【物語】欅坂46orけやき坂46の小説 ★3【エロも可】
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素人レベルからでも投稿できる小説スレです
ただし投稿作品に対するすべての中傷は禁止です
投稿者は多大な時間と労力をかけて
作品を投稿していますのでご協力をよろしくお願いします
この度小説スレと原案ありスレを統合しました
以下は原案ありの簡単な説明です
インスパイア、オマージュ、パロディ、パクリ、何でも結構です。
その原案も小説、戯曲、映画、テレビドラマ、マンガ以外にも、ルポルタージュやテレビのドキュメンタリーとかでもかまいません。
テーマだけでもOK、冒頭だけでもOKです。
少しでもかすったから原案ありだと書いた当人が主張するのなら、そう見なしてあげましょう。
「『パクった』と言ってるけどさ、全然パクってなく、それはお前のオリジナルじゃん」という非難はやめましょう。
あとは作家さん各々の良心に従い思うままに書いてください
最後に、このスレの投稿される作品はすべてフィクションであり
実在する人物や団体や建物等との関係は一切ありません
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飽きないために色々倒れたり浮気したりそんなシーンをぶっこんでますw 白い余白にどいやさんを書く。
どいやさんはわたしの神様だ。
傍から見れば不気味な妖怪じみた
姿だが、私から見ればそれが
とても愛らしい。
「また書いてる。」
鼻にかかるその声が真横から響く。
「うわっ。」
私は振り向く。
そこには守屋が居た。
正直この人は苦手だ。
「なんか気持ち悪いそのキャラクター」
「どいやさんは私の神様なんです」
私は今年で25になる。
なのに何が良くて余白に書いた変なキャラクターを涙目になって神様だと
弁護しなければならないのか?
「まぁ、いいや。でさ。事務からボールペンとってきて。」
私の方が先輩。 だが、守屋はいつの間にか
ぶっきらぼうな口調に変貌した。
本当に女は怖い。
いや、私も女だけど。
私は無言でナースステーションを出る。
これ以上話をしたくなかった。
だから丁度いい。
そう思って廊下をゆっくり歩く。
すると「誰か。」
そんな声が遠くで聞こえた。
私は慌ててその声でたどる。
「...誰か。」
制服姿の少女は心もとなく
額から汗の垂れ意識を失っている
男性を抱きしめていた。
傍らには点滴スタンドが倒れていた。
私は医師を探した。
そして廊下の先でドーナツを頬張る
とても外科医には見えないさゆりん
に話しかけた。
「どーしたん?」
さゆりんは呑気に小さいドーナツの表面についた砂糖を手で払った。
「307の患者さんが。」
さゆりんの頬は一気に青白くなる。 心臓のバイパス手術が終わったのは
午後二時をすぎた頃だった。
本来はまだ休みの筈だが、
さすがにそうは行かなかった。
幸い弟は同じ病院に居るし...と、
休みを返上して働いている。
手術が終わり、白衣のポケットに入れて老いたミニドーナツを取り出す。
「やっぱり疲れた後には甘いもんやな。」
誰もいない長廊下でつぶやく。
そのドーナツの甘味は私の体に
染み渡ってゆく。
また弟の病室に行こうか。
そんなことを考えていた央、 看護師のなぁちゃんこと西野ちゃんが
走ってきた。
その走る姿は完全な女の子走で
それがたまらなく可愛い。
「どーしたん?」
ドーナツの砂糖を払いながら
なぁちゃんの声に耳を澄ます。
「307の、患者さんが」
「何」
「廊下で倒れて」
「案内して。すぐに。」
なぁちゃんはびっくりしてまた
廊下を走り出す。
私はそれに続く。 あいつを抱き締める私の元に来たのは
お姉さんだった。
「さゆりさん。」
「いくちゃんやない。」
「取り敢えず2人でベットに運んで」
西野さんが頭を持ち
私が太股を抱える。
お姉さんはベットにあいつを横たえた西野さんに
「ニトロペン舌下錠持ってきてあと高杉さん連れてきて」
お姉さんそう告げてポケットを探り、聴診器を取り出しあいつの心の音を聞こうとする。そんな私は横目に立ち尽くす由依を見る。
由依は血の気の無い顔で
震えていた。
私はそんな由依の方に視線を向ける。
「由依のせいだ。」
あいつは目を閉じたまま。
頬には暖かいものが流れる。
「由依のせいだ。」
「ごめん。」
由依は静かにそう告げたあと部屋を走り去った。
高杉先生来ました。 息を切らして銀のトレーを持った
西野さんが駆け込む。
「発作か。」
高杉先生と呼ばれた男の人は私とお姉さんをみて「君らは、外に出て。いまからすぐにカテーテル手術をやる。」
と告げる。
お姉さんは「でも...」と唇を強く噛む。
「死んでもいいのか!」
高杉先生はお姉さんを怒鳴る。
守屋さんも病室に来る。
私は病室を出た。
あいつは担架に載せられ手術室へ
運ばれていった。 「どうして。」
手術室の前に置かれた緑のソファに座るとお姉さんは私にきいた。
「わたしを追いかけようとして...」
「なんで追いかけようとしたんやろ」
「由依が居て、由依があいつに...キスしてて...」
「...そうか。」
「それで追いかけようとして...」
「わかった。でもないくちゃん。
それがあったからってうちのが
いくちゃんのことを嫌いに
なったわけじゃない。
そんな奴と違うからな。
その話だけを聞くと由依ちゃんが
うちのを好きで...だからそんなことが。
だけどな。
無闇に由依ちゃんを恨んでもあかんで。
仕方の無いことやから。それは。」
「あいつは私のことを」
「大丈夫や。」 「いくちゃんと一緒にいると凄く嬉しそうな顔をしとる。羨ましいくらいや。」
「好きって。もう言えなくなっちゃう。こんな好きなのに、」
制服のスカートは染みになってゆく。
お姉さんはゆっくりうなづく。
「また迷惑かけるかもしれんけど宜しくな。」
「...はい。」
灯はやがて消えた。 深海魚になる夢を見た。
暗く砂埃を巻き上げ鮮やかな赤の鱗を
見せつけるように遠くを。
やがてその深海は一切の闇に変わり
深海魚だった姿は人間の姿に変わる。
そしてパジャマ姿のまま濡れる服の袖を
捲って(なぜか袖だけ濡れていた)
歩く。
遠く、どこまでも光のない道だ。
そのなかでぼんやりと
僕は死んだのだ。と思った。
そう思った瞬間、ゆっくり光が奥の方で差し込んだ。
その光景は列車がトンネルの中に入り。
出口へと抜けてゆく瞬間に似ていた。 白い光景に変わる。
僕はまたパジャマ姿でベットに横たわっている。
ここは何処だろう。天国だろうか。
いや違う。
酸素マスクをつけている。
そして管が手首から繋がり。
緑の線はゆるやかに上昇している。
気がつくと柔らかな手に触れていた。
黒い髪がベットの端で揺れる。
「...あ。」
いくちゃんは満面の笑を浮かべる。
「起きた。」
いくちゃんはそう言ったあと僕を抱きしめた。
「...ごめんね。」小さく言った。
耳は真っ赤になっていた。
いくちゃんはいつの間にか水色のワンピースに着替えていた。
「こっちこそ。ごめん。」
僕の声は驚くほどかすれている。
「好き。大好き。」
潤んだ唇が近づく。
僕は魁、唇を重ねた。 せっかくだから生ちゃんの絵でもと思って挑戦したもののあえなく挫折し
ならばスフィンくんをと頑張ってみたものの予想通りの難しさに降参したので
普通に保守(笑) >>559
知らん間に話数がすごいことにw
千葉県さんはショートストーリーテラーだと思ってたんですが全然長編もイケますね >>560
ありがとうございます
横溝正史さんが以前金田一シリーズ最後の作品を書く際に「(年を経て)登場人物の1人1人に愛着が愛着が湧き、長くなってしまう」と書いておられましたがまさにそんな心境です。登場人物一人一人を掘り下げすぎて、結果予め決めておいたゴールまでたどり着かなくなりました笑 >>561
いや、それが、マウスで描くとどうしても可愛くなっちゃうんですよ(笑)
あの不気味感がなかなか出せなくて(笑)
ちょっと解説すると、不気味感のキモはまず作品の目にありまして、次が口元です
例えば先日理佐ちゃんが描いたライオンの目と、スフィンくんの目を比べると、明らかに印象違うでしょ?(笑)
その他の絵、例えばETにしてもミイラっちょにしてもこれは全て共通していて、生ちゃんの只者ではない感がよくわかります
だから難しい(笑) 「先輩、今日はよろしくお願いします。」
平手は俺を見て畳んだようなお辞儀をした。
「ああ。」
東京駅地下ホーム3番線へ向かう階段を降りながら俺は相槌を打つ。
「たしか東京到着6分遅れでしたよね」
緑の布地カバーで西暦が小さく刻印されている手帳を開いて平手は言う。
「ああ。西大井から武蔵小杉で踏切の確認したからな。」
俺は腕時計を睨む。
時刻は19:40。
この列車はサラリーマンの帰宅ラッシュで混み合う。その上この総武線快速には
悪名高い新小岩駅に停車する。
さらには細かな速度制限がある為微調整が難しい。
そんな列車の運転席に今日は新人の平手が同乗する。
普段この運転席は運転士が一人きりであることが多い。俺も大抵は一人で乗務する。
しかし。今日は二人。
やりづらい。 横須賀線逗子発総武線直通快速佐倉行
が東京駅地下3番線ホームに入線したのは
予定時刻より6分遅れの19:46であった。
運転席からはブラウンのボブヘアーに皺の無い制服姿を着た女性が出てくる。
「よねさん」
「あー。」
白い手袋を嵌めた手をひらひらとあげる。
「よろしくお願いします」
平手は丁寧に頭を下げる。
その姿に20年前の自分をトレースする。
「E217系の2055M,15両編成で佐倉行き、途中の踏切の安全確認のせいでトータル6分遅れやで」
よねさんから黒い堅牢性のファイルをうけとる。
今でこそよねさん大船運輸区に居り、
俺は千葉運輸区に居るがかつては2人とも
成田車掌区に居た。
しかし成田車掌区廃止により現在の部所に移動した。
なので俺とよねさんは顔見知り、いやそれ以上の存在だ。 「まぁ、頑張って」
欠伸をしながらエスカレーターの方へ行く。
俺はその姿を追うことなくすぐに
運転席へ乗り込む。
平手は運転席のドアを強めに閉めると少し強ばった顔で2段の段差があるところに足を広げて立つ。
そしてベルの音と自動ドアが閉まる乱暴な音が聞こえると
俺は灯を消してタッチパネルを操作する。
そして平手は
「出発進行」と指を指す。
その声は少し裏返っていた。
俺は白い手袋をはめながら小さく指を指す。「出発進行」など久方ぶりに聞いたと思いながら。 俺がゆっくりとハンドルを前に倒すと列車は緩やかに速度をあげてゆく。
等間隔に配置された灯のみであとは一切の闇の中。総武線快速は新橋からこの先の馬喰町まで東京トンネルと喚ばれる長い地下を通る。
そしてトンネルを抜けてしばらく走行すると鉄橋を通る。
この箇所が最もスピードが出る。
「信号。」
彼女の腕が伸びる。
鉄橋を抜けたすぐ横。夜の帳の中で緑に光る。
俺はレバーを後ろに倒しながらそれを横目で見る。
ブルーの屋根から光が差し込む新小岩駅が見える。
俺はただ傾斜が掛かったホームを見渡しレバーを後ろへ強く握る。
新小岩駅へ入線するシーンは何度やっても緊張する。
扉が開く。 平手の方を見ると少しだけ穏やかな顔をしていた。
「ここまでがこの路線の難所だ。」
俺は平手に告げる。
「はい、」
平手はノートに何かを書きつける。
こんな熱心な頃が俺にはあっただろうか。
と思いながらドアの閉まる音を確認し
レバーを前にする。
「次の駅で交代だ。」
俺は稲毛駅を出発したあと平手に言った。
「そうですね。」
千葉からは佐倉運輸区の運転士が担当する。
千葉からはわずか5つしか駅がないが、運輸区が別れているためこうなる。
20:35。千葉駅10番線ホームに滑り込むと
灯を付け、運転席を出る。
交代に白髪頭の年季が入った運転士がいる。平手はてきぱきと連絡をする。
白髪はそれを聞いたあと低い声で了解。と言って運転席へ乗り込む。 秋口の風が頬を撫でる。
「先輩、今日はこれで終わりですか。」
「ああ。」
「私もなんです。」
「あれお前も千葉運輸区か」
「そうですよぉー」
頬を膨らます彼女は何処かカワウソに似ている。
「よかったら飲みに行きませんか。」
平手は嬉しそうに言う。
「明日は...昼の総武線快速からか。まぁ、いいか。」
「近くに安いとこがあるんです。」
背の小さい平手には制服がコスプレに見える。
「平手、明日は。」
「休みです。」
「ああ、そうか。いいなぁ。」 「今日は朝から千葉発の確定で銚子からしおさいの運転...疲れたなぁ。」
付け加えるように言った。
朝4:50の始発から7:00のしおさい
そこから中野行きの各停...
なかなか忙しない。
「お疲れ様です」
並んで歩きながら、平手を見る。
赤いルージュから優しい歌が風に流れていた。
「なんて歌だそれ」
「なんかのCMの曲です。くちびるをとんがらせるやつ」
「大瀧詠一か。」
「そーなんですか?」
「ビールのやつだろ。」
「はい。」
闇の中に宝石が散らばったような
千葉駅の夜を見ながら俺は
彼女のまっすぐな瞳に弱い事に薄々気づき始めていた。
完 帰りの電車のなかでなんとなく思いついたので。
ちなみに一人称を俺にしたのは初めてです。
設定として 俺は平成と同時に運転士になった結構なベテランで、てちこさんはまだ1年の新人さん。
この話は実際に運転席を窓越しに見ていたときのを元にしました。 異様に几帳面な佐倉運輸区のよねさんというネタも考えましたが、よねさんの知識不足のため千葉運輸区のてちこさんになりました。 千葉県民的にわかりみが深い作品ありがとうございます
このまましおさい2号殺人事件とかに入っていくのかとちょっと思ってしまった(笑)
千葉駅といえばあのサグラダファミリア並みの延々終わらない改装工事は完了したんでしょうか?(笑)
あと自分も米さんの作品はずいぶん書きましたが
「潔癖症」
「勉強ができる」
「関西弁」
「微生物が好き」
「ボルボちゃん」
これだけの知識でやってましたよ
千葉県先生も十分大丈夫じゃないですかね(笑) >>573
ありがとうございます
日本のサクラダファミリアこと千葉駅はようやく新しい建物が出来て工事も大詰め。
かと思いきやまだ1階にあたる部分ができていなかったり 千葉駅の外に屋根を作ってたり階段増やしたりまだまだサクラダファミリアが続きそうです。
よねさんが主人公のしおさい事件面白そうですね。書いてみようかな() 俺も「こぼしてんじゃねーよ」だけを頼りに理佐ちゃんを1年以上書いてるw 俺は基本的に千葉運輸区の人間なので基本、快速の場合、東京駅から先は運転しない。
しかし時折、運転士の体調不良や人員不足で始点の千葉駅から終点の久里浜駅まで運転することがある。
正直80km近くある千葉、久里浜間で集中力を切らさずクッション性の低い椅子に座りレバーを握るのはかなりしんどい。
今日はそんな運転が朝からあった。
俺は鞄を手に事務所へと向かう。
ここは大船運輸区の管轄でめったに俺が立ち入ることは無い。
冷房の効いた8月の午前10:00の事務所は人が少なかった。
俺は革張りのソファに座り、遠慮なしに大欠伸をした。 すると
「なんでここにいるの?」と声がした。
俺の近くにある事務机備え付けの回転式になっている椅子がこちらに向く。
「あっ、よね」
「あんたここにいちゃいけない人間やで。」
「急遽、久里浜まで運転することになったんだ」
ため息を混じらせながら言う。
「そりゃおつかれさん」
「ところでなにしてんの」
「13:30の快速 成田空港行の運行まで休憩。」
手元にあるボルボックスのキーホルダーをちらつかせる。
「なんだそれ。」
「ボルボックスや」
「知らん、そんなもん」
「ボルボちゃんかわいいやん」
「可愛いことあるか気持ち悪い」
「どうやら永遠に分かり合えんみたいやな」 「分かり合えなくて結構」
「ところでこれいる?」
よねさんが缶コーヒーを投げてよこす。
「危なっ」
「ナイスキャッチ」
「これ、どうした?」
「もらった。けどコーヒーは要らん」
「ふーん。でも温いなぁこれ」
「もらったの朝7時だからそれ」
プルタブを空けるとチープな珈琲の香りが室内に漂う。
口をつけ喉に通る黒い液体は殆ど常温に近い温度だった気がする。
「でこの後は。」
「13:30の成田空港行。なんだよねさんと同じか」 「なんだとはなんだ」
「俺は千葉駅までだけどよねさんは」
「うちは東京駅までや。」
「てことは東京駅までは俺が補助にいて東京駅からは俺一人か。」
「そういうことや」
「そういや、よねさんの運転してることみたことねーや」
「あんたのもない」
「互いにないか。そりゃそうだ基本一人だから」
「ま、東京駅までよろしく。」
よねさんは微かに微笑む。
久里浜駅のホームは思ったよりうらぶれている。ターミナル駅は規模が大きいという固定概念があったためこの小ささには驚いた。 「出発」
俺は運転席の隣にある段差のスペースに立ち彼方に見える線路を指さす。
ガチャガチャとレバーの動く音とベルが鳴る。
よねさんは白い手袋をつけ、レバーを握り、カーブが掛かった線路を睨みつけていた。
「目付き怖っ。」
「うるさい。」 よねさんの運転は実に安定したもので定刻通り緩やかに東京駅に到着した。
「ま、あとはよろしく。」
手袋を丁寧に畳んでポケットに入れると運転席を出た。
「ああ。」
俺は椅子に座りながら手袋をはめる。
椅子は先程までのよねさんの温もりが残っていた。
そこに「よろしくお願いします。」
と声がした。
俺は扉の方をむく。 「あれ 平手?」
「あ。よろしくお願いします〜」
語尾に音符がついたような口調で平手は言った。
「平手もいるのか。」
「はい。なにか?」
「いや。」
誰かが東京駅から乗るとは書いてあったが名前までは確認していなかった。 「出発進行」
真っ直ぐ肘を伸ばして平手は言う。
東京駅を定刻通りに発車した。
新小岩駅を通り過ぎた後でふいに無線が入った。
「この先錦糸町駅で人身事故のため手前で停車。」
とのことだった。
「錦糸町でグモったからしばらく停車だ。」
錦糸町駅の手前で俺はレバーを後ろに倒す。
「どれくらい時間かかりますかね」
平手が尋ねる。
「さぁ、1時間か2時間か。どうかしたのか。」
「いや千葉駅から私、各停の銚子行の運転なんですけど、」 「これが遅れるなら向こうも...でもどうだろうな。担当がどうにかするとは思うが。いちおう連絡するか。」
俺は業務用の携帯を取り出し千葉運輸区の事務に連絡する。
「どうですか?」
電話が終わり平手が俺の顔をのぞき込む。
「銚子行は別の運転士がやるそうだ。で、お前は千葉駅で俺と交代して成田空港駅まで運転だ。」
「私がですか。でも本来は」
「お前の銚子行を代わりに
運転するのは本来この列車の
千葉から成田空港を運転するはず
だった運転士だ。
つまりその運転士と入れ替わりだ」
「そうなんですね。」
平手は唇を噛む。 「なんか、いままで各停ばかりだったので」
平手はつぶやく。
列車は尚も停車し続ける。
「まぁ、平手なら大丈夫だろ。」
「ほんで、本来俺は今日千葉駅交代で業務は終わりだが、お前と交代で補助に入る。」
「えっ、そーなんですか。」
平手は目を剥く。
その小動物感漂う顔に俺は思わず笑ってしまう。
「なんですかー」
「おっと運転再開だ。」
無線が入る。
列車は1時間遅れで錦糸町駅に到着し、そのまま1時間遅れで千葉駅に到着した。
「交代。頑張れよ。」
平手の肩を叩く。
「はい。」 帽子を脱ぐと平手は運転席に乗り込む。
「出発」
俺が言うと平手はそれを裏声で反復し、レバーを丁寧に前に倒した。
「遅れてるがスピードはあげすぎるな。んで焦るな。」
平手は涼しい顔で頷く。
どうやら本番に強い類らしい。 平手はこのまま終点の成田空港まで比較的涼しい顔で運転していた。
俺は先程までと顔つきと比べ驚いていた。
「なかなかよかった」
「ありがとうございます」
交代して地下ホームを歩きながら俺は言う。
「平手このあとは」
「このあとは成田空港からの各停に乗って千葉までです」
「そうか。ま、お疲れ様。」
平手はこのまま隣のホームの各停に交代で運転するのでここで別れた。
「お疲れ様です」
俺は平手の裏返った語尾を聞きながらエスカレーターのステップを踏んだ。 半角で700ちょっとのようですからこうやって全角で書くと350ってとこですかね
新スレのタイミングは千葉県先生にお任せでいいですかね?
まあ、一旦終わってもいいのかもしれませんが(笑) ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています