俺の彼女に対する
叔父の狂おしいほどの恋心が明らかになったのは
それからしばらくしてのことだった
もちろん叔父は指先一本触れることなどできやしなかった
叔父にそんな度胸はありやしない
もともと奥手で極度に気の弱い叔父は恋愛において積極的に行動したことは皆無だった
おまけに叔父は年をとり過ぎていた
叔父はもともと醜くキモい顔をしていていた

そんな叔父に俺は、俺と彼女のハメ撮り動画を見せてあげた
叔父は息を呑むような真剣な表情で終始食い入るように動画を見入っていた
見終わった後に叔父が、
この動画をワシに譲ってもらえんだろうか、
と懇願してきたのが叔父の最期の言葉だった

その動画を観てから5年後に叔父は亡くなった