ウクライナ情勢は混沌を極めていますが、それにしてもなぜロシア・プーチン大統領はそのような暴挙に出たのか、そんな独裁的なプーチン大統領がロシア国内で支持されているのか、不思議に思う人も多いでしょう。

そもそもロシアの政治制度は、議院内閣制と元首として大統領を有する半大統領制。直接選挙によって選ばれた大統領が国家元首となり、大統領が首相を任命し、内政を行います。大統領は軍の最高司令官でもあり、政治や軍事、外交などで、強大な権力を発揮します。

圧倒的な国内支持をもとに反プーチン派を封じ込めるなど、政府の統制が強化されてきました。それでもプーチン大統領が支持を受けているのは、ロシア成立後の混乱によるところが大きいといわれています。

旧ソ連が崩壊し、ロシア連邦が誕生したのは1991年のこと。その後、急激な市場移行による混乱などで経済は低迷しました。1999年にプーチン政権が誕生してからは、大きな発展こそないものの、経済は比較的安定。このような経験から、ロシア国民は発展よりも安定を求めるようになったというわけです。

今回のロシアによるウクライナ侵攻も、「ウクライナがNATOに加盟したら、ロシアは平和でいられない、いまの安定を維持するにはウクライナのNATO加盟を力づくでも阻止するしかない」と、安定を求める世論が後押ししている面もあるようです。