飛び出て骨を断たれた激痛に天津飯のように仰け反り、偶然とどめの斬撃をかわせていた。

守屋「ぎゃぁああああっはああああああ゙あ゙ッ!!!!!!!!」

後方に倒れ、山の斜面になっておりそのまま下まで転げ落ちる。
後を追うように平手は滑りながら坂を下る。

全身打ち付けながら平面のところで止まり、よろよろと立ち上がる。

守屋「ッ〜〜!!!!!!!」

滑って迫り来る平手を見て、懐からもう一丁の銃を取り出して向ける。
0153名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 21:28:01.46ID:1zttSYMLa
守屋「ユ、リ、ナアア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!!!!」

平手「!」

平手は坂の途中で止まり、下の守屋を見降ろす形で対峙する。

守屋は負傷した右腕を心臓より高い位置に上げ脇を締める。
激痛どころの騒ぎではなく目をちかちかさせながら質問をぶつける。

守屋「何でこんなごどお゙お゙お゙!!!!何で由依を殺じだのおぉおおおお!!!?」

平手「?」

首を傾げ、頭にはてなを浮かべている。

守屋(――こいつッ!!?完全になりきってるっ!!!)

平手にとってサイレントマジョリティーにしても殺し合いにしても同じこと。
自分が演じなければならない役を完全に理解し、それを完璧以上に成り切ることができる。
故に彼女が天才と呼ばれているのだ。
0154名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 21:31:55.19ID:1zttSYMLa
守屋「〜〜〜〜〜!!!!!」

話をしても無駄だと判り背を見せて逃げる。
それを追いかける平手。
手負いでも漢字欅で一番足の速い守屋から徐々に離されてれていく。

平手「…………」

逃げ切られると判断すると腰のマシンガンを取り出し、追いかけながら火を噴かせる。

守屋「ぅぴょんっ!?」

ダララララララララと十発撃たれたが、木々が障害物となり当たらなかった。
ここに来て軍曹の悪運の強さを発揮する。

守屋(足でなら友梨奈には負けない!!!!絶対二逃ゲ切レル――)

再びマシンガンを守屋に狙いを定め引き金に指を掛ける。
数撃ち続けられ内二発が木々をすり抜けて右腕を貫通と左肩を掠めた。
0155名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 21:34:25.68ID:1zttSYMLa
守屋「あ………………」

死んだと思い景色がゆっくり流れだす。
実際に足が止まり体が傾き視界が斜めになる。

守屋「ぐっ――ふッ!!」

ここで足を止めたら本当に最期、何もかも終わりだ。
気合で踏ん張って持ち直し、再び足を回す。

守屋「うわぁあぁあああぁあああぁあああ……!!!」

叫びながら逃げる守屋を地獄の果てまで追う平手。

しばらくすると森が開け、断崖から海が一望できるところに出た。

守屋(なっ!!?森がっ!??)

ここには一切の遮蔽物はなく、マシンガンは守屋を一直線上に捉える。
0156名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 21:37:24.06ID:1zttSYMLa
平手は標準が定まり指を絞ろうとした瞬間、視界に白いモノが飛び込んでくる。
それはマシンガンに覆いかぶさるように直撃し、手から弾き落とした。

平手(メガ、ホン――?)

地面に落ちた黒いマシンガンと白いメガホンを見た。
飛んで来た方角へ振り向きざまに刀を振る。

平手「!」

ガギンとちょうど二本の刃による攻撃を日本刀で受け止めた。
刃と刀がぶつかり合い、微量の火花が散る
襲撃者は両手にクナイを持ち力いっぱい押す。

今泉「久しぶりだなァ、平手ッ!!!」

平手「今、泉……」

小林は命を賭けて自分を逃がし、平手と戦ってくれた。
きっと平手に殺されなくても、転校生に殺されるのがオチだ。
0157名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 21:39:22.47ID:1zttSYMLa
今泉(私だけが生き残っちゃいけないんだ……。だったら私も命の限り抗って、闘ってから――死ぬ!!!)

死を覚悟した今泉の力は強く、平手に押し勝ち退かせる。

振り返らずに走っていた守屋は何が起こったか分からずにまだ走り続け平手から逃げ切る。

今泉(茜ちゃん、よかった……。私でも人を助けることができた――)

守屋の逃げた方を見て姿が見えなくなり仇に向き合う。

今泉「平手〜〜!!お前は、私が殺すッ!!」

分校でたまたま一番近くに眠っていた平手を起こした。
思えば平手に触れて、話しかけたのはずいぶん久しぶりだった。

こんな状況なのにこうして一騎打ちで戦えることが少しだけ嬉しく思う。
たった一人きりの親友にして相方を殺された怒りで全存在をかけて闘う。
0158名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 21:44:11.13ID:1zttSYMLa
平手「……」

平手は顔色一つ変えず、今泉を迎える。
日本刀を構える平手は自然と達人の構えになっていた。

剣道を習ったことも刀を持ったこともないが最も適した構えが達人のそれだった。
またはドラマで見たことがありマネをして演じているだけの可能性もある。
今泉はクナイを順手から逆手に持ち替え、胸の前で手を交差させ重心を低くする。

しばらく見つめ合い、平手から一瞬で間合いを詰めて仕掛ける。

今泉(速い――!!)

一閃の突きを右手のクナイで受け流し、左手のクナイを顔めがけて振り回す。

仰け反ってかわされ、刀を振り下ろして来た。

両手のクナイを交差させて受け止めたが、ガラ空きの胴へ前蹴りをもらう。

今泉「うッ――」

数メートル吹っ飛ばされる。
人生で初めて腹を蹴られ、鳩尾に入り未知の腹痛に襲われる。

弱っている状態で刀を突いて来た。

今泉「!!」
0159名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 21:46:51.08ID:1zttSYMLa
身を転がしてかわし、刀は地面に刺さる。
泥だらけになりながら、身体を起こし膝立ちになる。

今泉(こ、殺しに来た……!負けてられるか――)

天才今泉は目を覚まし、平手のマネをする。
今度は今泉から仕掛ける。

今泉「フッ――」

今泉の右クナイを振り下ろすと、刀を横にして受け止められる。
ガラ空きになった腹へ左クナイを突く。

平手(……!!)

今泉の二弾攻撃は横にはかわせず、下にもしゃがめない。
平手が出した答えは上であり、飛び跳ねて空に逃れる。

宙にいる平手へクナイを一つ投げ飛ばす。
一太刀で弾き飛され、大振りが降って来る。

バックステップでかわし、そのまま弾かれたクナイを拾う。
平手は着地と同時に恐るべき脚力により一っ飛びで間合いを詰め切め、そのまま刀を突き出す。
0160名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 21:48:16.99ID:1zttSYMLa
今泉「なっ!?」

背後に毒々しい髑髏が浮かんだ気がした。
後退し続ければ死ぬ予感がした。

今泉(かわし、切れない!!!!死――――)

死を覚悟した瞬間、迫り来る日本刀がスローモーションになる。
後退中に右横へ急転換する。

今泉「ずあッ……!!」

今泉は胸を斬られ、転がりながら距離を置く。

今泉「ハァ!ハァ!!ハァ!!!」

豊満な胸で防がれ、致命傷に至らなかった。
まな板であったなら、即死していただろう。

それでも乳房を斬られた痛みは大きく、苦渋に顔を歪める。
胸に手を当て、深呼吸をする。
0161名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 21:50:34.19ID:1zttSYMLa
今泉(いっっっったあ〜〜〜〜!!心臓が激しく動いてるのが判る……。私はまだ生きてる!!)

長期決戦になれば不利になることを知り、一気に勝負に出る。
今泉は走り出しアニメのように距離を保ちつつ敵の周りを回る。

平手「……?」

平手にはこれが何の意味があるのか解らなかった。
今泉はある地点で急転換し、平手へ突っ込みクナイによる連続ラッシュを繰り出す。

今泉「はあああぁああああああああああ!!!!!」

朝小林から受けたサーベルラッシュは片手のみだった。
夕今泉からのクナイラッシュは両手である。

今泉「あらららああああああああああああああああああああ!!!!!」

キンキンキンと刃と刀がぶつかり合う音が響く。
次第に加速していき、小林仕上げのボロボロの制服をより破壊していき小さい切り傷も与えた。
0162名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 21:53:57.28ID:1zttSYMLa
平手も負けじと刀で対応し続けているが、小回りの効くクナイに対して圧倒的に不利だった。

平手「っ」

一旦距離を置くために、後方へ飛び退く。
足元を見て、あることに気付く。

平手「!?」

平手は断崖絶壁に立たされていた。
眼下は高さ15メートル以上はあり海が広がっている。
珍しく焦りの表情を見せ、刀を持つ手に汗を握ってた。

今泉はただ連続ラッシュしていたわけではなく、崖の方へ少しずつ悟られないように追い詰めていたのだ。

今泉(嘘――、勝てる……!!あの平手に……、この私が――!!)

実力であと一歩で平手に勝てる直前まで来ていることが信じられない。
0163名無しって、書けない?(愛知県)垢版2018/09/01(土) 21:54:58.65ID:DLTAuspl0
めっちゃ面白い
シリアスなのにたまに吹く
0164名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 21:55:33.07ID:t2AQjPjha
ずっと読んでるよ
めっちゃ面白い
0165名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 21:57:17.31ID:1zttSYMLa
勢いで最後のとどめの算段を立てる。

また連続ラッシュをしても見切らて反撃される。
やつに同じ手は通じるわけがない。
だからまず、クナイを一つ飛ばす。
それを避けられまたは弾かれ、その隙にもう一つのクナイで突っ込む。
反撃されたとしても平手に致命傷を与え、そのまま崖下に突き落とす。

今泉(終わる…………)

決着が近いことを悟る。
夕日が三分の一沈み始めて、空が赤く染まる。
相打ち覚悟で、命の勇気を振り絞って実行する。

今泉「平手ェ―――――――――――――――ッ!!!」

叫びながら平手の顔めがけてクナイを投げつける。
同時にクナイのすぐ後ろをダッシュする。

今泉(さあ!避けるか、弾くか?)

その時、ドンと轟音が響き世界と体が停止する。

投げたクナイは平手の頬をかすり、彼方へ消える。
0166名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 22:03:20.79ID:1zttSYMLa
今泉「――な……に……?」

平手を見るとあるモノを持っており、そこから硝煙が上がっていた。
それは先刻守屋から腕とともに斬り落とした拳銃だった。

銃だと認識して、ようやく自分の身に起きたことを理解する。

今泉「ごぽっ」

右胸に穴が空き、血を吐いて前に倒れた。

今泉(ああ――。やっぱり…………)

最後の最後まで銃を使わなかったのは、数少ない弾丸を節約するためだったのか。
それとも真剣勝負に応じてくれたのか。
もしくは守屋から奪った銃の存在を忘れていたのか。それはないか。

いずれにしても真剣勝負では今泉が勝ったが、殺し合いという仕合においては敗れた。
0167名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 22:06:35.21ID:1zttSYMLa
今泉(平手……には、誰も……敵わ、な――い……)

センター平手友梨奈に一度も敵わないまま、今泉佑唯は生涯を終えた。

陽が地平線に沈み時刻が18時になると、ウォッチから三回目の放送が入る。

澤部『今日も一日お疲れさん!まずは死んだメンバーを発表するぞー』

澤部『二番今泉佑唯。以上!どうしたーペース落ちてきてるぞ〜もっと頑張れい!』

その後三か所の禁止エリアを発表し放送が終わる。

平手「……あと、14」

島にいる自分を除いた残りの人数を呟く。
0168名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 22:09:02.63ID:1zttSYMLa
・・・・・・

守屋は右手を失い穴が空いた体で命辛々診療所の近くまで来ていた。

守屋「あっ、た…………っ」

建物が見えたところで、力尽き倒れる。

しばらくして、屋内から眼鏡をかけた人物が出て来る。

十手を持ち警戒しながら歩き、満身創痍な守屋を見つける。

??「早く手当てせんと……!!」

関西弁の少女は、守屋を担ぎ診療所の中へ運ぶ。


残り15人
0169名無しって、書けない?(SB-iPhone)垢版2018/09/01(土) 22:14:02.52ID:Db5GVp+ap
センター平手友梨奈に一度も敵わないまま、今泉佑唯は生涯を終えた。

この一文が、話のストーリー的にも、今の欅にもバッチリ当てはまり過ぎてて草
0170名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 22:21:25.10ID:GWKbjSt8a
守屋が主役の時点で何かじわる
0171名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 22:22:47.02ID:ZzBaUMIBa
???「だって茜・・・腕が!!!」
0173名無しって、書けない?(大阪府)垢版2018/09/01(土) 22:26:28.98ID:AJIpuqpg0
上村、織田、小池、志田、菅井、鈴本、長沢、梨加が全然出てこないのが気になる
0174名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 22:27:38.66ID:oW7KDIoja
小池は今守屋助けた子じゃね?
0175名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 23:08:28.72ID:JOdtzciWa
十手っていうから米さんじゃね?
0176名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/01(土) 23:13:02.56ID:Aj3VtvgCa
あ、勝手によねさん脳内で死んだことにしてた
そうだね、十手眼鏡はよねさんだ
0177名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 00:17:38.24ID:vMTOqzWqa
第五話(前半)

19:00

十九番米谷奈々未はあるメンバーを探し、診療所から分校の近くにまで来ていた。

米谷(確か、この近くやったな……)

記憶する場所に大分近づいた時、かけている眼鏡型探知機に自分以外の反応が増えた。

米谷「!」

体が硬直し、そのまましばらく足を止める。
レンズに写る赤い点が動かないことを確認する。

米谷(……間違いない。この先に、虹花がおる――)

反応のする方へ、ゆっくり歩を進める。
森を抜け道に出ると、道端にチームメイトの死体が転がっていた。
0178名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 00:19:19.38ID:vMTOqzWqa
米谷(虹花……)

石森の死体を見るのは二度目になる。
一度目は分校から出てすぐに見つけ、恐怖のあまり逃げ出してしまった。
死体の前にしゃがみ、前にできなかったので手を合わせて追悼する。

米谷(一体誰に殺されたんや……。転校生か、あるいは――)

守屋を介抱している時、うわ言であるメンバーの名前を言っていた。
おそらく守屋はその人物に斬られ、撃たれたのだろう。

石森には刃物で刺された傷が見受けられる。
もしかすると守屋を襲ったのと同一人物かと憶測する。

米谷(今は考える時やない。すべきことをせんと)

守屋に輸血するために懐から注射針を取り出し先端のキャップを外す。
石森の腕の袖をめくりあげると、肘まで素肌が露わになった。
硬直している腕の血管へ針を刺すと、何も起こらなかった。
0179名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 00:21:04.03ID:HNrZc/e8a
よねさん活躍の予感!
0180名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 00:22:22.14ID:vMTOqzWqa
米谷「……え?」

数秒後に数滴の注射器に血が流れ込み始める。

米谷(お……遅すぎる!!死んでからかなり時間が経ってるからか!?)

森とは違い道の真ん中にいるだけでかなり命を危険に晒さしている。
ゲームで動くことは死ぬ確率が高くなるという当たり前なことを理解していた。

逆に動かず一か所に隠れていれば生存確率が高まる。
死にくなければ動かないなければいいだけの話だ。

それを回避するために運営側は禁止エリアを設け、プレイヤーを行動させリングを狭めている。

一刻も早くこの場を立ち去らなければならないのに、一向に血は溜まらない。
患者の出血量からして、2リットルは必要である。
右手は注射器を支え、左手は硬直した腕をもみほぐすも変わらなかった。

米谷(腕を切り落として血を採れば……。あるいは――)

すでに死んでいるとはいえ死者を痛めつけるのは許されない。
しかし死んでしまった人より、今まだ生きている人を救うべきだ。

米谷(やるしかない。守屋の――みんなのために……!)
0181名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/02(日) 00:22:45.77ID:PsDN67tGd
すごいな。
10時間ぐらいぶっ続けで書いてる。
0182名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 00:24:02.38ID:vMTOqzWqa
傍らに落ちている斧を持ち上げる。
軽く素振りをして、切断しようとする箇所に刃を近づける。

米谷「虹花……、ほんまに……ごめん!!!」

巻き割の要領で、石森の身体へ斧を振り下ろす。

米谷「――ッ!」

一太刀では断ち切れず、斧を引き抜き再び振り下ろす。
それから数回に渡り骨と肉を斬り、息を切らす。

米谷「ハァ、ハァ、ハァ……!!」

死後12時間以上経過していても、動脈が集中している箇所なので勢いよく血が溢れる。
切り口へ血液パックを直に当て血液を溜める。

米谷(覚悟していたことや、こうなることは。虹花……。許して、くれんくてもうちはきっと地獄行きやろな。いや、もうここが生き地獄か)

やってはいけないことをやっているようで罪悪感に苛まれる。
生き残るためとはいえ、死体損壊罪を犯してしまった。
犯罪に巻き込まれている状況下での犯罪は問われるのだろうか。
0183名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 00:29:34.12ID:vMTOqzWqa
米谷(ここが島で良かった。都会やったら埃や黴菌が入って使いもんにならんかったからな)

潔癖症の米谷が血液は汚れていないと太鼓判を押す。
守屋を救う血を溜めながら脱出方法を考えていた。

米谷「…………」

助けを呼ぶことは無理だ。
支給されたウォッチの電波は送受信全て船で管理されている。
インターネットも使えず、たとえスマホを持っていても電話も通じないだろう。
ハッキング技術があればチャンスがあったかもしれないがそんな芸当誰ができよう。

助けを待つのも期待できない。
2月なのにこの涼しさからして、おそらく小笠原諸島もしくは沖ノ鳥島より南に位置しているのか。
地図にも乗っていない島に偶然この二日間に通り過ぎる船があるだろうか。

絶対的にチョーカーを外さなければ脱出はできない。
これがある限り、大人たちの操り人形で居続けるしかない。
明日の24時に一人以上生き残っていた場合でもチョーカーさえ外れていれば生き残れる。

これさえクリアできればなんとかかなる。
あとは船を襲撃して、ゲームを止めさせる。

禁止エリアに入ると爆発させられることからGPSが内蔵されている。
外せば澤部達のいる船に気づかれずに近づくことができる。
武器はあるが最終的に銃撃戦を制さなければならず不確定要素が多く危険だ。
0184名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 00:31:33.00ID:vMTOqzWqa
確実とは言えないが脱出方法を思いついていた。
石森のチョーカーを見て、簡単に触って確かめてみる。

米谷(カメラは……ないな。たぶんマイクは内蔵されとるやろうけど)

一つ手に入れば何時間かかってもいいから慎重に解体して中身を調べられる。

米谷(爆弾を回避して、取り外すことができれば――生き残れる!)

考えている内に、血液は1.5リットル近く溜まる。

重傷患者に安全とは言えない血を輸血するのは病気になりやすいと聞いたことがある。
今死んでしまうよりかは、例え後に病気になったとしても病院で直すほうがはるかに良いだろう。

米谷(よーし。あと少し――)

??「よねっ」

米谷「!!!!!」

突然声をかけられ、呼吸が止まり心臓が止まりかける。
振り返るとそこにはよく知る顔があった。
0185名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 00:34:59.57ID:vMTOqzWqa
米谷「う……、上村……!」

三番上村莉菜が青ざめて震えている。

上村「な、何してるの……?」

米谷の後ろで誰かが血を流して死んでいる。
顔は米谷の背に隠れて見せなかった。
医療器具が転がっており、一体何をしていたのか問う。

米谷「こ、これは………!」

周りを警戒していたが脱出の事を考え集中しすぎて接近に気づかなかった。

上村「…………」

今まで上村は一人海の見える森の中で体育座りしていた。

どうして自分がこんな地獄に投じられたのか分からず負の感情が増長する。
日常で抱いていたメンバーへのほんの些細な不満が爆発する。
0186名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 00:39:59.14ID:vMTOqzWqa
虹花は、バカ女。
頭が悪いから空気読めないし、現場が白ける。
そこまで大したことないのに演技っ気があるとか言われて調子乗るの止めな。

今泉は、情緒不安定女。
私がイジメたとかネットで叩かれ、休養したのも私のせいだと書かれてて訳が分からない。
あいつが休養したせいで残客がめちゃくちゃな脚本になって最悪の出来になったじゃない。

尾関は、気持ち悪い女。
仲良しだったのに気づいたらどっかに行って裏切った。
ちびま〇子ちゃんにしか見えないのに、なんで欅に受かったのか七不思議の一つだ。
たまにする気持ち悪い動きするの止めな。

美波は、関西カラコン女。
この子に限ったことじゃないけど、でっかいカラコン入れなきゃ生きていけないのかな。
似非関西弁に関して血相を変えて怒るけど、自分も「滑舌できませ〜ん」があざとすぎてバカみたいだから止めな。

由依は、ビジネスぼっち女。
さっぶいブログの出だし書いて、すかしてんじゃねんだよブス。
推しはみんなB専で間違いなし。

冬優花は、ダンス女。
ブスだから欅全体で人気最下位だからダンスで頑張るしか能がないから可哀そう。
人気メンにすり寄って、おこぼれをもらおうとするの止めな。

詩織は、話が長いわがまま女。
自分の言いたいことは言わないと気が済まない超絶自己中な子。
話長くするの止めな――かったらから首輪吹っ飛ばされたんだ。
0187名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 00:46:27.99ID:vMTOqzWqa
愛佳は、顔デカ性悪女。
私の事をババアとかオババとかうるさいんだよ。たった2こしか違わないのにしつこいんだよ。
基本人の悪口しか言わず、そのくせゴミみたいなロケしかできない。完全に欅のガンだから欅辞めな。

友香は、馬大好き金持ち女。
金持ちなのは親のおかげなのに調子こいてる。きっと欅に入ったのも審査員を買収したに違いない。
本気で滑舌が悪いしキャプテンに向いてないから止めな。

鈴本は、居眠り不貞腐れ女。
現場の入り前や休憩中にいっつも寝てて、どんだけ寝れば気が済むの?夜に何やってるの?
紅白という大舞台で口パクだったのにご自慢のダンスで過呼吸になってるのほんとに意味わかんない。
ダンスメン名乗るの止めな。

菜々香は、大口大食い女。
永遠に食べてる的な大口叩いてた割には、ひらがなの子に余裕で負けてるし口だけじゃん。
大食いキャラ名乗るの止めな。

ねるは、不正加入ゴリ推し女。
あのタヌキはSRで秋元先生が来た時だけぶりっ子して、いなくなった途端友香をイジメてて不愉快だ。
紅白の時も平手が倒れて一番近くにいたのに何もしなかったから私が助けに押し退けてやったんだ。

土生は、のっぽ女。
身長170cm以上ってアイドルの身長じゃないから。
モデルを期待されてたのに理佐と梨加に先越されてどんな気持ち?
アニヲタでたまにコスプレしててマジキモいから。
しかもアニメ声だからって理由だけでラジオもやっちゃってるし、おバカ丸出しなんだから止めな。

茜は、無添加大好き努力女。
努力は悪いことじゃないけど、負けず嫌いなわりに負けると判ると勝負を降りるような口だけなやつだ。
副キャプテンという聖職だからって調子こいている。実質何もやってないからいっそ止めな?

梨加ちゃんは、ただのパワー型池沼女。
普段は普通なのに、番組になると恥ずかしがり屋さん演じて小声で喋るキャラもう飽きたから止めな。

理佐は、小顔モデル女。
欅で一番の小顔だからモデルに選ばれただけなのに気取ってる。
私も齋藤飛鳥さんに憧れて、いつかモデルになった時のために撮影のこととか聞いてみたら「ウザい」と見下された。
お高くとまりやがって、いつか飛鳥さんみたいな写真集出して見返してやりたかったのに――。
0188名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 00:49:56.11ID:vMTOqzWqa
上村(そして、目の前にいるのは冷徹潔癖微生物大好き女――米谷奈々未!)

米谷の後ろに誰かが倒れている。まさか殺していたのか。
優しさに定評がある米谷なら一緒にいてくれると思っていたから声をかけたのに。

上村「な、何してるのっ!?」

米谷「いや、これは……その……っ」

背中に隠れている倒れている誰かを見るため、ふらふらと近寄って来る。

米谷(アカン!これ以上近寄られると……)

米谷は恐れていた。
第二者が見て実況し運営側にこの状況がバレてしまうことを。
チョーカーにはマイクが仕込まれているから余計なことを喋らせないために銃を取り出す。

米谷「止まれ……!」

上村「ひぃいっ……!?」

守屋が握りしめていた銃を借り上村へ向ける。
0189名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 00:51:48.86ID:vMTOqzWqa
フリーズする上村は訳が分からず理由を訊ねる。

上村「なんでっ、どうしてぇ!?」

米谷「来るな。行ってくれ」

上村「そのメンバー誰!?米が殺したのっ?!」

米谷「いや、うちやない」

上村「じゃあお願い一緒にいてよ!!もう怯えるのはやだよお!!」

兎の心を持つ上村は寂しがり屋で、メンバーを求めて行動に出たのだ。
些細な物音にも反応し、一睡もできず疲弊しきっていた。

米谷「ダメや……!あんたは信用できひん……!!」

上村「!!??だからなんでなのおっ?!」

米谷「……お願い。どこかに消えて!」
0190名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 00:53:47.98ID:vMTOqzWqa
上村「あッ」

上村は自分の手に持つ物を見て気づいた。

米谷「!?」

カランと金属物が地面に落ちる音がした。
上村の足元には二つの手裏剣が落ちていた。

上村「ほらぁ!!!私、敵意なんて全然ないよおっ!」

身の潔白を証明するために敵意がないことを示す。
しかし米谷の答えは変わらない。

米谷「ダメや!そういう問題やない……」

上村「ぉ、お願いだから一緒にいようよぉ!!」

上村はさらに近づいて来る。

米谷「……!」

なりふり構わず足元に向けて発砲する。
0191名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 00:56:05.19ID:vMTOqzWqa
上村「ォだヱり!?」

本当に撃ってくると思っておらず変な声が出て、地面にへたりこむ。
威嚇射撃が成功し、上村の動きを封じた。

上村「………っ」

上村は米谷に殺意がないことは判った。
殺すつもりならとっくにあの世に逝っているはずだ。

上村(じゃあ、なんで……?私ってそんなに信用ないのっ!?)

自分に落ち度はないか正常ではない脳内で考える。

上村「あっ……もしかして――」

米谷「……え?」

上村「棚を、工具を使わぐ手をトンカチのようにして組み立てた……!」

米谷「ん……?」

上村「私が……"手トンカチ"を……持ってるからっ!!」

米谷「は?テトンカチ?」
0192名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 00:59:51.51ID:vMTOqzWqa
上村「手トンカチを捨てるからっ!一緒にいてよおっ!」

米谷(こいつ……いよいよあかんな。こんな状況やからしゃーないとは思うけど、早くここから離れないと……)

泣きながら少しずつ歩を進めて来る。

米谷「来んなッ!!」

上村「ナぎィ!!」

威嚇射撃は来なかったが、死体の顔が見えるところまで来た。

上村「に、虹花ぁ…………!?」

分校で佐藤の首が吹っ飛んだことを思い出す。
何故なら石森も同様に生首になっていたからだ。

様々な疑問が押し寄せ、もはやパンクしていた。

米谷(しまった!!バレた――)

視線を米谷の方へ戻すと、異変に気付く。

上村「あっ」

離れようとすると突然上村が得意の指差しをする。
0193名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 01:02:40.84ID:vMTOqzWqa
米谷「ん?」

それは自分ではなくはるか後方を差していた。
振り返ると山から駆け降りて来た平手が機関銃をこちらに構える。

米谷「!!!」

間髪入れずにダラララララララと躊躇なく火を吹かせる。
米谷は石森の死体を盾に、後ろにいた上村は米谷の後ろへ入る。

米谷「づッ!」

上村「ぎゃッ!!」

ほとんどの弾は死体に吸い込まれたが、一発は米谷の右脚を掠め一発は上村の左腿に被弾した。
上村はその場にうつぶせに倒れこんだ。

米谷(上村!!それより――)

上村の心配を後に、今は殺人鬼の相手をしなければ自分が死ぬ。
0194名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 01:03:59.63ID:vMTOqzWqa
米谷「平手ェ!!」

平手「!」

叫びながら銃を向け、敵が躊躇わなかったように撃つ。
平手は銃の向きから弾道を読み横へ動いて避け、再び機関銃を向ける。

米谷(ここまでか……!!)

平手「…………よ……ね」

米谷「!?」

辛うじて声が耳に届いたのは、自分の愛称だった。
平手は機関銃を向けたまま固まり、動かないでいる。

米谷(撃って来ない!?どうする、話を……いいや、ここは――)

荷物を放棄して右手に血液パック、左手に拳銃を持って森へ逃げる。
平手は目で追うだけで撃ちもせず、結果からしてみすみす逃がした。
0196名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 01:06:44.49ID:vMTOqzWqa
平手「…………」

米谷を追わず、もう一人の倒れている上村の元へゆっくり歩を進める。
腿を撃たれた上村は指一本動かないでいる。

上村(痛い痛い痛い痛い痛い!!!!!ああああああああ脚があぁああああああああはは――!!!!)

本当は激痛にのたうち回って痛がり同情の的になりたいのを必死に我慢する。

上村(ひ〜ら〜て〜〜〜っ!!!!!このクソガキぃがぁあっ!!!!!)

平手は、中二病わがまま女。
お前なんかあの時○○野郎に殺されれば良かったんだ。
元はと言えば、平手が病んでから欅は下り坂になった。
欅が殺し合いさせられているのもこの私がこんな目に合ってるのも全部こいつのせいだ。

上村(来い来い来い来い来い!!!!!死んだふりをして死を確かめに来たところに両目へ手裏剣を投げつけてやるぅー!!!)

平手「……」

死んだふりをする上村の左側に立ち、じっと見下ろす。
0197名無しって、書けない?(dion軍)垢版2018/09/02(日) 01:10:16.93ID:XPYVLJwr0
>>195
絵うまw
こっちベースの話も面白そう
0198名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 01:12:00.24ID:3ayE6cVCa
>>195
原作に沿うと長沢くんが主人公だなw
0199名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 01:12:25.38ID:vMTOqzWqa
上村(よ〜〜し。今だ!!!!)

気配で自分のすぐ左側にいることを感じ、一気に上体起こしをする。

上村「えーいっ!――えっ?」

先程まで平手がいたはずなのに忽然と姿が消えていた。

上村(いない……。米を追いかけた?てことは、私……助かったんだっ!!)

生き延びれたことに心底安堵し、ここに来て初めて妖精のような顔を見せる。
ふっと月明かりに影がかかると同時に頭部に何かが落ちて来た。

上村「えふっ」

平手が降って来て、日本刀を脳天から串刺しにした。
上村莉菜は目と鼻と口と耳から血が溢れ出て、悪魔のような顔で昇天した。

頭から日本刀を引き抜き、血を振り払ってから鞘に納める。

足元には上村と石森の死体が仲良く転がっている。
自分が殺めた二人を見つめ、その場を後にした。
0200名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 01:19:34.20ID:vMTOqzWqa
そこから200メートル離れた森の中で米谷は座っていた。

米谷「上村……、ごめんな……。うちのせいで……」

おそらくもうこの世にはいないであろうチームメートに懺悔する。

米谷(威嚇射撃した時の銃声を聞きつけてすっ飛んだ来たんやな……。平手、うちを追って来なかった……。うちのこと――)

認識してから撃って来なかったのではないか。
それともただ弾切れしただけなのかもしれない。

米谷(ありがとう、虹花。おかげで脱出できるかもしれない)

遠く離れてしまったが遅れて礼を言い、ポケットからチョーカーを出してみる。

米谷が石森の首を切断したのはチョーカーを回収するためでもあった。
守屋を助けるため採血もでき一石二鳥になった。

撃たれた脚の止血と簡易処置を終えて立ち上がる。
太い枝を杖にして、瀕死の患者が待つ診療所へ帰る。
0201名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 01:22:17.80ID:vMTOqzWqa
・・・・・・

23:00

十三番長沢菜々香と二十番渡辺梨加はゲーム開始直後から一緒に居た。

夜明け頃に北西に位置する神社で遭遇していた。
支給された二人の食料はほとんど長沢の胃の中に納まり底をつく。

長沢「お腹すいた」

殺し合いの最中であっても空腹には耐えらなかった。
明日の24時までにたった一人にならなければ全員が死ぬ。

制限時間を待たずして飢え死にする前に、食料を求め拠点にしていた神社を後にする。

渡辺「みんなどこにいるんだろう?」

長沢「とりあえず灯台に行こう。誰かいそう」

渡辺「……東、大?」

長沢「人もいれば食料もまだ余ってそうだし、脱出できるかもしれない」

渡辺「ん?……だっしゅつ?」

脱出の事を全く考えていなかった渡辺はピンと来ていない様子だ。
0202名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/02(日) 01:33:15.63ID:ETEYB/l70
先生休憩されても宜しいんですよ?
0203名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 01:33:40.35ID:vMTOqzWqa
長沢「なんとかねるか米に会えればね」

渡辺「ねるちゃんと合流出来たら"ほとけーず"だね!」

長沢「!」

長沢はおそるべき感覚で人の気配を察知する。
渡辺の前に手を広げ、歩を止めさせる。

長沢「梨加ちゃん。止まって」

渡辺「!?」

渡辺の顔に緊張が走る。
何かが起きていることに気づき、ロケットランチャーを構え警戒する。

??「!!」

斜め正面から歩いて来る人物は二人に気づき、歩みを止める。
0204名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 01:37:17.98ID:vMTOqzWqa
長沢「理佐!」

渡邉「!!菜々香!梨加ちゃん!」

渡辺「…………!!」

渡邉は二人の名前を呼び応える。
渡辺は何かに気づき、今度は駆け寄ろうとする長沢を止める。

渡辺「菜々香ちゃん待ってッ!!!!!!」

長沢「!?」

急にものすごい声量で叫んだことに驚く。

渡邉は戦闘の目に切り替わり、スナイパーライフルを長沢へ向ける。
直後に銃声が鳴り響き、長沢の身体を数メートル吹っ飛ばした。

渡辺「菜々香ォッ!!?」
0205名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 01:40:21.70ID:vMTOqzWqa
先行していた長沢が自分の後ろまで飛ばされた。
背を見せるわけにはいかず長沢に駆け寄るのを我慢して、ロケットランチャーを向ける。

渡辺「……!!……??」

渡辺は何も言わないが、その大きな瞳は饒舌に語っている。

目の前にいる人が誰だか判らない。
理佐ではないのに、理佐の顔をしている。
長沢が間違えるほど本人にしか見えない。
島には漢字欅の21人しかいないはずなのに。

分校で澤部が言っていたことを思い出す。

澤部『転校生がいまーす。仲良くしてヤってくれよ〜』

渡辺(そうだ!忘れてた――)

お得意の忘却で転校生の存在を忘れていた。

どうして私たちを殺すのか。
どうしてそんな顔をしているのか。
どうして、どうして?どうして。どうして!

渡辺「あなた、誰!?」
0206名無しって、書けない?(dion軍)垢版2018/09/02(日) 01:54:57.29ID:XPYVLJwr0
推しメンがあっけなく死んで泣いた
でも話は面白いからOKです
0207名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/02(日) 02:04:40.79ID:ETEYB/l70
理佐が理佐じゃないだって…?
0208名無しって、書けない?(中部地方)垢版2018/09/02(日) 02:06:41.49ID:e6xT7Egr0
本物はまだ未登場ということか
0209名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 02:07:32.66ID:3cCUWC1wa
ユー○ューバーのも○りんとか?
0210名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 03:45:30.94ID:vMTOqzWqa
渡邉「私は渡邉です」

あくまで理佐を押し通すつもりなのか。
それにしては理佐ではないと言っているような口ぶりだ。
それともすでに勝った気でいるから余裕なのか。

転校生がどこの誰かなんて関係ない。

渡辺「お前が……みんなを……」

渡邉「ん?何?」

あまりの小声に聞き取れず本気で聞き返す。

渡辺「お前が殺ったんだろォ!!!!!!!」

渡邉「っ――」

一気に怒りのボルテージを120%へ限界突破させ、ロケットランチャー発射させる。
0211名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 03:48:35.67ID:vMTOqzWqa
渡邉は咄嗟に伏せると、弾頭が木にぶつかり爆発する。
一面に爆炎が舞う中、伏せた状態のままスナイパーライフルを構える。

爆煙が晴れると、渡辺と撃ち殺したはずの長沢が消えていた。

渡邉(消えた――!?)

代わりに一冊の分厚い雑誌が落ちており、表紙の目玉が異常に巨大な少女の脳天に穴が開いている。

渡邉(少女漫画雑誌『リボン』!?これで弾丸を――)

後ろから風を切る音が聞こえ、とっさにライフルで頭を守る。
ガッシャンとヌンチャクがライフルに付属しているスコープに直撃しガラスが割れた。
スコープで防いでいなかったら、頭をカチ割られていただろう。

長沢「コロス」

渡邉「!」

殺意を込めたヌンチャクをやたらめったら振り回してくる。
渡邉はライフルを盾にして防ぐも、持っている手が痺れる。
0212名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 03:50:40.71ID:vMTOqzWqa
渡邉(こいつ!!!なんなんだこのスピードは!!?)

長沢「フン!」

ライフルを盾に持つ左手の小指を殴られ、小枝のように骨折した。

渡邉「ぐッッ!!」

防御に隙が生じ、ヌンチャクを叩き込まれる。
ガッと右前頭部に直撃し、額から流血しよろめく。

長沢は続けざまにヌンチャクで渾身の一撃を振りかざす。
顔を捕らえたと思ったら紙一重でかわされカウンターの裏拳を顎にもらう。

長沢「ッ……!」

脳を揺らされ、一時後退する。
ライフルを長沢へ構えようとすると背後から殺気を感じた。

渡辺「アアア!!!」

後頭部を殴ろうとロケットランチャーを振り下ろす。

渡辺「んっ!?」

突如渡邉が消えて地面を殴ってしまう。
0213名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 03:52:07.40ID:vMTOqzWqa
すでに左背後に回られており、振り返ると右拳を頬にもらった。

渡辺「ん゙ッ!?」

口の端が切れ口元を抑えて二三歩退く。

生死をかけた仕合の第1Qが終わり一息つく。

渡邉「やるじゃん。正直舐めてたよ」

渡辺「お前……!!!」

長沢「この――」

渡邉は肉弾戦ならスナイパーライフルは邪魔だと判断し茂みに捨てる。

渡辺「えっ!?」

長沢「なんで……」

雲から月が顔を出し渡邉を照らす。
0214名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 03:54:58.19ID:vMTOqzWqa
今宵は満月であり、街灯がなくとも島に十分な明るさをもたらす。

渡邉「いいこと教えてあげる。私は、満月の夜は普通の日より10倍の戦闘力になる!」

長沢「十……倍……」

渡辺「!!??」

10倍の戦闘力になるなら銃を持った状態より素手の方が本領発揮できるから捨てたのだ。

長沢(即死できる銃より確実に殺しに来れる、とうことか)

渡邉「行くぞ」

指を鳴らし潰しに来るような威圧を見せ第2Qが始まる。

長沢は瞬時に間合いを詰めヌンチャクを大降りする。
軌道を読みまた紙一重でかわされ、振り終えたモノを素早く掴まれる。

長沢「何!」

敵同士なのに一つのヌンチャクを仲良く一方ずつ持っている。
力づくで引っ張るも渡邉も同じ力で引き相殺されて動かない。
0215名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 03:57:02.39ID:vMTOqzWqa
渡辺「菜々香ちゃああぁあんッ!!」

渡辺は背後から拳を繰り出す。
渡邉は握っているヌンチャクの力をさらに強め、長沢もろとも手繰り寄せる。

長沢「!!」

そのまましゃがむと渡辺の拳は長沢の顔面に直撃した。

渡辺「ンなっ!?」

長沢「ぶへっ」

仲間を殴った罪悪感で隙だらけになってしまい腹に蹴りを叩きこまれる。

渡辺「カハ――」

息が止まりそのまま後ろへ飛ばされた。

長沢「梨加ちゃんッ!!」
0216名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 03:59:19.29ID:vMTOqzWqa
渡邉「今は私と菜々香の1on1。また菜々香を殴りたいなら来な」

渡辺(あ、あいつに襲いかかったらまた菜々香ちゃんを殴っちゃうかもしれない……!!)

この場を支配しているのは完全に渡邉だった。
10倍の戦闘力は伊達ではなく、二対一であっても戦局を有利にしていた。

渡邉「ルーザールーズ」

渡辺長沢「??」

渡邉「本当はハンカチなんだけど、このヌンチャクをハンカチに見立てて放した方が負け」

長沢は瞳に火花が散り、訳が分からないが勝負を承諾する。

長沢「ハンケチ。放さない」

互いに左手のヌンチャクを握り直す。

先手は長沢の右拳連続ラッシュから始まる。
それを掌でドリブルの要領で全て叩き落とされた。
0217名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 04:01:28.86ID:vMTOqzWqa
渡辺(菜々香ちゃんの連続パンチ見えないほど速いのに……それをみんな防いでるう!?)

後手渡邉は連続パンチというディフェンスをかいくぐり放物線を描く拳を繰り出す。
拳は前頭部に着弾し、直接脳を揺さぶられる。

長沢「ぐっ、ンま……?」

渡辺「ああっ!?」

渡邉「ハンドリング」

渡邉はヌンチャクを握るのを止め、手の甲に乗せ始めた。
不安定にはならず何故だか安定していた。

長沢「離すなよ」

得物を引くとカウンターの後ろ回し蹴りを側頭部に喰らった。
尻もちをつくもヌンチャックは離さない。

追撃の踵落としが降って来たがギリギリでかわし立ち直した。
0218名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 04:02:55.78ID:vMTOqzWqa
長沢「なるほど……」

――バスケのハンドリングの要領でヌンチャクを巧く扱ってる。なら私も。

長沢もマネをして得物を手の甲に乗せる。

渡邉「へえ。そういえば菜々香もバスケやってたんだよね」

長沢("も"?)

渡邉「でも――」

裏拳が炸裂し、再び尻もちをつく。
倒れてる長沢を見下ろし続きを言う。

渡邉「補欠。だったんだっけ?」

やけに"補欠"を強調して言われ挑発される。

長沢「うん」

そんな挑発などどこ吹く風と気にも留めない。
それが挑発だったのかなど知らない様子だ。
0219名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 04:04:23.72ID:vMTOqzWqa
長沢は先程より速度が上がった拳を顔面へ叩き込む。

渡邉(速い――!!)

渡辺「おおっ!!」

渡邉は倒れまいと得物を握り引く。
引かれる力を利用してレイアップのような昇竜拳を顎に打ち込み初めて尻もちをつかせた。

渡辺「やったっ!!」

続けて倒れているところへサッカーボールキックを繰り出す。

長沢「!」

蹴りは躱され、立ち上がられる。

渡邉「…………」

長沢「……」

二人とも対峙したまま動かないでいる。
0220名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 04:06:14.63ID:vMTOqzWqa
長沢(なんとなく解った。この勝負先に動いた方が負ける)

拳を握りしめ力を溜め、腰の位置に備える。
渡邉の口元が吊り上がり、ヌンチャクを軽く引く。

長沢は溜めていた拳を繰り出す。

渡邉「スチール」

パシィと長沢の音速の拳を手で受け捕った。

渡辺「そんなっ!?」

長沢「……バカな」

戦意を失いかけ無防備のところへフリースロー一撃必殺の"3点拳"を叩きこまれ彼方まで吹っ飛ばされた。

渡邉の対戦相手は消え、一人ヌンチャクを持つ。

渡邉「私の勝ち」
0221名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 04:08:57.69ID:vMTOqzWqa
ぐるぐると得物を振り回して、長沢の元へ歩み寄る。

渡邉「とどめだ」

うつ伏せで倒れてる長沢の後ろから首にヌンチャクを回し締め上げる。

長沢「う、ご、ぉ……っ!!!!」

エビ反りになり呼吸ができず、頸動脈が浮き出て死にそうになる。

渡辺(ああ…………!!!助けようにもロケットランチャーは使えないし、また菜々香ちゃんを楯にされちゃう!?)

渡邉「ハッハッハッ!!!」

長沢「あ゙ー……ぐっ!!!」

首を絞められている状態から近くにあった左手の側面(小指球)に噛みつく。

渡邉「い゙ッ!?」
0222名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 04:13:27.61ID:vMTOqzWqa
締め上げるのを止めて一歩下がり後頭部へ3点拳を叩き込む。
再び吹っ飛ばし今度こそ倒した。

長沢「…………」

気絶したのか死んだのか指一つ動かない。

渡邉「痛っ……!」

左手を見ると小指の付け根からくるぶしの間の小指球が噛み千切られて血が溢れ出る。

渡辺「……菜々香、ちゃん……!!!!!」

瞳から殺意がこぼれ落ちている渡辺が前へ出る。

渡辺「お前は私が倒す!!!!!」

渡邉「かかって来いよッ!渡辺梨加ァ!!!」

休憩なしに第3Qが始まる。
0223名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 04:17:25.10ID:vMTOqzWqa
渡邉(厄介な菜々香はもう赤ゲージ状態だ。案外大したことはなかったな。パワーだけの梨加なんて私の敵じゃあない)

渡辺(力だけなら私の方が上!でも、総合的な戦闘力は圧倒的にあっちの方が――)

渡邉(――って、その饒舌な眼差しで伝わってくるんですけど)

渡辺「よくも菜々香ちゃんをお゙ッ!!」

渡邉「!!」

単純な張り手に、渡邉の体は宙を飛び後方の木に叩きつけられる。

渡邉(分かってたのに、このパワー……!!)

渡辺「うわあああぁあああっ!!」

叫びながら突進で追撃すると、かわされてドスンと木に衝突する。
百枚単位で葉がひらひらと落ちて来る。
0224名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 04:23:41.19ID:vMTOqzWqa
次に連続パンチを繰り出し一発ずつの威力が強く風が伴う。
その拳の嵐は舞う葉のように全て躱される。

渡邉「ハイ!!」

渡辺の腹を殴り、頭を蹴り飛ばした。

渡辺「ぎゃふっ――!!」

倒されるも立ち上がり、ボクシングスタイルで口元に両手を持っていき突っ込む。

渡辺「うわああああ!!!」

ブンブン振り回す拳は全然当たらない。
パワー型にありがちなスピードが殺されてことごとく躱されていた。

渡辺(な、なんで当たらないの!?こんなに打ってるのに――)

ゴール下でシュートが外れ続けるように苛立ちと焦りを覚える。

さらに力を込めた大振りの拳を繰り出すも、カウンターの右拳を顔にもらう。
ぐらつくがなんとか持ち堪え距離を置く。
0225名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 04:25:35.79ID:vMTOqzWqa
渡邉(タフだな。パワーS、防御A、スピードCといったところか)

渡辺(菜々香ちゃんの噛みつき攻撃でこいつの左手は使えないはず!だから左側から攻撃すればいける!!)

渡邉(だから〜ちらちら手負いの左手見つめてんのバレバレなんですけど)

左側から攻めて来る渡辺を受け入れ、渾身の右ストレートを解き放つ。
渾身の一撃が渡辺の顔面を捕らえた。

渡邉(決まった――)

渡辺「ん゙ん゙!!!」

殴られながらも右拳をがっしり掴む。

渡邉「うゎ!?」

渡辺「やぁあああああぁあああああああああ!!!」

そのまま勢いよく遠心力でぐるぐる回してから手を離す。
渡邉は腰から木に衝突しダメージを負った。
0226名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/02(日) 04:28:06.49ID:ETEYB/l70
オリバとゲバル懐かしいね
0227名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 04:30:52.79ID:vMTOqzWqa
畳みかけるように倒れてる渡邉へ駆け寄り両手鉄槌を振り下ろす。
それをかわされ、倒れてる状態から腹を蹴られてれよろつく。

渡辺「ちょぅ!?」

渡邉は素早く起き上がると同時にロケットパンチを顔面へ打ち込む。
さらに、パンチとキックの連打を繰り出す。

渡辺「ん・ん・んんん……!!!!」

両腕を前に出し防御するも、防ぎきれず顔や頭を打たれる。

渡邉「ほらほらァどうしたのぉ!私を倒すんじゃなかったのっ?」

渡辺「わ―ッ!!!!」

パワーを込めた拳は簡単にかわされ、カウンターの上段回し蹴りを頭部にもらう。
ゆっくり体が傾きダウンした。

渡辺(つ、強すぎる……!!このままじゃ、殺される――っ)

一般女子の10倍を誇る戦闘力を前にパワーだけでは敵わない理解した。
0228名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 04:33:58.56ID:vMTOqzWqa
渡邉「さてと――」

とどめを刺しに近づいて来る。
成す術もなく諦めかけた時、渡邉の隣にある人物が立っていた。

渡邉「え!!!」

全く気配なく至近距離まで近寄られ驚いた顔へ拳を叩き込まれた。

渡邉「ぶは――」

渡邉を鼻血を噴きながら後退する。

渡辺「なゝこ、ちゃ――!」

長沢「お腹すいた」

渡邉の肉を食べてさらに食欲が湧いて来た。

渡邉(こいつ!!!気を失ってたと思ったら、私の肉を食べて眠って体力を回復していたのか!!!)
0229名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 04:42:57.85ID:vMTOqzWqa
長沢「いただきます」

食べ物を前にして挨拶をする。

渡邉「ハッ、終わりにしてやるよ!!」

最後の第4Q開始のブザーが頭に鳴り響く。

体力は渡辺は赤ゲージまで減らされ瀕死の状態で、長沢は黄色ゲージに回復してた。
対する渡邉はまだ半分近くの緑ゲージだった。

渡邉「うぉお……ッ!!」

互いの拳がすれ違いそのままクロスカウンターが決まる。

長沢は頬に当たる敵の拳に噛みつく。
渡邉は即座に指を引っ込めたがすでに遅かった。
右手の小指が根元から食いちぎりられて血が噴き出している。

渡邉(カニバリズム!!!?食い殺される――)

長沢は味わいながら喉に通し回復すると動きが速くなり今度は直接嚙みに行く。
0230名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 04:48:13.76ID:vMTOqzWqa
渡邉「えやぁ!!」

迫り来る口をかわしつつ、その顎を膝で蹴り上げた。

長沢「……!!」

長沢は顎に当たった脚を掴み、太ももへ齧りつく。

渡邉「ぅんぎゃーッ!!!!」

太ももを抑えて屈む渡邉の右耳を一瞬で噛み千切る。

渡邉「んんミミガー!!??」

食い殺されると思い一先ず距離を置く。

渡邉(く、狂ってる!?サイコパスか――?こんなヤツがいたなんて……!)

長沢「お腹空いた……!」

肉を頬張りながら、食いしん坊の一つ覚えのように言う。
0231名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 04:50:48.54ID:vMTOqzWqa
攻撃すればを食べられので、攻めに躊躇いが生じていた。

渡邉(こうなったら仕方がない!!!)

なりふり構ってられず、茂みに捨てたスナイパーライフルを取りに走る。

噛まれた太もものせいで最高速度が出せず、逃亡するふくらはぎを食われた。

渡邉「んぎィィイイイイ!!」

長沢は先回りしてスナイパーライフルを拾いに行く。

渡邉「待てッ!!!!」

それに気づいて追うように戻るも遅かった。
長沢はライフルを手に入れると振り返り渡邉へ銃口を向ける。

渡邉「撃たせるかァ!!」

至近距離まで迫り射程圏外に踏み込む。
ディフェンスが成功した、かに見えたが銃口が空を向いている。
長沢はライフルを46度の角度で打ち放つ。
0232名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 04:55:10.08ID:vMTOqzWqa
渡邉(シュート!?どこに――)

スナイパーライフルは綺麗な放物線を描いて、渡辺というゴールに吸い込まれ決まった。

渡邉「この私が……、打たれ――!?」

初めから渡辺に渡すために、誘き寄せられたのだ。
倒れていた渡辺が起き上がっており、ライフルを受け取ると渡邉へ向ける。

渡辺「撃つ!!!!!」

長沢「撃て――っ!!」

狙いを理佐と同じ顔を持つ憎き転校生へ定め、力強く引き金を絞り轟音を周囲一体に響かせる。

渡邉「…………」

渡辺「――」

長沢「……?」
0233名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 04:58:49.60ID:vMTOqzWqa
渡邉は倒れずに仁王立ちして口角を上げていた。
長沢には撃った渡辺の近くで爆発が起こったように見えた。

渡辺「ぎゃあぁあああぁああああああああああああああぁぁああああああああ!!!!!!!」

長沢「…………え」

暴発した銃の破片が渡辺の顔、首、手と主に上半身に突き刺さり致命傷を与えていた。
血まみれになる渡辺は激痛に叫ばずにはいられなかった。

事態を理解することができないでいる長沢はただ立ち尽くしていた。

渡邉「最初に銃が通じない時点で、暴発するようにしたんだよ」

10倍の戦闘力以上は頭脳も活性化させ追い込まれたかに見せて二人の裏をかいていた。

渡辺「い゙だぁああああああああああああああああああぁぁあああい!!!!!!!!」

長沢「!!!梨ィ加ァアアアあアああああああぁあああアあぁあああアあア!!!!!!」

長沢は苦しんでいる渡辺の元へ駆け寄る。
顔は焼け焦げ金属の破片が突き刺さり、手が滅茶苦茶になっている。
0234名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 05:06:18.04ID:vMTOqzWqa
渡辺「ン目ぇえええええええええええええええええええ!!!!!!!見えなぁあああああああああああああぁああああぁああい!!!!」

長沢「梨加ちゃああああああああああああぁあああぁああああああ――……!!!!」

渡邉は悠々とロケットランチャーに弾を装填し、二人に向けて構える。

渡邉「これでも喰らえ」

長沢「ンゴ!!!?」

発射された弾頭は長沢の口の中に吸い込まれ大爆発する。
空腹だった長沢菜々香は腸が破裂するほどのごちそうを食らい、身を寄せていた渡辺梨加も巻き添えを食う。

ロケットランチャーがブザービーターとなり仕合は終了する。
二人の肉片は辺りに散らばり、もはやどちらの物だったか判らなくなる。

渡邉「ふう……」

要注意人物と思っていた長沢菜々香と渡辺梨加はどちらも想像以上の力を出し、想定外のダメージを受けた。
満月の夜でなければ危なかったと思う。
空を仰ぎ、真上に来た月を見て呟く。

渡邉「あと半分」

夜と残りのメンバー数の意味が込められていた。
暴発したスナイパーライフルを回収し、その場を後にする。
安置で横になり、月明かりを浴びて傷と体力を10倍の速さで回復させる。


後半へ続く
0235名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 06:04:36.53ID:Uxxlvmr7a
理佐VSぺーなーこ凄すぎた
0236名無しって、書けない?(愛知県)垢版2018/09/02(日) 10:24:08.66ID:YG6gNKEO0
めっちゃ面白い
シリアスなのにたまに吹く
0237名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/02(日) 15:13:56.03ID:xGR0+wPW0
小ネタ入ってて凝ってる、めっちゃ面白い
0238名無しって、書けない?(dion軍)垢版2018/09/02(日) 15:33:08.79ID:MMOcK2YZ0
面白い!
0239名無しって、書けない?(家)垢版2018/09/02(日) 15:44:27.17ID:WTDnlFsY0
続きはまだか?
生活を犠牲にしてでも、
命削ってでも続きを出してこい
俺は続きを待ってるんだ
0240名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 16:10:48.01ID:cL3OM+H/a
あおたん、なーこ、ぺーを殺したのはべみほ?
途中で表記が渡邊になってるし満月の夜は血が騒ぐとか言ってた気がするし
0241名無しって、書けない?(dion軍)垢版2018/09/02(日) 16:19:22.51ID:MMOcK2YZ0
続きがきになるよぉおお
0242名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 16:21:29.10ID:Uxxlvmr7a
理佐も美穂も渡邊だよ
0243名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 16:25:20.87ID:+EUSXo70a
なるほどそういうことね
0244名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 16:42:25.18ID:/vDatM+/a
1です。
ご支援ご指摘いただきありがとうございます。
5話だけ前後編に分かれてて、残りをささっと上げたいと思います。
来週土日には完全に終わらせます。

>>2 で 渡邉「ねえッ!!」←とあるのですが、理佐の台詞でした……
理佐の苗字は「渡邉」で合ってますか?
他にも誤字脱字あるかと思いますがなくしていきます。
0245名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 16:43:45.48ID:/vDatM+/a
第五話(後半)

澤部「バゴーン!!」

壁を突き破るような第一声から番組が始まりを告げる。

澤部「今週も始まりました!欅って、書けない〜〜〜〜!!」

土田「よっ」

澤部「どうもー司会の澤部とー」

土田「ドデンコウノ」

澤部「ドデンさんです!よろしくお願いします〜。そしてこいつらが欅ちゃんだぃ!!」

カメラがメンバーを左から右へ映していく。
右端で止まり今回はポージンズのみだったが最右端に座っていたので即興で一言加える。

守屋「シュオクセン?」

真似をして訓読みで名前を言ってみた。
0246名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 16:46:49.98ID:/vDatM+/a
澤部「守屋ァ!中国人みたいになってからぁ!」

突っ込まれて笑うとクシャ顔になり舌を見せる。

澤部「早速今週の企画を発表しましょう。今回の企画はこちら、○×△◇選手権〜〜!!」

庄司『ルールは簡単。〇して×になって△すれば◇というわけです。負けたら罰ゲームのビリビリチョーカーです』

こんな感じでO.Aではお馴染みの声優が細かいルール説明をするのだろう。

土田「では澤部さん。まずはお手本を」

澤部「いやいやっそれはおかしいでしょ!待ってくださいよなんで俺でがそんないいですってもお〜〜」

愚痴を言いながらもちゃんと前へ出て罰ゲームのチョーカーを装着する。
チョーカーを着けている澤部が可笑しくて可愛いかった。

守屋「かわいい〜〜!」

猫なで声で煽ると、他のメンバーも手を叩いて黄色い声で合わせてくれる。
カメラが寄り、O.AではコミカルなBGMを合わせてくれるはずだ。
0247名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 16:48:55.91ID:/vDatM+/a
笑顔で乗ってくれていた澤部は突然キレる。

澤部「コルァアアッ!!」

欅「きゃははははははははは!!」

一喝するとスタジオが笑いに包まれる。
鉄板ネタなっているが間違いのない笑いに安心する。

澤部「マジで殺るぞ!!」

守屋「え――?」

みんなは笑ってるが、それが冗談に聞こえなかった。

守屋(何……?この胸騒ぎ…………。私、何か大切なことを――……)

忘れてはいけないことを思い出せないもどかしさと不安が押し寄せる。
視界の端で誰かの首が床に落ちるのが見えた。

守屋「!?」

振り返って見てみると皆ちゃんと首がついている。当たり前だ。
一瞬それが詩織に見えたけど見間違いだったようだ。
0248名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 16:52:59.86ID:/vDatM+/a
疲れているのか、無添加や体にいいものを摂ろうと考えているとボトッと聞いたことがある音がし、足元に何かを落とした気がした。

守屋「ヒィ……!」

それは右手だった。

守屋(だ、誰の?……わ……私の――ハッ)

また見間違えたのかちゃんと手はついており、握ったり開いたりして確かめるが何ともない。
でもこの胸の高鳴りは何だ。

確か私たちは島に連れられて――。

守屋「…………」

菅井「!どうしたの、茜?」

無意識のうちに立ち上がっていた。
0249名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 17:05:16.52ID:/vDatM+/a
澤部「なんだ守屋、どうした?」

守屋「……。夢だ」

菅井「ユメ?」

守屋「辛い現実と……この幸せな夢。楽しくて温かくて愛しいみんながいる。こんなところにいられるなら死んでもいいかもって思ってしまう」

今泉「茜ちゃん……」

齋藤「茜……」

守屋「気づかなかった。ここがこんなにも幸せだったんだということに……。気づいていたらもっと必死になってたと思う」

澤部「もう遅いんだから楽になれ?な?」

悪魔があの世へ誘おうとしてくるが拒否する。

守屋「どんなに過酷な現実が待ち受けていようが私が求めるモノはここにはない!!!」
0250名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 17:06:34.38ID:/vDatM+/a
全てを思い出すと右手が消え体に穴が開き血涙を流す。
痛覚が蘇り生きてることを実感する。

守屋「私は生きたい!!!!」

懐から拳銃を取り出して連射する。

守屋「ぅおおおおあああああああ!!!!!」

カメラを撃つ。マイクを撃つ。澤部を撃つ。
弾は空間にめり込み、歪が生じてひびが入る。
亀裂が広がり景色はガラスのように割れ落ち、真っ暗な闇に包まれる。

――痛い、怖い、寒い、辛い……。

それでも傷つきことを怖れはしない。何があっても怯まない。
例え何が行く手を阻もうとしたって、生きることを諦めない。

その時、暗闇の先に小さな光が見えた。
そこへ手を差し伸ばすと体が光に包まれ、誰かが呼んでいる声が聞こえる。

??「守屋!」
0251名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 17:09:00.87ID:/vDatM+/a
2018年2月23日
01:00

目を覚ますと傍らで手を握ってくれているメンバーがいた。

米谷「守屋!!」

守屋「よ……、よねみ……?うっ……!」

頭が痛み、手を当てると包帯が巻かれてあった。

米谷「どっか痛むか?一応鎮痛剤打ったんだけど……」

守屋「ちょっと頭が……。でも、大丈夫……」

辺りを見渡すと診療室のようなところにいた。
記憶を遡り、夕方のことを思い出す。

守屋「これ……よねみが?」

スカートにYシャツのみの恰好で寝ており、頭、右手、右腕、左肩、胸に包帯がグルグル巻きにされていた。
右目にも眼帯が着けられている。

特に一番気になったのは右手だった。
0252名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 17:13:42.49ID:/vDatM+/a
右手は手品でもなんでもなく失っている。
当たり前に動かせていた手が消え、喪失感に襲われる。

米谷「……堪忍な。傷口からばい菌が入るとあかんし止血せなあかんかったから、消毒して縫い合わせるしかなかった……」

頭が良いとはいえ理系女子高生に医学の知識があるはずはない。
ここにあった誰が用意したか分からない本を一生懸命読みながら縫合治療を行ったのだ。

守屋「あ……ありがとう……!よねみがいなかったら私、死んでたから……本当にありがとう!!」

米谷「そう言ってくれると助かる。欠損部があってちゃんとした病院ならくっつけられたかもしれへんのにな……」

守屋「命があるだけで十分だよ!」

米谷「……。水持ってくるから待っとって」

米谷は飲料を取りに退室する。
一人になり身体の事を改めて考える。

守屋(これでアナウンサーになる夢はもう――)

夢を断たれた守屋は号泣する。
アナウンサーの条件には五体満足でならず、永遠に断たれてしまった。
女子アナはおろかアイドルにだって復帰は難しいだろう。
全てはこの島を脱出できればの話ではあるが悔しくてどうしようもなく泣かずにはいられなかった。

守屋「ぁああぁあぁぁああぁぁん……!!」
0253名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 17:16:16.70ID:/vDatM+/a
米谷「……」

米谷は廊下で泣き声が止むまで待っていた。
彼女なりの優しさで赤く目を腫らした守屋と対面しても特に何も言わず聞きたかったことを訊ねる。

米谷「ソレ誰にやられたん?」

守屋「……友梨奈だよ。あの子に斬られて、撃たれた」

米谷「平手か……」

守屋「由依は友梨奈に殺された」

米谷「そうか……。小林も……」

守屋「も!?ってことは……?」

米谷「実は上村に会ったんやけど、目の前で平手に殺された」

守屋「!!……私が眠ってる間に二回放送があったよね、18時と0時の……。誰か、死んだ……?」

上村以外に誰もいないことを願いながら聞く。
乗り気になってるメンバーがいることからその願いは儚く散る。
0254名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 17:18:15.71ID:/vDatM+/a
米谷「……。18時の放送で今泉」

守屋「!!!」

横たわっていながら全身の力が抜けていく。
小林の死の間際に今泉のことを任されたことを思い出す。

守屋(由依……、ずみ子は守れなかった……。ごめんね……っ)

米谷「……続けるで。0時の放送で3人。上村、菜々香、梨加――」

守屋「ぁ……っ」

小さい吐息のような声が漏れる。
当たり前のことだが、死んだ人とはもう会えない。
一昨日まで普通に何気なく話していたメンバーはもういない。

日常なら立ち直るのに何か月か要すだろうが、今日死ぬかもしれないので落ち込んではいられない。
死んでいったメンバーのためにも生きようと気を確かに持つ。
0255名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 17:20:56.53ID:/vDatM+/a
米谷「大丈夫、なわけないか。自分も殺されかけてるんやからな」

守屋「だいじょぶっ……。多分、ずみこも友梨奈にやられたんだと思う……」

米谷「今泉に会ったの?」

守屋「ううん。でも平手から逃げるために鬼ごっこしてたら途中で追って来なくなったの。あの時きっと誰かが……ずみこが助けてくれたんだと思う。だから私は今生きているんだ……!」

守屋はこれまでの出来事を細かく話した。

分校を出てすぐ石森が殺されていたこと。
朝、齋藤と長濱と遭遇し仲間になったこと。
ゆいちゃんずを助けに二人と離れてしまったこと。
小林と死ぬ直前に話したこと。
渡邉と遭遇し撃たれたこと。
ずっと森の中に潜んでいたこと。
そして、平手と戦い命辛々逃げ延びたこと。

米谷「大変やったんやな……」

守屋「友梨奈の武器なんだけど、日本刀とどういうわけかねるが持っていたマシンガンを持ってたんだよね」

米谷「おそらく冬優花とねるは平手に襲われて、冬優花は殺されねるが逃げたってところか」

守屋「ねる……大丈夫かな……」

世界で一番愛していた人を目の前で殺された心境など計り知れない。
0256名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 17:22:37.79ID:/vDatM+/a
守屋「よねみの武器は?」

米谷「うちはしょぼい十手と、これ」

米谷は傍に置いてある眼鏡を持ち上げて見せる。

守屋「メガネ?」

米谷「これは探知機や」

守屋「た、探知機!?」

米谷「チョーカーのGPSを半径15メートルくらいの範囲までは探れる」

守屋「すごいね!!」

米谷「ほんまに悪運が強いな」

守屋「?」
0257名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 17:26:20.72ID:/vDatM+/a
米谷「ギリ範囲内だったから気づけたけど、これがなかったら外で犬死してたよ」

守屋「危なかった〜〜!!」

米谷「……。実は医療なんてしたことないし、素人目から見ても出血しすぎててこのままじゃ危ないって分かって探しに行ったんや。血を」

守屋「ち、って血ィ!?」

米谷「守屋と同郷で同い年で同じ血液型の虹花のことを思い出して、死体があった場所へ行った時に上村に会って」

守屋「そこで会ったんだ!?」

米谷「で、少し話してたら平手が来て容赦なくマシンガンをぶっ放して来て、上村は撃たれうちは虹花を楯にして助かった」

守屋「私たち二人とも虹花に助けられたんだね……」

唯一の同郷だけあって、血が馴染んでいる気がした。
心の中で石森へ礼を言う。
0258名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 17:28:51.01ID:/vDatM+/a
米谷「諦めかけた時に平手と目が合った。あいつはうちだと判ったら撃って来なくて……その隙に逃げた」

守屋「あの友梨奈が……」

米谷「無事血を持ち帰って、茜に輸血できたってわけや」

守屋「……。虹花とは、あんまり絡むことはなかった」

米谷「あれ、なんでなん?ツーショットとかあんま見いひんし」

守屋「意識しちゃってたんだよね、同じ宮城出身だから。馴れ合いはしないようにと思ってて……」

米谷「そうやったんやな」

守屋「そうだ!ねる!」

米谷「!ねるがどうした?」

守屋「ねるが脱出方法を知ってるの!!」

米谷「!?な、に……?」
0259名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 17:30:52.26ID:/vDatM+/a
守屋「脱出するには条件があるとか言ってたけど……」

米谷「ど、どんな条件!?」

守屋「えっと〜二つあって、一つがねるたちのグループが最後まで生き残ること。もう一つは聞きそびれて別れちゃったんだ……」

米谷「何やそれ…………?」

守屋「分かんない……。でも、ねるの目は本気だった!」

米谷「……」

脱出方法について、真剣に考え始める。
米谷も隠し持っているチョーカーのことはもちろん守屋にバレるわけにはいかない。
その点においてもしかしたら自分と同じ脱出方法なのかと考える。
いずれにしても、長濱に会って筆談するしかない。

守屋「ねると再会して、友香と一緒に脱出したい!」

米谷「友香か。まだ生きてるとは思うけど、どこにおるんやろ」

守屋「灯台に行こうと思ってるんだよね。よねみ、一緒に行ってくれない?」
0260名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 17:34:44.20ID:/vDatM+/a
米谷「……。いや、うちはこの足やし、まだここでやることがあるから」

平手の乱射した弾丸の一発が足を掠めたことを理由に留まることを伝える。

守屋「ああ……。ずっとここにいてくれる?」

米谷「ここも長居はできない。平手も無敵やないからな、いずれ来るだろう」

守屋「そんな……、どうすれば――」

米谷「そうやな、集合場所を決めてそこで落ち合おか?」

守屋「わお!!」

地図を取り出し、禁止エリアになっていないところへ三か所A、B、Cと書き込む。

それから起き上がって軽くリハビリをした。
食事を摂り、またしばらく休んでから出発する。
0261名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 17:36:38.12ID:/vDatM+/a
米谷「気を付けてね。どこで誰に狙われてるか分からないから」

人に喚起して、自分も改めて探知機を確認する。

米谷(――え。一、二……三!?)

眼鏡型探知機に赤い点が三つ光る。
それは自分と守屋以外の人物が近くにいるということを示す。

米谷「もり――」

驚きのあまり小声の呼びかけは、守屋に届かず間に合わなかった。

守屋「!!」

一歩外に出た瞬間に真横から視線を感じ、背筋が震えあがる。
振り向きざまに持っている銃を向けると、暗闇の中に第三者がいた。

??「タア!!」

敵は長棒を振り、守屋の手から銃を弾き飛ばした。
0262名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 17:40:12.77ID:/vDatM+/a
守屋「ひゃッ!」

続いて敵は長棒を大振りするも、守屋が尻もちをついたので偶然かわされる。

守屋(――この子、銃を持っていない!?)

尻もちをついた状態からもう一方の手でもう一丁の銃を握ろうとし敵へ向ける。
敵も武器を出されると察知し、長棒で突きを繰り出す。

守屋「やめて――!!私は闘いたくなんてない!!!」

土生「殺し合いはしたくなぁい!!!」

土生は長棒を顔に寸止めし、対する守屋は包帯が巻かれた右手を突き出していた。
二人の台詞が重なり互いに何て言ったのか分からなかったが敵意がないことは解った。

米谷「はっ!」

守屋「あっ!!」

土生「わっ!!!」

三人は互いに顔を見て、顔が明るくなる。
0263名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 17:42:11.63ID:/vDatM+/a
守屋「瑞穂ぉおおぉ!!」

土生「茜ー!!」

米谷「土生!」

土生「よねさん〜!!」

再会を喜び合い目頭が熱くなる。

土生「あっ、ごめんね……。棒振り回したりしちゃって……」

そう言うと自分が弾き飛ばした銃を拾い守屋へ返す。

守屋「あ……ううん!こっちこそ銃向けたりしてごめん!」

銃を受け取り俯く。

守屋(私、銃も……手もなくしちゃったんだった……)

先刻は無い手で無い銃を掴んで土生へ向けていたのだ。
0264名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 17:44:00.72ID:/vDatM+/a
土生「屋内に誰かいるのが分かって、様子をうかがってたんだよね」

土生と互いに情報交換をした。
どこで誰と会ったか、メンバーの武器は何か知り得たことを包み隠さず全て話した。
その上で、守屋は土生を仲間に誘うも丁重に断られてしまう。

守屋「なんで!?一緒にいれないって、どういうことなの!?」

米谷「……」

すぐに問いただす守屋に対して、米谷は見当をつけていた。
土生は行動を共にできない理由を語る。

土生「探してる子がいるんだ」

守屋「もしかして、友香?なら私も探してるから一緒に行こうよ!」

土生「うん……。いや、でも……私は茜を助けることができない……」

守屋「え……?何……?」

一緒にいれないことに何の関係があるのか理解が追いつかない。
0265名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 17:45:45.24ID:/vDatM+/a
口下手な土生の代わりに、米谷が察して補足する。

米谷「一緒に行動するいうことは命を預けるということ」

守屋「え、私の事信用できてないってこと?」

土生「いや!二人が一緒にいることから信じるも何もないよ!」

守屋「それじゃあ――」

土生「私は背が高いから敵に見つかりやすい。そうなった時一緒にいる茜まで命の危険に晒されたら……助けられる自信がない……」

守屋「そ……それでもいいから一緒にいよっ!ねっ?」

土生「っ……」

断りずらい性格からして、否定はせず目をそらし口を噤む。
手負いの守屋は銃を持っているとはいえ足手まといだ。
一人で自由に探した方がはるかに効率良いと踏む。
0266名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 17:48:54.84ID:/vDatM+/a
米谷「守屋を思って言ってくれてるんだ」

守屋「ご、ごめん……。わがまま言って……」

土生の棒っ切れを見て、不安になる。
自分より土生が持っていた方が有意義ではないかと申し出る。

守屋「私はもうまともに戦えないから……これ使って?」

銃を差し出すと、土生は手を出してくれなかった。

土生「……。それは受け取れないよ!」

守屋「え……!そんな棒っきれじゃ――」

土生「私は大丈夫だから。茜が先に友香を見つけられるかもしれないし、みんなを守るために使って!お願い!」

守屋「う、うん……」

あらかた用事が済み散り散りになりそうになった時に、土生が言い残していたことを二人に伝える。
0267名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 17:53:51.99ID:/vDatM+/a
土生「私……みいちゃんを探してるんだ。どうしてもあの子こと守りたい……!」

米谷「!!」

守屋「瑞穂……!!」

土生「もう二度と会えないなんて絶対嫌だ!例え今日が人生最後の日になっても、最後の瞬間まで守りたーい!」

米谷「頼む土生。守ってあげて!美波はきっと今も震えてるから」

小池と同じ関西人の願いを聞き、固く頷いて答える。

米谷「これ持って行き」

土生「へ?いや、てか、これ、なに?」

唐突に眼鏡を渡されそうになり困惑する。

米谷「おっと、ただのメガネやないで。探知機や」
0268名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 17:56:48.91ID:/vDatM+/a
土生「タンチキ?」

米谷「うちは動かれへんから、美波を見つけてあげて」

米谷にとっても探知機は命綱ほどの価値がある。
敵の接近に気づけるから敵から見つからないようにすれば生き残り続けることが可能である。
菅井と小池を探す土生に託す価値があると判断する。
加えて、とびっきりのプレゼントを二人へ贈る。

米谷「そして、これが脱出のチケットでもある」

守屋土生「「だ、脱出ぅ!!??」」

米谷「ねるに思いついて、うちに思いつかんわけないやん」

守屋「どうやってするのお!?」

土生「ホントにできるの!?」
0269名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 17:59:42.89ID:/vDatM+/a
米谷「ねるの言うとった脱出方法の二つの条件。一つ目が自分らのグループが最後まで生き残ること」

守屋「うんうん!でも、二こ目は聞いてない……」

米谷「二つ目は"その最後の瞬間が来るまで脱出方法は教えない"やな。たぶん」

守屋「は??え、教えてくれないってこと!?」

土生「…………ん?どうゆうこと??」

はてなが渋滞する二人。
うまい言い方はないかと直球で言う。

米谷「分からんくてええ。それが条件やから」

守屋「うーん……、よく分かんないけど分かった!」

土生「私も!!」

米谷(物分かりいいのか分からんな……)

予め決めた地点に探知機を使い落ち合うと念を押す。
0270名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 18:02:34.25ID:/vDatM+/a
米谷「美波と友香を見つけたらポイントAかBに来てな。もし二つとも禁止エリアになったらポイントCに」

守屋「みいちゃんを見つけ出せるのは瑞穂しかいない!絶対合流しよう!!」

土生「絶対に見つけて脱出してやるー!」

守屋「友梨奈もそうだけど理佐がこのゲームに乗るなんて、こんなシナリオを考えた人がいたとしたらその人を殺したいよ!」

土生「ホントだよお!!てちと理佐のファンに殺されそうだよね」

守屋「瑞穂はまだ信じられないよね。あの理佐が……」

土生「うー……ん。正直、あんまりね……」

守屋「私も何かの間違いであってほしかったよ。でもあれは他の誰でもない……、渡邉理佐だった」

米谷「転校生もまだ生きてる」

土生「気を付けるよ」
0271名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/02(日) 18:06:15.84ID:xGR0+wPW0
理佐は渡邉であってるよ、続き楽しみ
0272名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 18:06:31.59ID:/vDatM+/a
忠告を真摯に受け止め、対峙した際は決して油断しないことを誓う。

守屋「絶対にまた会おうね!約束だよ!!」

土生「うん!」

同い年の二人は固く小指を絡め合わせる。
ここを離れたらもう二度と会えないかもしれないと思ってしまう。
そうならないために希望を持って土生を信じる。

守屋「守ってね。約束も、美波のことも!」

土生「任せといて!」

米谷「行ってらっしゃい」

守屋と土生は反対方向へ出かけた。
米谷は母のように二人の背中が見えなくなるまで見送っていた。
0273名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 18:20:57.35ID:/vDatM+/a
・・・・・・

04:00

船の管制室では予期せぬ事態が起きていた。
睡眠休憩を終えた澤部が黒服らに問う。

澤部「ねるのチョーカーはどーなってる?」

黒服1「チョーカーのGPSは2時頃にロストしました。原因は不明です」

澤部「コンタクトもその前に外れたのか?」

黒服2「映像を遡ると19時の時点で外れたままです」

澤部「コンタクトの存在に気づいてる様子はあったか?」

黒服2「いいえ。目を手でこすった時に外れてすぐ地面に落ちたっきりです。鏡も見ていませんから気付いてはいないでしょう」

澤部「齋藤のババアが殺されて相当荒れてたからな〜。チョーカーは無理やり外そうとして壊れちまったか?」
0274名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 18:23:37.52ID:/vDatM+/a
黒服1「長濱に支給したウォッチは西の森からずっと動いてません」

澤部「心拍数は判るか?」

黒服1「それがウォッチを外しているようで反応がありません」

澤部「何ぃ〜〜!?これじゃあほんとに死人と変わらないじゃないか!つまんねーー、ッ!?」

その時、ダラララララと銃声が聞こえた。
島ではなくもっと近距離で響いたようだった。

澤部「な、なんだなんだあ!?やけに近かったぞお!!」

黒服1「まさか、襲撃!?」

黒服2「澤部さんはここで待機を!」

澤部「お、おう!」

二人は管制室に澤部を残して甲板を目指す。
0275名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 18:30:30.14ID:/vDatM+/a
甲板では銃撃戦が繰り広げられていた。
黒服3の拳銃に対し、襲撃者の機関銃が圧倒する。

黒服3「んでぅょぎ!!!」

意味不明な言葉を叫び、見張りに立っていた黒服3は蜂の巣になった。
そこへ黒服1と黒服2が駆けつける。

黒服1「誰だッ!?」

黒服2「メンバー!?」

白い水着ではなく下着姿でずぶ濡れの少女が機関銃を持っていた。

傍らには、同胞の死体が血だまりを作っている。
黒服らが拳銃を向けるより早く、再び機関銃が火を噴く。
0277名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 18:34:28.12ID:/vDatM+/a
黒服1「ンりべっ!!」

黒服2「だたぅ!!?」

あっさりと制圧され黒服1は死に、黒服2は辛うじてまだ生きていた。
黒服とは銃を持たせたただの素人で実践経験のあるプレイヤーに分があった。

澤部「!!!」

甲板に血を流して倒れている黒服三人と白い下着姿の少女が立っていた。

??「!!」

襲撃者は澤部が出て来たことに気づき、上甲板を見上げる。

長濱「さわ――ベぇええええええええへぇぇぇぇッ!!!!!」

叫び声は後半裏返り、海原に響き渡る。

澤部「んんんんねるゥ――!!!!!!」
0278名無しって、書けない?(dion軍)垢版2018/09/02(日) 18:36:11.15ID:MMOcK2YZ0
ねるキター!
0279名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 18:36:35.43ID:/vDatM+/a
長濱の首には黒いチョーカーではなく、銀色に光るモノが巻かれてあった。

澤部「あ!!!あいつぅ〜〜〜!!!」

長濱は当座のモノでチョーカーを完全に覆い電波を遮断させていた。

澤部(コンタクトが外れなければ気付けたのに!!やはり、アイツ――)

首輪の細工に気付かれないために意図してコンタクトを外したとしか考えられない。
長濱は澤部へ向けて、機関銃の引き金を絞る。

澤部「うをぉい!!!」

上甲板にいる澤部はしゃがんで弾丸をかわす。
一発だけ短い髪を掠めるも、当たらない角度に隠れられる。

長濱「っ……!」

黒服達との闘いで撃ちすぎたせいで弾切れした。
0280名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 18:38:59.49ID:/vDatM+/a
急いで死んでいる黒服の銃を奪いに走る。
澤部はそれに気づき阻止しようと発砲する。

澤部「うらうらうらァ!!!」

長濱「!!」

長濱は機関銃を楯に、斜め上から降って来る弾丸から頭部を守る。
三発の内一発が横腹を貫通する。

長濱「ぐふっ!!!」

長濱は後編へ転がり倒れる。
丸腰下着姿の長濱は澤部に話をかける。

長濱「さ、澤部ェ――!今すぐこのゲームをやめさせてぇッ!!!」

過去見たことがないほどの怒りを澤部にぶつける。
0281名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 18:43:13.18ID:/vDatM+/a
澤部「バカかお前はあああああああ!!!できるわけねえだろおおおおおおお!!!!」

長濱「……!!澤部、さん……!!二年半一緒に番組やってきたじゃないですか……、今ならまだ間に――」

澤部「お前らいっっっっっっっつも葬式みたいにただ座ってるだけだったじゃねえか!!!MCへの感謝もなくほんとに態度が悪いっ!!!」

長濱「そ、それは……、クールを売りにやってたからで………」

澤部「俺にとっちゃお前らの番組なんか数あるうちの一つだっつーの!俺がどうんだけ苦労して盛り上げてるかァアア!!!」

長濱「お願い、します……。助けて、下さい……!」

澤部「……ッ!!」

男は揺れていた。ここで少女を助けるか、見捨てるか。
最初の一人ならまだしも、グループの半分がすでに死んでいる。
取り返しがつかない仕事をしている以上、許す選択などもうなくなっていた。

澤部「ダメだ……!」

澤部は冷静に、そして真剣な顔つきで真っ直ぐ長濱に銃を向ける。
0282名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/02(日) 18:46:36.88ID:xGR0+wPW0
え、ねる死んじゃう!!!
続き早く〜〜〜
0283名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 18:47:10.49ID:/vDatM+/a
長濱「澤部〜〜……!!!」

涙を流し、憎しみの目で澤部を睨み付ける。

長濱「これが最後のチャンスだったのに」

澤部「ん?」

ぼそっと言ったことを聞き取れなかった。
長濱は会話中ゆっくりと船尾ににじり寄っていた。

長濱はブラジャーの左右ポケットからあるモノを取り出した。

澤部「な……ん、だ?ソレ〜〜!?」

やけに胸があると思ったが、中に何かを入れていたのだと合点がいく。
それをわざわざ大事にここまで持って来たということは切り札だと判る。

流れるように二つの半球を一つに合わせて、一つの球体にする。

長濱(この――"ブラックねるちゃん弾"で、終わりにする……!!)

それを甲板へ叩きつけようと天に掲げる。
0284名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 18:51:16.66ID:/vDatM+/a
澤部「!!!わああああああ!!!」

危険を察知した澤部は阻止しようと残弾三発全てを長濱へ撃つ。
右の肩口を貫き、左の頬から耳を吹き飛ばし、ラスト一発は首輪についてる手製電波遮断物を粉々にした。

長濱「がっ……!!!」

長濱の体は後方に傾くも、投げるのをやめなかった。

長濱「あああああああああああああああああああ!!!!!!!!」

叫びながら甲板にブラックねるちゃん弾を叩きつける。
すると、黒い煙が一斉に散らばった。

長濱はそのまま後ろへ倒れ、船から転落した。

澤部(煙ィ!!?まさか、毒ガスぅ〜〜!!?)

黒服2「ごべぉ!!!」

倒れていた黒服はガスを吸うと、中毒を起こししばらくして死に至る。
船尾は風上になっており、澤部がいる方へ広範囲にガスが広がる。

澤部「ヤベエ!!!」

その様子を見て、急いで船内に逃げ込む。
船内に入ったところで、ガスは隙間から侵入し澤部と休憩中の黒服4に迫る。
ガスが船全体を包み、船は襲撃以前の静寂を取り戻す。
0285名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 18:56:15.61ID:/vDatM+/a
島の各所から船の異常を観測できた。
銃撃戦の発砲音を聞き、黒い靄がかかってるのを見るメンバーたち。

土生「何何何!!!???」

渡邉「わお……!」

平手「……」

菅井「あっちで何かが起きてる……!!」

守屋「ヤッバ……!」

米谷「誰や!?誰がやらかしてる!?」

長濱は海に揺られながら考えていた。

大人たちが死ねば自動的にシステムは停止するだろう。
午前6時の放送がなければ、澤部達が死んだことに気づいて誰かが船まで行けば通報できる。
これでみんな助かる。冬優花の敵討ちもできた。もう思い残すことは何もない。

――やっと、会えるよ。ふーちゃん……。
0286名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/02(日) 19:05:08.46ID:/vDatM+/a
??『まだだ。まだお前はこっちに来るな』

冬優花の声がし、離れた向こう岸に立っていた。
自分はその川の中ほどまで来て、膝上まで浸かっている。

長濱『ふーちゃん!!どういうこと!?ねるもそっちに行きたいよぉ!!』

齋藤『まだやるべきことがあるはずだ』

長濱『な、んで……?もう、疲れちゃったよ。痛いよ、辛いよ、苦しいよ……!!!』

齋藤『それでも、生きるんだ』

長濱『生きるって何!?』

齋藤『生きるとは……いや、生きることこそが全て。死んだら何もかも終わりだから』

長濱『そんな……っ』

齋藤『どうか最後まで生きていてくれ』

長濱『…………っ、わかった……。ねるは生きる!』

予め船の脇に備え積んであった救命ボートを海に降ろしそこへ落下していた。
長濱を乗せたボートは波によって島に引き寄せられる。


残り12人
0287名無しって、書けない?(SB-iPhone)垢版2018/09/02(日) 20:54:08.80ID:T6gqUd6vp
ねるがズルい合格の仕方した時にカタカナケヤキの笑いでフォローしてくれたのは、事前に何も知らなかった土田だったよな
あの時、事前にねるの加入知ってた澤部は淡々と司会をしてるだけだったし、ねるは澤部には思うところあるだろうな
0288名無しって、書けない?(愛媛県)垢版2018/09/02(日) 20:58:40.27ID:pYXyGRiE0
最後えらい目に遭っちゃったけど、なーこがめっちゃ見せ場あって嬉しいです
オダナナがどういう登場するのか楽しみだ
0289名無しって、書けない?(熊本県)垢版2018/09/02(日) 20:59:15.88ID:UiQELnXE0
>>287
ほんとに愛が感じられないもんなぁ
何かの度に土田の株が上がって澤部は下がる
0290名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/02(日) 21:00:28.31ID:kNJ7MOMqM
みいちゃん生きて見つかってくれ...
0291名無しって、書けない?(千葉県)垢版2018/09/02(日) 21:44:46.35ID:RumL3C4h0
BR屈指の名場面に4人は生贄がいる
0292名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/02(日) 22:06:57.94ID:xGR0+wPW0
今んとこ生きてんのはてち、オダナナ、みい、もな、ゆっかー、もん、ねる、はぶ、ねん、よね、理佐、転校生?
未だ未登場いるの気になる
0293名無しって、書けない?(家)垢版2018/09/02(日) 22:07:42.02ID:m2ImTBc80
まだオダナナとすずもんが登場してないのか
0294名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/02(日) 23:20:54.83ID:qw6pNrdBd
もなは理佐、ダニ、てちのどこ絡みで出るのかな
0295名無しって、書けない?(静岡県)垢版2018/09/02(日) 23:24:17.13ID:9JSPqLo80
ここまでしっかりしてるから後半ハードル上がってるぞ
びっくりする展開を期待してる
0296名無しって、書けない?(家)垢版2018/09/02(日) 23:26:33.15ID:/l/CW5+G0
続き楽しみにしてます
0297名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/02(日) 23:34:00.00ID:xGR0+wPW0
本物のりさがどうしてるのか気になる
あとてちが米さんだけ殺さなかったやつ
0298名無しって、書けない?(東京都)(茸)垢版2018/09/02(日) 23:51:13.25ID:+HOtWAkDd
早く続き読みたいww
0299名無しって、書けない?(dion軍)垢版2018/09/02(日) 23:57:44.14ID:MMOcK2YZ0
応援してるよ〜
0300名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 00:04:29.25ID:IpvNenMBa
第六話

05:30

土生(ち、近い!近くに誰かがいる!!)

島南西の山の中で眼鏡型探知機に反応が現れる。
驚きに心臓が止まりかけると同時に足を止める。

土生(動かない……。反応がずっと止まってる……)

警戒を解かず慎重に反応の在る方へ歩み寄る。
森が開けて海が見える断崖絶壁に出る。

土生(い、いたっ!!!!!)

断崖の近くに少女が倒れていた。
頭は海側にあり誰なのかも、起きているのか寝ているのか生死すらわからない。

断崖の近くを好んで眠るようなメンバーを知らず嫌な予感しかしない。

土生(まさか!!!いや、そんな――っ)

探し人かもしれないと頭によぎり、足早に顔の確認を急ぐ。
0301名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 00:06:15.18ID:IpvNenMBa
探し人かもしれないと頭によぎり、足早に顔の確認を急ぐ。

土生「あっ……ず、ずーみん……」

それは今泉の死体だった。
探し人でなかったことにどこか安心しているところもあった。
その気持ちを自覚し自分を恥ずかしく思うも、だからと言ってどうすることもできない。

ただ今泉の遺体の前に膝をついて手を合わせる。

土生「ごめん、ずーみん。あの時、助けに行けなくて……」

ゆいちゃんずの決死の呼びかけは土生の耳にも届いていた。
危険ということは解り、まだ死ぬわけにはいかず行かなかった。

亡き今泉との思い出を振り返る。

土生「……」
0302名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 00:08:08.91ID:IpvNenMBa
初期の頃はずっとイアホンして話しかけさせてくれなかった。

慣れて来た頃になると、楽屋ではいつも歌ってみんなを笑顔にしてくれた。

冬優花から誕生日プレゼントでぬいぐるみをもらった時、すごく嬉しそうに見せに来てくれたっけ。

今泉『見て見てー!!』

土生『え、何!?可愛い!!』

今泉『へっへー!いいでしょ〜〜?』

土生『え?あ、うん!いいな〜〜』

今泉『あげないよー』

すぐに別のメンバーにも見せに行ってしまった。
「可愛い」と言ったのはぬいぐるみにではなく、それをいろんなメンバーにアピールする"ぼの泉"に言ったのだ。
0303名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 00:09:36.35ID:IpvNenMBa
サイマジョのイントロで顔を上げた瞬間の"ドヤ泉"
白塗りを希望して編集でされた"白泉"も、
疲れ果てている人々を癒す「ずーミンミンゼミ」になった"セミ泉"も、
髪がぼっさぼさになったときの"ボサ泉"も、
頭No決定戦での珍回答を繰り出す"アホ泉"も、
よく愛佳に抱き着かれていた"抱き泉"も、
隙間からちらっと顔をのぞかせる"チラ泉"も、
ぷくっとほっぺを膨らませてる"ぷく泉"も、
鈴木亜美さんから教わった「笑えよ〜」の"笑泉"も、
お酢ソーメンや激辛を食べた後の舌を出している"アへ泉"も、
紅白の会見前に顔の運動でやっていた変顔の"変泉"も、
BINGOの猿蟹合戦お遊戯会での"カニ泉"も、
夏のライブで火照った頭にタオルを巻いている"ほて泉"も、
お肉が大好きで目がハートになってる"肉泉"も、
ちょっとセクシーなグラビアの"エロ泉"も、
ブログの検閲に引っかからなかった白目の"イキ泉"も、
澤部さんのギャグに大爆笑していた"ゲラ泉"も、
どの"○○泉"も可愛くて愛おしくて大好きだった。

土生「ありがとう」

心から礼を言い、別れを告げる。
0304名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 00:12:57.11ID:IpvNenMBa
土生(行こう。あの子はまだ生きてる。お願いだから、どうか無事でいて――)

外していた眼鏡型探知機を装着し直す。

土生「!!?」

すると自分と今泉の反応以外に、三つ目の点がすぐ近くに表示されていた。
現れた点の位置が真後ろだと瞬時に把握し振り向きながら長棒を大振りすると相手が持っていた銃を弾き飛ばす。

??「!!」

3メートル離れていたものの当たったのは、土生の長い腕と長棒そして相手の持っている銃身が長かったからである。

土生(ライフル……!)

続けて間合いを詰め、バッグもろとも相手を蹴り飛ばす。

??「きゃっ!!」

相手は短い悲鳴を上げて飛び倒れた。
0305名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 00:15:20.56ID:IpvNenMBa
土生はスナイパーライフルを拾い上げ銃口を向ける。
相手は同時に両手の平を土生へ向けて言う。

??「待ってえっ!!」

土生「え……!?あっ……!!」

対面して初めて相手の顔を視認した。

渡邉「殺さないで……。話しかけようと、しただけなの……」

診療所で守屋との会話を思い出す。
ゲームに乗っているメンバーは一人ではない。

守屋『友梨奈ともう一人いるんだ……。それは――』

土生「……理佐!!」

心臓の高鳴りが抑えきれない。
渡邉が目の前で命乞いをしている。
0306名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 00:18:00.84ID:IpvNenMBa
渡邉「ほんとにただ話しかけようとしただけなの……、信じて……!」

土生「…………」

渡邉「人がいたからびっくりしてつい銃を向け――」

土生「もう嘘をつかなくていい」

渡邉「えっ……?」

土生「全て知っている。既にメンバーを殺していることも!」

渡邉「あっ……」

渡邉は俯き前髪で表情が見えなくなる。

土生「どうしてお前は平気で誰かを殺せるんだ!?」

渡邉は頭を垂らし、ため息をつく。
0307名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 00:20:03.93ID:IpvNenMBa
渡邉「バカだなー」

土生「ばかぁ!?」

いきなり態度が豹変した。
それよりこんな島にまできてバカ呼ばわりされるとは思っておらず一層驚く。

渡邉「そういうルールなんでしょ。このゲームは」

土生「お、お前ってやつは……っ」

渡邉「だから解ってないのは瑞穂。あんたの方」

土生「何っ!?」

渡邉「さっきから、どうして撃たないの?私はみんなの敵なのに」

渡邉は自ら歩み寄りスナイパーライフルを覗き込む。
土生は飛び退き、反撃されない距離を保つ。
0308名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 00:21:59.03ID:IpvNenMBa
土生「私はお前みたいに殺し合いなんかしない!!」

渡邉「ふーん」

土生「お前は誰だ!?」

渡邉「――え?どういう意味?」

土生「私の好きだった理佐はこんなことしたりしない!!」

渡邉「フッ、そうかもね。あの平和な日々だったらこんなことしないよ」

土生「お願いだから目を覚まして!!理佐ぁ!!」

渡邉「……。人生とは、何なのか――」

土生「……は?……じんせい!?」

渡邉「何のために生まれてきたのか、分かる?」

土生「何よ、そんなこと……分かるわけないでしょ。少なくともこんなところで死ぬために生まれてきたわけじゃあないっ!」

渡邉「だよね。だから、生き残るために殺るしかないじゃん」
0309名無しって、書けない?(熊本県)垢版2018/09/03(月) 00:31:27.04ID:X/Ea8Inq0
土生ちゃん…イケメンだからか割と似合う気もする
1、インスタみてるな?笑
0310名無しって、書けない?(やわらか銀行)垢版2018/09/03(月) 00:38:47.57ID:Y+FDHl2h0
これ尾関生き返ったりします?
0311名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 00:40:17.32ID:IpvNenMBa
土生「この……っ、一体何人殺したの!?」

渡邉「教えてあげようか。誰がどうやって、何て言い残して死んでいったのか……」

土生「っ!!やめて!!」

土生が目を背けた瞬間を見逃さなかった。
倒された時に掴んでいた一握の土を顔めがけて投げかける。

渡邉「じゃあねっ」

土生「ああ゙っ!?」

幾ばくかの土が目に入り、視界を奪われる。
その隙に渡邉は全速力で逃げ出した。

土生「待ってッ!!」

涙目になりながらも片目を薄目で開け、遠ざかる渡邉の後ろ姿が見える。
照準が定まるも次の瞬間には木に阻まれ見失う。
0312名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 00:45:15.99ID:IpvNenMBa
土生「クソ……!!」

探知機でも射程圏外に逃げられたこと知る。

土生「ああああなんで撃たなかった!?あんなやつを放っておいたら茜や美波だって危ないのに……!!」

一瞬の躊躇にその後激しい後悔に苛まれる。

土生(茜の言ったことは本当だった。疑っていたわけじゃなかったけど、信じたくなかったんだ……)

ふと空を見上げると陽が昇りそうになっているのに気づく。

土生「夜が明ける……」

優勝者を除き少女たちにとって人生最後の一日が始まる。
0313名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 00:54:40.75ID:IpvNenMBa
渡邉は150メートル走ったところで息が切れ、木を背にして腰を下ろす。

渡邉「ハッ、ハッ、ハッ……。はあ〜〜危なかった……」

武器もバッグも失ったが、命がありさえすればどうということはない。
幸いにも無傷で体力も有り余り、やる気も満ち満ちている。

昨晩長沢に食べられた体の傷はすでに治りかけていた。

気にすることは満月の夜が終わったことだけだ。

渡邉(せっかく直した狙撃銃だったのに、取られちゃった……。まいっか)

武器が無くなったなら、誰かからもらえばいいだけの話だ。

渡邉「やれやれ」

丸腰の渡邉はある場所を目指して歩き出す。
0314名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 01:09:13.62ID:IpvNenMBa
お疲れ様です!
今日はここまでにします。平日夜も少し話数進めます。
六話はこの後灯台が舞台になります。
ここまでのメンバーの生死をまとめます。

死亡 1〜5話
9番 佐藤
1番 石森
16番 原田
4番 尾関
7番 小林
8番 齋藤
2番 今泉
3番 上村
13番 長沢
20番 渡辺

残り12人
5番  織田
6番  小池
10番 志田
11番 菅井
12番 鈴本
14番 長濱
15番 土生
17番 平手
18番 守屋
19番 米谷
21番 理佐 
22番 転校生

>>309
インスタでなにかありましたか?

>>310
失った命は元には戻りませんからね……
0315名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 01:13:51.84ID:iANmR7MSa
転校生「長沢菜々香の姉です」
0316名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/03(月) 01:17:58.20ID:7mR9Ui7r0
灯台…惨劇の予感どすなあ
0317名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 01:18:45.07ID:DWujkJsWa
カレーを食べるのは誰だろう
0318名無しって、書けない?(SB-iPhone)垢版2018/09/03(月) 01:24:56.41ID:DOwjU+Gjp
最高っす!
0319名無しって、書けない?(静岡県)垢版2018/09/03(月) 02:10:44.15ID:9F0iFeRO0
すずもん生き残らせてね
0320名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/03(月) 04:43:12.02ID:BuFv8UH8d
まとめサイトに載る快挙。

小説スレは普通スルーなのに。
0321名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 08:52:52.60ID:i4u1D+7ja
うお〜映画化希望!

理佐ちゃん頑張って生き延びろ!
0322名無しって、書けない?(新疆ウイグル自治区)垢版2018/09/03(月) 13:21:42.53ID:IzvEFnad0
ほしゅ
0323名無しって、書けない?(中部地方)垢版2018/09/03(月) 14:37:40.61ID:wcP6o+kq0
やっぱり理佐は理佐なのかね
転校生かね
0324名無しって、書けない?(新疆ウイグル自治区)垢版2018/09/03(月) 14:47:46.41ID:IzvEFnad0
>>323
澤部と黒服の会話からもりさ=転校生でしょうな
0325名無しって、書けない?(新疆ウイグル自治区)垢版2018/09/03(月) 14:50:14.50ID:IzvEFnad0
入れ替わってるっぽいけど…
0326名無しって、書けない?(catv?)垢版2018/09/03(月) 14:54:02.20ID:0ReQxaBi0
>>324
序盤に転校生は一人殺してるって言ってるしね
あの時点では平手か理佐だけ
0328名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 14:59:32.25ID:wopXNewMa
>>327
井口?
0329名無しって、書けない?(dion軍)垢版2018/09/03(月) 16:37:29.17ID:DqXIF3ug0
>>328
井口も補欠じゃなかったっけw
0330名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/03(月) 16:56:45.13ID:eiKB/UvMd
ゆっかーはよ
まだ出てきてないメンバーがこれかれどう活躍するのか楽しみだわ
0331名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 17:24:42.56ID:Rmnn6GVua
菅井さんは委員長的な末路しか思い浮かばなくて・・・
0332名無しって、書けない?(新疆ウイグル自治区)垢版2018/09/03(月) 18:23:39.33ID:IzvEFnad0
灯台の回が怖い…
0333名無しって、書けない?(家)垢版2018/09/03(月) 20:10:27.44ID:X8T8aRC80
今日の更新はまだか
0334名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/03(月) 20:57:14.37ID:3raIyd1Z0
待ち遠しい
0335名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/03(月) 21:01:22.83ID:YSnCKhdJd
まだかな
0336名無しって、書けない?(dion軍)垢版2018/09/03(月) 21:27:32.74ID:+pqcrR2I0
早く続きを読みたい
0337名無しって、書けない?(catv?)垢版2018/09/03(月) 21:38:10.93ID:0ReQxaBi0
保守、喪主
もんちゃんはよ
0338名無しって、書けない?(家)垢版2018/09/03(月) 21:39:52.46ID:YOcqRE0V0
今日一日楽しみにしてたー
待ち遠しい
0339名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 21:40:53.67ID:LwWWOwr/a
06:00

澤部『皆さん、おはようございまーす!!』

6時になりテンションを高めて五回目の放送を始める。

澤部『え〜残念ならが死亡者はいません!!何やってんだよやる気あんのかお前らァ?!』

その後に禁止エリアになる三か所を発表し最後に言う。

澤部『いよいよ今日で終わりだからな!はりきって逝ってみよ――!』

放送を終え、ソファーに座りふんぞり返る。

黒服4「お疲れ様です」

船は夜明け前の奇襲を受け黒服三人が死亡し、生きているのは澤部と黒服4の二人だった。
二人は長濱の手製毒ガス弾をガスマスクを装着して事なきを得ていた。

澤部「クソォッ!ねるのやつぅううぅ!!ぶっ殺してやる――」

口で言いつつもできずにいる。
苛立ちが募りいつまでも腹を立てていた。
0340名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 21:43:30.09ID:LwWWOwr/a
・・・・・・

最北端に位置する灯台に三人の少女がいた。

志田「理佐理佐理佐理佐ァ!!!!」

屋上で弓矢を持ち警備していた十番志田愛佳は急いで筒の間の螺旋階段を降りる。
下まで行くと扉は二つあり、一つは外の出入口、もう一つは灯内の部屋になっている。

菅井「えッ!理佐ぁ!?」

志田の声は部屋にいた十一番菅井友香に聞こえ出入口へ向っていた。

鈴本「……す――」

隅でうずくまっているのは十二番鈴本美愉でまだ眠りに就いていた。

二人は施錠していた扉を開けると、疲れ果てたニ十一番渡邉理佐がそこにいた。
手にはスナイパーライフルを持っていたがお構いなしに抱き着く。

志田「りっちゃんッ!!!!」

菅井「理佐ぁっ!!!」
0341名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 21:47:58.94ID:LwWWOwr/a
理佐「愛佳……!友香……!!」

三人は涙流して再会を喜び合う。
屋内に招き入れて理佐を休ませる。

志田「いや〜マジでよかったぁ無事で……!」

理佐「美愉もいたんだね。三人でここにいたんだ……」

菅井「ここに来たのは昨日の夕方頃なの」

菅井は分校から出てからのことを語り始める。

マネージャーが死に詩織が殺されて、転校生が怖くて山の中で泣いていた。
爺やが助けに来てくれるかもなんて現実逃避もした。
でもキャプテンなんかだからなんとかしなくちゃと思ってメンバーを探しに行った。

偶然すぐに美愉に出会った。
すごく怯えて泣いていた。

菅井『み、美愉!!!!』

鈴本『ゆ……友香!!?ご、来ないで……殺さないで――!!』

菅井『な、何言ってんのよ!そんなことするはずないじゃない!!』

鈴本『あああ……!!!』

その後ばったり愛佳にも会った。
0342名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 21:50:01.54ID:LwWWOwr/a
仲間を増やしにもう1時30分過ぎてたけど分校に向かった。
今ならまだ名前の順最後の方の子たちがいると思って。

志田(本当は理佐に会うためだけに行ったんだけどね)

分校の近くまで来たら――虹花がいた。

志田「そしたらあいつ斧なんか振り回して襲ってきやがったんだよ!マジ許せねぇ!!」

菅井「しょうがないよ……こんな状況だもん。きっとあの子も怖ったんだよ……」

理佐「……。虹花になら会ったよ」

志田「え!大丈夫だったの!?」

理佐「まあ死んでたんだけどね。私が分校から出た時にはもう……」

菅井(!?じゃあ、あの後すぐにってこと……?)
0343名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 21:52:57.47ID:LwWWOwr/a
志田「ざまァ!そういえば初っ端放送で呼ばれてたもんな!」

理佐「…………」

虹花に襲われてなんとか三人で逃げ切れた。
でも、『もう"これ以上"他のメンバーは絶対信用できない』って美愉の心が壊れそうになっていた。

理佐「そりゃあそうなるよ――」

ずっと目立たなそうな森の中に潜んでたけど昨日の18時の放送で禁止エリアに選ばれた。
どこに移動するかで悩んで、みんな疲れてたし屋内がいいって地図に灯台マークがあったからここに来た。

志田「ここならもし転校生のヤツが来たとしても上から狙撃で追い払えるから」

志田は天井まで届きそうな弓と矢を見せ、交替で屋上で警備していたと言う。

理佐「誰か来た?」

志田「夜の間に誰か来たんだけど、暗くて顔が見えなくて怖かったから矢射ったら逃げてった。あ、当たらなかったよ!」
0344名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 22:00:14.65ID:LwWWOwr/a
菅井「理佐は、その……他に誰かと会った?」

理佐「いいや。私も怖くてずっと森に隠れてたから」

菅井「そ、そう……?」

理佐「みんなどんどん死んでいって怖くて丸一日じっとしてたんだけど、動かなきゃとどの道死ぬと思ってね」

志田「でも、うちらも死ぬしかないのかな……」

菅井「なんとかね、脱出方法を考えてたんだけど全然ダメ……」

志田「思いつくわけないじゃん!これが外れないとどうしようもないよ!」

チョーカーを触って言う志田は弱音を吐き、すでに諦めている様子だった。

理佐は脱出など考えていなかったが、ふとあるメンバーの顔が思い浮べる。
0345名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 22:03:44.40ID:LwWWOwr/a
理佐「ねる――」

志田「ん?ねる!?」

理佐「あの子ならきっと、脱出方法を思いついてそうな……そんな気がする」

菅井「た、確かに……!さっきの放送で誰も死んでなかったし、ねるなら思いついてるよ!!」

志田「…………」

長濱の名が出て来たことに嫉妬しているのか不機嫌そうな顔をする。
プラスの話が出たので菅井はずっと訊ねたかったことを聞く。

菅井「あの、理佐に聞きたいことがあるんだけど……」

理佐「……何、改まって?」

今日死ぬかもしれないのにわざわざ前置きすることから余程聞きずらいことだと察する。
0346名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 22:05:14.12ID:LwWWOwr/a
菅井「葵ちゃんに、会った?」

理佐「!え、葵に?……えっ!?」

志田「理佐…………」

今しがた誰とも会っていないと話したばかりなのに、一個人に会ったのかと問われる。
それがゲーム序盤に故人となったメンバーということは、つまり――。

鈴本「う……ん?」

菅井志田「!!」

返事をしようとした時、鈴本は眠りから覚めた。

理佐「美愉……!」

鈴本と再会したことに喜びたく近寄ろうとする。
グループ一の寝坊助である彼女は理佐を見た瞬間、宇宙一の寝起きの良さと顔芸を見せる。
0347名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 22:09:05.41ID:LwWWOwr/a
鈴本「ぅんぎゃああああああああぁああああぁぁああああああああああ゙ああぁぁっああ゙あ゙あ゙!!!!?!!???!?」

菅井「み、美愉っ!!」

志田「す、鈴本ぉ!!」

理佐「みゆ――」

先程まで赤ん坊のようにすやすや眠っていた鈴本がこの世の終わりのように叫んでいる。
悪い夢でも見たのか、それにしては一点を見て大口を開けている。

理佐「……!!」

まるで殺人鬼を恐れているような最新の顔芸で見られる。

鈴本「んんんんんんなんでぇ!!!!?こっこッここここにィィイイイイ????!」

理佐「み、ゆ……?どうし――」

なだめようと鈴本へ近寄よろうとする。
0348名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 22:14:18.70ID:LwWWOwr/a
鈴本は瞬時にナイフ二本を取り出して叫ぶ。

鈴本「動かないでェッ!!!!!」

その場に全員がピタリと止まる。

菅井「美愉っ!?」

志田「オイ鈴本ッ!!!」

鈴本「私は見たんだよ!!!!!葵が撃たれるとこを!!!!理佐に殺されるところをお!!!!!」

理佐「!?――え、いや……」

鈴本は菅井に会う前に、原田が理佐に殺された現場を見たという。
否定しようとすると代わりにしてくれる人がいた。

志田「だから人違いだって!!理佐がそんなことするわけねえだろっ!!」
0349名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 22:17:19.93ID:LwWWOwr/a
鈴本「そうだ!!!その銃ぅ!!!!間違いなく理佐だッ!!!ほらァねえェ狙撃銃だよ!!!私言ったよね!!!!?」

理佐の脇にあるスナイパーライフルを指差して同意を求める。

菅井「あっ……!」

菅井は聞かされていた情報を思い出す。
知るはずもない理佐が持っている武器が一致し、疑いが確信へ近づく。

それでも約一名は庇い続ける。

志田「別のやつに同じライフルが支給されてるかもしれないだろ!」

鈴本「いいや!澤部が言ってたジャン!!それぞれ違う武器を支給しますってェ!!!!」

志田「じゃあ似てる銃を――」

鈴本「もう武器とかどうでもいいよ!!!私が見たのは顔!!!その顔だよお!!!!!!」

志田「ッ……!」
0350名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 22:23:57.84ID:LwWWOwr/a
理佐「お、落ち着いて美愉……!それは私じゃない……!!」

鈴本「嘘だッ!!!!オマヱガ、アヲヰヲ――!!」

理佐「…………!!」

志田「嘘ついてるのはお前だよ鈴本ゥー!!!」

鈴本「ハ――アアアアァハハアン!?!?!な、な、なんで私がッこんな嘘つく必要がどこにあるのぉおお?!?!?!」

菅井「た、確かに……。でも――」

志田「分かんないよ!」

理佐「まな、か……?」

志田「鈴本は理佐に敵対心持ってんじゃん!!」

鈴本「はあ〜〜?テキタイシン……?なんだよソレ――」
0351名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 22:28:31.82ID:LwWWOwr/a
菅井「そ、それって……織田のこと?」

鈴本「オダナナ!?!?」

志田「織田はぽんのことが好きだ。でも、ぽんは死んだ」

菅井「ちょっ?だからって!こんな時に恋敵の理佐を蹴落とそうとしてるなんて考えられないよ!!!」

鈴本「コバユイが死ぬずっと昔から言ったじゃん!!?理佐が葵を殺したって!!!後出しじゃんけんしてないよ!!!!」

理佐「あああ!!もうッ!!!」

痺れを切らした理佐がキレる。
三人は唯一銃を持っている彼女にビクつく。

理佐「もし私がこのゲームに乗ってたら今この場でみんなを撃ってる!」

志田「そ、そうだよ!!理佐は犯人じゃない!!」
0352名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 22:33:07.62ID:LwWWOwr/a
菅井「そう、よね……!理佐が人を殺したりしなんて――」

鈴本「!!!――いいや!!!弾に限りがあるから今は温存させるために取っといてるんじゃないの???メンバーはまだ半分も残ってるもんねえ!!?」

理佐「……ミユ……」

もはや鈴本に何を言っても通じない。
潔白を証明するにはどうすればよいのか。

鈴本「嘘じゃないって言うならその銃の弾改めさせて!!一発も撃ってないなら信じるから!!」

理佐「!…………」

理佐は何も言い返さず、都合が悪い顔をする。

志田「……理佐?どうしたの?」

理佐「撃ったよ。五発」

志田「エッ……!」
0353名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 22:50:07.26ID:LwWWOwr/a
荷物検査をされれば判ることを先に言う。
満パンだった弾ケースから五発消えていることを白状する。

鈴本「ほ、ほらあ!!それで葵を……!!」

理佐「だからそれはないッ!!!」

鈴本「――ひっ!」

菅井「じゃあ、一体誰に……?」

理佐「撃ったのは――澤部にだよ!!!」

菅井「さ、澤部さん?!」

鈴本「な、何言ってんだよ!?澤部に撃てるわけ……」

志田「どうやってぼぅ。にっ!?」
0354名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 22:53:38.22ID:LwWWOwr/a
分校で最後まで残り名前が呼ばれた。
廊下で出るとこの武器を受け取り、素人でもすぐに狙撃銃だと判った。
五分後の午前2時には分校が禁止エリアになると聞かされ急いで脱した。

分校から出て来た運営側のやつらを殺るのは今しかないと思った。
山から月明かりがあるとはいえ、銃を撃ったこともないのに全員を狙撃するのは無理だ。
だから狙うのはヘリコプターにした。

菅井「へ、ヘリィ!?」

理佐「あいつらが船に戻るため校庭に停めてあったヘリが空を飛んでいる時に撃ち落とせば全員やっつけられると思った」

志田「そ、それで!?」

理佐「でもダメだった。五発撃って二・三発は当たったけど弾かれて、そのまま船へ――」

菅井「す、すごい……!そんなことが……!」

鈴本「……!!!」

ゲーム開始直後に連続して銃声が響いていたことを思い出す。
理佐なりに運営側を倒す方法をものの数分で考え、冷静に実行に移していた。
0355名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 23:09:38.26ID:LwWWOwr/a
鈴本「う、嘘だよ!!!なんだよその作り話誰が信じる!?葵を撃ったんだろ!!!!」

理佐「信じて、美愉。私は葵を撃ってない。撃つわけがないんだ……!」

理佐の言葉は真に迫るものがあった。
嘘は言っていないように聞こえる。

鈴本「でも私はこの目で見たんだからあ!!!」

しかしあの瞬間が頭から離れず、自分を信じて負けじと退かない。

二者間の平行線はどこまでも広がっている。
第三者に意見を求めるしかない。

鈴本「友香はどっちの言うことを信じるの!!」

菅井「わ、私は――…………」

発言の番のまま黙ってしまう。
最初の分校でもそうだった。
理佐にどうなっていると聞かれ、判らなければすぐに答えれば良かったものを。
いつまでも結論を出さない優柔不断なキャプテンへ催促する。

鈴本「ねえッ!」
0356名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 23:12:56.16ID:LwWWOwr/a
菅井「っり、理佐がそんなことをするとは思わない……!!」

鈴本「!!友香ァ〜〜!!!」

菅井「でもォ!!!」

志田理佐「!?」

鈴本「でも何ィ!?!」

菅井「美愉が嘘をつくとも思えない!!!!」

鈴本「っ、ゆうかぁ……!!」

永遠にこのまま言い合っていても仕方ないので判決を言い渡す。

鈴本「要求は一つ!!ここから出てって!!!!」

理佐は明らかに悲しそうな眼をしそれを受け入れる。
0357名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 23:16:13.74ID:LwWWOwr/a
理佐「…………。分かった。出ていくよ。それで気が済むのなら……」

志田「理佐あ!?」

せっかく再会したのにこんな形で別れるは非常に苦しい。
どの道今日が終われば一人にならなければ全員が死ぬ。
人生最後の日に二年半共にした仲間から糾弾されるなど夢にも思わなかった。

そんな顔をして出入口へ行こうとした時だった。

志田「私も一緒に行く」

菅井「え」

鈴本「マナカ???」

理佐「いや、でも――」

志田「理佐がこんなゴミゲームに乗るなんてあり得ないから!」

無条件で理佐の事を信用しきっている志田が言う。
例え理佐が殺人現場にいて血まみれの包丁を持っていても理佐は無実だと庇うだろう。
0358名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 23:20:36.52ID:LwWWOwr/a
そうなるとまた話は変わってくる。
鈴本は殺人鬼と一緒に出て行こうとする志田の心配をする。

鈴本「ん待ってよっ!!!愛佳……殺されるよ!!?」

志田「まだ言ってんのかよ。理佐に殺されるんだったら別にいいわ」

理佐「……愛佳?」

鈴本「オィイ!出てくなら理佐一人で出てけ――!!!」

再び志田と鈴本が激しく言い合いをしている。
入ってしまった亀裂はもう二度と修復することはできない。
菅井はキャプテンとしてメンバーをまとめなければと気持ちが焦る。

菅井(ああ……、ダメだ……!私だけじゃみんなを収集つけられない。こんな時、茜が居たら――)

この場にいない副キャプテンのことを想う。
守屋がいたらどうするか考えると心が熱くなり勇気が湧いて来る。

菅井「理佐が葵と会っていないって言うんだったら……それは理佐じゃないっ!」

理佐「友香……!」
0359名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 23:23:49.32ID:LwWWOwr/a
鈴本「じゃあ誰だよっ!!!」

菅井「そ、それは――……」

言葉に詰まる菅井。
その先は永遠に出て来ないだろう。

渡邉が原田を殺した光景がはっきり脳裏をよぎる。

鈴本(やっぱりダメだ――)

何を言っても信じてくれない。
永遠に水をかけ合い堂々巡りするだけだ。

鈴本(今こいつを生かしたらきっと殺される……!!織田も……!!!!)

眼がサイレントマジョリティーモードに突入し、帝王フリーザのファイティングポーズのような構えで両手にナイフを握る。

菅井「!!美愉……?何を――」

鈴本「死ね」
0360名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 23:27:51.64ID:LwWWOwr/a
志田「すず――」

理佐「ッ!!」

凍てつく殺気を感じ、咄嗟にスナイパーライフルを向けざるを得なかった。

鈴本は高速で理佐へ接近し距離を詰める。
理佐は引き金に指をかけて絶叫する。

理佐「ああああああああ……!!!!」

志田「理佐ァッ!!!!」

右のナイフの切っ先で銃口をずらされる。

理佐「あっ……」

引き金を絞れなかった。
例え撃ったところで鈴本にかわされたいた。

鈴本「フン!」

続けて流れるようにライフルを蹴り上げられ、入り口付近まで飛ばされる。
0361名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 23:31:49.85ID:LwWWOwr/a
丸腰になった理佐へ別れを告げる。

鈴本「葵に謝って来い」

左手のナイフを理佐の首へ刺しに行く。
理佐はどうすることもできず、目をつぶることしかできなかった。

理佐「っ!………………っ?」

目を閉じてから三秒が経ち、攻撃が来ないのでそっと目を開ける。
すると首元にはナイフが皮一枚のところで止まっていた。

止まっている理由は、鈴本の左腕に矢が生えていたからだ。

鈴本「――うがおああぁあああぁあぁあっ!?!?あっあ〜ああぁあああ゙あ゙あ゙あ゙!!!!!!!」

痛覚による新しいレパートリーの顔芸を次々に披露しながら床にのたうち回る。
志田は床から天井に届きそうなほど長い弓を立てて、今しがた矢を放ったばかりの構えでいる。

志田「理佐は――殺させない!」

鈴本「ンッマッ!!まッ……マナガァアアアアアァアアアア゙ア゙!!!!!」

汗と涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった顔で志田を睨み付ける。
0362名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 23:49:03.56ID:LwWWOwr/a
鈴本「んンン゙!!!なんで!!?わだじは……みんなを……守りだい、だけなのにいぃいいいい゙!!!!」

鈴本は守りたい気持ちを涙ながらに訴える。

理佐「美愉ゥっ!!!」

菅井「な、なんてことを……!!愛佳っ!!!何で射ったの!!?」

志田「なんでもクソもあるかあ!!理佐を殺そうとしたからだよ!!!」

鈴本「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛あああああああああああああああああああああああぁああいっ!!!!!!!」

激痛に目が回る。
どこを見るわけでもなく、焦点が定まらない。
引き抜こうにも無理だ。
いっそ左腕ごとなくなれば少しは楽になるのではと思う。

鈴本(愛佳は……理佐のためなら死ねる……。なら、こいつも――)

いくら理佐のことが好きとはいえ殺人鬼の肩を持つなんて間違ってる。
0363名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 23:51:44.07ID:LwWWOwr/a
鈴本「敵だぁああああああああぁああッ!!!!!」

健全な右手で志田に向かって投擲のモーションに入る。
志田も次の矢を装填し弓を引く。

菅井「やめなさい!!!!」

菅井は仲裁するため二人の間に両手を広げ飛び込む。

志田「!!」

鈴本「あ」

志田は矢を射るのを直前で止めるも、鈴本の手からナイフが放たれる。
ナイフは菅井の上背に深く突き刺さる。

菅井「!!ぐっふ……!!」

血を吐きうつ伏せに崩れ落ちる。
0364名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/03(月) 23:56:33.68ID:LwWWOwr/a
理佐「友香ッ!!!」

志田「マジ、かよ――」

菅井「ゴッホ!」

ナイフは背中から肺に刺さり、咳き込む口から血を吐き出す。

鈴本「ゆ・う・か……?」

自分が投げたナイフが仲間にしてくれた菅井を傷つけてしまい完全に放心する。
ただ一人傷つかず、傷つけてないメンバーがいた。

理佐(私がここに来てしまったから……こんなことになってしまった……。私が私ガわタシがタワシガわたしが――)

全ての責任を一身に追い、心が張り裂ける。

理佐「嫌あぁああアアアアアアアアアぁああああああぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

散々喚き散らした少女たちの中で一番の絶叫をする。
0365名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/04(火) 00:00:56.55ID:OQ14GG1na
志田「理佐ァッ!!!?」

鈴本「ょ……???」

理佐の反応に疑問を抱く。
とても原田を殺した人間の反応ではない。

先程のやり取りでも理佐は嘘をついているように見えなかった。
だとしたらあれは理佐でなければ一体誰だったんだ。

その時、突然入り口の扉が開かれる。
一同が注目する中、入って来た来客に驚く。

鈴本「――りさ!うぇ!?……リサ?」

その顔は理佐と全く同じ顔をしていた。

志田「理佐……が、二人!?」

理佐「あ?――……わ、た、し?」
0366名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/04(火) 00:03:47.27ID:Rtw2/8ITd
灯台の悲劇
0367名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/04(火) 00:04:36.89ID:5GyZeC30a
理佐ちゃん逃げて〜
0368名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/04(火) 00:05:57.34ID:OQ14GG1na
理佐は鏡でも見ているのではないかと錯覚した。
自分の頭がおかしくなったのではと疑えるほど現実に戻って来た。

渡邉「……」

入口付近に転がっている鈴本に蹴り飛ばされライフルを拾う。
慣れた手つきでライフルを構え鈴本に向ける。

鈴本「!!!」

理佐と同じ顔だ。双子?整形?
そんなことはどうでもいい。
こいつが葵を殺し、私たちを殺しに送り込まれた転校生か。

鈴本(やっぱり私は間違ってなかった。ほら――)

自分は正しかったのだと誰に問うわけでもなく確めたかった。

鈴本「ね」

ひらがな一言が鈴本美愉の最期の言葉となる。
ライフルから放たれた弾丸は額から侵入し、脳を巻き込みながら貫通した。
0369名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/04(火) 00:10:02.94ID:OQ14GG1na
理佐「ぁ……!!」

志田「……っ」

ザ・クールは固まり動けないでいる。

菅井はうつ伏せのまま薄目で状況を見ていた。
何が起こっているのか理解し始める。

菅井(そういう、ことだったのね……。この子が転校生……!)

渡邉は何も言わずボルトアクションで空薬莢を弾く。
今度は近くに倒れている菅井へ歩み寄る。

菅井(こっちに来る――!)

呼吸を止めて、死んだふりをして待つ。
脳内で反撃の算段を立てて、何度もシミュレーションする。

足音が隣で止まった。
気配がすぐそこにあるのを感じ取る。
0370名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/04(火) 00:18:21.73ID:OQ14GG1na
菅井(これが、最後の……がんばりきッ!!)

死を確かめに屈んだ時、素早く上体を上げ隠し持っていた鎖鎌を首へ回す。

渡邉「!」

理佐「友香……!!」

完全に首を捕らえ、鎖鎌を引くと頸椎に当たった感触がした。

菅井(手応え有り――、へ?)

鎌はそれ以上食い込むことなく止まった。
それどころか目の前の理佐と同じ顔は無表情だった。

渡邉「……」

とっさにライフルをバックパスで背にして銃身で防御していたのだ。
0371名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/04(火) 00:34:12.86ID:OQ14GG1na
菅井(こ、このぉ――っ!!)

諦めずに力ずくで引くとわずかに動き、首に刃が近づく。

渡邉「!」

渡邉は踏ん張り、ライフルを持つ手を片手から両手にして耐える。
菅井も仰向けの状態で上体を支えていた肘を上げ、鎌の柄を持ち両手で引っ張る。

力が拮抗しいい勝負をする。
最後の力の振り絞り勝負に出る菅井。

菅井「ぐっ――ぅううう……ああああああああああ!!!!」

渡邉「ぬん!」

ライフルに渾身の力が込められ、衝撃で鎖鎌が手から弾き飛ばされた。

菅井(そんな……っ)

渡邉は菅井の背中に刺さっているナイフを抜き、確実に心臓へ刺し直した。

菅井「ごふっ!!」

心臓を止められ、漢字欅キャプテン菅井友香は絶命する。
0372名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/04(火) 00:36:08.90ID:xSW15tN90
ああああああああああああああああああゆっかあああああ
0373名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/04(火) 00:38:40.32ID:OQ14GG1na
志田「理佐ァ、逃げよっ!!」

しゃがんでいる理佐の手を引き、外を目指して走る。
部屋から出て、螺旋階段がある筒の間から出入口の扉を開けようとする。

志田「あ、開かなーい!!」

理佐「――!?」

扉は押しても引いても体当たりしても開かなかった。
もはや外へ出るには部屋の窓から他ない。

ライフルを持った渡邉の足音が近づいて来る。

志田「く、来る――!!」

志田は理佐の手を引いて、螺旋階段を上り上へ逃れる。
0374名無しって、書けない?(catv?)垢版2018/09/04(火) 00:43:30.27ID:oIPqt54h0
あぁ…
ユッかァアアあぁああァアアアアあアアァアア
ゆっかーが命をかけて守ったしだりさには頑張ってもらいたい
0375名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/04(火) 00:44:00.91ID:OQ14GG1na
渡邉は筒の間へ入り、ライフルを上へ向けて撃つ。

志田「ひゃあッ!!!」

理佐「くふん!!!」

弾は壁に当たり砕いた。
二人はそれでも階段を駆け上り、上までたどり着いた。

外に出ると景色が開け、朝の気持ちのよい冷たい風が強く吹いていた。
部屋から見える海とは違い、地上20メートルだとより綺麗に地平線が見える。

上まで逃げて来たはいいが、完全に逃げ場を失う。

飛び降りれば死。
足から落ちたとしても骨は確実に折れ、とどめを刺される。
飛び降りなくても上って来る転校生に撃ち殺される。

志田「何なんだよアイツぅ!訳わか――」

理佐「愛佳。どういうこと」

突然志田へ漠然的な問いをぶつける。
0376名無しって、書けない?(dion軍)垢版2018/09/04(火) 00:44:29.17ID:4dOAtf9q0
ゆっかああああああああ!!!!!!
0377名無しって、書けない?(dion軍)垢版2018/09/04(火) 00:46:01.20ID:SJKoKjhF0
ゆっかー...
0378名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/04(火) 00:52:35.00ID:OQ14GG1na
志田「!?どういうことって、こっちが聞きたいよぉ!」

理佐「嘘だッ!!!」

志田「!!??…………えっ、なに……?」

理佐「アイツは入口に一番近かった愛佳の横を通り過ぎて、先に二人を殺しに行った」

志田「!り、さ……?」

理佐「愛佳言ったよね。『理佐が二人』って」

志田「そ、それはだって……同じ顔だったから――!!」

理佐「例え愛佳そっくりの偽物が現れたとしてもそんなセリフ出てこないし、絶対に見間違えないよ!!」

志田「いやっ違うんだって!!私はほんとっなんにも……っ」

理佐「お前ナメてんのかあ!!!」

認めようとしない志田にそれ以上言い訳不要だと一喝する。
0379名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/04(火) 00:59:36.90ID:OQ14GG1na
志田「理佐……」

理佐「なんで嘘をついた?あいつは誰!何を企んでる!?」

志田「それは――……」

渡邉「あーあ。バレちゃった」

渡邉が上までたどり着き、姿を現す。

理佐「お前〜〜ッ!!!」

入り口は塞がれ筒の間に戻ることができない。
スナイパーライフルを恐れ、広くないドーナツ状の足場で反対側に行かないまでも塔に隠れられる位置まで距離を置く。

渡邉「志田さん。もういいですよね」

志田「……」

理佐「愛佳ァ!?じゃあ、やっぱり……!!」

渡邉はここに来て終にその正体を明かす。
0380名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/04(火) 01:03:43.57ID:OQ14GG1na
渡邉「私は――渡邉美穂です」

理佐「みほ……?って、美穂ぉ!?」

さらっと自己紹介した名前に聞き覚えがあり耳を疑う。

渡邉「ハイ。埼玉が生んだ、怒涛の、起爆剤!渡邉美穂です」

理佐「うッそ…………」

赤の他人かと思いきや、見たことがあるキャッチフレーズを見て本人だと確信する。
目の前にいる自分と同じ顔をした相手に問う。

理佐「そ、その顔は何?背も……。意味がわから……ない…………」

渡邉「ベースは似てましたから顔はちょこっとだけいじって、背は骨延長手術で足と腕を伸ばしました。あと、ダイエットも頑張ったんですよ」

胸と顔の大きさまでは変えられず、原田葵に抱き着かれた時に違うと気づかれたのだ。
渡辺梨加に関しては初対面でバレた理由は不明だった。
0381名無しって、書けない?(静岡県)垢版2018/09/04(火) 01:06:21.46ID:mGdECZ3q0
灯台のくだりをこのメンツでやるとか、スゲーな…
や、いい意味で。
0382名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/04(火) 01:10:46.45ID:OQ14GG1na
理佐「そこまでして何がしたいの!?あんたが生き残って私の人生を歩むつもり?!」

渡邉「あっはは、そんなことはしませんよ〜。ただ漢字をぶっ潰して、あくまで美穂としてひらがなをやっていきますから」

理佐「漢字欅を潰す!?なんでそれに愛佳が加担してるのわけ……?」

志田は目をそらし、口を噤む。
後ろめたいことがあるのか、この状況は想定していなかったものだと感じる。

理佐にバレる前までは全て演技だったということだ。
ここまで来たなら言わずにはいられなかった。

志田「理佐と一緒に死にたいから」

理佐「…………は?こんな時に、何バカなこと……言って――?」

志田はふざけていったわけではないと判り、頭の中が真っ白になる。
自分と一緒に死にたいからこの殺し合いに進んで参加したのだと言っている。

志田「理佐はいつか卒業して別々の道を歩んで、どこの馬の骨化も分からない男と結婚して、子供を産んで、年を取っていく……」

理佐「はあ?それが普通じゃん。何が……え?」

訳が分からな過ぎて頭が混乱しついて行けない。
いっそついて行きたくもないと考えるのを止めたくなる。
0383名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/04(火) 01:15:01.81ID:OQ14GG1na
志田「普通じゃいられないんだよ!!理佐を誰かに理佐を取られたくない!一緒に歩めない人生ならせめて若い10代のうちに――」

理佐(だ、ダメだ……!こいつら、正気じゃないっ…………)

志田「一緒に生きられなくても、一緒に死ぬことはできる」

理佐「……」

もう何を言っても何の意味もないと悟った。
話を要約すると漢字欅が殺し合いをさせられてるのは志田と渡邉の意思で行われたのだ。

理佐(悪の元凶はこいつらだ。こいつらがいなければこんなことにはならなかったんだ……。絶対に……許さない!!!!)

クールに復讐の青い炎をその瞳に宿す。

志田「だから、一緒に死のっ」

理佐「美穂ォ!!理由を教えろよ!なんで漢字欅なんだよ!選抜になりたいだけならこんなこと――」

渡邉「漢字がダメになったからですよ」

昨日、自分たちの冠番組MCから言われたことを思い出していた。
0384名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/04(火) 01:19:28.83ID:OQ14GG1na
澤部『このグループはダメになりましたー!』

理佐(またそれか――)

渡邉「紅白であんなゴミみたいなパフォーマンスを日本中のお茶の間にお届けして。恥ずかしくないんですか?」

理佐「あの時は……っ、いろいろあったんだよ。ほんとに……!」

渡邉「あなたたちはアイドル以前にテレビに出るという根本的なところから間違ってるんですよ。言っときますけどこれは個人的な意見なんかじゃなく、多くの人の総意です。だからこの島にいるんですよ。それちゃんと解ってます?」

理佐「なん、だと……?」

渡邉「ここにいるのは他でもない自分たちのせいなの、自覚してますか?」

理佐「ふざけるなァ!!」

渡邉「大マジです。なので〜きれいさっぱり跡形もなく一人残らず消えてくれません?てゆうか、消してあげるために来たんですから」
0385名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/04(火) 01:34:24.76ID:UUHJ95xqa
渡邉「言わばこれは救済処置でもあるんです。これ以上坂を転がり落ちて生き恥を晒さずに済んで、グループが謎の失踪を遂げたら伝説になるんですよ!いいじゃないですか!」

志田「……ふん」

渡邉「アイドルの枠をはみ出ようとアーティストのふりなんか中途半端なことして、ひらがなにどんだけ迷惑がかかってることか……。ダンスはバラバラで、歌は口パクなのに過呼吸になるとかコントですか?だとしても寒いですから」

理佐「世間にそう思われていてもおかしくはない。お前にも分からないよ」

渡邉「分かりたくもないですよ。たかが知れてそうですしね。全く、アイドルってのは人に勇気づけたり励ましたりするのに、漢字と来たら次から次へとどいつもこいつも闇落ちして……不愉快なんだよ!」

理佐「うるさいッ!!!」

いつまでもだらだら話す渡邉を一喝する。
それも軽く鼻で笑われ本題に戻る。

渡邉「理佐さん、選んでください。私に撃ち殺されるか、愛佳さんと落ちて死ぬか。三分だけ待ってあげます」

理佐「――っ!」

余命三分を言い渡され、心臓の鼓動が加速する。
0386名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/04(火) 01:39:20.78ID:UUHJ95xqa
愛佳と高さは20メートルから飛び降り自殺か。
一方、美穂から撃ち殺されるか。

どちらにしろ死を選ぶことには変わりない。

理佐(こいつにだけは殺されたくない!!!)

志田「諦めよっ。選ぶまでもなくない?」

志田の押しもあり、最初から選択肢などないに等しい。

第三の選択肢があるとすれば、それが生きることになるのか。

志田を人質にしたところで、躊躇なく撃ち殺されるだろう。
普通に考えて生き残る方法はない。

理佐「……」

渡邉はライフルの引き金に指をかけている。
射程距離はかなり遠くまでならいけそうだが、逆に近すぎたら撃てない。
0387名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/04(火) 01:49:02.66ID:UUHJ95xqa
切り崩すには志田しかないと振り向く。

理佐「愛佳は、私のこと好き?」

志田「うん!!愛してる!!だからここに来たんだよ!」

理佐「じゃあどうして京子と――」

志田「あっ!!あれは違うよ!!!私はいつも常にどんな時も理佐の事しか考えてない!!!あまりにも振り向いてくれないからヤキモチ妬かせたくて見せつけてたの!!!」

理佐「わかってたよ」

志田「え……?」

バレバレなんだよ。わざとらしく齋藤京子にべたべたしていたことは。
それがウザったくて、男の影もあったから距離を置いたのだ。

理佐「それでも私は織田が好き」

志田「っ……、分かってる。でも、理佐が織田を好きな気持ち以上に私の愛が絶対勝ってる!!」
0388名無しって、書けない?(チベット自治区)垢版2018/09/04(火) 01:52:46.35ID:7kfVPMMd0
こういうのずっと書いてる奴って寂しいんだろうな
0389名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/04(火) 01:54:22.35ID:UUHJ95xqa
タイムリミットまで残り一分を切っている。

柵に腰を預けてふと空を仰ぐ。

理佐(空が青い。太陽が眩しい。私は今生きている。これから本当に死ぬのか)

人生なんてずっと果てしなく永遠に続くものだと思っていた。
それが今健康体にも拘わらずあと一分で死ぬということが信じられない。

理佐(どうせ終わるなら皆がそうだったのように――最後の最後まで抵抗し続ける!!)

友香は美愉を守るために盾になった。
美愉も皆を守るためにあそこまで必死になって戦っていたのだ。

理佐(私は誰にも殺させない。自分の意志で死ぬ!ただし、こいつらも道連れだ――!!)

追い詰められ、ここ一番で最もクールになる。
0390名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/04(火) 02:02:00.40ID:UUHJ95xqa
渡邉「決まりました〜?」

三分が経過しわざとらしく聞く。
どうせ志田と飛び降り自殺するしかないのだから聞くまでもない。

志田「理佐――」

理佐「…………フッ」

一陣の風が吹き前髪が舞うと、その表情は笑っていた。

志田「ん!?」

渡邉(何?こいつなんで笑っ――)

理佐は両手を外へ広げて空を仰ぐ。

志田「理、佐……?なっ――」

渡邉「!!」

柵に寄りかかり腰に当たる所に身を任せる。
そのまま仰け反り後転する形で滑り落ちる。
0391名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/04(火) 02:06:24.35ID:oOZeKVwla
さては異常に戦闘能力の高いカニバリズムなーこも中身は井口だな?
0392名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/04(火) 02:06:28.09ID:UUHJ95xqa
志田「理佐ァあっ!!!!」

身を投げ出された理佐の手を柵から身を乗り出して掴む。

理佐「!!」

志田「うぐっ!!」

志田は腹を柵に打ち付けるも、理佐をつかむ手は離さなかった。

志田「ち、ちょっと待ってよ!!!先に、死なせ、ないから〜〜ッ!!!」

日常なら志田の、否一人の少女の非力ではとても人間一人を持ち堪える力などない。
しかし、それが世界で一番愛した"渡邉理佐"なら愛の力を発揮できる。

理佐(来た!!やっぱり愛佳は、私を助けに……。そして奴は――)

わざと志田に掴ませるためタイミングを計って飛び降り手を差し伸べていたのだ。

渡邉「大変ですね。このまま二人で落ちればいいんじゃないですか?」

柵は隙間がある鉄棒型のではなく、完全に仕切型だ。
そのため、宙づりの理佐の様子を見に近づいて来た。
0393名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/04(火) 02:10:25.20ID:UUHJ95xqa
志田「同時じゃないと、意味がない!!」

志田が望む最高の死は手を繋いだままではなく、抱き合った状態で同時に落下だった。
そこまでのこだわりを理佐は見透かしており先に身を投じた。

志田(ここで妥協したら死ぬ価値ない――!!)

理佐が完全に下にいる状態なので、今志田が落ちても抱き着くことはできない。
抱き合った状態は絶対に妥協できず死んでも死にきれない。

志田「あッ!!!あんたも手伝えェ!!!!」

なりふり構わず渡邉に助けを求める。

渡邉「どうしよっかな〜?」

渡邉に助ける気や理由は無い。
むしろ二人まとめて勝ちが転がっているようなものなのだ。

志田を突き落とすためにすぐ真横まで着いた。
0394名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/04(火) 02:13:45.87ID:UUHJ95xqa
理佐「はあっ!!!」

渡邉「きゃぁ!!?」

宙吊り理佐は隠し持っていたモノを投げつける。
予期せぬ攻撃に対しとっさにライフルを横にして防御する。

渡邉「あっぶなっ……、何?」

ライフルで受け止めたモノを見る。

渡邉(これは、菅井の――鎖鎌!?)

うまく鎌が引っかかり、理佐は柄から伸びる鎖の端っこを握りしめて引く。

渡邉「うおっ!?」

命綱でもあるライフルをひっぱられるも、手放すわけにはいかず両手で引っ張る。

渡邉(こいつ!!ライフルを奪おうとしてる!?)
0395名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/04(火) 02:19:30.23ID:UUHJ95xqa
理佐は落下する力を志田ではなく、渡邉とつながっている鎖鎌へ体重をかける。

渡邉「ぐおぅ!?」

柵に対してくの字に外へ身を乗り出し、志田と同じような格好で理佐を支えている状態になる。

志田「理佐を持ち上げろおおお!!!!」

隣人を無視して鎌を外したいが両手はライフルから離せず塞がれている。

渡邉「痛っ――」

昨晩の戦闘で小指はなくなり、傷が癒えておらず激しく痛み始める。
夜のうちであれば満月の力でこんな状況簡単に乗り越えていただろう。
しかしもう朝で普通の運動部の女子高生に戻った。

渡邉(マズイ!!このままだと奪われる!!!空中ですぐに私を撃ち殺すつもりか!!?……仕方ない――)

仕切型の柵とはいえ、空中で撃たれれば貫通して被弾する恐れがあった。
ライフルを渡さないため上へ引っ張っていた力を反対にし、下へ思いっきりぶん投げ捨てる。
0396名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/04(火) 02:23:53.77ID:UUHJ95xqa
理佐「!!」

ライフルと鎖鎌は遥か下の地面に落ちた。

渡邉「アハァ!!これで――ゑ!!??」

理佐「捕まえた」

ライフルを下へ投げた右手を捕まえた。

渡邉(ひっ――!!!)

一瞬理佐が地獄へと誘う死神に見える。

渡邉(ライフルが落下する時、少しも反応しなかった。取りに行く素振りを見せなった!ということは、こいつの狙いは最初から――私だ!!!)

理佐は渡邉を地獄に引きずり落とすことだけを考えていた。
0397名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/04(火) 02:26:21.61ID:xSW15tN90
実写化したら面白くなりそう
0398名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/04(火) 02:28:21.53ID:UUHJ95xqa
渡邉「ぉおおら!!!」

繋いでいる右手を激しく振り、理佐を揺らして手を放そうとする。
理佐の反対の手を繋いでいる志田も揺れつられて落ちそうになる。

志田「ちょッ!!揺らすなァ!!!」

志田の蹴りは渡邉の尻に届く。

渡邉「イタ!!?」

手が離れなければ志田が落ちた際に二人を持ち上げることはできず一緒に落ちてしまう。
死に物狂いで握られている手は強力な接着剤のようで離れる気配がない。

志田に反撃して落ちられても困るのでしない。

渡邉(ヤバイ!これはいったん持ち上げるしかない!!それから殴り殺してやる!!!)

志田「理佐あぁああああああ!!!!」

渡邉は上へ力を入れる。志田も愛の力を込める。
0399名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/04(火) 02:32:57.18ID:UUHJ95xqa
理佐「!!」

左手は志田、右手は渡邉と繋がり全体重をかけるも少しずつ持ち上げられていく。
このまま釣り上げられたら最期、まな板の上の鯉になるしかない。

理佐「くっ……!」

ふと、上の渡邉の顔を見ると必死に歯を食いしばっていた。

理佐(ああ、なんて顔してるんだろう。ホントそっくりなんてレベルじゃない。私ってこんな顔もできるんだ……)

もう間もなくしてこんな顔をすることもなく終わろうとしている。
死を悟った瞬間、好きな人の顔が思い浮かぶ。

理佐(織田奈那――にしかしたくなかったけど……!!!)

意を決して再び闘志を燃やす。
好きな人の名を叫び口撃する。

理佐「オダナナァア――グッ!!!」

渡邉「い゙ッ!!!!!?」
0400名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/04(火) 02:36:26.15ID:UUHJ95xqa
理佐に右手を噛みつかれる。
島に来て噛みつかれるのは二人目だ。
この時ばかりは長沢のように食いちぎられればよかったがそうはいかなかった。
アイドルのあまがみではなく、ゴリラのような顔で歯を骨にまで食い込ませて来る。

激痛のあまり柵を持っている左手が離れ、ずるっと空中へ引きずり落とされる。

志田「ずっるッ!!!!」

死の崖っぷちにいて尚、噛んでもらえたことに嫉妬する。
いくら二人とも最愛の人の顔をしているとはいえ志田一人で持てるはずもなくつられて滑落する。

志田「ぅ――ゎ」

理佐「……!!!!」

渡邉(エ。ヤバッ、死――――――――)

三人は宙に浮き、絶対的な死を覚悟すると体感時間が光速を超えて時が止まる。
0401名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/04(火) 02:45:23.16ID:UUHJ95xqa
三者三葉の走馬灯を見る。自分が生まれて物心がついた瞬間から今まさに死ぬ瞬間まで脳が上映する。

渡邉(私は、ここで、死ぬわけにはいかない!!!誰よりも高く――)

渡邉が動くのと同時に、ゆっくりと時計の針は通常の1/60の速度で動き出す。
つまり通常1秒で下へ激突するのに体感では60秒まで引き延ばされる。

引きずり落とされた時に勢いで理佐と同じところまで落ちていた。
理佐を緩衝材とするため上に乗ろうとする。

理佐(させない――!)

理佐も負けじと自分が上に行こうと渡邉と揉み合い、二人の位置は交互する。
二人のワタナベを見ている第三者は黙ってはいなかった。

志田「ぁ」

声は出せなくともすべきことをする。

志田(あんたに理佐を殺させない!!!!)

一番上にいる志田は頭の重さを利用して落下速度を上げ二人の間に入る。
渡邉を引き離して理佐に抱き着こうともがく。
0402名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/04(火) 02:54:38.47ID:UUHJ95xqa
渡邉(なっ!?何すんのこの顔デカ女ァ!!このままじゃ私が……私が?私が!わたしが私がたわしがワタシがワタシわたし私うわぁあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!)

志田(死ねよお前、マジ邪魔だから。せっかく理佐と二人っきりで死にたかったのに。ま、死ぬか)

ここでは表情すらもウルトラスーパースローモーションでしか動かず、固定された表情のまますぐには変わらない。
邪魔者の渡邉に怒りを覚え死を願うも、直後に叶うことになるため気にするのをやめた。
とてつもなく遅く過ぎる時間の中で、少しずつ地面へ近づきながらも志田は必死にもがき続けついに最愛の人を正面から抱きしめることができがっちりホールドする。

これで抱き合って一緒に死ぬという夢を叶えられる。思い残すことはもう何もない。
強いて言うならキスできなかったのが心残りではあるがもう十分だ。

残り僅かな時間の中で微調整し顔も真正面に近づく。
地面衝突の直前に顔を見て気付く。

志田(り、理佐じゃなぁぁあああああああああああいっ!!!?こいつは――――――)

自分が抱き着いていた人物は理佐ではなく渡邉美穂だった。
時はすでに遅し二人同時に地面へ激突し、理佐はその上に落下した。

その後三人は動くことはなかった。


残り8人
0403名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/04(火) 03:06:58.69ID:9ej8FzML0
3人とも死んだなら残り7人のはず
理佐は助かったのかな
0404名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/04(火) 03:10:30.05ID:xSW15tN90
生存者オダナナ、みい、ねる、はぶ、てち、ねん、よね、(理佐?)
0405名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/04(火) 03:21:22.86ID:UUHJ95xqa
読んでいただきありがとうございます!
遅くなって申し訳ありません。
連投規制にひっかりダラダラになってしまってます……

個人的にハードルがあがってるので、3日間空けて仕上げます。
週末に7、8、9、最終話を一気に投下します。

ご指摘いただけましたら幸いです。
0406名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/04(火) 03:24:41.03ID:xSW15tN90
>>405
お疲れ!続き楽しみにしてるよ!
0407名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/04(火) 06:24:02.22ID:JQ5TBKnjd
三日連続?
よく集中力が続くね。すごいわ。
0408名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/04(火) 07:18:53.08ID:o55g30Gc0
織田先生は仲良し組いなくなって精神崩壊してそう
0409名無しって、書けない?(家)垢版2018/09/04(火) 07:19:26.10ID:ExWhoPS/0
渡邉理佐がゴリラのような顔って言われてて、
「ざまあみろ!渡邉理佐!」って思って笑いました
0410名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)垢版2018/09/04(火) 08:04:35.86ID:5rdlIiL8K
ちなみに現時点書き込みが1日半途絶えるとスレが落ちる可能性が高いから(糞スレがさらに増えるとさらに早まる可能性もある)
諸君が週末まで保守頑張って下さいね
0412名無しって、書けない?(神奈川県)垢版2018/09/04(火) 11:11:27.42ID:jMGkRZUd0
ゆっかねん再会叶わず…
0413名無しって、書けない?(家)垢版2018/09/04(火) 11:13:10.34ID:wkRlxQak0
転校生原田まゆかと思ったわ
0414名無しって、書けない?(catv?)垢版2018/09/04(火) 11:55:09.82ID:oIPqt54h0
これが最後のがんばりきとか笑わせにきてるやろ
0416名無しって、書けない?(大阪府)垢版2018/09/04(火) 13:17:42.63ID:s/H9iBOu0
みいちゃんってまだ出てきてないよね?
0417名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/04(火) 13:21:06.60ID:utdOHjvYa
みいちゃんはきっと土生ちゃんに見つかって・・・
0418名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/04(火) 14:05:12.16ID:Ic8lu4xga
めちゃくちゃ、おもしろい!
週末まで待ちきれない!
ちょくちょく、見に来てしまう…
0419名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/04(火) 14:28:05.73ID:xSW15tN90
みいちゃんだけだね一回も出てきてないの
志田のぼぅ。でめっちゃ笑ったw
0420名無しって、書けない?(catv?)垢版2018/09/04(火) 15:04:25.00ID:oIPqt54h0
てちがやりまくってるのにも何か理由があってくれ…
0421名無しって、書けない?(dion軍)垢版2018/09/04(火) 16:08:38.20ID:4dOAtf9q0
週末が楽しみ
0422名無しって、書けない?(SB-iPhone)垢版2018/09/04(火) 16:59:15.83ID:5l+TJcg0p
残酷な観客達とかあんなクソドラマ無かった事にして、これを実写化しろ
0425名無しって、書けない?(やわらか銀行)垢版2018/09/04(火) 18:01:57.47ID:5ThBC1+p0
推しが生き残っていて、活躍してるから嬉しいです
0426名無しって、書けない?(やわらか銀行)垢版2018/09/04(火) 18:01:57.92ID:5ThBC1+p0
推しが生き残っていて、活躍してるから嬉しいです
0427名無しって、書けない?(愛媛県)垢版2018/09/04(火) 18:03:07.63ID:rYqSJTcc0
推しが肉片になったけど読み応えあるから応援してます
0428名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/04(火) 19:05:35.84ID:xSW15tN90
そういえばみんな避雷針衣装だったね
0429名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/04(火) 21:01:28.75ID:4OGyrrTAd
面白い早く週末ならんかなw
0430名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/04(火) 21:08:51.73ID:+28quNSUa
早く次、読みたい、読みたい、読みたい!
気になって、何も手につかない〜!
週末まで待てなーい!
今日にでも、前倒しして、投稿して欲しい!
切望します!!お願いします!!
0431名無しって、書けない?(地震なし)垢版2018/09/04(火) 22:32:31.91ID:YCnY2SXMM
無理矢理前倒しになって完成度下がると嫌なので自分のペースでやってください
無理矢理じゃなかったら・・・
0432名無しって、書けない?(SB-iPhone)垢版2018/09/04(火) 22:47:45.85ID:5l+TJcg0p
仕方ないから俺が代わりに、澤部がメンバーにチンポしゃぶらせて、気持ちよく無かったやつから、生ハメ中出ししてぶっ殺していくストーリーでこの続きかいてやるよ
0433名無しって、書けない?(家)垢版2018/09/05(水) 01:16:55.99ID:k0MUsWVk0
バトルロワイヤル読んだのかなり前なのにそこそこ覚えてる自分にびっくり、週末楽しみだわ
0434名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/05(水) 01:19:32.11ID:c67iGCIQ0
推しが未だに登場していないので楽しみにしています
0435名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/05(水) 08:50:34.99ID:Aj6pXjjcd
>>405
やっと追い付いたw理佐もな美穂3人好きなのでこの戦いは熱くなった
りっちゃん最後まで生きてて!
0436名無しって、書けない?(SB-iPhone)垢版2018/09/05(水) 11:08:29.38ID:X50g7hY9p
欅のメンバーだとあり得そうなのが不思議なんだよな
乃木だと多分リアルに感じられないんだけど、欅の世界観だと尾関世界観って最近なんでめざましテレビとか出るようになったんだろうね
0437名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/05(水) 11:57:32.59ID:udy47uetd
片腕のねんさん
一本背負い、薪割りで鍛えた斧で一泡吹かせて。
0438名無しって、書けない?(SB-iPhone)垢版2018/09/05(水) 18:27:39.72ID:1xFQXkDpp
0439名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/05(水) 19:03:32.15ID:C5agKs1/a
元スレここか。まとめで一気読みして寝不足だよどうしてくれんだよコラ(続き楽しみにしてます。)
0441名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/05(水) 21:48:40.60ID:c67iGCIQ0
>>436
なんかリアリティあるよね
0442名無しって、書けない?(家)垢版2018/09/05(水) 22:33:27.95ID:D78+NuLa0
続き楽しみにしてます
べみほ死んじゃっててちに敵う奴はいるのか
0443名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/05(水) 22:40:34.94ID:0Hsx9rAbd
>>442
べみほまだ死んでるかわからんぞ
0444名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/05(水) 22:45:03.25ID:x23JbdoW0
桐山も爆発に巻き込まれても生きてたし十分ありえるな
0445名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/05(水) 22:49:07.70ID:gPY+j9l1a
???「なーこちゃんと美穂の仇!」
0446名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)垢版2018/09/05(水) 22:55:35.22ID:k0r9y4TTK
>>445
不死身のあの人か!?
0447名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/05(水) 23:24:28.02ID:wIxkdecIa
>>445
運動神経いいもんな
0448名無しって、書けない?(チベット自治区)垢版2018/09/05(水) 23:57:38.81ID:ngZcXE4m0
>>445
二期の主人公で出てきそう
0449名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/06(木) 00:33:34.25ID:JEhLcaL1a
>>402
週末に更新されるそうですが、金曜の夜でしょうか?それとも、土日でしょうか?
0450名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/06(木) 00:34:44.90ID:Zpce7pEbd
>>445
ひらがなでやったらマジでこの人が最強っぽいの草
0451名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/06(木) 02:15:34.23ID:b/xHQxzk0
主人公感もあるしな
0452名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/06(木) 10:20:32.30ID:MqXDetbna
めいちゃんみたいなのが振り切って恐ろしい事になりそう
0454名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/06(木) 12:23:39.86ID:1qJfJg0pd
>>450
裏切りの影山もワンチャン
0455名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/06(木) 12:24:37.16ID:6nZcilnLd
ヨネはどっちかというと取り乱すイメージあるヨネ
0457名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/06(木) 20:24:04.79ID:2YGkTiVsa
です!守屋鈴本今泉が同じの二つ持ってるから、
「一つにするとあれだし、全員なにか二つにしたほうがいいな」と思ってみんな武器2つにしました。
でも志田なんかは「弓」と「矢(数本)」、渡邉もスナイパーライフルも付属のスコープというという無理やりな感じです。
保守ありがとうございます!土曜に投下しまーす(さっさと書け!)
0459名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/06(木) 20:56:36.69ID:0xTE9154d
>>457
土曜がたのしみ!
土曜まとめてみたいな?
0460名無しって、書けない?(大阪府)垢版2018/09/06(木) 21:03:32.81ID:Pl0wKbMU0
ひらがなでバトルロワイアルやったらパリピは序盤でいなくなりそう
意外と強そうなのは濱岸
0461名無しって、書けない?(チベット自治区)垢版2018/09/06(木) 21:18:04.66ID:T7ik14aC0
黒幕はT
0462名無しって、書けない?(チベット自治区)垢版2018/09/06(木) 21:23:44.72ID:T7ik14aC0
>>457
おい、ひらがなの続編期待していいんだろうな?(お願いします!!!)
0463名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/06(木) 22:24:57.77ID:sez/jCWZd
濱岸とかは狂ってたくさんやってそう
で、終盤に頭のキレる奴に簡単にやられる
0464名無しって、書けない?(dion軍)垢版2018/09/06(木) 23:14:53.79ID:aPAnjN7+0
誰か稲田瑞穂役をやってくれまへんかねぇ
0466名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/07(金) 02:26:46.47ID:NjAwY10md
最後どうなるのかが気になる
0467名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/07(金) 03:25:30.89ID:UPfYVBvTd
ドキドキします
0468名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/07(金) 12:05:40.30ID:fqQvpOW0d
土曜か、楽しみ
0469名無しって、書けない?(家)垢版2018/09/07(金) 16:42:42.38ID:wR+QnrKg0
結構楽しめるから、この内容をトカゲぶちょーに動画にしてまとめてもらうか
0470名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/07(金) 22:38:50.97ID:QeqI030Q0
>>469
あいつきらい
0471名無しって、書けない?(家)垢版2018/09/07(金) 23:14:37.99ID:wR+QnrKg0
>>469
トカゲぶちょーはダメだな
この話はかえるかちょーに動画にしてまとめてもらうべきたわ
0472名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/07(金) 23:16:52.39ID:O/U5qE1Vd
>>469
無条件に漢字不人気メンいじればおもしろいと思ってるガイジだからいやだわ
0473名無しって、書けない?(家)垢版2018/09/07(金) 23:18:09.16ID:wR+QnrKg0
>>469
いや、やっぱりチービーサミサミに動画にしてもらうべきか
0474名無しって、書けない?(地震なし)垢版2018/09/07(金) 23:37:26.11ID:XDEpBZG30
こんなの書けるとかイッチ精神状態おかしすぎんよ〜(褒め言葉)
0475名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 00:03:43.26ID:Y/tPaIj9a
第七話

10:00

理佐は目が覚めると地面に倒れていた。
どうして外で眠っていたのか、全身が激しく痛むのか。
辺りを見て全てを思い出す。

理佐「愛佳――!」

傍らに倒れている志田は頭が潰れており確かめるまでもなく死んでいた。
倒れているもう一人も同様だった。

理佐「……美穂……」

自分と同じ顔をした人間が死んでいる。
とてもきれいな死に方とは言えない。
自分が死ぬ姿を連想して気持ちが悪くなる。

理佐「痛っ……!!!」

人間の上に落下したとはいえ高さ20メートルから落ちて無事でいられるはずがない。
身体の左側を強く打ち付けており、左腕を骨折、左脚を複雑骨折していた。
頭も打ち顔へ伝った血はとっくに固まっている。
0476名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 00:06:33.50ID:Y/tPaIj9a
改めて灯台を見上げてその高さに驚き、さらに自分が生きていることに驚く。

理佐(私、頑張ったよ……。みんなの仇、取ったよ…………)

灯台の中にいる鈴本と菅井の敵討ちが出来た。
まだ放送で呼ばれていないメンバーを思い浮かべると、一番最初に出て来た人物がいた。

理佐「…………」

もう一度だけ会いたい。
顔を見たい。声を聴きたい。匂いを嗅ぎたい。腕を噛みたい。抱きしめたい。
いっそ全部できなくてもいいから、ただ会いたい。
いつもみたいに笑わせて、安心させて、傍に居させて。
だから、どうか生きていて――。

生前志田に向けられていた想いこそ、今まさにそのメンバーへ抱いているものと同じだと知る。

理佐(これが、愛か――)

今なら一緒に死にたいという気持ちも解らなくはない。
だからと言って進んで道連れにしたいとは思わない。
0477名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 00:09:15.02ID:Y/tPaIj9a
理佐「みんな……。私、会いに行ってもいいかな……?」

鈴本が命を賭けてまで会いたかったのに、自分だけが会いに行ってもよいのだろうか。
後ろ髪を引かれるように悪い気がするも、この気持ちは誰にも抑えられようがない。

一秒でも早く会いたい気持ちが原動力となり、傍らのスナイパーライフルを拾い立ち上がる。

理佐「行こう」

スナイパーライフルを松葉杖代わりに脇に挟み第一歩を前に出す。

理佐「痛ッ――」

脚に激しい痛みが走るも、耐えられないほどではない。
一歩また一歩とゆっくりと小さく着実に歩を進める。
その遅さから好きな人に会うのに途方もない時間がかかることになりそうだ。

理佐(行ける……、会いに行ける……。また会えるんだ……織田に――)

するとはるか前方に人影が現れる。
痛みで目が霞むもそれは探し求めていた織田のシルエットに見えた。
0478名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/08(土) 00:12:03.24ID:41U6IKWgd
本物のリサがスナイパーライフル持っちゃったか…
0479名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 00:12:49.06ID:Y/tPaIj9a
理佐「!!ぉ、だ……!!」

大きい声は出せず、声が届かずともこちらに気づいてた。

??「り、理佐ァッ!!!」

自分を呼ぶ大きな声を聴き、織田ではないことに気付く。

理佐「ぁ、かね――」

織田に見えた人物は副キャプテン守屋茜だった。

理佐(織田じゃなかった……。それより――)

守屋の呼ぶ声は尋常ではなかった。
ただ驚いて叫んだのではない。
まるで恨みでもあるように感じた。

わなわなと震える彼女を見て最悪の事態を想定する。

理佐(既に、あの美穂に出会っていたとしたら……つまり、それを私だと――)
0480名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 00:16:49.00ID:Y/tPaIj9a
守屋「!!!」

理佐は手にスナイパーライフルを持っている。
丸一日前に全く同じ銃で撃たれたことを忘れるはずもなく右二の腕の創傷が痛む。

守屋「――っ」

そして奥の灯台の下に倒れている二人がいる。
遠くて誰なのか判らないが理佐の手にかけられたのだと確信する。

守屋(許さ、ない…………。みんなの仇!!!!!!)

死んでいったメンバーを想い、怒りの炎が瞬時に着火した。

守屋「ぅわあぁあああああああああああああ――!!!!!」

出会ってわずか数秒で銃を向け、引き金を連続で絞る。
0481名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/08(土) 00:19:14.00ID:Jkjjp7i/0
ああ…
0482名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 00:21:22.93ID:Y/tPaIj9a
理佐「――!!」

二発の弾丸が眼前まで迫り来る刹那、理佐は思う。

ゲームの発端は澤部でも愛佳でも他の誰でもない。
この私だ。
欅に入ってしまったからこんな悲劇を生んでしまった。
私がみんなを殺したようなものだ。
入らなければ、いいやいっそ生まれて来なければよかった。
人に愛されたことこそが私の罪。
そして、これが受けるべき罰――。

全ての責任を一身に受け、弾丸を受け入れる。
弾丸は胸を貫き、銃創と口から血を流して地に崩れ落ちる。

理佐(みんな…………。ごめん――――)

渡邉理佐は死んでいった仲間たちの元へ謝りに逝く。
0483名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 00:23:49.26ID:Y/tPaIj9a
守屋「ハァ、ハァ、ハァ……!!!」

息を切らし、尋常ではない発汗で溺れそうになる。

この島に来て、人生で初めて人を殺した。
一人の人間の人生を終わらせた事実に全身が震える。

守屋「理佐…………。どうしてっみんなを……!」

涙を流し、理佐の死を確かめにふらつきながら近寄る。

守屋(確かに、死んでる……。私が、殺したんだ――)

撃たなければ撃たれていた。
殺さなければ殺されていた。

必死に罪の意識を感じないように正当化していた。
そうでもしなければ押し潰されてしまいそうになる。

一体何人が理佐に殺されたのか分からないが仇を取ったんだと自分に言い聞かせる。
0484名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 00:25:19.69ID:Y/tPaIj9a
理佐の死体を後に、灯台の下で倒れている二人の元へ行く。
一目で上から落下して死んだのだと判った。

まず目についたのは志田の死体からだった。

守屋「愛佳ぁ!!っ〜〜〜〜」

志田とは仲が良くシンメでもあり一緒のユニットだった。
仲間の死に幾度目かの涙が決壊する。

泣きながら倒れているもう一人の顔を覗く。

守屋「…………。………………え?」

その死体は先程撃ち殺した理佐の顔をしていた。
何もかもを忘れて頭が真っ白になる。

守屋(……なに、コレ……?だって、アレ――?)

後ろを振り返るとやはり理佐は倒れて死んでいる。移動するわけがない。
0485名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 00:31:17.57ID:Y/tPaIj9a
守屋(アレは理佐で間違いない。コレも、理佐だ。……なんで"理佐"が二人いるの???)

視界が歪み耳鳴りがして、立っていられず膝をつく。
訳が分からない状況に思考が追いつかず目が回る。

ふと分校で澤部に言われたことを思い出す。

澤部『今大会を盛り上げてくれる"転校生"がいるぞー』

守屋「!?てん、こう、せい……?え、22人目の――……」

さっき転校生はなんですぐに撃って来なかった?
持っている狙撃銃で昨日みたいに撃てたはずなのに。
まさか本物の理佐だった?
いやいやそんなことあるわけない。
だって私を撃った銃を持ってるじゃないか。
確かにあの銃で右腕を撃たれた。
でももし同じ顔で同じ銃を支給されていたとしたら?
いやいやありえないありえない。
澤部が初めにそれぞれ違う武器を支給すると言っていた。
転校生は理佐&愛佳と戦ってボロボロに負傷していた。
二人とも頑張ったけど上から突き落とされた?
転校生もあの重傷からして一緒に落ちた?
それで負傷してすぐに撃てなかったんだ。
これで間違いない。理佐なわけがない。あるはずがない。

守屋「うん…………。私が撃ったのは転校生だ……!そうだよ…………絶対……」

わずかな矛盾に目をつむり、転校生を片付けたのだと思い込む。
0486名無しって、書けない?(愛媛県)垢版2018/09/08(土) 00:32:24.11ID:GSETdSwB0
ねんさん・・・
0487名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 00:36:57.96ID:Y/tPaIj9a
守屋(そういえば、さっき何か言ってたような……。あれは――)

先程対面した時に聞こえなかったが何かを口にしていた。
生前言い残した二文字の言葉は何だったのか、口の動きをマネをする。

守屋「お……あ……。お、あ……。おあ……、おだ……、――へ?」

偶然メンバーの苗字を言っていたことに気づく。
自分とそのメンバーを見間違えてたのか。

転校生があの瞬間にメンバーの名前を声に出して言うだろうか。
しかもどこか切なく嬉しそうな顔をして。

守屋「………あ」

自分が撃ち殺した相手は転校生ではなく、二年半苦楽を共にした渡邉理佐だったと確信に変わる。
真実にたどり着き、心が張り裂ける。

守屋(あぁあ……………、あぁあああああああああ……!!!あああああああああああああ・あ・あ……!!!!!!!!)

せっかく理佐が転校生をやっつけてくれたのにその理佐をこの手で殺してしまった。
ボロボロになりながらもみんなの仇を、みんなを守るために倒してくれたのに何てことをしてしまったのだろう。
何よりどうして大好きな理佐を殺さなけばならなかったのか。

守屋「×××……」

様々な想いが押し寄せ大人たちでも転校生でもなく自分自身を呪い心は地の底に落ちる。
胸を撃ち抜かれた感覚に陥り、意識が遠退いていった。
0488名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 00:42:07.87ID:Y/tPaIj9a
ショックで小一時間程意識が飛んでいた。
起きると魂が抜けたようにただぼうっとしていた。
永遠にこのままではいられないのでゆっくり立ち上がる。

守屋「……一体、ここで何があったの……?」

吸い込まれるように灯台の中へ入る。

筒の間を経て部屋に入ると、ここも戦場になっていたようだ。
ナイフが落ち、弓矢が散らばり、血を流して倒れている二人がいた。

守屋「み、美愉ぅ……!!!」

先ず目に入ったのは頭を撃たれ死んでいた鈴本美愉からだった。
腕には矢が突き刺さり、片腕だけで漢字の”十”という字を作っている。

反対側にいるもう一人はうつ伏せで背中にナイフが刺さっている。

守屋(あ……あの髪形、制服……まさか――!!!)

心臓がこれでもかというくらいに高鳴る。
似ているだけかもしれないと言い聞かせ確かめに近寄る。
0489名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 00:46:47.69ID:Y/tPaIj9a
守屋「あっ、あぁ……!!ゆ……ゆ、友香ぁあッ!!!!」

それはずっと会いたかった菅井友香の亡骸だった。
数々のメンバーの死を見てきたが彼女の死が一番悲しく、子どものように喚いて泣き、大粒の涙はしばらく頬を乾かさなかった。

守屋(もう、どうすれば……いいの…………っ)

しばらく泣き続け最早涙は枯れ果て、生きる気力がなくなってしまう。

忙しく泣きたりぼうっとしたりを繰り返し精神が疲れてしまう。

守屋(もっと早くここに来ていたら、みんなを助けられたかもしれなかったのに――)

失った命は元には戻らない。
もう一緒に歌ったり、踊ったり、話したり、騒いだり、笑い合うことができない。

守屋(せめて、あっちでは――……)

外に出て片腕で一仕事する。
0490名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 00:52:17.25ID:Y/tPaIj9a
志田と理佐の死体を中まで運んだ。
野晒しにしておくわけにはいかず、せめてみんな一緒のところにいて欲しかった。
並べた四人の死体を見て思い出が溢れる。

守屋「美愉……」

歌もうまくダンスもかっこよくて美しかった。
夜遅くまでダンスレッスンを頑張って、よく寝不足になって寝ているところを撮られていた。
その小さくて可愛い唇も大好きだった。

守屋「愛佳」

私がやらかしたりスベりそうになる度にちょっとバカにしたような笑いだったけど喜んでくれていた。
いじわるだけど優しい愛佳のことが好きだった。
運動会の時もチームガチを一緒に盛り上げてくれた。
夢の諦めるよう言われたけど私は諦めない。

守屋「……理佐」

いつもクールで、メンバー困ってる時によく助けてあげていた。
ラヴラヴログや番組のりさおクンがかっこよすぎて、本気で目覚めそうになってしまう一歩前まで好きになった。
ペアロケはできなかったけど、いつか映画デートなんかしたかった。

守屋「友香――」

誰よりもチームのことを考えてくれていて一緒にキャプテン・副キャプテンに就任できたことが嬉しかった。
いつも遅くまでチームのことを語り合った日の事を忘れない。
二人でやっていることなんて泥臭く表には出ないことばかりだったけど同じ思想を持つ家族のような存在だった。
また二人ウェザーをやりたかった。

守屋(みんなと一緒に手を繋いで帰りたかったよ……)

四人に別れを告げて灯台を出る。
0491名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 00:56:16.21ID:Y/tPaIj9a
外には転校生の死体だけが残っている。

守屋(あなたは、誰なの?)

理佐と同じ顔を持つ転校生が誰なのか。
昨日一戦交えた時に、全くの初対面という感じではない気がした。
私たちに何の恨みがあるというのか。

正体は謎のまま後に知ることになる。

守屋(行かなきゃ……、生きなきゃ……!死んでいったみんなのためにも――)

理佐のスナイパーライフルを持ち、森へ帰るために歩き出す。
転校生は死に、あとは平手にさえ会わなければ誰も怖がる必要はない。

守屋「誰かに会ったら絶対仲間にするんだ!一緒に脱出しよう!!」

長濱と米谷の脱出方法を信じて今後出会うメンバーを仲間に誘うと心に誓う。
0492名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 01:01:27.93ID:Y/tPaIj9a
森に入りしばらく進むと、ショートカットの少女が立っていた。

守屋「――!!!」

一瞬それが平手かと思ったが、大鎌を持っていることもありすぐに違うと判った。

守屋「ああ!!オダナナー!!」

五番織田奈那がただそこにいた。

織田「………………」

守屋の声に反応し、ゆっくりと振り返る。
目はとろんとしていたが、次第に怒りの表情に満ちていく。

織田「よくも…………、よぐもゆいぼんをおおぉおおおぉおおほほおおおぉおおお゙お゙お゙お゙!!!!!!!」

守屋「――へあ!?」

目は左右別の方を向き、大鎌を持って襲って来た。
0493名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 01:09:13.84ID:Y/tPaIj9a
織田「あーうぉおおおぉおおおぉとなのおねえええぇええええぃいいいぃいいいいいさああああぁぁあああん!!!!!」

完全に狂気に駆られて、涎を垂らしながら目がイっていた。

守屋「ちょ、待っ――!!」

命の危険を感じて止めるのを止めて、逃亡を選択する。

守屋「な、なんで!?オダナナ!!私だよっ!!私が分からないのぉ!?」

逃げながら問いかけるも耳に届かず、大鎌を振り回して追いかけて来る。

織田「ユイボン、の――仇ぃいぃいいいいいいいいひひッ!!!!!いひひのひ!!!!!!」

守屋「!?」

愛しの小林を殺したのだと思い込み怒り狂い一周回って笑い始めた。

織田「絶対に゙仇を討ってあげるからねっっっっっ!!!えふぇふぇふうぅううううふふふううううふぅはーははははひゃはっはははは――!!!!!!!」
0494名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/08(土) 01:13:17.46ID:Jkjjp7i/0
怖すぎて草
0495名無しって、書けない?(家)垢版2018/09/08(土) 01:16:00.81ID:SHotAee90
てっきり次の夜だと思ってたから嬉しい
応援してます
0496名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 01:17:09.71ID:Y/tPaIj9a
守屋「お――オダナナ!!!待ってっ!!!!話を聞いて!!!!」

逃げながら必死に声をかけるも、織田の心には届かない。
捕まったら本当に殺されるので本気で走る。

織田「うえへほおえおろふうふううろほおおほおおほおおーふうっうぇええぁえい!!!!!」

振り回す大鎌は木々を切り裂いていく。
日常では守屋の方が速いが、織田も地味に速く狂気の力で徐々に差を縮める。
負けじと守屋も再加速する。

守屋「……!!!」

このまま逃げ切れるだろうか。
逃げ切れたとして、その後はどうなる。
まだ生きてるねるや奈々未、瑞穂や美波にその刃に襲われるかもしれない。

守屋(私は織田を見捨てない……!!!)

先程の誓ったばかりのことを思い出す。
走りながら荷物と銃を捨て、逃げる足を急に止めて織田へ振り返る。

守屋「織田奈那ァッ!!!!」

両手を広げて織田を抱き締めるように待つ。
0497名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 01:25:24.79ID:Y/tPaIj9a
守屋はいきなり急停止したため勢いを止めきれず、加えて腰が引け自然と身体が後ろへ傾く。

織田「ッッッッッ!?!!?!?」

スライス斬りして来た大鎌は紙一重でかわせて目の前を通り過ぎる。
そのまま大の字で地面に倒れる。

突っ立ったままだったらフリーザのように胴が真っ二つになっていただろう。

殺されかけて尚、倒れた状態から名前を呼び掛ける。

守屋「おだっ、ななぁ……!!」

白目を剥く織田は足元の守屋へ大鎌を振り下ろす。

織田「ああああ………ッ!!!」

迫り来る大鎌にぎゅっと目をつぶり、死を覚悟して息を止める。

守屋「――ッ………、っ?」
0498名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 01:29:53.78ID:Y/tPaIj9a
いつまでも刃が来ず、そっと目を開く。
すると喉元寸でのところで大鎌が止まっていた。

織田の大鎌を持つ手に力が入り、一歩間違えれば振り落とされるところだった。

織田「あ、か……ね――!!?」

白目から黒目に戻り、目を覚ます。
武器を捨てて命を差し出した守屋の行動のおかげだ。

織田「由依の……仇を……取らないど……っ!!!」

守屋「お、オダナナっ!!由依を殺したのは私じゃない!!!私なわけないじゃん!!!」

織田「じゃ……じゃあ誰があ!!!誰が由依をおッ???」

言うのに躊躇いを感じるも教えないわけにはいかない。

守屋「友梨奈、だよ……」

織田「ゆ、り、な――!?」
0499名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 01:34:04.32ID:Y/tPaIj9a
守屋「昨日ゆいちゃんずの呼びかけに駆けつけて……由依が最期に教えてくれたの」

織田「!!」

織田も休戦の呼び掛けを聞きつけて山頂まで来ていた。
距離が遠かったため、既に山頂から誰もいなくなった後にたどり着いた。
その後、恐るべき嗅覚と勘で小林の亡骸を発見したのだった。

織田「…………」

織田は正気に戻りつつあった。
小林を殺されて気が狂い、誰が殺したかも判らず全員を葬り去るつもりでいた。
愛しの人物を誰が殺したのか判明し、考えることは一つだけになっていた。

守屋「この右手だって友梨奈に斬り落とされたんだよ。なんとか逃げ切れてよねみに助けてもらったの」

織田「ヨネが……」

守屋「それとね、ねるとよねみが脱出方法を知ってるの!!!」

織田「えっ!!脱出!?」

守屋「そうだよ!!だから一緒に行こう?私たち助かるんだよ!」

織田「…………」

考えるそぶりを見せ、大鎌を首から離してくれる。
仲間になってくれると解釈して喜ぶ。
0500名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 01:38:09.43ID:Y/tPaIj9a
織田「私は脱出しない。友梨奈を殺す」

守屋「なっ!!何言ってるのお!!もう何人もあの子に殺されてるんだよ!?」

織田「のこのこ脱出したら一生後悔する。由依に顔向けできない」

守屋「由依だってそんなことオダナナに――」

織田「由依は私の生きる希望だった。それを虫けらのように殺しやがって……!!!」

守屋「殺されるよお!?――行かないで!!」

必死の制止の声も届かず、織田は走り出した。
守屋は起き上がり追いかけるも、その速度についていけなかった。

守屋「待ってッ!!お願いだから――」

気合で走るも、織田は崖から飛び降りて消えた。
それ以上追いかけることができず諦めるしかなかった。

守屋「あぁ……!!」

織田を説得できず逃がしてしまったことを悔やむ。
武器と荷物があるところまで拾いに戻り、約束の地を目指して再び歩き出す。
0501名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 01:43:13.50ID:Y/tPaIj9a
しばらく歩き続け米谷と決めた地点Aの近くにまで来ていた。

ずっと自然の森が続いていたが、急に臭いから空気が変わる。
異変を感じてすぐにこの世の地獄かと疑わない惨状を目の当たりにする。

守屋「うっわ……!!?」

そこは何か所か爆発した跡があり、バラバラの肉片が散らばっていた。

守屋(何、これは……!?!?誰?!?!誰がこんなことを……!!!!)

これをやった犯人は誰なのか、被害者が誰なのかも判らない。
腕、脚、内臓等の肉片を直視できるはずもなく目をそらす。

後ずさると何かを踏んだ感触がし足元を見る。
空薬莢を拾い上げて、灯台に落ちていたものと同じだと気づく。

守屋(こ、これは!理佐が……、いやあの転校生が持っていた狙撃銃と同じ弾だ!)

その銃は今自分が持っている。すぐに同じだと確かめた。
0502名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 01:46:46.98ID:Y/tPaIj9a
守屋「……」

ただ殺されたのではなく、最後まで戦って敗れたのだと見る。
死体の身元が誰なのか知る義務があった。

こみ上げて来る胃液を気合で抑え込み、目を開けてバラバラ死体と向き合う。
恐る恐る近づき、一つずつ肉片を見ていく。

守屋(これは――1人じゃない……!2人だ……!!)

四肢の数の多さからして、二人分の肉片だと判った。
転がっている肉片の中から、一つの生首を見つける。

顔を確かめるのが怖い。逃げ出したくなる。
それでも一度確かめると決めた以上最後まで調べる。

生首にそっと触れ持ち上げて対面する。

守屋「あ……。リカ、ちゃん……!!!」

目元が焼け焦げていたが、口や鼻筋から渡辺梨加だと判断した。

守屋「ぁあああ。……。ぁああああああ……!!!!」

何度目かの号泣で地面に怒りをぶくけたくも全く力が入らない。
もはや泣きの描写のレパートリーが尽きてしまう。
それでも守屋の涙は再び湧き、枯れることはなかった。
0503名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 01:52:33.82ID:Y/tPaIj9a
一頻り泣いた後、再び二人の死体を見つめる。

守屋(たぶん、もう一人は菜々香だ……。二人はあの転校生と闘っていたんだ……)

米谷から聞いた0時の放送で呼ばれた三人を思い出す。

上村は平手に殺され、渡辺と長沢はここで転校生と戦っていたのだ。

守屋「菜々香……。梨加ちゃん……!!」

菜々香が幸せそうにたくさん食べていると、見ているこっちまで幸せになって来る。

梨加が笑ってると嬉しくて必ずみんなもつられて笑っていた。

守屋「…………」

片手しかないが手を合わせて、天国の二人の冥福を祈る。
落ちていた遺品を持ち、地点Bを目指し三度歩き出す。
0504名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 01:54:25.67ID:Y/tPaIj9a
・・・・・・

米谷は地点Bの山の中に拠点を構えていた。

今まで落ちなかった半径10メートルに仕掛けた簡易警報器の小枝が地面に落ちる。

米谷「!!」

米谷は辺りを警戒し、しょぼい十手を構える。
額に汗をかき、左右に目を配らせる。

すぐに現れた人物を見て、武器と腰を下ろす。

米谷「お――おかえり。よう帰ってきてくれたな」

??「よかった、ここにいてくれて。もう二度と会えないと思ったから」

米谷「ほんまやな。今なら神の存在を信じてもいい」

??「え、よねみが!?」

米谷「うちもそんくらい再会できたことが嬉しくてな」

二人の会話が耳に入り、横たわって休んでいたもう一人が目を覚ます。
0505名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 01:58:54.04ID:Y/tPaIj9a
長濱「あ……!」

怪我の痛覚より懐かしい人物と再会できた歓喜に満たされる。

長濱「ああっ!!茜ちゃん!!!」

守屋「久しぶり!ねる!!」

一日会っていなかっただけなのに随分久しく感じた。
二人は感極まって抱き合い喜んだ。

守屋は道中数々のメンバーに会った話をする。

長濱「菜々香ちゃん、梨加ちゃん……。ゆかり、美愉ちゃん、愛佳――あと、理佐」

守屋「私が、理佐を殺した……」

米谷「理佐も恨んでへんよ。仕方ないことやったんや」

守屋「……」

それは永遠に確かめることはできないので心の棘は抜けない。
0506名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 02:00:55.34ID:Y/tPaIj9a
守屋「二人はいつから一緒にいたの?」

長濱「夜のうちに、船でドンパチやってたの見えたと?」

守屋「え!うんうん!なんか煙も上がってたし――ってまさか!?」

長濱「あれねるなの。澤部さんたちに襲撃してゲームを止めさせようとしたんだけど、失敗しちゃった……」

守屋「マジか!!すご……。怪我してるけど、大丈夫なの!?」

長濱「米さんが直してくれたから」

守屋「おお!!」

米谷「んな大げさな」

ただの応急処置にやけに持ち上げてくれるので突っ込む。

守屋長濱「大げさじゃなぁいっ!!」

米谷「うぇえ!?」

命を助けられた二人は声をそろえて即答する。
0507名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 02:04:31.05ID:Y/tPaIj9a
守屋「よねみがいなかったら私死んでたんだよ!?直してくれたどころか命を救ってくれて、もう神だよ神!!」

長濱「ねるだってもうふーちゃんが迎いに来てくれたところだったんだから!悔しいけどほんとにありがとね!」

米谷「どういたしまして……」

支離滅裂な長濱は置いといて礼に応える。

長濱「ああいう大きい船には備え付けの非常用ボートがあって、それで帰って来れたんだよね」

米谷「偶然ボートは診療所の近くに打ち上げられてて、あらかたの治療後ここまで来たんや」

守屋「そうだったんだね……」

米谷「それと、もう一人理佐の顔をした転校生か……」

長濱「理佐がこのゲームに乗るはずがないと思ってたけど、そういうことだったんだね……」
0508名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 02:08:38.09ID:Y/tPaIj9a
守屋「あ……あとね、さっき織田にも会ったの」

長濱「オダナナ!!」

米谷「おおっ織田に……!」

守屋「でも、由依の仇を取るって言って行っちゃったんだ……」

長濱「!そう……」

守屋「頑張れば説得できたかもしれないのに……、私は…………」

長濱「仕方ないよ。オダナナにとってゆいぽんは生きる希望だから……」

米谷「願わくば、織田が平手を倒してくれれば一番いいんだけど――」

守屋「……どうか、死なないで……」

三人は心から織田を心配する。
0509名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 02:12:09.69ID:Y/tPaIj9a
・・・・・・

織田は森の中をひたすら獣のように走った。

途中で立ち止まり鼻をラクダのようにひくつかせ進路を決める。
恐るべき嗅覚で仇に近づいていると感じる。

ついに二人は突然の再会を果たす。

織田「ユ――友梨奈ァッ!!!!!!!」

平手「おだ……」

怒りをぶつける織田に対し、涼しい顔で応える平手。

織田「お前だったのかっ……、由依を殺したのはあッ!!」

平手「……!」

織田「絶対に許さなぁあああああああい!!!!!!」

出会ってすぐに戦闘が始まる。
0510名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 02:14:46.79ID:Y/tPaIj9a
先手必勝の平手が機関銃を向けると、すでに織田の姿は消えていた。

織田「ヌッヲヒイエア!!!!!!」

平手「!?」

突如現れた大鎌により、機関銃を弾き飛ばされる。
先刻守屋に見せた狂気錯乱全開で平手に迫る。

織田「しっねえええええええええぇらああああああああああああああああ!!!!!!」

大鎌の切り返しに襲われる平手は日本刀を抜刀し受け止める。
刃と刃がぶつかり合い拮抗する。

織田「おろぉおおおおおおおおらあああああああああッ!!!!!!」

織田が気合を込めると、刀もろとも平手を吹き飛ばす。
尻餅をつく平手の背後に回り込み、首に大鎌をかける。

平手「っ!!」
0511名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 02:19:00.17ID:Y/tPaIj9a
迫りくる大鎌を間一髪で掻い潜り脱出するも、頬を大きく切り裂かれた。
そのまま転がりながら一旦距離を置き、体勢を直す。
裂傷から滴る血は止まらない。

織田「しゃれおつぁーー!!!!!!!」

織田の連続攻撃は立ちどころに制服は破いていく。
防戦一方の平手の脚へ鎌を振る。

平手は飛び跳ねてかわしながら蹴りを繰り出す。
織田は腕で防御し、その足をわしづかむ。

平手「!」

織田「つえっへえええいぃ!!!」

そのまま地面へビタンと叩きつける。

平手「っ――」

何とか受け身を取ったが、ダメージは小さくなかった。

織田「くわっくわっくわっ!!!!!」

寝っ転がっている平手の顔めがけて次々と鎌を振り下ろす。
それを後ろへ転がりながら躱され、一人畑を桑で耕しているみたいになっていた。
0512名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 02:21:40.45ID:Y/tPaIj9a
渾身の一撃を振り下ろす。
紙一重でかわし鎌が地面に鎌が埋まると、カウンターの腹へ蹴りを叩きこむ。

織田「ごっは!?!」

蹴りがみぞおちに入り膝をつく。
その隙に日本刀を拾われた。

織田「ゆ〜〜り〜〜ぬァ〜〜〜ッ!!!!」

仇を恨みの込もった目で睨み付ける。
その顔は真っ赤で、狂ってるというに相応しい表情をしていた。

平手「……!」

初めて恐怖を覚え、たじろぎかける。

織田「ていっ!!!」

大鎌を平手へ投げるも躱される。
武器を持っていない織田へ特攻する。

平手「!?」
0513名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 02:24:33.89ID:Y/tPaIj9a
平手「!?」

すると背後から空を切り裂く音を察知し、咄嗟に地面に伏せる。
大鎌はブーメランのように織田の手元に戻って来た。

伏せていなければ上半身と下半身はさようならしていただろう。

織田「×!!」

大鎌でエックス刈りを繰り出して来た。
後方へ退いてかわすも、制服のセーターがXの字に裂かれた。
珍しく焦りと不安で小さく息を切らす。

平手「はっ、はっ……」

小林を殺され限界以上の力を引き出している。
未だかつてここまで平手を追い詰めた人物はいない。
織田は間髪入れずに勝負に出る。

織田「んんんんんんなはははっはっははは!!!!!」

今度は急に笑い始めて大鎌を遠心力で回し、自身もコマのように回転し始めた。
0514名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 02:27:41.95ID:Y/tPaIj9a
平手「ぇ!?」

素っ頓狂な技を前に思わず驚嘆の声が零れる。
それは回転しながら迫り来る。

そこへ刀を切り込むも、回転する大鎌に阻まれ次の回転斬りに襲われる。
目の下を斬られ、幾度目かの後退をする。

織田「っははっははっはっはっはっははっはっははははのは!!!!」

平手「…………」

ずっと回転することはできまいと距離を取りながら攻撃が終わるのを待っていた。
その考えは甘く、時間が経つにつれて回転はますます速くなっていく。

背に木がぶつかり、逃げ場を失う。
例え木の後ろに隠れても、素早く回り込まれてしまうかもしれない。
後退は悪手と意を決して刀で防御を試みる。

次々に迫りくる大鎌に弾かれるも、刀を合わせて弾き流す。

織田「ダニダニダニダニダニダニダニダ二ダニダニダニダにダニダニィ!!」

二人の間に火花が散り、次々と平手に生傷をつくっていた。
このままでは致命傷に刃が届くのも時間の問題である。
0515名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 02:32:39.26ID:Y/tPaIj9a
平手「っ――うわあああああああああああぁああああああああああああああああ!!!!!!!!」

逆境に追い込まれて絶叫し、さらなる進化を遂げる平手。
織田の回転斬りに少しずつ対応していく。

織田「ナナナナナナナナナナナナナナナナナナナナナナナナナナナナナナ!!!!!!」

負けじと織田の回転も最高速度に達し、愛の力で押し始める。

織田「仇討ち取ったりィイイイイ!!!!」

戦国武将のように早くも勝利宣言をし、大鎌を顔めがけて振る。

平手「Discode」

そう小声で呟き、大鎌の刃ではなく付け根の棒を一太刀で斬る。
切り離された刃の勢いが止まらず平手の顔へ飛ぶ。
それを見極め、口で噛み受け止めた。

織田「カッパロ!?!?」

両の口端が切れ、顎へ血が伝う。
咥えている三日月の刃を吐き捨てる。
0516名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 02:41:13.12ID:Y/tPaIj9a
織田「っ――きえええぇえええええええええぇいッ!!」

刃を失いただの棒っ切れだけになっても退かず平手へ振るう。
それをひらりと躱され、左肩から胸にかけて斜めに斬り下される。

織田「ギャッハ……!!!!」

血しぶきを飛び散らせながらゆっくりと後方へ倒れる。
すかさず刀を喉元に突きつけられる。

織田「あ」

もう間もなく命が終わる直前に、胡蝶の夢を見る。

彼女と街をお出かけをしている。
まだ寒い日に温かいタピオカを飲み、ずっと行きたかったカフェへ行きSNS映えするパフェを食べた。
その後は兎カフェに行き、戯れている彼女を見て癒される。

これは何だ。
神様が最後に見せてくれているのだろうか。
由依とデートなんてできるわけないじゃん。
今思えば誘うチャンスなんて百万回はあった。
同じグループで活動し毎日会っていて、触れられるほど近くにいた。
なのに誘えなかったのは断られるのが怖くて臆病だった自分のせいだ。
もしこれが夢で目が覚めたらいつもの日常だったら、勇気を振り絞って誘ってみよう。
大好きだよ、由依――。

織田「連れて行って……。由依の所へ――」

これが現実でも夢でも愛しの人の元へ行けると死を迎い入れる。

平手「……」

それに応えるため一閃の斬撃が襲い、織田奈那は喉を捌かれ息絶えた。


残り6人
0517名無しって、書けない?(中部地方)垢版2018/09/08(土) 02:55:09.00ID:1Y9RZTfi0
思ったんだけど>>1は学生さん?
高校生くらい
0518名無しって、書けない?(SB-iPhone)垢版2018/09/08(土) 03:05:11.29ID:vjGGJBM1p
お疲れ様です楽しみにしてました
みいちゃんが気になるなあ
0519名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/08(土) 04:00:33.71ID:tQOgWcBFd
激アツすぎて寝れんわ。今から走り込みしてくる
0520名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/08(土) 06:53:19.20ID:BaO2b8cqd
お見事でございました
0521名無しって、書けない?(家)垢版2018/09/08(土) 07:10:29.83ID:oHwIPAA+0
>>517
なんでも知りたがる個人情報詮索おじ
0522名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 09:17:19.41ID:Tn5qOdPba
>>516
次の更新は、何時ごろでしょうか?
0523名無しって、書けない?(家)垢版2018/09/08(土) 10:55:12.50ID:/12EVaxF0
>>516
>>522
こうゆう質問するやつらって自分のことしか考えてない仕事できないタイプ
0524名無しって、書けない?(やわらか銀行)垢版2018/09/08(土) 11:15:50.79ID:95Ba480r0
静かに読めや
0525名無しって、書けない?(アメリカ合衆国)垢版2018/09/08(土) 11:30:06.52ID:kus2XLiX0
やっぱ理佐生きてたか
てかまじでみいちゃんどうしたんw
0526名無しって、書けない?(愛媛県)垢版2018/09/08(土) 11:38:50.71ID:GSETdSwB0
みいちゃんは琴弾の役割だとしたらこの後・・・
0527名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/08(土) 11:41:56.07ID:c7/AzrG0d
最後にキタノの水鉄砲の1件は
さすがにないだろうなぁ…
サワビがそんなことしなさそう
0528名無しって、書けない?(愛媛県)垢版2018/09/08(土) 11:43:35.68ID:GSETdSwB0
首輪付けたツッチーがサッカーボール片手にユニフォーム着て出てくるんじゃないの?
0529名無しって、書けない?(SB-iPhone)垢版2018/09/08(土) 12:21:19.39ID:uzYI0EkOp
>>527
サワビはそんな人情みたいなものはない
0530名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 14:32:54.25ID:sAE0cWMxa
岩井さん助けて!
0531名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 16:10:47.69ID:Kl/cMR2wa
第八話

12:00

澤部『えー正午の放送をしまーす!』

土生「12時か……」

土生は北の山の中で六回目の放送を聞く。

澤部『まずは死んだ人を発表するぞー。十番志田愛佳、十一番菅井友香、十二番鈴本美愉。二十一番渡邉理佐』

土生「友香っ……!!みんなも……!?」

澤部『それから〜二十二番渡邉美穂』

土生(!?ミホ……?そんな子うちに……ってニ十二番!?転校生!!)

澤部『ラストー五番織田奈那。以上!』

土生「奈那ちゃん…………」

たくさんのメンバーが呼ばれる中、六番の名前が呼ばれなかったことに胸を撫でおろす。
0532名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 16:16:39.86ID:Kl/cMR2wa
二十二番で呼ばれ"ワタナベミホ"というよくいそうな名前は身近で聞いたことがあった。
ひらがな2期生に同じ名前の子がいたことを思い出す。

土生(まさか――いや、どうしてあの子が?意味わかんないよ…………)

二十二番目=転校生=渡邉美穂。
何の理由で島に来て殺し合いに参加しているのか。
自分たちと同じように巻き込まれただけなのか、あるいは――。

何にせよ転校生が死んでくれたことに安堵を覚える。
転校生が亡き今、ゲームに乗っているのは平手一人だけだ。

六回目の放送が終わり6人のメンバーが減り、現在島に生き残っているのは6人だと知る。

六番  小池美波
十四番 長濱ねる
十五番 土生瑞穂
十七番 平手友梨奈
十八番 守屋茜
十九番 米谷奈々未

土生「みいちゃん……」

米谷から託された眼鏡型探知機で小池を探す。
0533名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 16:18:56.61ID:Kl/cMR2wa
言えば背の高いことから"カッコイイ"と言われることが多かった。
そんな自分に彼女が言ってくれた言葉が忘れられない。

ちょうど二年前、デビュー曲『サイレントマジョリティー』のMV撮影の寒い冬の夜。
渋谷の工事現場で、初めの一本目を撮り終えVチェックをしていた。

見学に来ていたねるはみんなに懐炉を配っている。

石森『てち子オーラすんごい!』

今泉『やばすぎぃ……!』

上村『むむ!てちかっこいい!』

尾関『てちヤバくない!?』

織田『やっぱ友梨奈は別格だな!』

小池『ほんまに中二か!?』

小林『……勝てない』

齋藤『完璧かよ!』
0534名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 16:21:31.85ID:Kl/cMR2wa
佐藤『1サビのモーゼのところとかカッコ良すぎて鳥肌が立ちすぎてもう涙出てきた〜〜!』

志田『パなっ!』

菅井『てちすごいじゃない!!』

鈴本『――!?!?』

長濱『みんなかっこいー!』

土生『天才だ……!』

原田『ひらちやるじゃん!』

平手『えへへ!』

守屋『てっちゃんすんごい!!』

米谷『これは売れるで』

渡辺『…………!!』

渡邉『ほんとすごいね……』

メンバーから賞賛を送られ平手はキャロラインな笑顔で照れている。
鈴本は顔芸で、渡辺は瞳で物語っている。
0535名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 16:28:18.33ID:Kl/cMR2wa
圧倒的パフォーマンスを前に足元にも及ばないと痛感させられた。
呆然としていると突然後ろから声をかけられる。

小池『さすがてちやね』

土生『みいちゃん!あ……あの子は天才だよ』

小池『あの子もすごいけど、私は土生ちゃんもすごいと思うよ』

土生『え!?』

小池『長い手足が伸びるしなやかな動きと迫力のあるゴリラダンス?あと、凛々しい表情がかっこいい!」

土生『ダンスやってたからかな……。それでも未経験のあの子には――』

小池『あ、一つだけ言わしてもらうと……』

ダメ出しされるトーンで前置きされ何かと気になる。

小池『土生ちゃんてかっこいいけど……めっちゃ可愛いよね!』

土生『――エエ!?』

その後「言っちゃったー!」という顔をしてどこかに行ってしまった。
まだそんなに親しくなかった頃なのに、落ち込んでいる自分を勇気づけるために言ってくれたのか。
あんな可愛い子からお世辞でも初めて"可愛い"と言ってもらえたことが嬉しくて胸を締め付けられる。
それ以来彼女の笑顔が夢に見るほどで、今まで知らなかった感情を抱きっぱなしだ。
0536名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 16:31:53.71ID:Kl/cMR2wa
土生(ああ、神様――。どうか彼女にもう一度だけ逢わせて下さい!!)

周囲6キロ程の島を探し回って、ここまで来たらもう神頼みしかない。
生きているうちに再会しなければ生まれてきた意味がないとまで思い神を心から信じる。

その時、天に願いが届いたのか木の零れ日に天使が降臨する。

土生「!!み……みいちゃん!!」

小池「……!」

それは夢にまで見た六番小池美波だった。
近づいて手を差し伸ばそうとする。

土生「みい――」

小池「い……嫌!!」

土生「!?……えっ?」

小池「こ、来ないでッ!!」

泣きながら相変わらずの甘い声で拒絶し、武器の鈎爪を向けながら後ずさる。
土生の持つスナイパーライフルを見て怯える。
0537名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 16:36:01.13ID:Kl/cMR2wa
小池「嫌っ!!ころ、コロさないで……!」

土生「はあ……!?」

何故守りたいと思ってる人間にその逆の行為をしなければならないのか。
なりふりかまわず武器と荷物を捨てて正直な気持ちをぶつける。

土生「バカ――!!!!」

小池「どふぇ!?」

おバカで定評のある土生から「バカ」と言われ素っ頓狂な声が出る。
目をつぶり拳を握りしめて熱弁する。

土生「私がみいちゃんを殺すわけない!!そんなこと死んでもっ、ぜ〜〜〜ったいありえなーい!!」

小池「……っ!!」

土生「だから、一緒に――……え?」

ふと小池へ視線を戻すと、視界から消えていた。
遠くに目をやっても後ろ姿すら見えなかった。
何十時間も走り回り探し続けてようやく見つけたのに一瞬で逃げられてしまった。
「バカ」と言ってしまったことで嫌いになって逃げて行ったのだ。
もう何もかも生きる気力も失せて何も考えられなくなった。
0538名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 16:42:53.71ID:Kl/cMR2wa
こんな一瞬でも会えただけでも良いのか悪いのか絶妙な線だった。
神様に感謝した方がいいのか、または恨むべきなのか悩んでいると籠った声が聞こえた。

??「ごべんなざい!!!」

足元から聞こえ下を見ると土下座している少女がいた。

土生「ぇ……!?」

怒りと涙で深々と地面に頭を下げ謝罪する小池。
高い身長で遠くを見ていたから足元が死角になっていたのだ。
疑っていた自分が恥ずかしくなり、倣って武器を捨てる。

小池「私、土生ちゃんになんてことを……!ほんまにバカや!アホ!ドヂ!マヌケー!!おたんこなす!カボチャ!!」

自分へ叱咤の暴言を吐く。
あまりの高低差に頭が混乱し、安心して腰が抜ける。

土生「よ、よかった…………」

小池「だ、大丈夫!?」

目線が小池と同じ目線になり、手を差し伸べられ手を取る。
0539名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 16:46:40.25ID:Kl/cMR2wa
土生(手繋いじゃった!!いやいや学生か!でも――)

好きな人と再会できたことが嬉しい。
目を合わせて、手を繋げたことがこの上なく嬉しくてもう殺されてもいいとさえ思ってしまう。
どうせ今日死ぬかもしれないなら一緒に生きる道を考える。
改めて言いかけていたことを伝える。

土生「みいちゃん。一緒にいよう!」

小池「うん!」

二人は手を取り合って見つめ合う。
静かな自然の中、世界で二人しかいない錯覚に陥る。

土生は永遠にこの瞬間が続けばいいと思う。
小悪魔的に小池がほほ笑むと照れて目をそらす。

土生「さてと――」

沈黙を破り立ち上がって言う。
0540名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 16:48:34.96ID:Kl/cMR2wa
土生「そ、それじゃ、行こっか」

小池「ん?どこへ?」

土生「脱出できるみたいなんだよね」

小池「だ、だっしゅちゅ〜〜!?」

驚きのあまり舌が滑りうまく言えなかった。
そんな彼女が余計愛おしく守りたいと思った。

土生「米さんと茜、それから合流してればねるもいるはず」

小池「え、ホンマに……?」

米谷たちと落ち合うため決めていた場所を目指す。

土生(やったよ茜!美波は見つけたよ。今行くから――待ってて)

二人は手をつなぎながら森の中を駆ける。
0541名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 16:57:00.48ID:Kl/cMR2wa
途中、小休止のため川岸で腰を下ろす。

土生は島の状況を話していた。

原田の死体を発見したこと。
診療所で守屋と米谷に会ったこと。
平手がゲームに乗っていること。
今泉の死体を発見し、転校生に襲われたこと。

今泉の遺品であるクナイを出して見せる。

小池「そっか……。ずーみんから、それを……」

土生「このクナイはずーみんの形見なんだ」

小池「また一緒に遊びたかったのに――。みんな、本当に死んでもうたんやな……」

一昨日まで当たり前に一緒にいた仲間たちはもうこの世にはいない。
ウォッチで放送を聞いていたが、分校でマネージャーと佐藤の死体しか見ておらず実感が湧かなかった。

誰よりも怖がりな小池はゲーム開始直後から先程いた場所でずっとじっとしていた。
土生が見つ出すまでは誰とも遭遇せず生き残っていたのだ。

これも探知機のおかげだと米谷に感謝する。
0542名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 17:01:42.11ID:Kl/cMR2wa
スナイパーライフルを小池に渡す。

土生「転校生も使ってた銃だからみいちゃんも撃てるはず。持っていて?」

小池「え?でも、土生ちゃんは……」

土生「私は射程圏内ならこの長い槍で対抗できるから、今までもこれで生きて来たし」

棒として持っていたが小池と会えた今、守ることを優先に考え先端に槍を装着している。
武器は殺傷力が増しさらにリーチが伸びて誰よりも有効的に使いこなせていた。

土生「それと、もし誰かが近づてきてもこれがあるから」

眼鏡型探知機を外して見せる。
チョーカーのGPSに反応し半径15メートルまでなら探れる代物だ。

小池「ほえ〜〜これはすごい!!」

土生「これがみんなを見つけられる脱出のチケットなんだ」

小池「あ〜はよ米に会いたいわー!」

土生「……」

こんな些細な事でも妬いてしまう。
小池はずっと一人きりだったと言う。
ずっと探し回っていた自分より同郷の米谷の方が会いたかったのと思ってしまう。
0543名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 17:11:11.24ID:Kl/cMR2wa
小池「行こっ!」

土生「あんっ」

水分補給と小休止を終えて移動を開始する。
腰を上げて、目的地を目指して再び走り出す。

森の中を自然と先行して走るのは小池ですぐ後ろを追いかけるように走っていた。
護衛は対象者の斜め後ろにいるのが基本であり、前からもすぐに気付け後ろからも守ることができる。

その小さい後ろ姿を見ていろいろ考えてしまう。

出会ったら真っ先に気持ちを伝えようと思っていた。
しかし言うタイミングを逃していた。
再会した時も、先程休憩した時もとても言えるような雰囲気ではなかった。
ではいつ言うのか。
言ったとしてもし振られてしまったらどうしよう。
いきなりこんなことを言ってドン引きされてしまったら関係が終わってしまうかもしれない。
楽しく一緒にいられるのであればこのまま何も言わない方が吉ではないか。

土生(いいや、私はバカだ!いつまでうじうじめんどくさいこと考えてる?こんな状況でいつ死ぬかもわからないのに……今言わないと永遠に後悔する――!!)
0544名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 17:13:41.57ID:Kl/cMR2wa
意を決して、急に立ち止まり名前を呼ぶ。

土生「美波!!」

小池「!!……へ?何?」

急に呼び止められて振り返ると、真剣な眼差しを向けていた。
いつもは愛称で呼んでくれるのに、いきなり呼び捨てになったことに驚く。

土生「私……、美波の事が…………」

小池「!」

土生「初めて会った時から、ずっと――」

小池「ヒッ」

土生「?」

吃逆をしたのかと思った。でもそうではなかった。
一瞬のうちに白い顔は青くなり、その目に涙を浮かべる。

土生「みな――?」

焦点が合っていない。
視線は自分ではなくはるか後方に向けられている。
0545名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 17:16:49.27ID:Kl/cMR2wa
後ろからズザァと山の斜面を滑り降りる音が聞こえる。
嵐は突然に、現れたのは平手だと小池が気づく。

平手はマシンガンを二人に向けて引き金に指をかける。

土生は振り返りながら懐にあったクナイを飛ばす。

平手「!」

飛来物を避けるか構わず撃つかで迷い体が固まる。
クナイはそのままマシンガンを握る指に刺さる。

平手は痛覚に襲われてマシンガンを地面に落とす。

間髪入れずに迫り来る土生に抜刀する。

土生「タァ!!」

長い腕から振り回す槍は遠心力が加わり、抜刀したての日本刀を彼方へ弾き飛ばした。
しかし振り切った槍の柄を蹴り上げられ弾き飛ばされる。
0546名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 17:20:29.11ID:Kl/cMR2wa
土生「くっ――、このぉ!」

右ストレートを繰り出すと、右ストレートで応じて来る。
二人の拳はぶつかり合い、光って弾ける。

体格差は圧倒的に有利なのに、押し負け数メートル後退させられた。

土生「なにっ!?」

剥がれけた数枚の爪と拳から流血する。
負傷した右手を見て、死に近づいていることを感じ鼓動が高鳴る。

対して無傷のまま無表情でその場に仁王立ちしている平手。
守屋から奪った拳銃を持っているが接近戦では不利だと出さないでいた。

土生(平手っ……やっぱり天才だ!!こんな場所でも……むしろここに来て――)

平手がゆっくり歩み寄って来る。
とっさにアニメでよく見るファイティングポーズを構える。

小池「土生ちゃんっ!!!」

腰を抜かした小池に心配して呼ばれる。
0547名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 17:23:31.89ID:Kl/cMR2wa
土生(勝てるのか……こいつに?守れるのか……この子を――!)

気づいたら眼前まで指が迫っていた。

土生「!!うわッ」

先手目潰しを紙一重でかわす。
爪が右瞼を掠めて切れ血が目に入る。

土生「うっ!!」

追撃して来る平手と、離れている小池が視界の端に映る。

小池「ハヴチャ――!!」

土生(美波…………、美波っ!!!)

平手の力のこもった右ジャブ、左フックを後退しながらかわす。

土生(守らないと!命に代えても!!だから……容赦なんてしてられない!!!)

次の右ストレートをかわし、懐に入り拳を握る。
0548名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 17:28:33.37ID:Kl/cMR2wa
小池「!?土生ちゃ……っ?」

初めて見せる土生の鬼の形相に小池がたじろぐ。

土生「うぉおあああああ――!!!!」

カウンターの右拳を左頬に叩き込む。
退かされた平手の口の端が切れ出血する。

土生「あ――たたたたたたたたたたたたたあたたたたたたたたたーッ!!!!!!!」

正拳付き、張り手、手刀、貫手などを右左交互に繰り出す。
小池を守るために振るう拳が平手を襲う。

手応えはあったが、防御もされている。
攻撃の量で圧倒するも、それでも連撃の嵐を掻い潜り拳を繰り出して来た。

土生「はいいい!!!」

長い腕から繰り出される正拳が先に着弾し、敵の攻撃を届かせない。

平手「…………」

平手は反撃を諦め、防御に専念する。
0549名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/08(土) 17:31:29.32ID:IZrgLxLxd
とうとうあの戦いが始まってしまった・・・
0550名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 17:33:31.50ID:Kl/cMR2wa
防御を覚えた平手は段々をキレがよくなり、やがて踊っているかのように綺麗に見えた。

土生(!!ダンス……!?)

3rdシングル『二人セゾン』のソロダンスを思わせるような動きで全ての連撃を防ぎ、かわし、いなし始めた。

土生(バカな!?もう対応して来た!!!なら――)

土生は両手の攻撃に加えて、足で前蹴りを繰り出す。
平手の腹部に入り吹っ飛ばした。

小池「やったー!」

平手「・・・」

平手は腹を抑え、瞳に闇の炎がつきすぐに突っ込ん来た。

土生「!!!あーたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたー!!!!!!!」

今度は両手両足の連撃を繰り出す。
平手は防戦一方で全ての攻撃を防ぎきれず、顔や腹に打撃が入っていた。

彼女の長い手足はモデルやダンスのためのものではない。
人間本来の原始的な戦闘にこそ最も向いていた。

土生(い――イける!!!)

平手をボコボコにしていた、かに見えていた。
0551名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 17:37:29.81ID:Kl/cMR2wa
四肢から繰り出す連撃すらも順応され始める。
小林から始まり今泉、織田、そして土生いや人間の連続攻撃は通用しない。

土生「!!?」

パンチをかわし、キックを避け、全ての攻撃を回避されている。
徐々に打撃の感覚が消えていくことに気づいている。

土生(全て、かわされている!?こんなに近くにいるのに――決して届かない……)

センター平手には誰も敵わなかった。
4thと5thではフロントで平手の近くにいたが、表現力や魅力全てにおいて足元には及ばないと解っていた。
ここでも圧倒的な力の差を見せつけられ、攻撃に力が失い始める。

小池(なんちゅう反射神経や……!ほんまに人間やない!!!)

傍らで震えて上がり座りながらも逆に背筋が伸びていた。

こちらの攻撃の番である限り反撃されないと思い連撃を止めない。
一瞬だけ平手の首に隙が生じたように見えた。

土生「――ほあたあっ!!!!」

すかさず最速にして渾身の手刀を首めがけて放つ。
0552名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 17:39:49.24ID:Kl/cMR2wa
平手はそれを待っていたように見切ってかわしつつ攻撃を加える。

小池「へ」

攻撃された土生を傍観している小池の心が崩れる。

土生「痛っ――!?」

繰り出した手刀に激痛が走り、急いで引っ込める。

土生(何?!なんで痛い!?一体何をされ――……)

右手を見ると赤い指が生えていた。

土生「うっ……、あっ」

正確には人差し指から小指まで第一関節より切断された。
心拍数とともに血が噴き出し、その勢いが激しく赤い指が生えてように見える。
0553名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 17:43:31.89ID:Kl/cMR2wa
地面に落ちている四本の指を見る。

土生(――何?私の……指?なんで?何が起きた?え?は?あ――夢?)

指がなくなり夢ではないかと疑う。
平手は隙だらけの土生を見逃さず顔へ追撃する。

土生「!!!」

小池「あっ」

時間が遅く流れるのを感じる。
ただの喧嘩ではない。命のやり取りをしているのだ。
とりかえしがつかないものを奪われ改めて実感する。

土生「ヴグッ」

小池「は、は……土生ぢゃんッ!!!!」

大粒の涙を流し土生へ腕を伸ばす小池。

土生「痛――――いいいいいいいいいいい゙い゙ぃ゙い゙い゙い゙!!!!!!!」

今度は右目からクナイが生えていた。
それは今泉の形見でもあり、先程自分が投げたものだった。
無意識に痛がるよりまずは平手との距離を取る。
0554名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 17:47:35.35ID:Kl/cMR2wa
眼球を抉られて完全に右目は光を失った。
痛いどころの騒ぎではない。
指を切断された痛みが緩和するほどの激痛にショック死寸前で持ち堪える。

土生「カハ――……!!!!!」

夢を夢だと自覚すれば数秒後に目が覚める。
しかしこれは現実であり覚めることはなかった。

土生(ゆ、夢じゃないッ!!?ひ、平手ェ〜〜〜〜っ!!!)

ただ立っている平手が鬼のように見えた。

右目はなくなり、右手の指もなくなった。
この状況から逆転して勝てるわけがない。

土生(し、死ぬ――。こ、殺される……!!!)

もう東京に帰れない。
やっていたゲームの続きをプレイすることができない。
アニメの最終回を見ることができない。
家族にも友達にも会うこともできない。
生きていることができない。
0555名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 17:50:54.67ID:Kl/cMR2wa
平手「もういいよ」

土生「!!ヒ、ラ、手!?」

初めて口を開いた。
何が"もういい"のだろうか。
もしかして殺さないでくれるのか。

平手「私が全部終わらせるから」

土生「!?」

次の瞬間、殺意のオーラに完全に飲まれる。
全身が硬直しつつ、脱力していく矛盾。

黙って殺されるしかない。
抗ったところで敵わないと脳が判断して戦闘態勢を解く。

土生(みんな、殺されるんだ…………。こんなやつに敵いっこないんだ―――――)

その時、その場に銃声が響く。
0556名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 17:52:19.09ID:Kl/cMR2wa
平手「!」

弾丸は土生と平手の間を通り過ぎていった。
銃声がした方を見ると、スナイパーライフルを持つ少女がいた。

小池「は――土生ちゃんは……、瑞穂は!!うちが守るッ!!」

土生「みぃ、美波……っ!!」

愛称ではなく名前で呼ばれたことより、"守る"と言われた事に驚く。
我に返り、平手が来る前のことを思い出す。

土生(そうだ――!!)

言いたいことがあるんだった。
やっぱり美波は可愛いよ。
好き好き大好きやっぱ好き。
やっと見つけたお姫様なんだ。
私が生まれて来た理由、それは美波に出逢うため。
これから一緒に人生を歩んでいきたいんだ――。
0557名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 17:57:21.97ID:Kl/cMR2wa
平手「……」

平手は小池に向かって歩み出す。

小池「うわー!!!」

再び引き金を絞ると、弾丸は彼方へ飛んでいく。

小池「!?ああああああ!!」

生まれてこの方射撃など当然やったことがなく当たらない。
続けて発砲すると今度は平手に向かって飛ぶも弾道を見切り最低限体を動かしてかわす。

小池「え?エエ!?何!何で?何なん!?」

土生(銃すらも通じないのか……!!)

四・五発目も体を仰け反ってかわされ、弾切れした途端に襲いかかって来た。

小池「ヒッ!!」

土生「――美波ィイイッ!!」

平手を追いかけて、落ちている槍を拾い背中めがけて突く。
0558名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/08(土) 17:58:28.63ID:IZrgLxLxd
いやあああああああ
0559名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 18:03:11.70ID:Kl/cMR2wa
槍は空を刺し、忽然と平手の姿が消えた。

土生「?」

代わりに小池と対面することになる。

土生「美波……」

小池「瑞穂」

目と目が合い少女たちは恋に落ち、時が遅く流れる。
二人の間に枯葉がひらひら空から舞い降りて、地面に着地するまで時間を持て余していた。

土生(か、可愛い……)

何秒も何分も何時間も何日も何年もずっと見つめていたい顔に見惚れる。
今は怯え切って泣いているが、見たいのは目を細めて笑うスマイリーな彼女だ。

そんな束の間の憩いに終わりが訪れる。
土生の背後から小池もろとも串刺しにするように鋭利な手刀が迫る。

小池「!!!ああっ」

目の前の小池の瞳に平手が映っている。
それは自分の後ろにいて、まさにとどめを刺しに来ているところだった。
0560名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 18:10:51.61ID:Kl/cMR2wa
目の前の小池の瞳に平手が映っている。
それは自分の後ろにいて、まさにとどめを刺しに来ているところだった。

避ければ小池に凶刃が届いてしまう。避けれるはずがない。
持っている長い槍を振り回すこともできない。
幸いなことに時間が遅く感じる中自分だけが速く動け、ノールックで振り返りながら裏拳を放つ。

平手「!」

小池「!!」

拳は平手の顎に炸裂し顎関節を外した。
平手はそのまま後退し、顎を抑える。

土生「世界には愛しかない」

2ndシングルの表題曲を言った。

小池「せか、あい……?」

土生「絶対、守るから。見てて」

小池を隅に寄せて平手と向き合う。
全身が愛のパワーに満ち溢れる。
0561名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 18:14:00.48ID:Kl/cMR2wa
平手「……」

外れた顎をはめ直し、土生へ飛び蹴りを放つ。
それを華麗にかわし、昇竜拳で吹っ飛ばし大樹へ叩きつける。

小池「キレイ……!」

拳を天に上げてくるりと回転する姿は美しく惚れ惚れする。

再び特攻する平手。
激しい攻防の末、わずかに土生が押していた。

土生「つあ!!!」

土生の長い脚が腹を捉えた。
平手は膝をつき腹を抑え込む。

小池(か、勝てる――!!)

平手「…………」

前髪が目元を隠し、表情がうかがえない。
ぶつぶつを声が聞こえ、口が動いているのに気づく。
0562名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 18:15:34.71ID:Kl/cMR2wa
土生(……何?何か、言っている?)

平手「は……は……」

土生「は?」

平手「土生は二十歳……。二十歳は大人……」

土生「何ッ!?」

平手「サイレントマジョリティー」

小池「うそっ」

平手の目つきが一変し、史上最凶なオーラを醸す。
身の危険を感じ、最警戒で身構える。

突然視界から平手が消え、一瞬で懐に入られる。

土生「んなっ!?」
0563名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 18:17:20.90ID:Kl/cMR2wa
驚き退く土生の足元に踏み入り、胸へ張り手を打ち込む。

土生「ガッハ!!」

重い音が響き、5メートル飛ばされた。

土生(くっ、なくなった左目の死角から……!!ヴっ――)

肋骨が折れ血を吐き、呼吸するだけで激痛が走る。

土生「ゴッボ!!!グガハ――」

小池「み、瑞穂ォ!!!」

よろめきながら立ち上がり、悪魔へと立ち向かう。

土生(これでもダメか――。それでも、絶対に美波を守る……!!!)
0564名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/08(土) 18:19:17.20ID:c7/AzrG0d
始まってしまった…
0565名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/08(土) 18:20:50.62ID:4lz7hWETM
みいちゃんずっと隠れてて急に登場したと思ったら殺し合いに巻き込まれて大変だなぁ、、
0566名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/08(土) 18:22:03.11ID:c7/AzrG0d
>>563
無くなったのは右目…いや、そんなことはどーでもいいや面白いから。
0567名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 18:28:29.00ID:Kl/cMR2wa
平手は勝負に出る。

サイレントマジョリティーモードで土生を攻撃する。

土生「づッ!!!」

土生は一発一発致命傷になる拳や蹴りを必死に受けて耐えていた。
反撃しないで防御に徹するも、攻撃力の高さに防ぎきれない。

それでも目的を遂行するために、痛みを我慢し膝をつかない。
受けながらある地点まで立ち止まり、そこで防御を解く。

土生「心臓を捧げる――」

右拳を左胸に当て、直立する。

小池「ああッ!!!!ダメェ!!!!」

平手の最強の右をモロに喰らい、彼方へ吹っ飛ばされた。

土生(み、な、み――……)

二度と起き上がることができないほどの致命傷を受け、崩れ落ちる。

小池「ミヅホ――!!!」
0568名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 18:33:16.49ID:Kl/cMR2wa
平手は小池へ歩き出す。

小池「こ、このダボが!!よくも瑞穂をぉお!!!」

平手「……」

声を震わせ怒りをぶつけるも響かない。
小池の前に立ち止まると、懐から拳銃を取り出して向ける。

小池(!!コロサレル!?……助、けて……!!瑞穂――)

奥歯を鳴らし、涙を流しながら救いを祈る。
その時銃声が鳴り響き、平手の動きが止まった。

小池「――!?」

平手「っ……!!」

持っている銃を地面に落とし、その腕をだらんと垂らす。
右腕から血が滴り地面に垂れる。
0569名無しって、書けない?(やわらか銀行)垢版2018/09/08(土) 18:35:40.61ID:/3VhnJOs0
平手友梨奈を目覚めさせた虹花ちゃん最悪だな
0570名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/08(土) 18:36:29.17ID:4lz7hWETM
>>569
ワロタwwww
0571名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 18:36:37.07ID:eoi2Yqyba
その時平手の耳元で声が・・・『オナカスイタ…』
0572名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 18:39:49.18ID:Kl/cMR2wa
小池「み、み……みづほ――!!!」

土生「……平手――」

普通に戦っていたら間違いなく殺されていた。
だからここに落ちている機関銃を入手するためわざと攻撃を受け飛ばされたのだ。

小池に当たらないようフルオートではなく、単発発射にして平手へ撃った。

土生「意識外からの攻撃……」

真っ向勝負で銃を撃っても躱されてしまう。
だから不意打ちでやっつけるしかなかった。

平手「……!」

健全な左手で落ちている銃を拾い土生へ向ける。
それより早く土生の持つ機関銃が火を噴き、平手の頭に命中した。

平手「―――」

ヘッドショットされた平手は一目土生を睨めつけて崩れ落ちた。
0573名無しって、書けない?(やわらか銀行)垢版2018/09/08(土) 18:40:46.07ID:/3VhnJOs0
マジ!?
0574名無しって、書けない?(dion軍)垢版2018/09/08(土) 18:41:17.11ID:7Qjr3ssM0
888888888888888
0575名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 18:45:29.47ID:Kl/cMR2wa
土生「か、勝った……?勝った、ぞぉ……!!」

眼球一個、右手指四本、肋骨三本、他十か所を犠牲にして勝利をつかむ。

土生に駆け寄る少女がいた。
自然と両靴が脱げてしまうも、倒れている土生へ覆い重なる。
折れた肋骨に響くも、笑顔で耐える。

土生「み、美波っ!」

小池「瑞穂……、かっこよかったで!あと、めっちゃ美しかった!」

土生「……ありがとう。美波がいてくれたから、勝てた……」

小池「何言うてるん!礼を言うんはこっちや!!ほんまにありがとお!!!」

土生「美波……。言いたいことがある……」

小池「何?あっ、平手が来る前に言おうとしてたこと?」

頷き急に緊張し始めるも告白する。
0576名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/08(土) 18:47:22.64ID:4lz7hWETM
てち目覚まして欲しかったのはある、、
あとよねと再会して欲しかった
0577名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 18:50:30.97ID:Kl/cMR2wa
土生「実は、私…………」

小池「っ!……え?」

土生「美波のことが好きだ。初めて会った時からずっと――」

小池「〜〜!!」

土生「ここから出たら、付き合ってほしい」

あまりに突然の告白に驚きたじろぐ。
白い肌が朱く染まり、返事を言う。

小池「い……い、嫌や……」

土生「え…………」

まさか断られるとは思っておらず一瞬で死にたくなった。
告白しなければよかったと後悔の念が押し寄せる。

小池「今すぐにでも彼女にしてほしい!」

土生「!!うん!!」

島で、星で一番幸せの絶頂に至り、もう死んでもいいとさえ思ってしまう。
その願いが直後に叶うとは思っていなかった。
0578名無しって、書けない?(やわらか銀行)垢版2018/09/08(土) 18:51:18.99ID:/3VhnJOs0
おいおい…
0579名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 18:56:53.64ID:Kl/cMR2wa
突然彼女の胸にから槍が飛び出し、それは自分の腹にも刺さる。

小池「ごぽっ」

土生「ぐふッ」

彼女の口からあふれ出た血を顔に浴びる。

土生「あ――みゐ……?」

肩を揺するも動くことも返事をすることもない。
胸の中で小池美波が息を引き取った。

土生「―――――?」

何が起こっているのか分からなかった。
判りたくもなく、解らないようにしていた。

小池の背中から生えている棒が目に入り、一本の槍が二人を串刺しにしているのを理解してしまう。

すぐにその後ろに立っている人物に気が付く。
0580名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/08(土) 18:57:21.80ID:5O5qLrMrd
来い!オリジナル展開来い!
0581名無しって、書けない?(dion軍)垢版2018/09/08(土) 19:00:43.85ID:7Qjr3ssM0
ふあえawsB72\;!!!???!?!?!???
0582名無しって、書けない?(愛媛県)垢版2018/09/08(土) 19:01:50.36ID:GSETdSwB0
まさか!米さん!?
0583名無しって、書けない?(やわらか銀行)垢版2018/09/08(土) 19:02:23.54ID:/3VhnJOs0
はぶみいよ、天国でお幸せに…
0584名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/08(土) 19:02:54.85ID:IMQf4eWgd
頭撃たれて生きてるのか…
0585名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 19:05:20.91ID:Kl/cMR2wa
土生「ひ……、ら、手?」

平手「……」

平手友梨奈がそこに立っていた。

土生(――なんで生きて?だって確かに頭を撃ち抜いた、はずなのに……!どうして、何が――)

撃った頭部に注目すると、いつにも増して浮ついていることに気が付く。

土生(!!!やけに頭がもっさりとは思ってたけど……あれは"かつら"だ!!!)

平手に支給された武器は日本刀ともう一つは防弾ヘルメット(鬘)だった。
たまにズラをつけていたことがあり、違和感なく見過ごしてしまっていた。

土生(ごめんね、美波……っ。守って……あげられ、なくて――…………)

死の痛みに顔を歪めるも、薄れゆく意識の中彼女に会うため必死に笑顔を作る。

土生瑞穂は小池美波と共に永逝する。
0587名無しって、書けない?(やわらか銀行)垢版2018/09/08(土) 19:07:14.93ID:/3VhnJOs0
そりゃないぜ…数ミリ下に撃てていればよかったのに…
0588名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 19:10:47.49ID:Kl/cMR2wa
・・・・・・

南の山で二人を待つ三人が座っていた。

守屋「銃声、だよね?さっきから聞こえるの――」

米谷「ああ。あれはスナイパーライフルやな」

長濱「今島に生きとるのは私たち三人と土生ちゃん、みいちゃん、あと平手だけ……。もしかして――」

米谷「土生か美波、もしくは二人が平手とやり合ってるのかもしれない」

守屋「!!ちょっと私、見てくる」

米谷「待って。そしたらうちが託した探知機の意味がなくなる」

守屋「で、でも……!」

米谷「うちらはここで信じて待つしかない」

守屋「瑞穂……、みいちゃん……」

沈黙が続き、長濱は突然話を始める。
0589名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 19:15:59.76ID:Kl/cMR2wa
長濱「私たち欅坂46は、AKB48のチーム8に負けてる」

守屋「え……エイト?」

AKB48の5番にできたチームに負けていると言い出した。
急に意味のない話をするはずがないと話に乗る。

米谷「AKBさんそのものではなくて、"チーム8"にすら負けてるってこと?」

頷いて肯定し、分かりやすく例を挙げていく。

長濱「オダナナは、面白さで小田えりなちゃんに負けている」

米谷「織田より……」

長濱「あと、小田えりなちゃんの歌唱力はずーみんの遥か上をゆく」

守屋「え!すごいんだねその子!エースなの?」

長濱「いや、主力メンバーの一人だけどまだまだ上がおる」

守屋「層厚っ!」
0590名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 19:20:05.05ID:Kl/cMR2wa
長濱「美愉ちゃんは、ダンスで横山結衣ちゃんに。胸も」

守屋「胸って!?」

長濱「ゆいぽんは、ギター・歌で一億光年に一人の長久玲奈ちゃんに。スタイルもしーちゃんよりも足が長い」

守屋「ヤッバ!?!」

米谷「距離やん」

長濱「しーちゃんは、画力で岡部麟ちゃんに」

守屋「え?絵、上手なんだ……」

長濱「虹花ちゃんは、おバカっぽさで吉川七瀬ちゃんに」

守屋「虹花よりおバカって、相当やばいんじゃない!?」

長濱「違うの。偏差値じゃなくて、おバカっぷりで人を喜ばせてくれるのが虹花ちゃんの頭一つ飛び抜けとる」

守屋「そうなんだ……?」
0591名無しって、書けない?(やわらか銀行)垢版2018/09/08(土) 19:21:15.62ID:/3VhnJOs0
米さんのツッコミに笑わざるを得ない
0592名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 19:23:29.67ID:Kl/cMR2wa
長濱「菜々香ちゃんは、新潟県代表オーディションで早坂つむぎちゃんに」

米谷「そういやチーム8のオーディション受けた言うてたな」

長濱「莉菜は、ロリで同じ97年生まれの橋彩音ちゃんに」

守屋「ろり??」

長濱「ねると米さんは、頭脳で橋本陽菜ちゃんに」

米谷「――え」

長濱「尾関は、何かが濱咲友菜ちゃんに」

守屋「ん何が?!」

長濱「みいちゃんは、肌の白さと喋りで関西の永野芹佳ちゃんに」

米谷「は?肌?」

いつまで見えない話が続くのだと思っていると次に自分の名前が出て来る。
0593名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 19:27:10.70ID:Kl/cMR2wa
長濱「茜ちゃんは、努力と負けず嫌いさでは倉野尾成美ちゃんの足元にも及ばない」

守屋「あ……?」

倉野尾成美の名前は聞いたことがある。
負けず嫌いという印象を世間に持たれ、比較されたことがあるからだ。

長濱「ついでにテニスでは佐藤朱ちゃんに負けとる」

守屋「佐藤アカリさん!?もしかして、宮城の人?」

再び聞き覚えのある名前が飛び出し聞き返す。
同じ宮城県、テニスという共通点がある。

長濱「確かそうだけど、知っとる?」

守屋「やっぱり…………。私は、県大でその人にパーフェクトゲームで負けた……」

米谷「……へえ」
0594名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 19:28:13.16ID:c51z7h0Pa
>>592
長沢と早坂は新潟じゃなくて山形

夕方にこのスレ知って追い付いてしまった。面白い
>>1頑張れ!
0595名無しって、書けない?(dion軍)垢版2018/09/08(土) 19:29:13.81ID:dJYC8MyW0
佐藤朱って硬式テニスじゃね?
0596名無しって、書けない?(SB-iPhone)垢版2018/09/08(土) 19:30:32.78ID:28YJoxjMp
途中でガチ恋口上があって笑ったわ頑張れ
0597名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 19:31:19.55ID:Kl/cMR2wa
欅坂結成の一年前

高校2年生の夏、2014年度宮城県高等学校総合体育大会テニス競技準決勝にてシングルス1で佐藤朱と対戦していた。

守屋(つ、強すぎる――!こんな人がいるなんて……)

彼女はAKB48のメンバーと噂されており、ちゃらついたアイドルなんかに絶対負けないと意気込んだ試合だった。
しかし5−0のマッチポイントまで追い詰められていた。
一つ年上とはいえ格の違いを見せつけられたが、死んでも1ポイントは取ると望んだ最後のセットだった。

佐藤朱「ハア!」

高身長から繰り出されるサーブが来た。
死にもの狂いで追いつき打ち返すも打球は重く、ロブを上げてしまう。
最後は渾身のスマッシュを決められ、心を打ち抜かれた。

佐藤朱「ありがとうございましたー!」

守屋「ありがとう、ございました……」
0598名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 19:35:03.50ID:Kl/cMR2wa
佐藤朱「お疲れ!いや〜強いね!」

完全試合で負かしといて、そのセリフはないと思ったが全く嫌味に聞こえなかった。
本当に強かったと思ってもらえているようで嫌な気持ちにはならなかった。
むしろ強すぎて清々しい気持ちになり質問する。

守屋「あの……どうしてアイドルをやってるんですか?」

佐藤朱「ああ。311の被災地訪問で来てたAKBを見てね、それですごく勇気づけられたの。だから私もあの人たちみたいに多くの人を明るく元気にさせたいと思って応募したんだよね」

守屋「!!」

勝手にアイドルなんてちゃらついていると思い込んでいた自分が恥ずかしくなった。
もちろんAKB48が被災地に来て、歌って踊っていることは知っていた。
それを見に行きもせず逆に迷惑だと腹を立てていた。
勝つことだけにこだわっていた自分とは違い、全ての面で完敗を認める。
それは今の時点での話だが――。

守屋「私もっ、アイドルになります!!絶対!!そして、あなたを超えます!!!」

佐藤朱「おっほ!負けないよ〜?」

守屋「絶対勝ちます!!」
0599名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 19:42:52.39ID:Kl/cMR2wa
その一年後に坂道グループ第二弾"鳥居坂46"のオーディーションを受け、気合で勝ち抜き今に至る。

守屋「必死過ぎて忘れていたよ。あの人のおかげで東京に憧れて、アイドルを目指したんだ。佐藤さんチーム8だったんだね、知らなかった……」

長濱「そうだったんだね……」

守屋「ねるから見てまだ私はあの人に及ばないってことだよね?」

長濱「悪いけど、まだ全然負けとる」

守屋「だよね。そう簡単に勝てるわけないか。でも、諦めないよ!」

長濱「頑張ろうね!」

米谷「それで?そろそろ結論言ってくれ」

長濱「最後に平手は、センターの魅力では小栗有以ちゃんに劣っている」

米谷「その子ならうちも知ってる。でも、平手とは真逆やんな」

長濱「いつかはあの子がAKBのセンターを張ると思うけん。平手が陰で魅せるなら、小栗ちゃんは陽ったい。月と太陽といったところか」

ダラダラと長い話の結論を言う。
0600名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 19:50:03.96ID:Kl/cMR2wa
長濱「まあ何が言いたいかと言うとね。個人のスキルでは全然チーム8にすら劣ってる私たちがどうして売れているかって話」

米谷「乃木坂さんの妹分としてデビューが決まった時点で売れることは決まっていた。制服を着させて、歌って踊れさえすれば誰でも良かったってことか……」

長濱「そう。極論、秋元康というネームバリューでその力でプロデュースされた。ただそれだけの話」

守屋「全て秋元先生の力……?」

長濱「仮に漢字21人で地下アイドルデビューしていたら成り上っていけたと思う?」

守屋「くっ、悔しいけど……無理だ……」

長濱「一流のダンサー、作詞作曲家、衣装さん、その他何もかも最高な環境のおかげと言わざるをえない。売れて当然。それなのに選抜がない私たちは本気でぶつかり合うことはせず、何もせずに平手に紅白に連れてってもらいバックダンサーをするだけ」

長濱「漢字は21人の絆とか言うとるけど2016年には終わっていた。チーム8は倍以上の47もおるのに絆が強く、全員が一つの方向を向いていたからこそ最強チームにまで登り詰めた」

米谷「センターに頼りきりだったうちらのせいなのかもしれない。いっつもバラバラやってん」

長濱「先月の武道館公演も平手たった一人が出れなかっただけで、漢字ではなくひらがなが出演した」

米谷「式にすると、平手>ひらなが>漢字20、か」
0601名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/08(土) 20:00:47.76ID:5O5qLrMrd
ときどき向けられる漢字への鋭い指摘w
0602名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 20:06:55.31ID:Kl/cMR2wa
長濱「平手に頼り切ってしまった運営、メンバーをひらすら甘やかし続けた大人たち。いつかのかけかけでTMR西川さんみたいにズバズバ言ってくれる人は誰もいなかった」

米谷「確かにな。西川さんはアンチでもなんでもない。客観的に見て思ったことを言ったまで」

長濱「でもメンバーは何よりそれを恐れていた。本気でぶつかり合うことができずダメなことにダメだと言えなかったことがダメだったんだ。同じグループの仲間なのに、ぶつかるのが怖くて……」

米谷「ダメダメって他人の事言えんやろ?あんたも散々友香のことぞんざいな扱いしてた時期があったな」

守屋「え?何?」

無神経な守屋はそのことには気づかず話についていけなかった。

長濱「初めてだね。言ってくれたの」

米谷「言わせたんやん。たぬきやな」

長濱「ありがとう。いつかのSRの動画を見たお母さんにこっぴどく叱られた」

米谷「あれはてっきり冬優花が注意してくれると思ったんやけど、言わんかったんやな」

長濱「ふーちゃんですらもねるに遠慮してたんだと気づいた。自分でも動画を見て目が覚めた。そっから態度を改めたと。気づかんうちにねるも天狗になっとったかもしれん。いんや、そうなったのはねる自身の意思か」
0603名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 20:10:50.20ID:Kl/cMR2wa
長濱「アーティストを目指そうとした結果、アイドルでもなくなり中途半端なバラバラめちゃくちゃな素人丸出しお遊戯会に落ちぶれた」

長濱「私たちには競争心がない。何もしなくても選抜にいられる。胡坐かいて座ってるだけで仕事が入って来る。冠番組でただ座り、年に数枚シングルを出す。外仕事はライブ、ラジオ、雑誌の撮影くらい?」

守屋「――っ」

長濱「ハッピーオーラのひらなががいれば、漢字なんてなくなってしまった方がいいんじゃないかって――」

守屋「ねるッ!!」

長濱「ゴメン。でも今、その通りになりつつある」

米谷「なるほど――。漢字を全滅しにひらがなの美穂が送り込まれたんかもな」

長濱「欅はセンターの平手の存在が大きい。というより、欅は平手友梨奈とバックダンサーのみなさんってのが現状。言いにくいけどねるも一歩だけ出とる……」

米谷「あんたなぁ……自分で」

守屋「でも……否めないかも」
0604名無しって、書けない?(やわらか銀行)垢版2018/09/08(土) 20:14:20.22ID:/3VhnJOs0
興味深い会話だ
0605名無しって、書けない?(dion軍)垢版2018/09/08(土) 20:15:01.38ID:7Qjr3ssM0
メンバーに見せたいなほんとw
0606名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 20:18:00.84ID:Kl/cMR2wa
長濱「21人の絆なんてとっくの昔に終わってる。こんな冷え切ってるグループは他にない。全てのグループより群を抜いとる。間違いない。根本的な理由は何だと思う?」

守屋「ダメになった理由……ぶつかり合うのを恐れて臆病だった心?……勇気があれば――」

米谷「言わんとしてることは解るけど、あえて聞くよ」

長濱「愛だよ。愛がなかった。大人たちからもファンのみなさんからも送られていたたくさんの愛を拒否してしまっていた」

長濱「SNSや某掲示板にもたくさんの愛があった。好きの反対は無関心。アンチの人は好きだから批判や指摘してくれるんだと気づいた。嫌いなら放っておけばいいのにわざわざ言ってくれてるんだよ」

長濱「つまり愛があれば2016年のように今も坂を上り続けていた」

米谷「2016年……」

長濱「これが答えだよ。澤部さん」

チョーカーに仕込まれているであろうマイクから会話が筒抜けだと信じ澤部へ問う。
0607名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 20:24:34.22ID:Kl/cMR2wa
船の管制室で三人の映像を見て聞いていた澤部は笑う。

澤部「ハーっハハハハハハー!!!よくたどり着いたなぁ、ねるぅ!!」

笑い飛ばして大げさに長濱を褒める。

澤部「やっぱお前たちをここに連れてきて正解だったよ。よ〜しこれにてゲームはおしまーい!みんなお疲れさまー!!」

澤部「ちょっとメンバーは少なくなっちゃったけどこれから愛は持って頑張れよ!!」

黒服4「……」

澤部「ってなるわけないだろー!!殺し合いの果てに気づくようじゃあ遅すぎたな。てか愛とか、ゲロさぶなんだよ!」

澤部「いやでもあーそうか!これが俺からの愛なんだ。だからお前たちは最後くらいは本気でぶつかり合って"愛"を証明してみせろ。その身を以ってな」

番組MCだった男はコンタクトを通じて少女たちを見守り続ける。
0608名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 20:29:08.64ID:Kl/cMR2wa
守屋「一番最初に言っていた『このグループはダメになりました』の答えってわけね……」

長濱「これがねるの最後の脱出方法……やったけど、ダメみたい」

米谷「これは脱出ゲームやない。"バトルロワイアル"、殺し合いだよ」

長濱「そうだよね……」

守屋「でも、今まで私は自分のことしか見えてなかった。いかに自分が目立てるか、ズルをしてでも爪痕を残せるかだけを考えて努力してきた!それは間違っていた……」

米谷「うちも同じ。グループのことなんか考えず自分ばっかやった」

守屋「本当に頑張らなきゃならないことから目を背けて、火遊びもしていた自分を殺したい!そんな私を殺してくれてありがとうねる!」

米谷「ありがとう、ねる。欅に入って来てくれて」

長濱「え、いやー……うっ――あっははぁああん!!!!」

加入した時は拒絶され嫌われ者だったのに今は感謝までされた。
感情が極まって抑えきれず、長濱の鳴き声が島に響く。


残り4人
0609名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/08(土) 21:01:39.26ID:QayPrIcg0
もう少しで終わっちゃう…
0610名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 21:02:57.20ID:rnPh4SWaa
ひぃ〜理佐ちゃんが死んどるやないか・・・涙
0611名無しって、書けない?(アメリカ合衆国)垢版2018/09/08(土) 21:07:55.07ID:kus2XLiX0
これ今何時?
0612名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/08(土) 21:27:52.39ID:i/lCtu5hd
再開した途端にりっちゃんが生きてた嬉しさとすぐに逝ってしまった絶望感…
でも最後まで格好いいりっちゃんでよかった
0613名無しって、書けない?(大分県)垢版2018/09/08(土) 21:38:16.91ID:ziFng0UL0
久々に一つのスレに没頭した。
結末やいかに。
0614名無しって、書けない?(dion軍)垢版2018/09/08(土) 21:39:40.54ID:UalOgcEn0
久しぶりにバトロワ(太田出版)を引っ張り出してきてしまった

1ページ開くと引き込まれて何ページか読んじゃう中毒性
映画化は2000年のことだそうだ
どんだけー
0615名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/08(土) 21:52:41.69ID:Y0Vypu740
メンバーの関係性を汲んでるようで全然違うのと
推しがテキトーに殺されたから萎えたw
0616名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/08(土) 22:12:55.43ID:m79jFhoXd
まだ一週間なのにこの量と展開のはやさ。
すごいね。
0617名無しって、書けない?(家)垢版2018/09/08(土) 22:17:13.80ID:oHwIPAA+0
どうか、澤部が自らの無能っぷりを自覚するような最期でありますように
0618名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/08(土) 22:50:23.00ID:7Eo2dgfua
1です。
ご指摘ご感想ありがとうございます!
・右目潰されたのに左目がなくなっててすみません
・佐藤朱さん硬式テニスですが守屋と戦わせたくて……ソフトテニスの助っ人と参加できますか?
時間入れるのを忘れてましたが8話終了時で2日目15時くらいです。

ねるの鳴き声←泣き声の間違えです
誤字脱字多すぎるので落ち着いてアップしていきます

明日9話とできれば最終話までやりたいと思いまーす
0619名無しって、書けない?(dion軍)垢版2018/09/08(土) 23:03:51.34ID:7Qjr3ssM0
続き早く見たい!
0620名無しって、書けない?(dion軍)垢版2018/09/08(土) 23:17:13.33ID:dJYC8MyW0
>>618
お疲れ様です!
続き楽しみにしてます!
0621名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/08(土) 23:17:51.57ID:i/lCtu5hd
>>618
お疲れ様です!推しは逝ってしまったけど楽しみに待ってます
0622名無しって、書けない?(アメリカ合衆国)垢版2018/09/08(土) 23:18:28.80ID:kus2XLiX0
>>618
わざわざ時間教えてくれてありがとう
面白かった!楽しみにしてる!
0623名無しって、書けない?(家)垢版2018/09/08(土) 23:53:46.31ID:+bs3I9Pt0
お疲れ様です
告知ありがとございます
0624名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 02:08:21.35ID:BdMGPWwCa
黒服4てもしかして、、、
0625名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 02:26:03.11ID:HnTYHDJqa
虹彦?
0626名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 02:47:41.77ID:6SGc9D1za
>>551
土生のフロントは5枚目と六枚目
0627名無しって、書けない?(やわらか銀行)垢版2018/09/09(日) 08:26:30.62ID:JNufJU2F0
泣き方が独特でクセになる
0628名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/09(日) 08:42:49.88ID:8WzdggTPd
>>625
カタカナの反逆じわる
0629名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/09(日) 11:24:10.52ID:PHqRpFHo00909
今日、どうなるか
0630名無しって、書けない?(やわらか銀行)垢版2018/09/09(日) 14:08:49.23ID:JNufJU2F00909
待ち遠しいです
0631名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 14:12:08.79ID:4qatmpzXa0909
みんなの騒ぎ方がキャラじゃなくてウケるw
0632名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 17:20:31.27ID:mDlupBwFa0909
第九話

17:00

長濱「で、二人はどこに行きたいと?」

守屋「え、デイズニーランド行きたい!」

長濱「へ?」

米谷「…………」

守屋「ん?」

長濱「いや、その……島を脱出したらなんだけど……」

米谷「やんな。外国か」

長濱「国にはおれんからね。見つかったら殺されちゃうから」

守屋「あっ…………」

長濱「どこがいいと?」
0633名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 17:22:05.94ID:mDlupBwFa0909
守屋「あ、でも……」

チョーカーにマイクが内蔵され、会話が筒抜けだということに気づいていた。
無言でチョーカーを指差すも、長濱もそれを察して"大丈夫"と口パクで言う。
半信半疑で頷き、行きたい外国を挙げる。

守屋「やっぱコスメの韓国か、オーガニックのモロッコ?どっちがいいかな……」

長濱「あっはは!茜ちゃんらしいや!」

米谷「いや、アジアはあかんやろ。近すぎだから」

守屋「あそっか!」

長濱「米さんはどこがいいと?」

米谷「うちは――、アメリカかな」

守屋「わお!?」

米谷が米国と言うと、守屋はアメリカンな反応をする。
0634名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 17:23:45.95ID:mDlupBwFa0909
長濱「合衆国いいね!なんで?」

米谷「ちょっとやりたいことがあって……。アメリカならそれができるんじゃないかなって思って」

長濱「合衆国は広すぎるから絶対に大人たちに見つかることはない。自由にやりたいことをやれると思うよ」

米谷「そうか……」

守屋「じゃあ私もアメリカ!!」

長濱「茜ちゃんも何かやりたいことがある?」

守屋「えっと、まだ何もないんだけどやっぱ世界一と言ったらアメリカだもん!行くっきゃないでしょっ!」

長濱「もう親御さんに会えんと思っとってね」

守屋「……うん、分かってる。もう永遠に会えない子がいるんだもん……」

米谷「会えなくても、同じ星で生きていればそれでいいよ」

長濱「生きていればいつかは会いに来れるから――」

"行ける"ではなく"来れる"と言った長濱の言葉に引っかかる。
0635名無しって、書けない?(やわらか銀行)垢版2018/09/09(日) 17:24:58.69ID:JNufJU2F00909
待ってました!
0636名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 17:26:17.20ID:mDlupBwFa0909
米谷「……。ねるはどうすんの?」

長濱「ねるは、大人たちに復讐する」

守屋「ふ、復讐ぅ!?」

長濱「宇宙で一番愛していたふーちゃんの命を大人たちに弄ばれて奪われたんだ。許せるわけないよ」

米谷「復讐して何になるん?」

長濱「せずにはいられん。きっと復讐しないままどこかへ行っても生きてはいけない。ねるがふーちゃんに会いに行くか、大人たちを地獄に落とすかのどちらかしかない」

米谷「……じゃあ、やっぱりねるは国に留まるの?」

長濱の意思は相当強く、固く頷く。
肩を震えている女は断固拒否する。

守屋「私は嫌だ!!!」

長濱「!え?」
0637名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 17:28:05.85ID:mDlupBwFa0909
守屋「ねるの言ってることはすっごい分かる!私だって冬優花の――いや、詩織、虹花、葵、おぜちゃん、由依、ずみこ、莉菜、菜々香、梨加ちゃん、美愉、友香、愛佳、理佐、そして織田の仇を討ちたいよ!!」

長濱「茜ちゃん……」

守屋「でも、誰も私たちに復讐してほしいなんて望んでないよ!もし私が死んでも無事に脱出できる子がいたとしたら、ただ生きていてほしいからと思うから!返り討ちに遭ったりしたらあの子たちがもっと悲しむよ……」

長濱「……っ。でも、ねるは――」

守屋「ほんとは気づいているんでしょ。ねる?」

長濱「……」

船で大立ち回りをした後、海に揺られながら見た夢を思い出す。
最愛の人から『生きてくれ』と頼まれ、それに応じたのだった。

米谷「それに、復讐って言ったって小娘一人に何ができる?」

長濱「米さん!」

米谷「ねるはきっと復讐して死にたがってる。そんであの世にいる冬優花に褒められたいんちゃう?」

長濱「それは――……」
0638名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 17:30:45.40ID:mDlupBwFa0909
米谷「そんなことしても冬優花は怒るだけやで。まさか怒られたいんか?どちらにせよ冬優花はそんなこと絶対望んでない」

長濱「…………」

米谷「次に冬優花に会えるんは、あんたがおばあちゃんになった時になんで」

守屋「だから、ねるも一緒にアメリカ行こっ?ねっ?」

長濱「………………」

長濱は長考する。

二人に自分の考えが見透かされて、その上死んでいったメンバーの気持ちも汲み取っている。
復讐すれば冬優花が喜んでくれると無理やり思い込んでいた。
そんなこと喜んでくれるはずがないと自分で一番判ってるのに。
それなのに復讐を選んだのはただのわがままだ。
本当に冬優花が望んでいる事こそやるべきだと目が覚める。

長濱「――分かった。ねるもアメリカに行くっ!」

守屋「ねるぅー!!!」
0639名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 17:33:43.81ID:mDlupBwFa0909
長濱「これからもずっとおばあちゃんになるまでよろしくね!茜ちゃん米さん!!」

守屋「うん!!!」

米谷「おう!あ……あと、この際やからうちのこと名前で呼んでくれへん?」

守屋「え、名前?」

米谷「いつまでもあだ名はちょっと……」

"米さん"というあだ名は嫌いではなく、むしろ好きだ。
メンバーが互いに名前で呼び合っているのに憧れていた。

そのことを察した二人は名前で呼ぶことにする。

守屋「OK!奈々未!」

長濱「奈々未――サン」

年下だが恐れ多くてさん付けしてしまう。
呼び捨てで呼ぶには時間がかかりそうだが、今はまださん付けで許してもらう。
0640名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 17:35:35.46ID:mDlupBwFa0909
米谷「ねるは何かやりたいことある?」

長濱「そうだな〜〜……、あ!バンドしたい!」

守屋「バンドかー!いいね!」

長濱「大々的な活動はできんと思うけど、小銭稼ぐ程度ならいいいかなーって」

守屋「がんばってね!」

長濱「みんなでやるんだよ?土生ちゃんとみいちゃんも入れて5人で!」

守屋「って、私たちもおっ!?」

米谷「いやいや?楽器やったことないから!」

長濱「大丈夫!みんな最初は初心者だから」

守屋「ひえ〜〜でもなんだか楽しそうだね!」
0641名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/09(日) 17:36:09.29ID:35HqtpGX00909
はじまた
0642名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 17:37:43.26ID:mDlupBwFa0909
米谷「バンド構成は?」

長濱「5人だから〜ボーカル、ギター2、ベース、ドラムかな?ボーカル兼ギターならもう一人はキーボードでもいいかもね」

守屋「ねるがギターでしょ?澤部さんに買ってもらったやつがあるもんね!」

長濱「茜ちゃんは気合でドラムできそう」

守屋「おお!一番気合入れがいがありそう!」

米谷「そういえば去年美波のやってるラジオのメインパーソナリティーからX'masプレゼントでギター買うてもらってたな」

長濱「じゃあ、奈々未さんはベースやる?」

米谷「うん、やってみるか」

守屋「瑞穂がメインボーカルでいい感じじゃん!背高いし向こうで受け良さそうじゃない?」

長濱「確かに。向こうはみんなおっきいからね」
0643名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 17:39:57.44ID:mDlupBwFa0909
米谷「ねるはアメリカ留学してたんだよね?」

長濱「学生の時に少しだけね。だからいろいろ任せといて」

守屋「頼りになる〜」

米谷「英語勉強せんといかんな」

守屋「瑞穂とみいちゃんと合流したら、みんなでバンド名を決めよう!」

長濱「そうだね〜」

守屋「ところで、さっき言ってた奈々未がアメリカでやりたいことはみんなでできること?」

米谷「うちのやらなあかんことは、ねるがいてくれれば――」

長濱「!」

その時、時刻は午後6時になる。
同時に腕のウォッチに澤部の映像が映し出される。
0644名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 17:42:22.79ID:mDlupBwFa0909
澤部『うらー!!いよいよ君たちの殺し合いも大詰めを迎えて参りました〜〜!』

守屋「澤部――さん!」

澤部『それじゃ死んだ人の報告をします!』

米谷「……!」

6人しか残っていない島で死んだメンバーがいる。
ここには3人おり、残り生き残っている小池、土生、平手の誰かが死んだのだ。
自然と平手が亡くなっていて欲しいと願う。

澤部『十五番土生瑞穂――』

守屋「――は?……ハブミ、ヅホ……?」

澤部『六番小池美波。以上』

米谷「!!み、なみ………」

待ち人の名前が呼ばれ身体の力が抜けていく。
0645名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 17:45:09.75ID:mDlupBwFa0909
長濱「茜ちゃん奈々未さんッ!!!!」

米谷「はっ!!!」

守屋「…………」

呼び掛けは守屋には届かず、直接肩を揺すって声をかける。
珍しく緊迫した状況に声をまくしたてる。

長濱「茜ちゃんッ!!!!」

守屋「!!……へ?」

長濱「ぼんやりしないで!!今の放送聞いたでしょ!今この島で生き残ってるのはねる達と平手だけ!!」

守屋「……は?――え……な、に?」

長濱「だから平手だよ!!!あの子が土生ちゃんから探知機を奪った可能性がある!」

激昂して荷物を持たせてくる長濱に恐れを覚えるも、言われたことを理解し始め立ち上がる。

守屋「ああっ!!」
0646名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 17:47:29.11ID:mDlupBwFa0909
その時、簡易警報器の枝が落ちる。
それはもう一人がすぐそこまで来ていることを知らせる。

長濱「くっ……!!!」

同時にダララララララと銃声が鳴り響く。
即座に木の陰に入り、身を縮める。

守屋「ひゃっ……!!」

米谷「七時の方角や!!」

長濱がスナイパーライフルで撃ち返す。
それを木に隠れてかわされる。

長濱「こっちッ!!」

襲撃時に備えて脱走ルートを決めていた。
再び機関銃が火を噴き、木に伏せる。

守屋「ひぃいいっ……!!!」

弾切れし敵は予備のマガジンに取り換える。
0647名無しって、書けない?(家)垢版2018/09/09(日) 17:47:48.18ID:fEIAyABO00909
きたきた
見てます
0648名無しって、書けない?(やわらか銀行)垢版2018/09/09(日) 17:49:19.61ID:JNufJU2F00909
盛り上がってまいりました
0649名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 17:50:19.82ID:mDlupBwFa0909
長濱「撃ち返して!!!」

守屋「!!う――わあああ!!!」

指示に従い撃ち返して動きを封じる。
撃ちながら走って距離を離していく。

長濱「乗って!!」

隠し置いていたソリのようなものに三人が密着して乗る。

長濱「下るよ!!!」

山の傾斜をなかなかのスピードで滑り下りる。
敵が新しいマガジンで連射して来る。

守屋「ぴょん!?」

弾は自分たちが通り過ぎた木々に次々と命中していく。
ソリのスピードが増し、遮蔽物に阻まれて安全圏まで離れる。
0650名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/09(日) 17:51:52.78ID:8WzdggTPd0909
この状況で「ぴょん?」は草
0651名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 17:53:08.05ID:mDlupBwFa0909
50メートル程下ると平なところになり減速する。
ソリから降り少し走ると目の前を川が流れていた。

長濱「出すよ!!」

守屋「!?あん!!」

傍らの茂みに隠れるようにあったボートを三人がかりで引っ張り出す。

長濱「乗って!!」

本日二度目の「乗って」の指示に、入水したボートへ乗り込む。
ボートが川を下り始めると、敵はブレザーをソリ代わりにして滑り下りて来た。
すぐさまマシンガンを向け乱射して来た。

米谷「!!伏せろ!!」

守屋「!!ひゃあっ!!!」

長濱「くっ……!」

川や船に弾丸が当たるも一先ず嵐は過ぎ去る。
泳いでこない限り追えない地形になっており、敵と再び距離をとり第一ラウンドが終了する。
0652名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 17:53:59.25ID:9S3pr/S7a0909
ねんさんいちいちエロいw
0653名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 17:58:15.01ID:mDlupBwFa0909
運転手の長濱以外は伏せる前に一瞬だけ敵の顔が見えた。

守屋「やっぱり友梨奈だ――!あいつが瑞穂とみいちゃんを……!!」

米谷「間違いない。ヤツはうちが土生にあげた眼鏡型探知機をかけていた」

長濱「あの子はずっと前から近くまで来ていたんだ。それで放送と共に奇襲をしかけた」

米谷「ずっと三人まとめて片付ける算段をつけていた感じだった……」

長濱「今のうちに弾を装填しといてね」

守屋「でも、あの子追って来られるのかな?」

長濱「ヤツは探知機を持っとる。例え地の果てでも追って来る。それに――」

後ろを見ると、遥か川上からカヌーに乗ってやって来る人物がいた。

米谷「来るで……!」
0654名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 18:02:45.06ID:mDlupBwFa0909
平手は樹木を切り倒し一人乗りのカヌーをわずか一分で造り上げ、程良い太さの枝をオールにして猛スピードで追って来た。

守屋「うそでしょおっ!?」

長濱「第二ラウンド、スタート」

次なるステージは川で、銃撃戦が始まる。
先手平手は機関銃を乱射する。

三人は伏せて、ボート船尾に被弾する。
船尾のみ特別に補強してあり弾丸を防いだ。

長濱は操縦で照準をそらし、集中砲火は避けていた。

守屋「あっらあああ!!」

後手守屋は拳銃を連射する。

平手はオール操作で船ごと弾をかわす。
数発はカヌーに当たるも分厚い木に阻まれる。
0655名無しって、書けない?(やわらか銀行)垢版2018/09/09(日) 18:05:21.85ID:JNufJU2F00909
カヌーを1分で造る!?
0656名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 18:05:41.78ID:mDlupBwFa0909
守屋「そんな!?!」

弾切れした途端、機関銃を乱射してきた。
操縦で照準をずらすも、運転手長濱の左肘を掠める。

長濱「ッ!!う〜〜〜〜!!」

守屋「ネル!!!大丈夫か!!?」

長濱「いいから撃って!!撃ち続けてっ!ヤツに撃つ暇を与えないでっ!!!」

守屋「うん!!」

米谷「はあ!!」

守屋は拳銃、米谷はスナイパーライフルを二人交互に撃つ。

平手はさすがにかわし切れず、カヌーの中に身を引っ込める。
完全に姿が見えなくなり、カヌーに命中するも本体に弾が届かない。
0657名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 18:07:53.79ID:mDlupBwFa0909
片方が弾切れするともう片方が予備の弾倉と交換したり弾詰め込み射撃する。
それを繰り返し、一発も平手に撃たせない。

平手「……」

平手は弾切れした瞬間に反撃しようと、中から気配を窺っていたが中々出られなかった。

守屋(よし!これならあの子は撃って来れない!……ん?)

米谷「!?おい……」

カヌーから黒いものが顔を出している。
一瞬頭かと思ったがそれは機関銃だった。
銃口は真っ直ぐこちらを向いており火を噴く。

守屋「え――?」

米谷「ヤバイ!!!!」

米谷は守屋を庇い身を低くするも最初の一発だけ左肩に被弾する。
他は頭上数センチのところを数十発通り過ぎ、アドレナリンを垂れ流す。
0658名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 18:12:13.08ID:mDlupBwFa0909
守屋「あああ奈々未いいい!!!」

米谷「だ……大丈夫!!!」

続いて平手は浮上して、狙いを人間ではなくボートに集中して連射する。
撃ち返せず身を低くすることしかできない。

守屋「何何何何!!!?」

米谷「あ、あいつ……まかか!!!」

程なくしてボートはがたつき始め不安定になる。

長濱「っ!!?」

守屋「な、なんか沈みそう!?」

船を見ただけで構造を理解し、急所を狙って撃ち続けていたのだ。
舟底中央を破壊され、時間が経てば沈むと判断する。
0659名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 18:18:36.33ID:mDlupBwFa0909
長濱「あと1分!!このまま持ち堪えて……!」

守屋「い、一分!?」

わずか60秒を持ち堪えるのにどれほど大変なことか。
もしかしたら一分後には命がないかもしれないのに。

それでもここが頑張り時だと気合を入れて銃を撃つ。

守屋「えええい……!」

平手のマネをして、拳銃のみを顔を出し引き金を絞る。

平手「!」

偶然平手の頭にかするも、誰も目撃はしなかった。
平手は命の危険を感じ、一旦中に身を隠す。

守屋はこちらの番になったと気づき、米谷と顔を出して狙い撃ちする。
0660名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 18:22:28.70ID:mDlupBwFa0909
守屋「あい!あい!あああい……!」

米谷「このぉ!!」

平手が入っている穴めがけて射撃する。

米谷「あと、30秒……」

はるか川下に先に続いている川が見えなくなる。
そこは支給された地図に滝の地図記号が記されているところだった。

長濱「先に行かすよ!!」

ボートを急減速させ、その横をカヌーが通る。
カヌーの中に伏せている平手が見えたが一瞬で通り過ぎる。

すぐに再発進させ、今度はカヌーを追う形となる。

長濱「全弾使っていいから、もう一発も撃たせないでッ!!」
0661名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 18:27:06.34ID:mDlupBwFa0909
ボートは後方に防御策を練ったが前方はガラ空きであり、もう一度機関銃が火を噴けばゲームセットとなる。
攻撃を最大の防御とし、守屋と米谷は交互射撃を再開する。

守屋「シャー!」

米谷「ふっ!」

射撃の腕も上がり、平手の入っている穴へ集中的に連射する。
間髪入れずに撃ち、機関銃だけ出すことすらも許さない。

長濱「そのまま!!!あと10秒!」

滝まで近づいていた。進めば落ちることになる。

長濱(勝てる――!出てきたら集中砲火、そのまま出て来なくても滝に真っ逆さま!)

滝に近づき、長濱はボートを対岸へ急停止させる。
二人はまだ射撃を続け、カヌーから蟻一匹出さない。

長濱「バイバイ」

そしてカヌーはあっさりと滝底へ落ちて行った。
0662名無しって、書けない?(やわらか銀行)垢版2018/09/09(日) 18:30:14.42ID:JNufJU2F00909
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
0663名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 18:30:51.11ID:mDlupBwFa0909
三人は対岸に降りて、滝底を見下ろす。
高さ15メートル以上の滝は勢いが強く厳つい岩があちこちにある。

そこにはボロボロのカヌーが逆さまになって浮いていた。

守屋「し、死んだのかな?」

長濱「たぶんね。滝から落ちて生きとる事例は少ない。だからここを選んだ」

米谷「生きてたとしても、この高さなら全身折れてる」

長濱「なんとかなったね……。かなり"危なっかしい計画"だったけど……」

米谷「我ながら危なすぎたわ!何度死にかけたことか……」

守屋「てか、なんで私に教えてくれなかったの!?酷いよ!!」

米谷「あー誘導しとることを悟られると警戒して深追いして来なくなると思ったからな」

守屋「そこまで考えて……!!」
0664名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 18:36:40.36ID:mDlupBwFa0909
長濱「平手……、これで成仏して――」

守屋「これで終わりなんだね……………」

米谷「ああ、終わりや――ものの数分で。終わってみれば呆気ないもんやな」

ラスボスを倒し、滝つぼを見て感傷に浸る。

米谷「――!!?」

川の流れで逆さまのカヌーが元に戻ると誰も乗っていなかった。
身を投げ出されてそのまま沈んだのだろうか。
死体は浮き上がるものだが、まだその姿が見えない。

最悪の事態を考え、後ろを振り返る。

米谷「う――後ろや!!!!!」

川上の対岸から、平手が走って来ていた。

長濱「ヒ、平手ェ――ッ!!?」

守屋「な、な……なんで生きて――!!?」

幽霊を見たように驚き震え上がる。
平手の機関銃が火を噴き、最終ラウンドが始まる。
0665名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 18:41:12.61ID:mDlupBwFa0909
三人は急いで木の陰に飛び込むが、米谷の左腿を抉った。

米谷「ああ゙!!!」

守屋「な、奈々未ィ!!!」

一瞬逃げる足が止まってしまう。
守屋が駆け寄って肩を貸そうして来たが断る。

米谷「だ、大丈夫や……!走、れる――」

一人立ちし、遅れながらも守屋について行く。
米谷はスナイパーライフルを全弾撃ち放つ。

平手は川の中に入り、潜って躱される。

長濱「!!今のうちに逃げるよ!!!」

平手が水中にいるうちに振り返らず逃げる。
米谷は痛みを押しスナイパーライフルを杖にして走る。
0666名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/09(日) 18:43:30.44ID:3h6wViGud0909
守屋→七原
長濱→川田
ということはよねさんがヒロイン枠
0667名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 18:44:09.04ID:mDlupBwFa0909
守屋「クソ!!どうして、なんで生きてるのお!!?」

長濱「あの時!!川下りで平手を先に行かせた瞬間には、やつはすでにカヌーから脱出してたんだ!!」

守屋「そ、そんな!!?」

ブレザーだけを残して、カヌーの中に入っていると思い込ませたのだった。
平手は川を渡り切り、疾走して追いかける。

長濱「追いついたら殺される!!撃ち返して!!!」

再び森での銃撃戦が繰り広げられる。

守屋「ねる!もう弾がない!!これが最後のマガジン!!!」

長濱「……!!!」

三人が持っていた銃はスナイパーライフルと拳銃の二丁。
対して平手が持っている銃はスナイパーライフル、機関銃、拳銃の三丁。
機関銃を持っている時点で一枚上手だ。
0668名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 18:47:38.96ID:mDlupBwFa0909
長濱「あと少し……っ、全弾使い果たすまで撃って撃って撃ちまくって!!!あの子を止めて!!!!」

守屋「あらあらあらあらあらあっらー!!!」

咆哮しながら最後の弾倉を撃つ。

平手「1……、2、3……4。……5。6――」

しっかり数を数えて木から飛び出し、スナイパーライフルをぶっ放ちながら追いかける。

米谷「くっ――」

守屋(!?あの子もマシンガンはなくなった!でも、こっちはもう――)

まだ向こうには奪われた拳銃も控えている。
何よりも最初にして最終兵器の日本刀を持っている。

守屋「ねる!!弾がなくなった!!!どうすんの!!!?」

長濱「……弾がないって?まだ"危なっかしい計画"は終わっとらんよ……!!」

絶体絶命の状況なのに若干笑みを浮かべる。
0669名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 18:51:28.88ID:mDlupBwFa0909
守屋「……っ?」

もう逃げるだけしかできず終わりかと思ったら森が開けた場所に出る。

守屋「!!ここは――」

地図に乗っていた扇状の場所にたどり着くと、そこには野球場になっていた。
外野は若干狭いが草が生えっぱなしで、内野は土になっておりマウンドは盛り上がっている。
誰が何のために作ったのか知る由もない。知りたくもない。

長濱「真っ直ぐ進んで!!」

長濱の声はするが見失ってしまった。

米谷「行くで!!」

その言葉を信じ、センター後方から真っ直ぐホームに向かって走る。
数秒後、バッスクリーンが光ったのを感じた。

米谷「伏せて!!!」

本日何度目かの伏せに従い、マウンドへ飛び込む。
0670名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 18:57:03.33ID:mDlupBwFa0909
弾丸は盛り上がっているマウンドに当たり土が弾けた。

守屋「うっひ……!!」

米谷「をっふ――」

マウンドは盛り上がりが高く、窪みは異常に深くなっており、戦場の盾の役割を果たす。
平手はバックスクリーンから姿を現し、前進しながらスナイパーライフルを一発ずつ撃ってくる。

守屋「くっそ……このままじゃ――」

米谷「……っ」

二人は身を寄せて、狙撃を耐える。
撃ち返さないことからもう弾丸が尽きていることに気づかれている。

平手「…………」

平手は全弾撃ち尽くすとスナイパーライフルを銃を捨て、懐から拳銃を取り出す。
セカンドベース付近まで近づいたところで、マウンドに隠れている二人の姿が見え射程圏内に入る。

守屋(お、終わった――!!)

米谷「〜〜〜〜!!」

ぎゅっと目をつぶり、死を覚悟する。
0671名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 19:02:26.25ID:mDlupBwFa0909
平手「!」

平手は長濱がいなくなったことに気づく。
殺気を感じ左後ろへ振り返ろうとした瞬間、グラウンドに銃声が響いた。

弾丸は平手の髪の毛もろとも頭を吹き飛ばし、そのまま前方へ倒れ土煙が舞う。

守屋「え」

ライトから姿を現した人物を見て叫ぶ。

守屋「んんんねるぅ――っ!!」

その手には齋藤の火縄銃を持ち、硝煙が上がっている。

長濱「ふ――冬優花ぁあああああッははぁああああああん!!!」

齋藤を殺した犯人をこの手で仇討ちでき、喜びに似た感情で感涙を流す。

守屋はライトの長濱の元へ駆けつけて抱き締める。
0672名無しって、書けない?(やわらか銀行)垢版2018/09/09(日) 19:07:21.44ID:JNufJU2F00909
正真正銘きたかこれは
0673名無しって、書けない?(dion軍)垢版2018/09/09(日) 19:12:46.29ID:MzN+uBJl00909
うおおおおおおおお
0674名無しって、書けない?(大分県)垢版2018/09/09(日) 19:15:42.87ID:ny81pSZw00909
現状はかなり凄惨だが、凄く興奮する。
0675名無しって、書けない?(やわらか銀行)垢版2018/09/09(日) 19:20:12.26ID:JNufJU2F00909
待てよ?髪の毛もろとも頭が吹っ飛んだ…まさか…
0676名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 19:21:53.97ID:mDlupBwFa0909
二人は抱き合って泣いている。

米谷(ここに来たのは冬優花の火縄銃で狙撃するため。不意打ちでなければヤツは倒せなかった――)

火縄銃を落ち着いて撃てるほどの距離と時間を稼ぐ必要があった。
陽動して引き付け、後ろから狙撃した。

平手は齋藤を殺した際に火縄銃を持ち去らなかった。
発砲するのに時間がかかるため実戦向きではないと判断していた。

三人は今にも千切れそうだった綱を渡り切り地に足がついた感覚が戻る。

米谷(平手……、たった一人でようここまでやってくれたな――)

さすがの平手も頭を吹っ飛ばされたら生きてはいられないだろう。

徐々に土煙が晴れ、飛ばされた頭片を見る。
欠損部など見たくもないが目に入っていた。
0677名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 19:30:05.18ID:mDlupBwFa0909
米谷(……え――か……かつら?なんで、こんな島に落ちて……?)

頭片かと思っていたそれはかつらだった。
誰のものだ。そもそもいつからあった。
いきなり空から振って来るはずがない。
頭を吹き飛ばした瞬間からあるということは、つまりそれがかつらだったのだ。

真実にわざと遠回りしてたどり着く。
一瞬で全身の汗が吹き出し、ライトにいる二人に向かって叫ぶ。

米谷「に、逃げ――……」

二人はそのことに気づかず平和的に会話をしていた。

長濱「結局これは使わずに済んだか……」

守屋「ん?何それ?」

長濱「試しに予備の――……」

その時、再びグラウンドに銃声が響く。
0678名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/09(日) 19:30:23.04ID:8WzdggTPd0909
>>676
平手の初期装備は日本刀と…
0679名無しって、書けない?(dion軍)垢版2018/09/09(日) 19:32:35.11ID:MzN+uBJl00909
おいいいいいいい
0680名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 19:33:42.67ID:mDlupBwFa0909
守屋長濱「――!?」

世界が停止した気がした。
全てが終わったと思ったのに闘いの合図とも呼べる銃声が鳴ったのだ。

米谷「あがっ……!!!」

米谷は脚を撃たれて大胆に倒れた。

守屋「なっ、奈々未…………?」

長濱「ななみ――」

米谷の代わりに立ち上がっていた人物がいた。
その手には銃が握りしめて米谷に銃口を向けていた。

守屋「ゅ……友梨奈あぁん!?!?!?!?」

再び幽霊を見たようなに驚き震えあがる。
0681名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 19:35:19.00ID:9fTXGAJda0909
平手嫌い
0682名無しって、書けない?(家)垢版2018/09/09(日) 19:38:31.46ID:fEIAyABO00909
よねさん、、
0683名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 19:39:46.56ID:mDlupBwFa0909
まだグラウンドに落ちている頭と思しき物体を見て理解する。

長濱「ぼ、防弾メット――!?」

長濱の狙撃を防弾メットによって防いでいた。
防弾メットは飛ばされ、勢いで倒されたが外傷はない。

守屋「ッ、よくも奈々未をぉおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

平手が生きていることを二の次に米谷が殺されたと思い込み怒りが爆発する。
怒りの咆哮とともに分校で澤部に見せた猛進で突っ込む。

長濱「茜ちゃあんッ!!!」

無策で挑む守屋に制止の声が届かない。

平手「…………」

猛烈に燃える守屋に対し、平手は冷たい目で躊躇なく狙いを移し引き金を絞る。
0684名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 19:43:43.87ID:mDlupBwFa0909
守屋「おぉおぉおおお――ゔッ……!!!」

腹に穴が開き、猛進の勢いがあまって派手に転がりセカンド定位置で倒れる。

長濱「ああっ……!!アカネ――!!!」

守屋「カ、ハ―――――」

守屋は項垂れて、動かなくなった。

長濱(弾を――、ダメだ。弾を詰め込んでる暇なんてない……。負けたんだ――)

火縄銃はたった一発の発砲に時間がかかる。
あそこで決めるはずだったのでもう何の役にも立たない。

長濱「ふーちゃん…………っ」

火縄銃を握りしめて、目を閉じ死を覚悟する。
すぐに最後の銃声が鳴り響いた。
0685名無しって、書けない?(やわらか銀行)垢版2018/09/09(日) 19:44:21.53ID:JNufJU2F00909
いやあああああああああああああああああ
0686名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 19:49:21.43ID:mDlupBwFa0909
長濱(ごめんね、ふーちゃん。ねる負けちゃった、がんばったけど……。褒めてほしい――、……?)

撃たれたはずなのに痛くない。
痛みがないまま死んでしまったのか。
それにしては生きている時と何が変わった?

そっと目を開けると、まだ現世に留まっていた。
身体は無傷で目の前の光景を見て状況を知る。

長濱「えっ……?わッ――」

平手の顎が拉げて、赤い髭を垂れ流している。
拳銃は草むらに落ちて、白目を剥いて意識を失い膝をついて仰向けに倒れた。

こちらはもう弾切れしていたはず。
自分で自分の顎を撃ち抜いたのか。
そんなはずはない。では誰が――。

??「私が――……」

長濱「あっ!!!!」

米谷「っ……!」
0687名無しって、書けない?(熊本県)垢版2018/09/09(日) 19:50:07.07ID:JnMlfPYF00909
私が鼻を折る!
0688名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/09(日) 19:53:04.76ID:W0ZMq5UlM0909
てち不死身すぎw
0689名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 19:53:34.85ID:mDlupBwFa0909
守屋「みんなを守る――!!!!」

長濱「茜ちゃんっ!!!!」

米谷「茜……!」

守屋の握る銃から硝煙が上がっている。
腹を撃たれたはずの守屋は生きていた。
見ると少女誌"リボンスペシャル"を抱えていた。

米谷(意識外からの――!!)

今度は守屋が膝をつき空に泣き叫んでいた。

守屋「うわあぁああぁぁああああああぁああああああぁあんんん!!!!」

米谷は倒れた状態から守屋に向かって親指を立てる。
米谷が生きていたことでさらに涙を流して喜ぶ。

長濱は内野に移動し、米谷の元へ行く。
0690名無しって、書けない?(熊本県)垢版2018/09/09(日) 19:54:31.12ID:JnMlfPYF00909
まさかのりぼん
0691名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/09(日) 19:55:18.93ID:W0ZMq5UlM0909
りぼんスペシャルwwwwww
0692名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/09(日) 19:55:39.53ID:8WzdggTPd0909
これで生きてたら引く
0693名無しって、書けない?(やわらか銀行)垢版2018/09/09(日) 19:56:07.56ID:JNufJU2F00909
さすが俺たちの茜…
0694名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 20:02:41.40ID:mDlupBwFa0909
長濱「ふう……。奈々未さん、大丈夫?」

米谷「めっちゃ痛いが、急所は外れてる……。それより、もう全弾撃ち尽くしたんやなかったんか?」

長濱「茜ちゃんの銃弾を作ってみたの。あの材料がまだ余ってたから見よう見まねで一発だけね」

米谷「全く……とんでもないことをするな」

長濱「時間はたくさんあったからね……。発射できるかどうかわからなかったけど、撃ててよかった――」

米谷「そういうことか……。ありがとう、また助けられた」

長濱「ううん、平手をちゃんと引き付けてくれてありがとう」

二人は互いに礼を言い合う。
思い出したかのように守屋の方へ向き問いかける。

長濱「ところで、その雑誌は何?」

守屋「これは――……」

1000頁を超える雑誌を見せる。
表紙の可愛らしいふわふわのイヤリングを着けた少女の巨大な目に穴が開いていた。
0695名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/09(日) 20:03:26.38ID:3h6wViGud0909
あとは脱出、か?
0696名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/09(日) 20:09:08.45ID:8WzdggTPd0909
脱出いうても首輪もあるよなぁ…
結局米さんは解析終わったんかな?
0697名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 20:18:41.63ID:mDlupBwFa0909
もう一つ脳天に穴が空いており、そっちは長沢が戦った際のものだと判る。
人を殺すのは二人目で覚悟していたことだが気持ちが落ち込みながらも話す。

守屋「菜々香に、助けられた……。ずっとお腹に入れてたの忘れてたから本当に死んだかと思った……」

長濱「なーこちゃんの……」

守屋「さっき、ねるが見せてくれた弾丸がなければ全滅した……。本当にありがとう」

長濱「全く、奈々未さんが撃たれて猪のように走ってっちゃうんだもん。弾を使って!って思っとったよ」

守屋「ごめん……つい――」

米谷「これで今度こそ終わりや。顎を撃ち抜かれて生きていられるはずがない――」

同じような台詞をつい先刻も言ったような気がしはっとする。

平手は種も仕掛けもなく顎が欠損しており動かない。

彼女は大人たちの思惑通りにならないために態度の悪いふりをしていた。
自分は他とは違うんだぞと言うのにそれが一番分かりやすかった。

世間からは意味解らながられたが、解ってもらえないことを望んでいた。
ただカッコイイしか言わないだけの人こそ何も解っていなかった。
理解しているつもりですかしてる1のような人が滑稽にさえ思った。
0698名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 20:23:05.28ID:mDlupBwFa0909
彼女の行動は一見難解にも見えるが単純にして統一性がある。
それはここでも例外ではないはずだった。
平手友梨奈がゲームに乗り大人たちに従ったのは何故か。

ゆっくりとノーハンドで仰向けの状態から上体を起こし立ち上がる。

平手「……わ、だじ、が――」

三人「!!!???」

倒したと思ったら生きてました展開は三度目を迎える。
慣れずはずもなく驚きは回を増すごとに大きくなる。
守屋の殺人によるブルーは吹き飛んで切った。

守屋「ゆ、友梨奈っ!!?」

米谷「また――」

長濱「なん……で……?」

平手「みん、なを゙…………だすげ、なゐど……!!みんなを゙、まもる゙……!!」

顎からおびただしい血を流しながら直立している。
0699名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 20:26:55.73ID:mDlupBwFa0909
銃創は致命傷にならず、喉は無事で呼吸に問題はなかった。

平手「おどなだぢに゙……じばい゙、ざぜない゙!!!」

平手は大人たち延いてはこの腐りきった世界から愛するメンバーたちを解放するために凶刃を振るう。

腰に差している日本刀を抜刀する。
次の瞬間には平手の姿が消えていた。

守屋(き、消えた――!?)

すぐに目の前に現れ、刀を天へ掲げている。

守屋「え」

米谷(瞬間――移動!!)

刀をそのまま守屋へと振り下ろす。

長濱「危ないっ!!!!」

殺人タックルの要領で守屋を突き飛ばす。
0700名無しって、書けない?(やわらか銀行)垢版2018/09/09(日) 20:28:45.24ID:JNufJU2F00909
何者だよこのカワウソ…
0701名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/09(日) 20:30:57.69ID:8WzdggTPd0909
顎と脳直結してるとかしてないとか
0702名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 20:32:14.79ID:aD3zfw2ta0909
にしてもそんな分厚い本を持って戦ってたなーこすげえ
0703名無しって、書けない?(チベット自治区)垢版2018/09/09(日) 20:34:12.59ID:k9nY/Bnc00909
ターミネーター
0704名無しって、書けない?(家)垢版2018/09/09(日) 20:37:03.11ID:fEIAyABO00909
不死身かよ
0705名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 21:07:36.75ID:mDlupBwFa0909
守屋「ぎふっ!!!」

長濱「ふぐぃ――」

長濱の苦いうめき声が聞こえ、振り返ると背中が赤く染まっていた。

守屋「んねっ、ねるぅ――!!!?」

タックルされ腰を痛めたが、長濱の怪我は比ではない。
庇った長濱の背中は深く斬られて血がブレザーに滲む。

平手「お゙わ、ら、ぜる。ん……だ!!」

長濱へとどめを振り降ろす。

米谷「ああッ!!!」

刃が遅く感じ、いよいよこの時が来たと覚悟する。

長濱(ふーちゃん……。ふーちゃん…………!!)

避けもせず斬撃を受け入れるかのように両手を外へ伸ばす。
猿腕になり、笑顔で刃を迎い入れる。
0706名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/09(日) 21:09:28.29ID:Y0qdgYj+M0909
腐った世界から解放とか発煙筒事件かよ平手さんw
0707名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 21:10:39.90ID:mDlupBwFa0909
米谷「ネル!?」

長濱「おいで」

胸から腹にかけて斜めに斬られた。

長濱「――っ」

守屋「んんんねるうぅうううううううううううぅうう!!!!!!!」

平手に返り血や吐血その他が全身に振りかかる。
いつの間にか膝立ちから立っており身体は後ろではなく前に傾き、一瞬で刀を振り切った後の腕もろとも平手を強く抱きしめる。

平手「ん゙――!?」

長濱「捕まえた」

守屋「な、何やってんのおっ!!?」

米谷「ねる……まさか――!」

致命傷を受け、死に匹敵する激痛を我慢して逆に抱き締める力に変換していた。
0708名無しって、書けない?(家)垢版2018/09/09(日) 21:12:35.10ID:fEIAyABO00909
あぁぁぁ
0709名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 21:16:14.33ID:mDlupBwFa0909
平手「……っ!!」

平手は万力に挟まれているようで、回されてる腕を解くことができない。
それより化学薬品のような臭いに気がづく。

長濱「……気づいた?いい臭いでしょ。あ、昨日お風呂入っとらんけど」

船へ襲撃しに海水浴をして、その後は米谷の治療を受けタオルで全身を拭いてくれたようだ。
そんなことはどうでもよく、二人は全身にアルコールをかぶっていた。

長濱は胸に仕込んでいた液体を斬られたら飛び出すように仕組んでいた。

長濱「この手は……絶対離さん!!」

意思は強く、より力が強まり平手を離さない。

米谷(次から次へと――ねるってやつは……!!!)

島に来て、数々のモノを造り戦っていた。
22世紀から来たタヌキロボのように4次元ポケットを持っているのではと疑うほどだ。

長濱「これで、おしまい――」

右手に持っている火縄銃で用いたチャッカマンを着火させる。
火がアルコールに引火し、二人をたちどころに炎上させる。
0710名無しって、書けない?(dion軍)垢版2018/09/09(日) 21:20:32.43ID:MzN+uBJl00909
ねるうううううううう
0711名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/09(日) 21:21:29.99ID:8WzdggTPd0909
うわああああああああねるううううううううう!!!!!
0712名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/09(日) 21:21:53.40ID:Y0qdgYj+M0909
長濱ねるドラえもん説w
0713名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 21:24:01.85ID:mDlupBwFa0909
平手「あぎょぃえええちょおおおおええええええあああああおおおおおおおお!!!!!!!!」

守屋「ねるーーーーーーーーーーーっ!!!!!」

炎の熱さに暴れる平手を腕の中で必死に抑え込む。
斬られた血は止めどなく流れ続ける。

長濱「奈々未ィイイ!!!」

米谷「!!!?」

長濱(このままじゃ、振り解かれる……!!だから――)

近くに落ちている火縄銃を拾うようにアイコンタクトを送る。
瞬時に読み取った米谷は守屋へ伝える。

米谷「茜っ!!!火縄銃や!!!!」

守屋「!!!あん!!!」

不死身の平手は炎上攻撃で倒せられないかもしれないと学習する。
足を怪我している米谷に変わり全力ダッシュで奪取する。
0714名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 21:26:42.33ID:mDlupBwFa0909
生きたままその身を焼く炎によって闇落ちした平手の瞳に生気が吹き返る。
血だらけのねるに万力のような力で強く抱きしめられ、炎に包まれている。

平手「あ――熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱いぃいいい゙い゙い゙いいいいひ――!!!!!!!」

耐え難い熱に絶叫せずにはいられなかった。

長濱「やっと……起きた?」

平手「!!ね、る――!?」

どうして目の前の長濱は涼しそうな顔をしていられるのか。

火遊びをして火の穂先に指を近づけただけで耐え難い熱さに指を引っ込めるのに、それを直に全身で感じている。

何で一緒に自分たち自身でキャンプファイヤーなんかしている。
使える木々は周りに生い茂っているのにどうしてそれを使わないのか。
そんなことはどうでもいい。解らなくていいから。

平手「ね、る……!!お゙願い゙……。離……じ、で……!!」

長濱「ダーメ♡」
0715名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/09(日) 21:27:35.81ID:8WzdggTPd0909
ここのねる笑顔なんだろうな…
なきそう
0716名無しって、書けない?(やわらか銀行)垢版2018/09/09(日) 21:28:21.57ID:JNufJU2F00909
ゆずみこおおおおおおお
0717名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 21:29:11.64ID:mDlupBwFa0909
守屋「奈々未ィ!!」

米谷「よ――し!!」

守屋は火縄銃を持って、二人が燃えているセカンドまで戻って来た。
扱い方を知らず米谷の指示で弾を詰め込み、長濱自身の火を借りて着火させる。

長濱「茜ちゃん撃って……!!!ねるを――早ぐぅうううううううっ!!!」

平手「まッ、待でぇええええッ!!!!!!!」

長濱「な……に?」

平手「死にたくない!じにだぐない゙!!ジニダクナヰ!!!死にだぐなぁあああああああああああぁいっ!!!!!!!!!!!」

殺戮アンドロイドはここに来て年齢相応の餓鬼みたいに泣きわめく。
唯一動かせる頭をヘッドバンキングする。
前へ振った際に長濱の顔面を強襲する。

長濱「〜〜〜〜ッ!!」
0718名無しって、書けない?(dion軍)垢版2018/09/09(日) 21:31:05.67ID:TmlHkFux00909
野球場でこれやってるって考えたら相当シュールだな笑
0719名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 21:32:06.69ID:mDlupBwFa0909
守屋「ねるぅっ!?」

地味な鈍痛を感じ、涙と鼻血がこぼれる。
それでも平手を抱きしめる腕を緩めることはない。
腹と背中を斬られた傷や全身を撫でる炎の熱さに比べればどうと言うことはない。
と言いつつもやはり頭突きもかなり痛かった。

長濱「……っ」

もう喋るのもしんどく、歯を食いしばりながら二人に視線を向ける。
米谷はその視線で全てを察し、守屋に伝える。

米谷「ねる……っ!!茜!!!!平手を撃てッ!!!」

守屋「今楽にしてあげるね、ねるっ。そして……友梨奈ァアアアアアアアアアアアッ!!!」

平手「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ僕は嫌だあああああああああああああああああああ!!!!!!!!」

長濱「一緒に逝って、あげる……からっ――地獄まで……!!」

自分の死を悟る平手は業火に焼かれながら最期の言葉を遺す。
0720名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/09(日) 21:36:14.01ID:Y0qdgYj+M0909
「わたし、ゆずきとなら死ねるよ」
0721名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 21:36:56.80ID:mDlupBwFa0909
平手「!!ぐっ……。あ、りが……どゔ。ね゙る――あと、うっ……ぁあああああああああああぁああぁぁあああああああああああぁぁああ――」

最期に守屋に視線を向けたが、炎に熱さに耐え切れず空を仰ぎ絶叫する。

礼を言われた長濱はにこっと微笑んで応える。

守屋「あああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

咆哮が共鳴し、発砲音が全てをかき消す。

弾丸は平手友梨奈の後頭部から侵入し、そのまま長濱ねるの眉間を貫いた。
死体はゆっくりと傾いて倒れ、まだ燃え続ており灰は空へと舞う。

米谷「…………」

二人がこんなに密着してはしゃぎ合っているのが懐かしく、在りし日を思い出す。

米谷「ねる、平手。安らかに休み――」

守屋「うぅ……うゎああぁあああああああああああああああん――!!!」

二人を葬った守屋は何度目かの号泣をする。
人生で一番の大号泣を見せ、空が暗くなるまで泣き続けた。


残り2人
0722名無しって、書けない?(やわらか銀行)垢版2018/09/09(日) 21:37:39.09ID:JNufJU2F00909
やだ…どうなるの…
0723名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/09(日) 21:37:48.01ID:8WzdggTPd0909
【残り2人】
0724名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/09(日) 21:39:08.87ID:YbKAc6L400909
まあ黒幕はウェスカーなんですけどね、初見さん
0725名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/09(日) 21:44:05.99ID:8WzdggTPd0909
1、素晴らしい作品サンガツ
もう最終話か…早いものだ…お疲れ様
0726名無しって、書けない?(福岡県)垢版2018/09/09(日) 21:53:01.02ID:ViXlamON00909
結局よねさんが典子で茜が七原なのかい?
逃げてテロリストになるの?
走れ!で終わるのかなー。懐かしい、また観たくなってきたわー
0727名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/09(日) 21:58:40.31ID:3h6wViGud0909
ここまでいろいろあったなあ
0728名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/09(日) 22:02:44.59ID:8WzdggTPd
>>726
もしそうなれば国からの兵士はひらがなやな
0729名無しって、書けない?(家)垢版2018/09/09(日) 22:15:24.62ID:laHVMmqY0
澤部を、澤部をこのまま生かしておいちゃダメだ!
0731名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 22:38:54.73ID:/DqGB0NBa
まさかの米さん生き残り
やはり米さんは優秀
0732名無しって、書けない?(静岡県)垢版2018/09/09(日) 22:39:10.94ID:Rypkm5NN0
ラストの投稿時間とかで、今日放送のけやかけとリンクさせた展開あったら神
オープニングとか
0733名無しって、書けない?(チベット自治区)垢版2018/09/09(日) 22:49:29.74ID:VhZXBqWr0
今日中に完結するよね...?
0734名無しって、書けない?(やわらか銀行)垢版2018/09/09(日) 22:51:26.67ID:FHN1DdtL0
いやー面白い
0735名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 22:52:36.15ID:R6Lxo6Jfa
追いついた
これで小説出して欲しいわ
0736名無しって、書けない?(やわらか銀行)垢版2018/09/09(日) 22:53:15.44ID:JNufJU2F0
漢字→バトルロワイヤル
ひらがな→きくちゃんの愉快な旅
0737名無しって、書けない?(やわらか銀行)垢版2018/09/09(日) 22:57:23.69ID:FHN1DdtL0
きくちゃんは草
0738名無しって、書けない?(チベット自治区)垢版2018/09/09(日) 23:03:07.67ID:VhZXBqWr0
井口の魔法撃った時の顔でマシンガン乱射されたら笑うしかないじゃん!
0739名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 23:06:04.75ID:mDlupBwFa
ご支援いただきありがとうございます!
今日中に終わらなくて申し訳ございません……
途中で守屋「ぴょん!?」(富山)入れてふざけてすみません
水曜夜に完全に終わらせてよろしいでしょうか。

武器一覧
1石森 斧(棒)
2今泉 クナイx2
3上村 手裏剣x2
4尾関 手榴弾x2
5織田 大鎌(棒)
6小池 鈎爪x2
7小林 サーベル メガホン
8齋藤 火縄銃 チャッカマン
9佐藤 トンファーx2
10志田 弓x矢
11菅井 鎌x鎖
12鈴本 ナイフx2
13長沢 ヌンチャク リボンスペシャル
14長濱 サブマシンガンx2
15土生 槍(棒)
16原田 青龍偃月刀棒)
17平手 日本刀・防弾メット
18守屋 拳銃x2
19米谷 十手・簡易レーダー
20渡辺 ロケットランチャー 弾頭x2
21渡邉 スナイパーライフル スコープ
22渡邉 スナイパーライフル スコープ
0740名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/09(日) 23:18:49.41ID:3DN6QQIHd
>>739
えぇんやで!
0741名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/09(日) 23:19:48.66ID:ViXYcIrKd
ありがとう
楽しみあり、来週も頑張れそうだ。
それにしても、かなりの欅通だ。
0742名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/09(日) 23:21:58.00ID:SnpBQvlZa
作者はエイターなのね
0744名無しって、書けない?(catv?)垢版2018/09/10(月) 00:02:56.62ID:S2MvHDFs0
まだある程度現実味のあるバトルロワイヤルもおもしろいけど、現実味のないファンタジーなんかもおもしろそう
0746名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/10(月) 00:36:03.51ID:pwFoQyzTa
>>741
そうでもなくない?
0747名無しって、書けない?(dion軍)垢版2018/09/10(月) 00:38:50.84ID:uRKXx/h40
顎が欠損した平手がどうやって喋ってたのかとか、
最後に撃った弾丸はどこから出て来たのかとか、

言うのは無粋ってやつかねぇ
0748名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/10(月) 00:44:36.99ID:MFuj/KrZ0
それを言っちゃあ野暮ってもんよ兄さん
0749名無しって、書けない?(やわらか銀行)垢版2018/09/10(月) 00:52:03.06ID:abhy9Ri/0
>>745
何それw
0750名無しって、書けない?(やわらか銀行)垢版2018/09/10(月) 02:01:13.76ID:XKBXoZDu0
避雷針衣装でBRODYの武器持った写真このスレのために撮ってくれ
0751名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/10(月) 02:43:32.29ID:sZHTkEtFa
欅ネタが現実とズレてるところもあるし無茶苦茶な設定、展開だけど、そういう細かい部分が気にならないような勢いと、大量の欅の小ネタがとにかく面白い
0752名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/10(月) 02:56:15.61ID:fMmwBE3Ja
突っ込みだしたらキリ無い出来ではあるけど原作も結構小説としては滅茶苦茶だったのを思い出した
そのノリはまあ出てたし原作をなぞってて懐かしかった
0753名無しって、書けない?(やわらか銀行)垢版2018/09/10(月) 07:25:19.37ID:Am9sds5E0
>>14
土生w
0754名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/10(月) 09:44:55.88ID:7Jzc1TWqa
とかく面白い
0755名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/10(月) 09:57:40.21ID:LhoGvhPKd
何がすごいって更新ペースよ
0756名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/10(月) 11:43:23.19ID:tRzfzDrtd
>>747
最後の弾はねるが作ったんじゃないの?
0757名無しって、書けない?(dion軍)垢版2018/09/10(月) 13:28:24.82ID:uRKXx/h40
>>756
ねるが作ったのは(火縄銃じゃなく)守屋の拳銃の弾で、平手の顎を撃ち抜くのに使用。ねる本人が一発だけ作ったって言ってる。
という説明になるけど、何にせよ野暮なことには変わりない
0758名無しって、書けない?(兵庫県)垢版2018/09/10(月) 14:11:56.69ID:9S+VGbUb0
>>757
あ、なるほど
でも火縄銃の方は弾切れしたって描写はなくない?弾を装填する暇はないって言ってるから弾はあるっぽいけど
どっちにしろ気にするとこじゃないなw
0759名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/10(月) 21:03:01.81ID:LhoGvhPKd
再編してまたどこかに上げ直してほしいなぁ
0760名無しって、書けない?(新疆ウイグル自治区)垢版2018/09/11(火) 04:07:55.80ID:CJQ+5m3Z0
書籍化を希望します(映像化もできるなら観てみたい)
0761名無しって、書けない?(SB-iPhone)垢版2018/09/11(火) 08:15:36.79ID:GSPoUJgOp
はやくみてぇ
0762名無しって、書けない?(SB-iPhone)垢版2018/09/11(火) 12:01:00.42ID:XjYak4wcp
>>761
予告だと明日だねえ
0763名無しって、書けない?(dion軍)垢版2018/09/11(火) 21:38:22.95ID:0kWSOLJU0
明日楽しみですねぇ
0764名無しって、書けない?(家)垢版2018/09/12(水) 00:13:06.47ID:MjKe7QjO0
ホラ!水曜の夜だぞ!
0765名無しって、書けない?(catv?)垢版2018/09/12(水) 01:22:37.47ID:eNTeQj0BM
昨日の昼から読み始めてやっと追いついた…
0766名無しって、書けない?(新疆ウイグル自治区)垢版2018/09/12(水) 08:42:04.43ID:Ye4WQ+DL0
今夜完結か。楽しみでもあり寂しくもある
0767名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)垢版2018/09/12(水) 09:07:28.45ID:PfesIDWZK
彼岸島みたいになっても嫌だな(笑)
0768名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/12(水) 10:38:18.61ID:8V0/IUzPd
800超えるかもな
0769名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/12(水) 15:05:26.58ID:sDMx+jrfd
早く夜にならないかなぁ
やだな〜怖いな〜怖いな〜
0770名無しって、書けない?(やわらか銀行)垢版2018/09/12(水) 19:16:47.25ID:sRwIJgHP0
待ってました!
0772名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 20:06:07.90ID:HVN35twia
最終話

守屋「うゎああぁあああああん……!!!」

マウンドで膝をつき泣き叫ぶ茜。
甲子園の決勝で負けたのではない。
持っている火縄銃でねると平手を撃ち抜いたのだ。

米谷「……」

18時の放送で土生と美波の死亡が発表されると同時に平手が奇襲して来た。

第一ラウンドは、山で銃撃戦しながら後退し予め用意していたソリで逃げ切った。
第二ラウンドは、川でボートレースし逃げながら誘い込み滝壺に落としたが脱出されていた。
最終ラウンドは、全弾撃ち尽くして距離と時間を稼いでグラウンドのマウンドまで意識を引き付けたところでねるが頭へ狙撃した。

米谷("危なっかしい計画"はここまでだったが、ねるの狙撃は防弾メットで防がれていた……)

自分は脚、茜が腹を撃たれ、ねるが絶体絶命な時平手の顎が拉げた。
茜は腹にリボンスペシャルを忍ばせており、ねるの試作弾を撃っていた。
0773名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 20:08:09.82ID:vVO+YPKMa
きたか
0774名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 20:10:15.26ID:HVN35twia
それでも平手は死なず、日本刀を茜に振るうもねるが庇い平手を抱き締めた。
診療所にあったアルコールを共にかぶり火を着けて炎上した。
平手は炎上にも耐え、ねるのロックが外される前に諸共に火縄銃で葬った。

ギリギリの綱渡りでねるを犠牲にしてしまったが、無策で闘っていたら全滅させられていただろう。

米谷「やれやれ……」

脱出する準備のため、武器をかき集める。
平手が落とした銃はまだ弾が残っていたはずだ。

銃を拾いに行こうとした瞬間、鳴るはずのない銃声がダイヤモンドに響く。

米谷「――?」

闘いは終わったのに誰が発砲したのか。
この瞬間島に生き残っているのは自分と茜の二人だけ。

米谷(まさか、平手が生きて――!?)

見ると二人は抱き合ったまま死んでおり、燃え盛っていた炎は鎮火して死体は黒くなっている。
自分の持つスナイパーライフルは弾切れしている。
まだ弾のある銃を持っているのは――。
0775名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 20:11:05.73ID:HVN35twia
米谷「ゔっ――」

遅れて気がつく、腹に穴が空いていることに。
不思議と痛みはなく、浮き上がるような感覚がする。

??「生き残るのは……」

米谷「!?」

声が聞こえ振り返ると真っ直ぐ銃口を向けられていた。

守屋「この私ィ!!!」

茜は泣きながら笑っている顔が狂気じみていた。
弾箱からまだまだある弾丸を火縄銃に詰め火を着ける。

米谷「あ゙……、が、ね……!?」

仲間から撃たれるとは思わなかった。
最後の最後で裏切られたのか。

脱出なんか危険なことはせずとも、目の前の一人だけ撃てば済む話だ。

守屋「勝利いただきま〜す♡」

米谷「や、め――――」

再び銃声が鳴り響き、目の前が真っ暗になる。
0776名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 20:14:51.31ID:HVN35twia
21:00

米谷「ハッ――!」

目が覚めると、天井が広がっていた。

米谷「夢…………?」

三時間前決着をつけたグラウンドで茜に撃たれる夢を見ていたようだ。
悪夢は悪くない傾向だと聞くが、最後の最後で裏切られたら堪ったものではない。

米谷「ふう……」

平手戦の後は二人で荷物をまとめて診療所に戻った。
治療を終えて、茜に休憩を促す。

米谷『少し休んでて。準備しないといけないから』

守屋『え!?何か手伝おうか?てかどうやって島から脱出するの?条件の1つ目はクリアしたよね?』

米谷『そうだね。今私たちのチームが最後まで生き残っている』

守屋『2つ目の条件はその"最後まで脱出方法は教えない"だよね?今がその時なんじゃないの?』

米谷『まだや。正確にはゲーム終了1時間前、23時になれば教えれる。だからそれまでは体力を温存しとって』

守屋『うん、わかった』

茜は23時にウォッチのアラームをセットし眠りに就いた。
0777名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/12(水) 20:17:58.86ID:8V0/IUzPd
>>775
「仲間からも撃たれると思わなかった」
0778名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 20:19:08.14ID:HVN35twia
自分も身体と脳を休めるために一時間程休んでいた。
茜より先に起きてしなければならないことがある。

屋外に出て、浜辺に出る。

米谷「さてと――」

海の向こうを見てから、浜辺に寝っ転がり天を仰ぐ。

米谷(東京と違ってよく星が見える。あれがデネブ、アルタイル、ベガ……、わずかに高いか)

降り注ぐ星空を眺めて、二日間あったことを振り返る。

米谷「0」

三日前、冠番組の収録があってお馴染みのテレビ局で2本撮りをした。
最後に、休憩を挟み別スタジオで『避雷針』を撮り行くためバスに乗り込んだ。

みんな眠っていたようで、分校で目を覚ました。
0779名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 20:21:39.76ID:HVN35twia
米谷「1……」

澤部が現れ、ここが島で私たちにたった一人になるまで殺し合いをしろと言った。

詩織は殺し合いに反対をすると澤部にチョーカーを起爆させられて首を飛ばされた。

絶対に外せない首輪、制限時間48時間、刺客の転校生がいる限り殺し合いをするしかないと脅される。
プレイヤーには少しの飲食料、二つの武器、ウォッチが支給され一人五分おきに分校から出された。

分校を出ると道端に虹花が斬り殺されていた。後に分かったが平手に殺されたのだ。

森の中からスナイパーライフルの銃声が聞こえ転校生に葵が殺された。

米谷「……2」

海の方で爆発音が聞こえ放送の順番的に尾関が死んだ。
怖くて自決したのか、否きっと勇敢に転校生と戦っていたのだろう。

朝になり、茜はねると冬優花に遭遇した。
南の山頂でゆいちゃんずの二人が休戦を呼びかけ、茜が駆けつけた。
0780名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 20:25:01.19ID:HVN35twia
米谷「3……」

茜が山頂に着くと誰もおらず、血の跡を追っていくと瀕死の小林を見つけた。
小林は死ぬ前に平手に襲われ今泉を逃がしたことを教えてくれた。

拠点にしていた場所に戻ると、そこには理佐の顔をした転校生がいてスナイパーライフルを撃って来て逃げた。

ねると冬優花は北の山へ移動中に平手に襲われ、マシンガンが奪われ冬優花が殺された。

米谷「4――」

夕方、茜は何時間も森に潜んでいたが友香に会いたく行動すると平手に遭遇する。
小林の仇を討つべく銃を撃つも右腕を斬り落とされて鬼ごっこをする。

逃げている最中今泉に助けられ、命辛々診療所までやって来た。
そのすぐ後の放送で今泉の名前が呼ばれたので、平手に殺されたのだ。
0781名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 20:30:20.34ID:HVN35twia
米谷「5…………」

死にそうな茜を診て、輸血するために虹花の元へ行き血液とチョーカーを手に入れるも上村に接近を許してしまう。
その後に来た平手のマシンガンに襲われ、上村は殺された。
上村の指差しと虹花が盾になってくれなければ自分も殺されていたところだった。

爆発とスナイパーライフルの銃声の戦闘音が聞こえた。
後に茜がバラバラになった梨加と菜々香を見つけたと言っていたからおそらくこの時転校生に殺されたのだ。

茜に血を届け、しばらくして目を覚まし再び友香を探しに外へ出た時、二人目の来客土生が訪れた。
友香と美波を探す土生に探知機を託し、脱出の話を持ち掛け落ち合う約束をし三人は散り散りになる。

その後、船で銃撃戦の音が聞こえ、黒い煙に包まれる。
ねるがゲームを止めるために運営側に奇襲していたが失敗し、ボートに乗って近くの浜辺に流着し治療した。
0782名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 20:33:05.09ID:HVN35twia
米谷「………6」

茜から聞いた話を時系列に直すと、灯台には友香、鈴本、志田、理佐がいて、そこへ転校生が来た。

灯台の中には友香が背中を刺され、鈴本が頭を撃たれて死んでいた。
灯台の外には志田と転校生が抱き合うように転落死していた。

米谷「7」

茜は一人立ってスナイパーライフルを持っている理佐を撃ち殺した。
転落死していた転校生の理佐と同じ顔を見て全てを理解した。
後の放送でひらがなの美穂が呼ばれてパズルが組み合わさった。

次は織田に会ったが平手が仇だと知ると飛んで行ってしまった。
後の放送で名前が呼ばれたことから返り討ちにされた。

無事に茜は私とねるに合流し、土生と美波を待つ。

米谷「8」

残り6人となり銃声が聞こえ、最後の放送で土生と美波の名前が呼ばれたことから平手に殺されたのだ。
0783名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 20:35:13.17ID:HVN35twia
米谷「9」

平手との最終決戦は三ラウンドに渡る逆転に次ぐ逆転の末、ねるが犠牲となった。
ねるは死を覚悟して冬優花の仇である平手を抱き締めて動きを封じ自分もろとも火を着けた。
とどめは茜が燃え盛る二人同時に火縄銃で逝かせた。

米谷「10…………………」

現在島に生き残っているのは私と茜の二人だけ。

考えられる選択肢は4つある。

1.茜を殺して優勝する。
2.茜に勝ちを譲り、自殺または殺されるか。
3.制限時間を待ち、運命を共にする。
4.脱出して一緒にアメリカに行く。

あり得ないものもあるが、実質の選択肢はすでに決まっている。

米谷「やるしかないか……」

覚悟を決めて起き上がり行動を始める。
0784名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 20:39:38.07ID:HVN35twia
23:00

守屋「ねえ!どこまで行くの?」

米谷「……。もうすぐだから」

守屋「…………」

ゲーム終了1時間前、米谷先導で森の中を歩く。
もう1時間すればチョーカーが爆発することになるが、黙って米谷の後をついて行く。
しばらくして暗い森から月明かりの元に出て海が一望できるところに出る。

米谷「ここや」

守屋「……。こんなところに何があるの?どうやってここから――?」

米谷「その前に、うちらがチーム8に負けてるって話をねるがしてたよな」

守屋「え?うん……。それがなんの関係があるの?」

米谷「はっきりさせとかないといけなくて。2016年時点ではうちらはAKB48に勝っていたんだ」

守屋「エ、AKBさんに?!」
0785名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 20:48:49.37ID:HVN35twia
米谷「売上は置いといて、勢いだけならあの乃木坂さんをも凌いでいた。それは愛があって、やる気が満ち一生懸命で、まだグループが新しかったから」

守屋「あ、新しい……?」

米谷「ねるの言う通りならチーム8がうちらよりも実質的に優れていれば単独デビューしているはず。でも、AKBという古いグループの1チームとして編成されてしまったからこそ知名度が低くうちも知らんほどや」

米谷「次々とできる48グループも結成されてからしばらくの間が一番の輝きを見せる。人はそれに惹かれる」

守屋「みんな若い子や新しいものが好きなんだね……」

米谷「それは私たちも同じで恵まれた楽曲や環境を与えられ、前作を超えなければならないことを義務付けられた。でも超えられなくなりアホみたいなアーティスト芸で誤魔化すようになった」

守屋「う、ん…………」
0786名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 20:51:46.53ID:HVN35twia
米谷「心臓である平手がやる気を失いグループは落ちたが、それに何も言えなかった。いや言わなかったんだ」

守屋「うん……」

米谷「漢字欅がダメになりグループを殺したのは、私たちが望んだ事だったのに……」

自分たちでグループを殺そうとしておいて、いざ大人たちに殺されそうになって嫌がるなど矛盾している。
今更ねると同じようにダメになった理由を語ったところで何の意味もなさないことは知っている。

守屋「そろそろ教えてよ。そんな話をするためにわざわざここに来たんじゃないんでしょ?」

米谷「せやな。まずは、ウォッチを見せてくれ。確かめなきゃならなことがある」

守屋「ああ、うん!!」

米谷はウォッチを受け取ると、自分のと見比べて弄っている。
0787名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 20:54:54.98ID:HVN35twia
脱出の準備をしているのかと思っていると傍らにあるものを見つける。

守屋「?」

月明かりの元から暗い木の陰に入る。

守屋「ね、ねえっ奈々未?」

地面に穴が空いていた。
覗くと底が暗く、深さ2メートル以上はあった。

守屋「何この穴!ここに何か埋めてたの?」

米谷「埋めるのは、これからや」

守屋「――え?」

米谷「初めに言ったよね、"最後の瞬間まで脱出の方法を教えない"って。こんな都合のいい話あるかって思ったよね?」

守屋「え。うん……正直思ってたよ。でも、それがどうしたっていうの?」

米谷「――だから……」
0788名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 20:58:00.92ID:HVN35twia
米谷が自分へ銃口を向けて言う。

米谷「あんたの負けや」

守屋「…………。なっ……、奈々未っ?」

米谷「…………」

守屋「へ……。ちょっと……何?嘘、だよね……!?」

米谷「嘘なわけ、ないやろ」

守屋「え――いや……いやいや!!約束したじゃん……?一緒にアメリカに行こうって……!!」

米谷「どうやって行く?」

守屋「!?ハァン!?だって、それは、奈々未が――いや、えぇ!?

米谷「私は大学へ行く。そして般若心境開いて、警察に入庁し刑事になって、微生物細胞の研究して、二児の母になって、旦那のノーベル賞授与式に出なければならない」

五人分の人生はありそうな内容を語る。
0789名無しって、書けない?(やわらか銀行)垢版2018/09/12(水) 20:59:56.76ID:sRwIJgHP0
自分って米さんのことかと思ったらあかねん目線の自分か
0790名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 21:04:25.11ID:HVN35twia
守屋「はあ!?何言ってんのか意味わかんないよ!!一緒にアメリカ行くんじゃなかったのお!!」

米谷「行けるわけないやろ。解らんやつやな」

守屋「へあっ!?だ、脱出するんじゃかなったのォ!?あれも嘘だったって言うのッ!!?」

米谷「だから私を信用した時点であんたの負けやって言うてるやんか。私はあんたを殺す。つまり優勝して堂々とこの島から出る」

守屋「じゃあ……何で助けてくれたのよ!!?私の命を救ってくれたじゃない!!!!」

米谷「こっちも助けられたよ。あんたとねるがいなかったら平手には勝てなかったからな」

守屋「くっ……、これまでの命はどうなるの!?」

米谷「失った命は元には戻らない。どうすることもできない」

守屋「ゆ、許せない!!私を騙して自分だけが生き残ろうとするなんて――!!」
0791名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 21:07:34.03ID:HVN35twia
米谷「どの道、茜が生き残ってもアイドルもできないし、夢だったアナウンサーになることもない。その手じゃね」

守屋「う――わああああああああ!!!!」

懐から拳銃を取り出して、米谷に向ける。
互いに同じ拳銃を向け合っている。

米谷「お得意の叫びはええけど、その銃に弾は入ってない」

守屋「ああっ!!??」

平手戦で全弾撃ち尽くし、ねるが作ってくれた試作弾は一発のみ。
それは平手の顎を撃ち抜くのに用いてもうない。

対して平手が落とした拳銃にはまだ弾丸が余っていた。

米谷「こっちは最後の一発だから外さへん」

守屋「ヂグジョ――!!!」

米谷「大丈夫やで。すぐみんなに会えるんだから」

守屋「なっ……奈々未ィ――――ッ!!」

最後の銃声が響き、守屋の胸に吸い込まれた。
0792名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 21:12:43.14ID:HVN35twia
船の管理室にて大人二人がその様子を見ていた。

黒服4「守屋茜の死亡が確認されました……」

澤部「フウ――」

澤部は少女のウォッチへ終了の放送する。

澤部『欅坂46"バトルロワイアル"――、これで終了でーす!』

米谷「…………」

澤部『さっすがだぞお〜〜よねさ――ん!よく頑張ったなあっ!!それじゃあ全ての禁止エリアを解除するので、港まで来てくださーい』

2018年"バトルロワイアル"=第四回大会 欅坂46 in 榮島
2月23日 23:15 終了――

港に着くと、拍手で出迎える澤部とそれを警護している黒服がいた。

澤部「いや〜〜すごいなあ!まさかよねさんが――」

米谷「そういうのいいから。早くシャワー浴びさせて」

優勝者 十九番 米谷奈々未(17)
0793名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/12(水) 21:19:36.93ID:8V0/IUzPd
さて伏線をどう使うよ
0794名無しって、書けない?(やわらか銀行)垢版2018/09/12(水) 21:21:59.10ID:sRwIJgHP0
どうなるのよ
0795名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 21:23:26.42ID:HVN35twia
東京某所

少女たちの映像を視ている20人以上の業界人が集っていた。

土田「いや〜みんなよく頑張った!俺が育てたんだぜ?」

指原「今年はなかなか見ごたえありましたね!ハラハラしましたよ〜」

秋元「あの子たちにああいうのやらせたら間違いないと思ったのは間違ってなかった」

指原「ホントですよ!でも来年はどうしましょう?今年以上のグループなんてあります?」

土田「乃木坂は絶対やらせたくないし、48グループはどっかあんだろ?HKTは?」

指原「マジムリですから!」
0796名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 21:27:48.81ID:HVN35twia
土田「なんだよ〜〜びびってんじゃねーぞ!」

指原「あ!話題に出て来たチーム8の子たちとかどうですか?」

土田「ああ〜ねると米さんが言ってたな。面白そうなのか?」

指原「いい感じの子たちですよ。あでもト〇タさんに怒られちゃいますよね」

秋元「いや、元々この企画をやらせるためだけにエイトを作ったようなものだ。47都道府県で誰が一番強いかってな。主力メンバーが高校生になるまで育ててたんだ」

指原「マジすか!?」

土田「何それ!すっげー面白そ〜〜〜〜!!!」

秋元「業務連絡。来年、第五回大会はチーム8」
0797名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/12(水) 21:31:22.96ID:8V0/IUzPd
土田が黒で悲しい
0798名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 21:32:23.13ID:HVN35twia
船 控室

澤部「よう米さん!お疲れさんしーごーろくななはちぃお水♪」

ペットボトルの水を持って、米谷のいる控室に入る。
米谷はごろの悪いギャグのせいではなく、話したくもないといった感じで嫌そうな顔をしている。

米谷「……何か用ですか?疲れてるんでほっとしてほしいんやけど」

澤部「つれないなぁ!俺は嬉しいんだぞぉー!」

米谷「それより、まだ出航しないんですか」

澤部「あー今ちょっと黒服が忙しいからな。ところで――首ぃ、スッキリしたなあ!」

米谷「…………」

常時爆弾を首に巻き付けている状態で過ごしていたため、外した後の解放感は素晴らしかった。
危険エリアに入らなければ爆発しないとはいえ、身につけているだけで圧迫感で落ち着かなかった。
0799名無しって、書けない?(兵庫県)垢版2018/09/12(水) 21:32:57.86ID:naWbbRE30
リボンスペシャルくるか
0800名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 21:36:56.31ID:HVN35twia
澤部「"コンタクト"も外したんだな?」

米谷「……ほんまに信じられへん」

怒りの目で睨み付けて来る。
運営はプレイヤーの右目にカメラ機能を有するコンタクトを埋め込んだことを教えていない。
先程黒服に教えさせ、その目からコンタクトを外れた。

澤部「ごめんな〜!でもこれは遊びじゃなくてTVShowだからさ、やっぱ映像がないとな」

米谷「…………」

澤部「トイレとかはちゃんとAIが自動的にモザイク処理して100%隠れるようにしてあるから安心していいぞ〜!まあアイドルはトイレしないか!」

米谷「最低……」

澤部「ところでさーよねさーん。なんでねると平手が死んだ後、すぐに守屋を殺さなかったんだ?」

米谷「……最後のチームメイトくらいは別れを言って、せめて墓に埋めたってあげたかった……」
0801名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 21:41:34.70ID:HVN35twia
島には寺院や墓地のマークがあり、過去三回の大会で戦死した少女たちはそこに供養されている。
せめて自分が殺める人間は埋葬したいと言う。

澤部「守屋が眠ってる間にズドン!でよかったんじゃないか?」

米谷「それは私の正義に反する」

澤部「ふ〜〜ん」

米谷「……何?」

わざとらしく納得すると気になったようなので本題に入る。

澤部「コンタクトの他に言ってなかったことなんだけどな、支給したウォッチ……あれ――心拍数なんかも測れるんだよな」

米谷「――!?」

澤部「体温や発汗量等いろいろデータとして見れてな、まあつまり嘘なんかついてたりすると判っちゃったりするんだなーこれが。すごいだろー?」

米谷「…………へえ」
0802名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 21:45:20.70ID:HVN35twia
澤部「で〜何が言いたいかってーと、米さん。全部、気づいてた?」

米谷「そんなん、知るわけないやんか。なんでそんなことを教える?」

澤部「いやな、ねるはわざわざウォッチも外してこの船に襲撃しに来たんだ。危うく全滅させられるところだったんだぞー」

米谷「襲撃の話は聞いたけど……」

澤部「コンタクトは齋藤が殺されて溺れるくらい泣いて外れたみたいなんだが、故意に外したのだとしたらそれを米さんに伝えてるはず」

米谷「うちらの会話を聞いていたんなら分かるはずやろ。そんなことねるから聞いてへんわ」

澤部「お前らはそんなバカじゃないだろー。米さんがコンタクトのある右目を閉じて筆談でもされればこっちからは気づけないんだよ」

米谷「…………」

沈黙するということは実際にコンタクトを塞いで筆談していたことを意味する。
0803名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 21:49:15.86ID:HVN35twia
澤部「さらにねるは脱出の方法まで思いついていたみたいだったしな。米さんも。その方法を互いにどうやって打ち合わせしてたんだ?」

米谷「ねると打ち合わせなんかしてないから互いの脱出方法は知らない。ただ"最後の瞬間が来るまで教えない"という条件が同じだっただけで」

澤部「おおそうくるか!じゃあ米さんの脱出方法は何だったんだよ?」

米谷「私が今ここにいるってことはどういうことですか」

澤部「うんうん!!脱出方法なんて絶対あり得ないんだよ。最初は俺たちも嘘だと思ってたんだ――」

後半は悪ふざけを止めて、真剣に問い質す。
ウォッチを見せながら言葉を続ける。

澤部「でもな――米さんが嘘をついたのは、最後の最後でだ」

米谷「……最後?」

澤部「守屋と対峙した時、米さんからず――っと嘘の反応が出続けていた」
0804名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 21:55:03.84ID:HVN35twia
米谷「あ……?あん時……私が何を――」

澤部「自分で分かってるだろー!脱出だよ!脱出ぅ!!」

米谷「脱、出――……」

澤部「”脱出の方法がない”というのが嘘で、本当は脱出の方法があったんだろ?」

米谷「……」

米谷は冷酷な表情で回答する。

米谷「はい」

澤部「!!おいおいおいおい〜〜、えらくあっさりと……ええ!?」

まさか肯定されるとは思っておらず、驚きを露わにする。
0805名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 21:58:08.96ID:HVN35twia
澤部「こっちから聞いとてなんだけど、あの状況でマジで脱出できたのかあ!?」

米谷「だから"はい"。私は脱出方法を思いついていた」

澤部「エエッ!!!」

米谷「ねるに思いついて、うちに思いつかないわけがない」

澤部「じゃあなんで守屋を脱出させなかった?」

米谷「決まってるやろ。違反して殺されるリスクを負ってまでたった一人を生かすなんて合理的やない。だったらそのたった一人を殺して安全に生き残った方がいい。そう判断した」

澤部「さっすが米さん!!冷たいな〜〜〜〜」

米谷「普通やろ」

澤部「でも違うんだな」

米谷「……何が違う」
0806名無しって、書けない?(dion軍)垢版2018/09/12(水) 21:59:44.70ID:5hADUwbb0
さあどうなる、、、
0807名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 22:07:43.04ID:HVN35twia
澤部「何もかも知っていた米さんは、俺たち運営側に気づかない"何か"をど〜〜〜〜にかしてその脱出方法で守屋だけは生かした」

米谷「――ハ?」

澤部「だから、たった一人生き残っているんだろ?今も、あの島で」

米谷「………………」

沈黙が続く中、米谷の額に汗が浮く。
長い沈黙の中米谷が喋るのをわざと黙って返事を待つ。

米谷「――馬鹿馬鹿しい。私は守屋を…………」

澤部「あるぇ〜?おじさん、名探偵になったつもりだったかなぁー?」

米谷「……仮に守屋が生き残っていたとして、ルールなんてないゲームに何か問題ありますか?」

澤部「大ありだよ!ルールなら最初に説明しただろー!"たった一人の優勝者が決まるまで殺し合いをしてもらいます"って!!!」
0808名無しって、書けない?(やわらか銀行)垢版2018/09/12(水) 22:08:41.43ID:sRwIJgHP0
茜ー!!!!!!
0810名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 22:14:01.36ID:HVN35twia
澤部「自分でも違反したら殺されるリスクを恐れてただろ?」

米谷「たった……一人になるまで――」

澤部「見てもらいたいものがあるんだ」

タブレットを出してある動画を見せながら説明する。

澤部「これは米さんがつけていたコンタクトの映像だ」

米谷「…………」

先程、守屋と対峙した時の映像・音声が映し出される。
しかし、薄暗くて対面にいる守屋の姿はとても見えにくかった。

澤部「ついさっき米さんが守屋を撃った時の映像だ。つっても暗い森の中木の下の陰で暗くて見えにくい。そう、守屋の姿がはっきり見れないんだ」

米谷「……性能が悪いんじゃないん?私にはちゃんと守屋が見えてましたが」

澤部「おっかしいな〜〜。HDまではいけるんだけど、やっぱ4Kじゃないとダメか――」
0811名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 22:22:42.16ID:HVN35twia
米谷「だったら守屋のコンタクトを見ればいいだけの話やろ!」

澤部「守屋のコンタクトはな分校で菅井に殴られた時から外れてたんだよ。知ってんだろ?あとはウォッチさえ外れれば準備完了、だから最後預かったんだよな?」

米谷「………っ」

澤部「チョーカーは爆弾とGPS、それと心拍計が入ってるんだよ。つまりチョーカーのロックが外れればそいつは死んだという反応を送って来るだけなんだって!」

澤部「米さんさ石森の首をちょん切ってチョーカーを持ち帰り一人きりで解体しようとしてたよな?ずっと見てたんだぞ!結局諦めたと見せかけて分解の一歩手前まで来ていた。そうなんだろ?」

澤部「会話中に守屋自身にチョーカーを取り外させた。米さんが銃を撃ったタイミングに合わせて」

米谷「あれは……、自分が生き残るために保険として…………」
0812名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 22:35:54.11ID:HVN35twia
澤部「だとしてもあんな長時間かけて、米さんほどの賢児が解体の糸口を掴めないはずがない。あのチョーカー単純そうな作りしてるもんな〜細いし」

澤部「それにねるのヤツはコンタクトを外してフリーだから何でもできるからな。ねると合流した米さんはコンタクトのことを聞いたがあえて残していた。最後に俺たち運営側を騙すためだけに」

米谷が小さく歯ぎしりをしながら訊ねる。

米谷「……どうやってそれを確かめる」

澤部「今黒服が守屋を埋めた土を掘り返してる。もちろんそこにチョーカーのGPS反応がある」

米谷「!!!――や……」

澤部「あん?」

米谷「やめて……。死者を冒涜するもんやない……」

澤部「たっはははははあ!!!がんばるな〜〜よねさーーん!」

米谷「くっ――……」
0813名無しって、書けない?(やわらか銀行)垢版2018/09/12(水) 22:39:55.70ID:sRwIJgHP0
澤部のセリフが脳内再生余裕で澤部腹立つ
0814名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 22:43:56.71ID:HVN35twia
澤部「もういいって米さん、終わりにしよう。そこに守屋はいなくて、チョーカーだけ埋まっているんだろ?そうなら二人とも殺さなければならない」

米谷「!!あ、あんた――!!」

銃を取り出して米谷へ向け、黒服からの連絡を持つ。

澤部「もうすぐ掘り返し終わるだろう。チョーカーだけならお別れだ」

米谷「待ってくださいッ!!!」

澤部「ん〜命乞いかー?」

米谷「…………。せめて、茜と……みんなと同じ場所で――」

怯え切って肩を震わし泣いている。
全てがバレた以上、自分だけ船で死ぬたくないのだろう。

澤部「…………。わかったよ」

米谷の願いを聞い入れた。
0815名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 22:48:50.87ID:HVN35twia
ゲーム中、船で長濱を助けてあげられなかったことを悔いていた。
最期くらいはメンバーの純粋な意思を尊重して死に場所を選ばせる。
生かすという選択はないのにも理由があった。

澤部(米さんはどうにかしてチョーカーを外して守屋を生かしている。武器を持った守屋が俺を襲ってくるはずだ。どっから来るか――)

守屋に撃った弾丸が「最後の一発」と言っており、その銃を回収している。
まだ弾があるはずの火縄銃もわざわざ米谷が杖代わりに船まで持ってきている。
スナイパーライフルにもマシンガンにも弾はない。つまり銃はもく恐れることはない。

万一に備え米谷の背中に銃を突きつけた状態で先を歩かせる。
脚を撃たれた米谷にスコップを持たせて杖代わりにさせる。

澤部「もう少しだ」
0816名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/12(水) 22:50:13.83ID:/aa0qb4I0
婦女暴行しちゃいましたァー♡
0817名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 22:56:46.32ID:HVN35twia
タブレットを見ながら守屋のチョーカーのGPSが近づく。
最後の地にたどり着くと、黒服は穴を掘っていた。

澤部「おーいまだ掘ってんのかー?」

黒服「!澤部さん……。相当深く………穴を、掘ったようです………」

タブレットを見るとやはりGPSは穴の中にあるようだ。
守屋はチョーカーを外してバレないようそのために掘った穴に隠したのだろう。

澤部「ったくぅ〜〜どけ――!ちゃんと見張ってろよ〜〜」

へばっている黒服に代わりに穴を掘る。

黒服「ゼェ……ゼェ……」

疲労した黒服はチョーカーを外した守屋が奇襲して来ないか周りを拳銃で警戒する。
加えて米谷が逃げ出さないようにすぐ近くにいさせていた。
0818名無しって、書けない?(大分県)垢版2018/09/12(水) 23:04:37.37ID:+03rlrNZ0
投擲武器あと一つ残っている気が…
0819名無しって、書けない?(熊本県)垢版2018/09/12(水) 23:05:24.07ID:A8kUBwV/0
これで死んだと思わせてた意外な人が生きてたら凄いな
0820名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 23:06:12.93ID:HVN35twia
澤部「は〜〜〜〜」

こんなところに守屋がいないなんて解っている。
とっとと堀り返して、何もないのを確認してから米谷を殺そう。

大方米谷が帰ったら島に助けを送るつもりだったのだろう。
ずっと夜空を見上げていた時間があり星の位置を観察し続けて、覚えたまま帰って調べれば地球上のどの辺りに位置する島なのか判るはずだ。

そこまで澤部は見透かしていた。

澤部「!」

大分深くまで掘るとスコップが固いモノに当たった感触が伝わる。

澤部(やっとチョーカーが出て来たかー)

土をどかすと、チョーカーではない違うモノが中にあった。
0821名無しって、書けない?(大分県)垢版2018/09/12(水) 23:07:01.23ID:+03rlrNZ0
>>818
間違えた。射手武器でした。
0822名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 23:09:37.75ID:HVN35twia
澤部(ん?何だあ!?米さんのやつ、何を埋めた!?)

何が埋まっているのか気になりすぐ掘り進めるとそれは文字通り顔を出す。

澤部「も…………、り……や?」

穴の中に守屋茜がいた。

――なんで守屋がここにいる?
  俺を殺すために、穴の中でずっと待機していた?
  どうやって息をしていた?
  チョーカーは首に着けたままだ。
  信号は確かに死を送ってきていた。
  米さんはチョーカーを外さず電磁場障害でも起こして壊したのか?
  というか、そもそも、これは――。

彼女はごく一般的に土葬された屍となっていた。
散々裏をかき守屋は生きていると確信しており、高く積み重ねて来た推理は根底から崩壊する。

??「守屋茜、享年20歳。そして――」
0823名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 23:21:17.85ID:HVN35twia
澤部「!?」

上を仰ぎ見ると、穴の淵に少女が立っていた。

米谷「故、澤部佑。31歳」

米谷が冷ややかな目で穴の中の自分へ銃を向けている。
まだ生きているのに名前の前に故をつけられる。

澤部「ちょ、ちょっと待てええええええええいッ!!!!」

米谷「……何ですか?」

澤部「んんん何で守屋が死んでるぅうう!?」

米谷「何でって、殺したからですよ。私が、この銃で」

澤部「何!?!?――その銃どっから出した!?まだ弾丸があるのか!!?最後の一発って言ってただろー!!!!!」

米谷が持っていた銃はゲーム終了後回収した。ならその銃は守屋が持っていた銃なのか。
だとしたらもう弾はなんてないはずなのに、あたかもあるかのように向けているのか。
0824名無しって、書けない?(やわらか銀行)垢版2018/09/12(水) 23:25:14.70ID:kVNjYmo10
きたー急展開ー
0825名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 23:28:03.36ID:HVN35twia
米谷「私がわざとあんたらに預けたのは最後に守屋が持っていた方」

今持っている銃は最後平手が落とし、元々は守屋が右手と共に斬り落とされた銃だ。

装填弾数は六発で内訳は以下の通り。
一発目は、守屋が平手へ撃ち躱される。
二発目は、平手が今泉の胸へ撃った。
三発目は、平手が米谷の脚を撃った。
四発目は、平手が守屋の腹へ撃った。
五発目は、米谷が守屋の胸へ撃った。

米谷「だから――これが正真正銘、最後に一発……!」

澤部「お――い黒服ぅ!!!こいつを殺せ――ッ!!!!」

黒服からの返事がない。
一生懸命穴を掘って気付かなかったが何かあったのか。
0826名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 23:31:37.60ID:HVN35twia
澤部「く、黒服はどうしたあ!?」

米谷「寝てますよ。もう二度と起きやしませんけど」

穴掘りで体力を消耗していた黒服は襲来するはずの守屋を警戒して外を向き、米谷に対しては無警戒だった。
その無防備の背中から心臓へナイフを刺した。

米谷(人の身体べたべた触りやがって……。殺す理由つくってくれてよかった)

黒服にとって大切な嫁入り前の身体に触れたことが死に値する行為となった。

ゲーム終了後、船に戻った時に身体検査され所持している武器は回収された。
そのことは解っていたから、近くの草むらにナイフと銃を隠して置いておいた。

澤部「何で俺に銃を向けてるぅー!!!何でぇえッ!!!?」

米谷「何で何でってうるさいやつやな。さっき自分で言うてたやん」
0827名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/12(水) 23:34:42.44ID:H9Dhz8Grd
転校生て2人じゃなかったっけ
勘違いか…?
0828名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 23:34:42.90ID:HVN35twia
澤部「あぁあああん!?俺が……何を――?」

米谷「"たった一人の優勝者が決まるまで殺し合え"って。そのルールに従ってるだけ」

澤部「バカかよオイ!?俺はプレイヤーじゃねえぞ!!!!」

米谷「ここは戦場。自分以外の全てが敵プレイヤーやで」

澤部「ふざけるなハァ――!!!!!!!」

懐から銃を取り出そうとする澤部を上から威圧する。

米谷「動くな!」

澤部「ッ〜〜!なんで守屋のチョーカーが外れてないんだ……?おかしいだろ、石森のチョーカーを散々弄って――」

米谷「それも自分で言うてたで。絶対に外せないって。その通りやった。うちもねるでさえも電子ロックを解除するのは無理だった」

澤部「!!!?クソ―!!!!」
0829名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 23:41:06.01ID:HVN35twia
米谷「あんたの言う通り、守屋だけは生かして脱出したかった。でもリスクが大きすぎた。だから殺すしかなかった。そして、あんたも――」

澤部「ん待ってくれェ――!!!わかった!わかったから!!この仕事の報酬〇億!!!あと俺の預貯金〇億円!!!それみんなやるから!!!なっ!!?」

米谷「そんなもんいるか。必要ない」

澤部「うぐぅううううう!!!!俺だって上から言われて仕方なかったんだよおおおおおお!!!!」

米谷「上って誰やっ?」

澤部「つ――土田だよ!!!!あのクソさっぶいアゴに言われて仕方なくやったんだああ!!!」

米谷「土田さん……」

大方予想はついていたが、もちろん土田も単独でこんな大それたことはできない。
0830名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 23:43:51.95ID:HVN35twia
もっと裏には巨大な闇組織が関わっているに違いない。
澤部はただの端末であるが許すわけにはいかない。

澤部「俺だってほんとはこんなことやりたくなかったんだ!!!ほんとうにすまない!!!!頼むから許してくれええええええええぇええ!!!!」

米谷「さようなら、澤部さん。みんな、あなたのことが本当に大好きでした……!」

一筋の涙を零す米谷。
その綺麗な涙は澤部の心を浄化させた。
隙を見て懐の拳銃を出して撃とうと考えるのを止め、全ての罪を心から懺悔する。

澤部「米さん……。本当に、ごめんよ――……」

最後の銃声が鳴り響き、坊主頭はスイカのようにはじけ飛んだ。
特に澤部の事が好きだった守屋の近くで永眠する。
0831名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 23:53:20.31ID:HVN35twia
米谷「茜……」

澤部の言う通り、コンタクトもウォッチもねるから教えてもらった。
ウォッチに関しては、ねるも確証はなかったらしいがどうやら本当だったようだ。

平手を倒した後、目を閉じてコンタクトをしていない茜と筆談していた。

二人生き残ることはできず、私のやりたいことを伝えると勝ちを譲ってくれた。
負けず嫌いな茜は、負けて諦めることはあっても最初から負けることはしたことがない。
私のことを信じてみんなのために自分が犠牲になったのだ。

米谷(サクリファイス――)

澤部たちを倒すために、船ではなく再び島に上陸する必要があった。
茜の演技に賭けて、あたかもテンプレ通りに見せかけて殺した。
0832名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 23:57:41.75ID:HVN35twia
運営側に疑わせここまで来させ、隠しておいた武器で仇を討った。
澤部への敵討ちは茜と二人で取ったのだ。

米谷(必ず迎えに行くから。待ってて、みんな――)

時刻は0時を過ぎ、日付が変わり2月24日になる。
無事とは言い難くも誕生日を迎え満18歳になった。

米谷「Happy birthday……,to me」

これから行く国の言葉で自身を祝う。

漢字欅21名、ひらがなけやき1名、澤部、黒服4名の計27人で訪れた島を、ただ一人の優勝者だけが船に乗り本島へ帰る。
0833名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/12(水) 23:59:15.83ID:HVN35twia
グダグダになってすいません……
文字数制限が、ヤバえぐすぎて全然進まないです。
次は一週間後の話です。
本当にもうすぐ終わります。明日
0834名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/13(木) 00:00:51.78ID:sbc7ZpnIa
まさかのよねさん
0835(地震なし)垢版2018/09/13(木) 00:01:05.79
早く終わらせなさい
0836名無しって、書けない?(dion軍)垢版2018/09/13(木) 00:01:29.90ID:6sBy9eMX0
大丈夫やで
0837名無しって、書けない?(dion軍)垢版2018/09/13(木) 00:02:16.65ID:Zh9bqvSy0
明日も!楽しみにしてます!
0838名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/13(木) 00:03:31.47ID:h3VxQNLa0
ねんさん
0839名無しって、書けない?(家)垢版2018/09/13(木) 00:05:06.09ID:0IHBdOHQ0
美波大丈夫やで
0840名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/13(木) 00:23:42.79ID:TRU8Mwhc0
ねんさん絶対生きてると思ったのに…まさかの展開やったな
0841名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/13(木) 00:26:28.36ID:URZ8ZSmZ0
>>832
「迎えに行くから」とは遺体を島に回収に行くという意味?
0842名無しって、書けない?(SB-iPhone)垢版2018/09/13(木) 00:51:17.01ID:up+spk99p
おつかれさまでした明日も楽しみにしてます
ねんさん…
0843名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/13(木) 01:18:00.27ID:BCZ18hVwa
乙ねん
0844名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/13(木) 01:24:34.51ID:gTE/dW9K0
>>841
それ思った
0845名無しって、書けない?(やわらか銀行)垢版2018/09/13(木) 01:34:52.73ID:06zdeN2R0
>>835
えぇぇ…
0846名無しって、書けない?(新疆ウイグル自治区)垢版2018/09/13(木) 05:46:57.22ID:St6n7BH40
あのクソさっぶいアゴwww
0847名無しって、書けない?(やわらか銀行)垢版2018/09/13(木) 06:07:53.26ID:0r4wdilm0
茜…
0848名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/13(木) 07:58:23.28ID:KaL9hCEfd
お疲れ様ー
よねさん頑張った!
0849名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)垢版2018/09/13(木) 15:50:14.65ID:WFK705Q7K
ageとくよ〜
0850名無しって、書けない?(catv?)垢版2018/09/13(木) 18:16:49.18ID:r6M1Vgsx0
迎えに行くってまさか…
0851名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/13(木) 18:20:15.60ID:5uf3HMQqd
クローンてことかな?
0852名無しって、書けない?(静岡県)垢版2018/09/13(木) 19:07:38.89ID:k0DibWap0
>>841
それだと、迎えに『くる』。だしなぁ…
ただのミスなのかはたまた…
0853名無しって、書けない?(チベット自治区)垢版2018/09/13(木) 19:29:01.47ID:A37qHlkn0
文才がある
0854名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/13(木) 20:13:53.18ID:BFY98zp1d
気になる〜
0855(地震なし)垢版2018/09/13(木) 20:27:30.63
まだか?
0856名無しって、書けない?(千葉県)垢版2018/09/13(木) 20:43:16.64ID:GqCIsA5R0
俺の推しは適当なシーンで死ぬと思ってたからまさか最後まで残るとは思わなかった、w
誰も触れてないけど>>790のあかねんの運動会の時のセリフ使われてるのすこ
0857名無しって、書けない?(熊本県)垢版2018/09/13(木) 21:03:36.99ID:RG09dB010
>>856
シリアス場面なのに緊張感なさすぎて草
0858名無しって、書けない?(dion軍)垢版2018/09/13(木) 22:30:51.51ID:6sBy9eMX0
待ちきれんゾ〜
0859名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/13(木) 22:33:51.63ID:URZ8ZSmZ0
作者はチーム8ヲタでもあるのか普通にガチ恋口上が入ってて草
0860名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/13(木) 22:40:03.62ID:Yk9rPCAAd
ザンビにも選ばれず完全空気
0861名無しって、書けない?(dion軍)垢版2018/09/13(木) 22:43:08.31ID:Zh9bqvSy0
まだかなまだかな
0862名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/13(木) 22:45:10.13ID:gTE/dW9K0
欅ではガチ恋向上聞かないよね
いらないけど
0863名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/13(木) 22:45:48.17ID:RyTK/gSc0
学研のおばさんまだかな〜
0864名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/13(木) 22:54:54.92ID:URZ8ZSmZ0
>>862
いらないでしょ
ガチ恋向上の後に僕はイヤだとか言われても困るし
0865名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/13(木) 23:04:14.53ID:gTE/dW9K0
>>864
想像したらワロタw
0866名無しって、書けない?(SB-iPhone)垢版2018/09/14(金) 00:41:05.91ID:3QGWOzRIp
>>864
オモロイやないかw
0867名無しって、書けない?(熊本県)垢版2018/09/14(金) 03:36:00.14ID:CHmzyviL0
あれっ、1さんどうしたし
0868名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)垢版2018/09/14(金) 10:03:39.47ID:vIW04es/K
必ずや
現れるから
保守するだけさ

字余り
0869名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)垢版2018/09/14(金) 17:37:25.26ID:vIW04es/K
もう1回ageとく
0870名無しって、書けない?(catv?)垢版2018/09/14(金) 17:48:27.54ID:cybUjWZP0
ゆっくり待つとしよう
0871名無しって、書けない?(家)垢版2018/09/14(金) 18:29:50.66ID:g7TBYfZF0
今日は来るか
0872名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/14(金) 18:38:32.21ID:NHTTd7NUa
ワクワク
0873名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/14(金) 19:25:52.01ID:QKY/i1Fwa
ageage
0874名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/14(金) 19:37:00.00ID:Kg73/Ipl0
まってるよ
0875名無しって、書けない?(dion軍)垢版2018/09/14(金) 20:58:20.61ID:UeWnuSIu0
楽しみ
0876名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/14(金) 21:36:06.65ID:P7Kh9yBna
1です。
恥ずかしながら別媒体から書き込みしようとしましたが、
Over writing(現時点で646まで)しか1レスで書けないようです。こんなの初めて……
書くごとに減っていくので、ちまちま出しになるかと思いますが許してください!
0877名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/14(金) 21:38:07.40ID:P7Kh9yBna
2018年3月1日

TV

「おはようございます。3月1日木曜日、最初のニュースです」

「秋元康プロデュースのアイドルグループ『欅坂46』の失踪から一週間が経ちました」

「今回の事件で失踪したのは欅坂46のメンバー全21名、けやき坂46のメンバーである渡邉美穂さん(18)。芸人ハライチ澤部佑さん(31)です」

「2月21日の夜、テレビ番組の収録終了後から少女らの足取りがつかめず、監視カメラ等から行方を追っておりますが未だ見つかっておりません」
0878名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/14(金) 21:39:30.49ID:P7Kh9yBna
「失踪三日後の2月24日未明、神奈川県沖に無人の船舶が漂流し、事件との繋がりがあるとみて捜査を続けております」

「いや〜これは大変な事ですよ!しかも紅白出場歌手でしょう?」

「それよりこんな大勢の子が忽然と行方不明になるなんて前代未聞じゃないですか?」

「もう一週間になりますけど、彼女たちには生きていてほしいですね」
0879名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/14(金) 21:40:36.95ID:P7Kh9yBna
某掲示板

1名無しって、書けない?2018/03/01(木) 09:07ID:
漢字欅終了のお知らせ

2名無しって、書けない?2018/03/01(木) 09:17ID:
ひらながけやきの時代がキター!

3名無しって、書けない?2018/03/01(木) 09:27ID:
ケヤカス涙目で草草の草

4名無しって、書けない?2018/03/01(木) 09:37ID:
ケヤキッズ息してる〜〜〜〜?
0880名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/14(金) 21:41:46.66ID:P7Kh9yBna
5名無しって、書けない?2018/03/01(木) 09:47ID:
失神の次は失踪かよwwwww

6名無しって、書けない?2018/03/01(木) 09:57ID:
炎上芸とかもう飽きたから。どうせ生きてるんでしょ

7名無しって、書けない?2018/03/01(木) 10:07ID:
誘拐だとしたらもうタヒんでんじゃね?

8名無しって、書けない?2018/03/01(木) 10:17ID:
べみほまでまきこむんじゃねーよ
0881名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/14(金) 21:42:36.46ID:P7Kh9yBna
大阪府私立○○高等学校 体育館

米谷の通う私立高校では卒業式が行わていた。
同級生が行方不明になっている米谷の心配をしている。

LJKA「米谷さん、まだ見つかってないんだよね……」

LJKB「やっぱりグループごと誘拐されちゃったのかな……」

LJKC「せめて生きていて欲しいよ……」

LJKD「あ〜奈々未ちゃんと一緒に卒業したかったなぁ……」

毎日会っていたわけではないが同級生も米谷との思い出がある。
0882名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/14(金) 21:44:26.68ID:P7Kh9yBna
クラスの終盤となり、名前の順の最後で呼ばれる。

校長「米谷奈々未」

欠席しているが、卒業できるため名前だけは呼ぶ決まりになっている。
校長は卒業証書だけを右から左の移そうした時だった。

??「はいッ!!」

大きな返事が体育館に響く。
一同が振り返ると後方の出入口に同じ制服を来た一人の少女が立っていた。

生徒E「お、オイ!あれって!!」

生徒F「ま、ま、まさか!!」

生徒G「ほんまかいな!?」

生徒H「欅坂46の、あの――」

全校生徒だけではなく、教師や保護者もざわつく。
0883名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/14(金) 21:46:20.46ID:P7Kh9yBna
彼女は中央の花道を一人ゆっくりと前へ歩く。

??「フッ……」

ざわつきが歓声に聞こえ懐かしさを覚えて心地よく感じる。
わずかに照れくさく片口の端を上げて笑みを浮かべる。

LJKA「よよよよよよよよよよよよよよよよよよよよよよよよよよよ米谷さん!?」

LJKB「マジ卍まじ卍!!」

LJKC「やばみざわやばみ!」

LJKD「奈々々未ちゃん!!」

米谷「"な"がいっこ多いねん」

同級生の横を通り過ぎ際にツッコミを入れる。
階段を登り、壇上で呆気に取られている校長先生と対面する。
0884名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/14(金) 21:48:00.96ID:P7Kh9yBna
校長「そ、卒業おめでとう……、米さん……?」

米谷「ありがとうございます」

苗字ではなく愛称で呼ばれたことに笑顔で応え、卒業証書を受け取る。
その後次のクラスの生徒の名前が呼ばれ式は続けられる。

クラスの席に戻らずそのまま体育館を後にしようとする。
担任の先生に声をかけられるも、具合が悪いと言ってかわした。

??「奈々未……!!!」

米谷が体育館から出ようとした時、保護者席でただ一人立ち上がり呼び止める女性がいた。

米谷「!!」

呼び止められ、足を止めて立ち止まる。
0885名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/14(金) 21:48:35.39ID:07W+S3JF0
♪───O(≧∇≦)O────♪
待ってました
0886名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/14(金) 21:51:42.92ID:P7Kh9yBna
生まれた瞬間から18年間、ずっと聞いてきた声だった。
誰だかなんて振り返らなくても判る。

でも振り返ることはできなかった。
今その人の顔を見たら涙で何も見えなくなってしまうから。

米谷(――お母さん。ほんまに来てくれたんやな……)

喜怒哀楽の様々な感情が湧きだし、数えきれず返しきれない恩を思い出す。

地元で一番の進学校に通わせてもらったのは母の英才教育のおかげだ。
それをある日突然「東京に行ってアイドルになる」なんて言ったのだから「はいどうぞ」なんて許されるわけがない。
0887名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/14(金) 21:55:02.44ID:P7Kh9yBna
でも、デビューしてからは徐々に応援してくれた。

余談だけど、だから余計に途中加入して来たあの子のことが許せなくて最初にあんな心ないことを言ってしまった。
今となってはただの八つ当たりだって分かってる。思い出すだけでも恥ずかしい。
けど面と向かって謝れたことで成長できた気がする。

3学期に数回登校するために帰省してたから1か月ぶり位だけどずいぶん会っていなかったように感じる。

海を渡り目標を達成するまで帰れない。
もしかしたらもう未来永劫会うことはなく、これが今生の別れになるかもしれない。
0888名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/14(金) 21:56:21.86ID:P7Kh9yBna
長い考えも現実時間では10秒程度で、ようやく実母へ振り返る。

母「!!」

米谷「ありがとう」

五文字で全ての気持ちを伝え、体育館を後にする。

母「な、な、み……っ!!!」

母親は崩れ落ち、涙で溺れる。
行ってしまう娘を追いかけることができなかった。
母らしく我が子の帰りを待つことにする。
0889名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/14(金) 21:59:30.35ID:P7Kh9yBna
校門に黒塗りの高級車が停まり、正装に身を包んだ初老の男性が立っていた。

?「奈々未様。お時間でございます」

米谷「爺や、ありがとう。お母さんを呼んでくれて」

"爺や"と呼ばれた男は、キャプテンだった菅井家側近にして令嬢専属の使用人である。

爺「良かったのですか。お母様とお話されなくても」

米谷「これでいいんです。話でもしたら、ずっとここにいたくなっちゃうから……」

爺「左様でございますか」

後部座席に乗り込み、車は発進する。
0890名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/14(金) 22:03:30.61ID:P7Kh9yBna
米谷「――っ」

もう二度と来ることのない学校と地元から離れ、涙のダムが決壊する。
爺はあえて声をかけずに、静かに平常運転を続けてくれた。

澤部に敵討ちして誕生日を迎えた日、神奈川県沖で船を降りた。
航海中に、茜の遺言書に書いてもらった守屋家へ連絡し迎えに来てもらい、数日間仙台にある守屋家に匿ってもらっていた。

守屋家は菅井家とキャプテン繋がりで親密に繋がりがあり、両家のみに全ての真実を話した。

アメリカに行くことも伝えると資金は援助してもらえることになった。
0891名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/14(金) 22:06:29.40ID:P7Kh9yBna
警察に入庁し刑事になって事件の黒幕を追うことも考えなくはなった。
しかし追われる身で両家に護衛されながら生活するのは非現実的であった。

黒幕は菅井家と守屋家に任せることにした。

関西の某空港に着くと、一緒に仙台から来てくれた茜の母親が待っていた。

守屋母「それじゃあ元気でね」

米谷「茜のお母さん、本当にいろいろとありがとうございました。それと茜のこと、すいませんでした……」

守屋母「もう!また謝ってる〜ちゃんとあの子の遺言書を読んで解ってるから」
0892名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/14(金) 22:09:54.98ID:P7Kh9yBna
米谷「でも――……」

守屋母「負けず嫌いなあの子が命かけて頑張って奈々未ちゃんに託したのよ。だから奈々未ちゃんも死ぬ気で頑張ってきなさい!」

米谷「ハイ!!」

メンバーとはいえ他人の母親と抱き合う。

守屋母「黒幕はこっちに任せて、あっちでしっかりね」

米谷「ありがとうございます!お母さん――」

本当に我が子のように愛してくれて優しく、第二の母のようだった。
爺にも礼を言うと綺麗なお辞儀をして応えてくれた。
0893名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/14(金) 22:10:58.59ID:P7Kh9yBna
菅井家の自家用ジェットに乗り込み、小さな島国から世界へと飛び立つ。

守屋母「行ってらっしゃい。茜を頼んだわよ……」

爺「あの方ならきっと友香お嬢様を――」

保護者は願いを乗せた飛行機が見えなくなるまで見送っていた。
0894名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/14(金) 22:14:01.84ID:P7Kh9yBna
米谷(こんな世界、たとえ本の中であったとしても在ってはならない)

黒幕を追うことより、アメリカですべきことを優先した。
現世から切り離された榮島での2日目の朝、ねるを治療していた時の会話を思い出す。

米谷『親殺しのパラドックス――って知ってる?』

長濱『えっ……うん――」

ねるが肯定すると、信じられないといった顔で見て来る。

長濱『過去に戻って親を殺したら自分の存在が消えてしまう……。でも親がいなければ自分は生まれ来ずそもそも殺しにも行けないしタイムマシンの存在もなくなる、ってゆう矛盾のこと――だよね……?』
0895名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/14(金) 22:16:18.19ID:P7Kh9yBna
質問の意図を説明しながら察していたようだ。

米谷『そう。まず"自分が存在している=親を殺しに行けない"ことから、タイムトラベルは不可能だと結びつけることもできる説。ねるはどう思う?殺せると思うか』

長濱『…………。前提として因果律無視して、過去に戻れたのであれば親だろうが誰だろうが物理的に殺人を犯すことができる。ねるは、世界は同一時間軸しか存在しないと考えてるの』

米谷『過去も未来も存在せず、全て繋がってると……。つまり過去に行ったところで自分自身には会えない?』
0896名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/14(金) 22:31:22.43ID:P7Kh9yBna
長濱『トラベラーはね。相対性理論によれば未来に行く方法は確立されとる。未来に行ったところでおばあちゃんになった自分に会うことはない。それは過去も同じと考える』

米谷『なるほど――。聞いといてあれやけど、詳しくてびっくりした……!』

長濱『まあ……、白状すると。ねるも――いや、ねるはタイムトラベル理論を真剣に考えていた時期があった』

米谷『オーディションの時か』

長濱『ってバレとるか!あんな詩、歌っといてって感じだよね。恥ずかしい……』

米谷『乗り遅れたバス――』
0897名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/14(金) 22:34:00.73ID:P7Kh9yBna
長濱『鳥居坂46オーディション最終審査前、親に連れ戻されて何日も泣き続けた。どうしても諦めきれなくて時間を巻き戻したいと思い、ネットで11この理論を学んだ』

米谷『それで、どれかは行けそうなものはあったか?』

長濱『いや、どれも単なる思考実験に過ぎないよ。でも、応用すれば新しい12こ目の理論が思いつくかもしれない』

米谷「12個目の――」

長濱『トラベラーだけは世界を巻き戻すことができ親を殺しに行ける。そのまま未来に進んだところで、自分という存在は消えず矛盾は生まれない』

米谷『巻き戻る時間の干渉を受けない……』
0898名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/14(金) 22:37:36.71ID:P7Kh9yBna
長濱『でもね、その方法ならタイムマシンに乗って来た誰かさんはいなくなり、20人の中に戻れなくなる』

例え話として、50年の時間をかけてタイムマシンを作った70歳のねるが2018年に戻ったとする。
メンバー20人は若くてまだ生きているが、ねるだけはおばあちゃんのままで若いねるは失踪扱いとなるだろう。

長濱『うまく説明できんけど、途方もない時間がかかることは間違いない。現代の常識では……』

米谷『なるほど……』

一生をかけて共に歩めなかった道を開けても、自分は一緒に歩くことができない。
0899名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/14(金) 22:39:25.80ID:P7Kh9yBna
2018年に留まりグループの活躍を見るか。
または、50年後の未来に戻って同じ時間を生きるか。「急に失踪してごめん」と再会を果たすことができる。
再会を喜び合うのは未来でしかありえない。わずか二年半共にした彼女たちが覚えていてくれたら。

全ては夢のまた夢で、タイムマシンが完成しなければ泡へと消える。

長濱『……それか、もう一つの方法として……』

冒頭で複数の世界線が存在していないと言ったばかりだが、もう一つの方法を教えてくれた。
0900名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/14(金) 22:41:39.05ID:P7Kh9yBna
米谷『タイムリープマシン――!?』

その方法なら再び21人で活動することができる。
例えおばあちゃんになってマシンを完成させたとしても、17歳の時代に戻ることができると言う。
続けて恐ろしいことを釘刺される。

長濱『もしそれをやろうとしているなら……覚悟して』

マシン製造の難易度など宇宙で一番高いことだろう。
何よりもメンバーは2018年2月22日または23日に死ぬ運命にある。
例え殺し合いを阻止できたとしても何らかの力が働き死に収束するという。

米谷(それさえ回避できればまた21人で――)
0901名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/14(金) 22:43:29.76ID:P7Kh9yBna
長濱『マシンを造るにしても、死を回避するにも神に挑むようなものだよ』

米谷『ほんなら……私は神を殺す』

長濱『えっへ!?』

米谷『だから――ねる、一緒に殺ろう!』

長濱『!!ああ――ふーちゃん、そうゆうことだったんだね………』

米谷『Noか?』

長濱『Yes!だよ!!』

その約束はねるが死に一緒にはできなくなってしまった。
全てはマシンを完成させなければ何も始まらない。
0902名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/14(金) 22:45:48.66ID:GdVA77OAd
Steins;Gateキタ━(゚∀゚)━!
0903名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/14(金) 22:46:26.68ID:P7Kh9yBna
途方もない勉学の人生が始まろうとしていた。
幸いにも勉強は一番の得意分であり燃えている。

米谷「……」

飛行機に揺られ、心地よいまどろみの中眠りに落ちる。

何もない所に皆がいた。
20人と対面し私を送り出してくれているようで、彼女の長文から始まる。
0904名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/14(金) 22:56:30.62ID:P7Kh9yBna
佐藤「まさか米さんがアメリカに行くなんて夢にも思わなかったよまあここは夢なんだけど。てか米とアメリカをかけてるのってわざと狙ってやってるんだよね?さすが米さんすっごいおもしろ〜〜い!」

石森「食べ過ぎてチョコマンになっちゃダメだよ?」

原田「ねえ聞いて聞いて!次会った時に聞いてくれるヨネ?」

尾関「臥薪嘗胆」

小林「See you again」

齋藤「バイバイフ――」

今泉「ふぉ!」

上村「ぶはぶは〜〜」
0905名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/14(金) 23:00:41.15ID:P7Kh9yBna
長沢「死んだのにお腹すいた。ハンバーガー食べまくりたい」

渡辺「レボ☆リューション!!!!!!」

鈴本「あーもう死んだわ。栗食べたい」

菅井「それじゃごきげんよー!」

志田「愛佳もなか真ん中!」

理佐「はーい、よく出来ました」

織田「世の中そうであれ!」

小池「こんばんはい、明石焼き」
0906名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/14(金) 23:05:34.17ID:P7Kh9yBna
土生「心臓を捧げた!」

平手「土生の妹だってこと誰も信じてくれないんだけどどうすればいい?」

長濱「100年待ってるよ」

守屋「またねん!あかねん!」

上村は下手くそだが一生懸命トランペットを吹き、梨加は最大の進化でエールを送ってくれる。
志田は初期のキャッチフレーズをやり切り理佐に褒めらて嬉しそうだ。
約数名は食べ物の話をしていたが、いつかまた食べさせてあげよう。

米谷「バイチャ――」

皆にしばしの別れを告げると夢から覚め、現実を生きる。
0907名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/14(金) 23:14:17.08ID:P7Kh9yBna
米谷「来たで。United State of America!」

渡米し、かの有名な通りに出てアメリカに来たことを実感する。

米谷「とりあえず、ハーバードに入らんと。まずは英語の勉強せなあかんねんな」

遠回りかと思うかもしれないが、島国よりずっと夢への近道だと判断する。

米谷(1から始める……。いつかまた21に戻るために――)

これから何もかもが始まろうとしていた。
それはオーディションに合格して、まだ見ぬ世界へ抱く気持ちに似ていた。
0908名無しって、書けない?(dion軍)垢版2018/09/14(金) 23:15:38.09ID:yV5PGX700
神展開すぎて涙出た
アンビバレントアバウト・・・・
0909名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/14(金) 23:16:20.65ID:P7Kh9yBna
かつて在りし日の平手友梨奈が言ったことを思い出す。

平手『"欅"って漢字は21画なんですよ。誰かが欠けちゃいけない存在なんです』

制服を着ていれば誰でもいいなんてそんなことはあり得ない。
無敵の21人の代わりはたった1人でも世界の誰にも務まるわけがない。

夜空を見上げて、冬の大三角形を見つめる。
脳内で『OVERTURE』が流れ気持ちが高ぶり気合が入る。

米谷(謙虚、優しさ、絆。キラキラ輝け欅坂46……)

今度は絶対に間違えない。
0910名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/14(金) 23:19:12.03ID:P7Kh9yBna
タイムマシンなんて生涯成しえないかもしれない。
それでも目の前の険しく果てしない坂道を上り続けるしかない。
0911名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/14(金) 23:26:05.72ID:P7Kh9yBna
米谷「21」

欅坂46で、私は変われた。
諦めない、努力し続ける。
そうすると、きっと成功するということ。

私は、この大切な21を忘れない。
この21はアメリカに来ても、終わらないと信じている。
だって、私たちの21はそんな簡単に終わったりしないから。

欅坂46のみんなで、築いてきた大切な21は、一生、終わらない。

米谷「twenty One will Not End」


END
0912名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/14(金) 23:27:25.75ID:07W+S3JF0
。゚(゚´Д`゚)゚。
よねさんなら取り戻してくれそう
0913名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/14(金) 23:29:39.41ID:07W+S3JF0
>>911
乙でした
めっちゃ面白かったです
0914名無しって、書けない?(dion軍)垢版2018/09/14(金) 23:29:44.39ID:UeWnuSIu0
乙です
0915名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/14(金) 23:29:45.51ID:GdVA77OAd
お疲れ様!
モナリサ推しとして最後に涙出た…
0916名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/14(金) 23:33:42.33ID:P7Kh9yBna
この物語はフィクションです。
実際の人物、団体とは関係ありません。
0917名無しって、書けない?(大分県)垢版2018/09/14(金) 23:36:46.06ID:O9USefCf0
大変素晴らしい物語を有難う御座います!
0918名無しって、書けない?(SB-iPhone)垢版2018/09/14(金) 23:37:09.08ID:tt1+Ll5rp
ONEは終わらない
お疲れ様でした!感動した
0919名無しって、書けない?(家)垢版2018/09/14(金) 23:57:35.65ID:M/rf5/k70
これは名作だから、5chだけで終わらせるの勿体無いな
土田が悪人だったのがちょっと嫌だったけど名作
0920名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/14(金) 23:59:17.24ID:P7Kh9yBna
ご支援感想保守お時間いただきありがとうございます!

最終話グダグダになり、多々変なところだらけてすみませんでした。
あとは守屋にもう一つ見せ場がほしかったのですがまあいっか。

米谷「不協和音は誰や?」というssを書いていたのですが、
はやり米谷はキーパーソンになりやすいんだなーと自分で思いました←え

今後も欅坂46とteam8の応援をよろしくお願いします!

それではさようなら〜
0921名無しって、書けない?(pc?)垢版2018/09/15(土) 00:16:43.10ID:uAZo3hXc0
お疲れ様です!
超大作凄いです!😳
0922名無しって、書けない?(熊本県)垢版2018/09/15(土) 00:21:31.33ID:i4QoKreA0
いやもうまじで再編して書籍化を
0923名無しって、書けない?(やわらか銀行)垢版2018/09/15(土) 00:23:11.99ID:vXjMbpQJ0
お疲れ様です!
ああ〜映像化してほしいw
0924名無しって、書けない?(兵庫県)垢版2018/09/15(土) 01:09:07.81ID:WEOsJzXu0
めっちゃ楽しませてもらいました
ありがとうございました
0925名無しって、書けない?(新疆ウイグル自治区)垢版2018/09/15(土) 01:14:29.56ID:5NX6viok0
お疲れ様でした!
次回作にも期待しております!!
0926名無しって、書けない?(catv?)垢版2018/09/15(土) 01:50:44.35ID:0Z+jM6cm0
メンバー20人がいなくなったのに、希望を感じさせる終わりかた
無理やり全員生きてましたって方向に持っていかない感じも最高
とても楽しかったです
ありがとう
0927名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/15(土) 01:59:45.76ID:Hxc8Qppw0
お疲れ様
しれっとチーム8が入ってるけどw
0928名無しって、書けない?(チベット自治区)垢版2018/09/15(土) 03:36:06.21ID:xEIuz9eK0
ありがとう
0929名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/15(土) 04:01:46.59ID:0osDoQbmd
バトロワ+シュタゲ
転校生二人いるものだと思ってた
原作の影響での思い込みかな
最後伏線でトラベルした米さんが
転校生に変装して
皆を助けて全員脱出して生きてるエンドなのかと

書いてる人あまり欅ファンじゃないのかなという印象受けたけど
お疲れ様でした
0930名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)垢版2018/09/15(土) 05:18:27.80ID:ZbSGiehbK
>>920
【小説】欅坂米谷「不協和音は誰や?」
http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/keyakizaka46/1502382367/

これを書かれてた方でしたか!当時も読んでましたわ(笑)

題材や筆力次第ではまだまだこの板でも小説が需要あるということも
身をもって示してくださってありがとうございました

また次回作をいつの日にか
0931名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/15(土) 06:34:50.83ID:iAT5JZ5ca

ムチャクチャだけど大量の小ネタと勢いで楽しめた
現実にも21人体制がが終わりつつある今読めたのも面白い
0932名無しって、書けない?(dion軍)垢版2018/09/15(土) 07:40:59.52ID:EQrCFtbN0
最後ONEは終わらないを持ってきたのが凄い!
面白かったです!
0933名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/15(土) 19:48:43.68ID:xXdm2Woma
お疲れ様です
0934名無しって、書けない?(茸)垢版2018/09/15(土) 21:38:51.70ID:6S3HUProd
バトロワは2もあったからな。(イマイチだったけど

期待してますよ!
0935名無しって、書けない?(空)垢版2018/09/16(日) 03:31:14.54ID:symn3r/Ox
お疲れ様でした!これ読むのがここ数日の楽しみでしたw
0936名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/17(月) 01:30:49.77ID:NTeuQdtza
良かった
0937名無しって、書けない?(熊本県)垢版2018/09/17(月) 06:23:27.21ID:Fc9nEpjt0
>>934
原作通りやと澤部の娘出ちゃう
0939名無しって、書けない?(庭)垢版2018/09/18(火) 04:25:34.99ID:EskDXXCta
>>937
原作って言うか映画な
原作は娘なんて出てこない
0940名無しって、書けない?(dion軍)垢版2018/09/18(火) 12:02:57.33ID:0++ccTZK0
>>938
むしろそれのオマージュだと思ってたわ
0941名無しって、書けない?(catv?)垢版2018/09/18(火) 17:57:37.43ID:S6GqZFEe0
てちはぬらりひょん級のボスだったのか
0942名無しって、書けない?(東京都)垢版2018/09/20(木) 00:27:11.34ID:nEcd0PGM0
かやかけを見ても澤部が悪い奴にしか見えないw
0943名無しって、書けない?(SB-iPhone)垢版2018/09/20(木) 06:53:09.52ID:rVnFl8GIp
>>942
まあ実際澤部はけやかけで菊地亜美から「会話するの難しい」「気難しい」って言われてたからなあ
ちなみに、それ言われた時の澤部の切り返しは、笑いにするとかでもなく、怖い顔して
「まあ俺は別にあんま喋ろうとしてないからじゃない?君と。」だった
あれはもう芸人とかじゃなく、自分が少しでも悪く言われたら我慢が出来ない、ただの嫌なやつに見えた
レス数が900を超えています。1000を超えると表示できなくなるよ。

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