アルナ:じゃ最後に…。今年の夏の甲子園も始まったけど、高校球児たちに応援の言葉を
お願いします。
 
鳥谷:僕の経験から言うと…。「甲子園には魔物が棲む」という言葉があるように、まさに
独特の雰囲気だった。だから普段の力が、チームとしても個人としても発揮できなかった
気がする。今となっては、阪神タイガースというチームで甲子園を本拠地に試合をしている
けど、高校野球のときとは何か違う感じ…。甲子園球児には、それぞれの都道府県の代
表としての誇りを胸に、その球場の雰囲気をじっくりと体感してほしい…それは一生の財産
になるから。1試合しかできないチームも何試合もできるチームもあるけど、この雰囲気を
味わえることは素晴らしい思い出になると思う。でも、それだけでなく、この経験が今後の
人生にも多いに役立ってくるから…。そして、予選で敗退して甲子園を逃したチームだって、
引け目を感じる必要はないんじゃないかな。高校の3年間を通して、野球に一生懸命打ち
込んできたなら尚更…胸を張って地元の代表チームを応援してほしい。ともに同じ目標を
目指して走ってきた仲間たちを。甲子園出場チームは一瞬一瞬を大切に戦ってほしいし、
応援する側は一瞬一瞬を大切に応援してほしいと思う。その気持ちが今後、甲子園そして
プロを目指す子どもたちへと必ず伝染していくから…。そして、皆の大好きな野球っていう
ものが発展するための大きな力になるはずだから。